元さん
。勤勉な働きぶりも評価され、 定年後
も動物園で臨時職員として働くことになっていた。ある日、入園終了時刻が過ぎてから 幼い姉弟
がやってきた。入園時刻を過ぎていること、さらに 規則では
保護者と同伴でないと入園できないことになっているが、元さんは 事情を察して
二人を入園させてしまう。ところが、閉園時刻を過ぎても姉弟は 戻ってこない
。園内の職員総出で二人の捜索が始まった。幸いにして二人は 遊んでいる
ところを無事に発見され、事なきを得た。
数日後、姉弟の母親から謝罪と 非常に感謝している
旨の手紙が届く。一方、上司からは今回の件を受けて 懲戒処分(停職)
の文書を受け取る。元さんは 「 この年になって初めて考えさせられることばかりです。この二通の手紙のおかげですよ。また,新たな出発ができそうです。本当にお世話になりました
」と語り、退職した。
この教材からは「 遵法精神、公徳心
」という道徳的価値について考えさせたいわけです。
規則はなぜあるのか、規則があることによって何が守られているのかというあたりを掘り下げて考えたいのですね。
ところが生徒たちからは「 規則を破ったことは悪いけど、この子たちの状況を考えれば仕方がなかったのではないか、母親もものすごく感謝しているようだし・・・
」というような意見が出てくるのです。ちなみに あらすじ
には書きませんでしたが、この 姉
は、 何日も前から
この動物園を訪れては様子を見に来るという状況でしたし、この姉が弟を連れてきた日は 弟の誕生日
だったのです。さらにこの子たちの父親は病気で入院していて、母親が働かなくてはならず、母親に「 動物園に連れて行ってくれ」
とは、とてもとても言いづらい状況でした。
どうですか、皆さん。生徒たちから出る意見も「 もっともだ!
」と思いませんか。道徳的価値で言えば「やさしさ」「思いやり」「兄弟愛」「親孝行」などがありそうです。先生としてもこのような意見が出てくれば、心を動かされ 予定通り
には進まないこともありますよね。
さぁ、どうしましょうか・・・
続きは次回に!

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