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2002年08月19日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
信頼

課題の分離

 対人関係がよいものであるあるためには、「信頼」しないといけない。ここでいう信頼には二つの面がある。一つは、相手には課題を自分で解決する能力がある、と信じることである。この「課題」という言葉は、次のような意味である。

 あることの結末が最終的に誰にふりかかるか、あるいは、あることの最終的な責任を誰が引き受けなければならないかを考えた時、そのあることが誰の「課題」であるかがわかる。

 簡単な例でいうと、勉強する、しないは誰の課題かといえば、子どもの課題であって親の課題ではない。勉強しないことの責任は子ども自身が引き受けなければならないからである。

 対人関係のトラブルは人の課題にいわば土足で踏みこむ時に起こる。自分で考えがあって他の人とは違う人生を歩んでいる人に、必ずしも悪意ではないにしても、例えば、「結婚しないの?」とか「子どもはまだ?」というような言い方をすると、そんなふうにいわれた人は自分の課題に踏み込まれたと感じる。

 このようなトラブルを回避するために、今起こっている問題は一体誰の課題なのかをはっきりさせなければならない。

 そのようにして、あることが自分の課題ではなくて相手の課題であることが明らかになれば、相手には課題を自分で解決する能力がある、と信じ、原則としては介入してはいけない。そこで、親は当然のように子どもに「勉強しなさい」というが、そのようにいってはいけないし、いえないのである。朝子どもが起きないと親は子どもを起こしてしまうが、朝起きは子どもの課題なので親は起こすことはできない。それにもかかわらず、起こしてしまうのは、子どもたちは私が起こさなければ一人で起きられない、と考えているからである。子どもたちは自分のことが信頼されてない、と思うだろう。
 信頼するとは、子どもに限らず、相手は自分の課題を解決する能力がある、と信じることである。

君はできる~マイクル・クライトン

『ジュラシック・パーク』の著者、また『ER』の原作者として有名なマイクル・クライトンは、ハーバード大学の医学部に進学し医学博士の学位を取るが、医師になることを断念する。そのあたりの経緯については自伝小説『トラヴェルズ―旅、心の軌跡』(ハヤカワ文庫)に詳しい。

 在学中どころか九歳の時からクライトンは作家としての一歩を踏み出している。医学部在学中、父親は学費を払わなかった。そこで原稿料で学校に行くことを決意したことが、作家マイクル・クライトン誕生の決定打になっているのだが、それ以前もジャーナリストであり編集者である父親はクライトンに様々な刺激を与えている。



「《ニューヨーク・タイムズ》だって? でもぼくはまだ子どもだよ」
「そんなこと誰にもいう必要はないわ」
クライトンは父の顔を見た。
「レンジャー(管理人)事務所でありったけの資料をもらって、職員にインタビューするんだ」
と父はいった。

 そこで、家族の者を暑い日ざしの中で待たせておいて、何を質問しようか考え、職員にインタビューをした。

「まだ十三歳の息子にそれができると両親は考えているらしく、そのことにわたしは勇気づけられた」
とクライトンはいっている。

相手の言動にはよい意図があると信じること

カレーライス事件

 信頼するということのもう一つの意味は、相手の言動には必ず「よい意図」がある、と信じるということである。

 若い頃母を亡くし、しばらく父と二人で暮らしていたことがあった。いつか外食にも飽き、それまで一度も料理を自分で作ったことがなかった私は料理の本を見ながら料理作りに挑戦し始めた。ある日、カレー粉をいためてルーを作ることを思い立った。フライパンから離れず三時間かけてカレーを作った。やがて帰宅した父は、私が自信を持って作ったカレーを口にしていった。「もう作るなよ」と。私は、もうこんなまずい料理を作るなよという意味だと理解した。こんなことをいう父のためにはもう料理を作るまいとさえ思った。

 ところが、父の言葉は私が理解したような意味ではないということに十年くらい経ったある日気がついた。お前は学生で勉強しないといけないのだから、こんなに時間をかけて料理を「もう作るなよ」という意味だと父の言葉を理解し直したのである。それ以来明らかに私の父の見方は変わったように思う。関係そのものも変わった。



 父をめぐるこのエピソードを妹が私から聞いて父に伝えた。ところが父はまったく覚えていなかった。嫌な思いをした人、傷つけられたと思った人はその出来事をずっと覚えているのに、いった方は忘れているのである。

信頼と信用の違い

 相互に信頼していることがよい関係であるために必要なことだが、まず私が先に相手を信頼するのである。

 ここで「信頼」という言葉を使ったが、「信用」と区別して使っている。「信用」は、銀行が担保がないとお金を貸さないように、条件をつけて信じる、あるいは信じる根拠があるから信じることである。信用は根本的には不信の上になりたっているので、一度でも裏切られるとそこですべては終わりである。あなたのことを信じていたのに、といって憤慨する人はそもそも最初から相手を信じていなかった、といっていい。

 それに対して、「信頼」は、信じる根拠がない時ですらあえて信じることをいう。生徒が突然いい成績を取り始めたら普通は何か不正があったのではないか、と疑うだろう。しかし、そこをあえて信じることを信頼というが、先に引いたラテン語の先生はそんなことすら考えてはいなかっただろう。

 私の息子がある時、「千円ちょうだい」といったことがあった。「いいよ」と答えると驚いて「本当にいいの?」とたずねた。「うん」「でも、何に使うかって聞かないの?」「それを聞かれたら困ることだってあるでしょ?」「たしかにそうだ」



 あなたはそんなことをいうけれども、いつもこれまでちゃんとやったことがないではないか、というようなことはいってはいけない。そんな言葉はもう聞き飽きたといってはいけない。たしかにこれまでの実績から判断すると信用できないかもしれないが、その時点において、「する」と相手がいっているのであれば、その言葉を信頼したい。頭から信じないというのでは対人関係をよくすることはむずかしいだろう。たとえ裏切っても裏切っても信じてくれる人がいたら、そのような人を裏切り続けることはできない。

(この稿続くかもしれない)





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最終更新日  2002年08月19日 00時43分20秒
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