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やだ。なんだか淋しい女みたいなこと言っちゃったじゃないのっ、
もうっ。 (?なにアピール?)いいえなにも。
―真矛・告白― (15)
山本が走っていく後姿を見ながら、新しい靴だと思った。
昨日、下駄箱の前から逃げ帰っていった彼の姿が重なり、
またあの声が聞こえたような気がした。
《--だが、必要な人間だ--》
もし本当に、リカさんが言ったように、
私が実夏と彩葉の力を引き出したのなら、
それが私の特別な力だというのなら、
《必要な人間》であるはずの山本もまた、何かの力を持っているのだろうか。
魔法――
裏庭でみんなが竹箒にまたがる様子や、
理科室の実験のときのことが思い出された。
のどがからからなのに気が付き、
急に氷の浮かんだレモネードが飲みたくなった。
帰り道を急ぎながら、もう何も考えたくなくて、
いつもリカさんが鼻歌で歌っているメロディーを口ずさんだ。
流れるような高い声で、ママが良く歌ってくれたものだ。
それは古い時代の子守唄だとママは言っていたが、
どこかよその国の曲なのだろうか、ほかでは聞いたことがなかった。
家の門にはいると小鳥のさえずりがにぎやかで、
私は玄関を通り過ぎてすぐ横の森に向かった。
実夏が小鳥たちと遊んでいた。
彼女の魔法は、呼び寄せた相手と言葉が交わせるもので、
ちょうど手の平に乗せたインコに、
小鳥ソックリの声で話しかけているところだったので、
邪魔をしないように
そっと足音を忍ばせて玄関に戻った。
リカさんが用意していたのは、私が飲みたかったレモネード。
なぜリカさんはいつも、私の気持ちがこんなに分るのだろう。
レモンとオレンジの混ざり合ったグラスを傾けながら、
私は彩葉と山本のことを話しはじめた。
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