心の赴くままに

心の赴くままに

PR

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2009.06.23
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 物書きにとってお金の問題は避けて通ることのできない重大事です。

 ”売文生活”(2005年3月 筑摩書房刊 日垣 隆著)を読みました。

 原稿料と印税の真実を明らかにした作家論・日本文化論です。

 失業を機に投稿をはじめ、売文生活にはいった著者が、何人かの作家の原稿料がいくらなのかを明らかにしています。

 著者の原稿料はバラツキがありますが、400字詰め原稿用紙1枚あたり1万円前後だそうです。

 注文が途切れず毎日6枚、年間250日書きつづけたとして年収は1500万円になりますが、取材費などの経費は自分持ちなので、サラリーマンの年収にすると600万円相当であろう、といいます。


 本邦初のフリーエージェント宣言をなし遂げた文豪・夏目漱石、公務員初任給の100倍は稼いでいた檀一雄、底ぬけビンボー暮らしに明け暮れた作家・松下竜一など、明治の文士から平成のフリーライター、人気作家までで、その台所事情と、自由を求め苦闘する姿を描いています。

 明治以降文学者がたくさん登場しますが、原稿料だけで生活するのは難しかったようです。

 森鴎外は国から軍医としての報酬を得ていたので恵まれていましたが、他の作家は作品を作りながらも生活と闘う必要がありました。




 年俸・印税の取り分・原稿執筆の分量・他誌への原稿掲載などです。

 漱石が勝ち取った条件は、原稿料相場に照らし非常に恵まれたものでした。

 しかしその後は、物価が上がっても原稿料は上がらない傾向が続いていて、作家の生活は苦しくなっている、といいます。

序章 私的売文生活入門
第1章 原稿料とは何か
第2章 幸せな黄金時代
第3章 標準としての夏目漱石
第4章 トップランナーたちの憂鬱
第5章 貧乏自慢もほどほどに
第6章 現代日本の原稿料事情
終章 お金も自由も








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.06.23 19:12:43
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: