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いつしか校庭の樹木は黄昏色に染まり、枯れ葉の舞う季節になっていた。奈津子と秋彦は、相変わらず会話のない交際が続いている。スポーツシーズンになると、秋彦の所属するブラスバンド部は、今日は野球部、明日は陸上部にと応援に駆り出され、俄然忙しく飛び回る毎日である。奈津子もまた、二ヵ月後に迫った発表会に向けコーラス部の練習に励んでいた。そうした中に、学校にとっては一大イベントになる、体育祭が行われた。奈津子はクラスメートと共にクラスの定位置にいた。秋彦は学生服に白いトレーニングパンツ姿で、本部席の横に部員と共に着席した。午前九時の時報と同時に、秋彦たち四人が吹く、トランペットのファンファーレで演奏が始まり、澄み渡った秋空には数発の花火の雲ができ、一年生から順に入場行進が始まった。自分のクラスの行進が秋彦の前を通りかかった。彼は演奏しながら奈津子の姿を追い求めたが、見つけられなかった。その時、奈津子はクラスの中程を歩いていた。そして午後のプログラムのトップは、秋彦たちブラスバンド部員よる演技が行われた。奈津子は、秋彦が吹く金色のトランペットの音色を心に刻んだ。 私のおススメ紹介コーナー今年も今日(後十三時間余り)で終わりますネ。私もそろそろパソコンの前から離れて部屋の掃除でもしなくてはと思うので・・・・。と言うことで、私のつたないブログに訪れてくれた。彼方が来年もモット幸せになる様にこんな物を紹介します。二匹のネズミが金の俵を持ち上げて招福をお願いしてくれています♪【錦彩招福子】(福俵もち)子年生まれの方の守り本尊です。彩色仏像仏像・千手観音像【彩色】(小)厨子入
2007年12月31日
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昌あんちゃん。島しゃんに仕事で、おじゃれやろか?」「それもあるどうじゃ。ちと親父に相談があろんて」昌義は、汗を拭いながら先に家の中に入っていった。滝子は、戸口から中に向い、大きな声で言った。「昌あんちゃんが、けーろごん!」その声で弟妹達が、口々に昌義の名前を呼びながら飛び出して来た。昌義は、はた織り機に糸を張っていた、母たか江に会釈すると「おまえ、あだんしたと?」「おい。三日ほど、行商に来たとうじゃ」船は三日に一度ほどの就航であった。くつろいでいた父親の松太郎と次兄の孝男に向かい昌義は、ニコニコしながら、「いま、けーろじゃ。島しゃんは暑つきゃーの」「あんど、今日はさ、それほどじゃなけんなか、兄貴はクニさの暑さに慣れとうじゃ」「おまえ、仕事の方はよっけじゃの?」「おい、今は花見煎餅が売れて忙しとうじゃ」 私の八丈島おススメ紹介コーナー今回ご紹介するのは、島では『ロベ』と呼び、親しまれ栽培されている南国観葉植物の代表とも言える『フェニックス・ロベレ二ー』です。成長が遅く植林から使用出来るまでには、約十年かかると言われています。ヤシといえばやっぱりこれでしょフェニックス・ロベレニー10号鉢(大鉢)・約190cm株立ち フェニックス・ロベリニー
2007年12月30日
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私はゲレンデに出るとリフトに向かい滑り始め暫く行くと、前方より長い髪をなびかせ白い雪煙を上げて、颯爽と彼女が滑り降りてきた。彼女は私を見つけると、手を上げながら私の所へ来た。そして開口一番「遅いんだから!アタシはもう六回も滑って来たんだよ」「そう怒るなよ。これでも急いで来たんだぜ」「本当かな?信用出来ないな~」と言いながらも、彼女の眼は微笑を含んでいた。そして私の腕を掴み引っ張りながら「行こう・・・・。」と言って滑り始めた。そして何度がリフトとゲレンデを往復し、宿に戻った。夕飯を済ませると、階下に在るスナックパブへ出かけた。パブには6、7人の客が来ていた。彼女と並んでカウンターに腰掛けると、バーテンがお絞りを差し出しながら、「お飲み物は?何かお好きなものは?・・・・。」「それじゃあ、相談してからオーダーします」と答えるとバーテンは頷き、その場を離れた。私は彼女に向かい「何がいい・・・・?」「そうネ~・・・。何でもいいから決めて」「いいのかい。」と言うと、彼女は笑顔でコクリ頷いた。「それじゃあ、オレはマティーニーにするよ」「じゃあ、アタシもそれにする」「強いよ。大丈夫、本当にいいの?」「大丈夫よ、こう見えても、アタシは強いんだから・・・・。」と彼女は胸を張ったので、私は苦笑しつつバーテンを呼びオーダーした。窓の外を見ると大きなツツラが目に入った。私は此処で或る事を思いついた。そしてウィスキーのオンザロックをオーダーし、バーテンに窓を指して言った。「悪いけど、あのツツラで作ってくれないか?」バーテンは笑顔で頷き、窓を開け手ごろなツツラを折ると作り、私の許へ持ってきたので横に座っている彼女の方に出すよう手で合図した。彼女は少しビックリした様だが直ぐに私に微笑みながら親指を立てた。チョッとカッコつけ過ぎかなと思う今日この頃である。 私のおススメ&紹介コーナー今日から年明けまで、色々とお酒を飲む機会が増えると思いますが、『飲んだら乗るな!』の精神でお互いに気お付けましょう。さて今回ご紹介するのは、先日金沢の友人が送ってくれたお酒です。一口飲んだとたん口の中一杯に広がるコクと甘さに惚れました。ぜひあなたもお奨めします。15年間の間熟成能登千年 麦焼酎
2007年12月23日
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夏休みも近づいたある日。京都・奈良へと修学旅行に出かけた。横浜から夜行列車で十時間位の長旅である。京都の旅館に入り、一番広い秋彦たちの部屋でホームルームが開かれることになっり、秋彦は柱に寄りかかりながら座り始まるのを待っていた。そこへ、奈津子がひとりやって来た。秋彦は、彼女に目で『疲れたか?』と言うと、奈津子もまた目で『うん。』と頷き答えた。そして、秋彦を見つめながら傍に腰を下ろした。他の女子はまだ誰も来てはいない。秋彦の傍に寄り添うように座る奈津子の存在が、他の男子には奇異に映り、興味ありげだ。しかし誰も声を発しない。奈津子と秋彦は、時折、互いに顔を見合わせては笑顔で頷きあった。そうこうしている間に部屋はクラスメートで一杯になり、いつしか奈津子と秋彦の肩と肩が触れ合っていた。ホームルームが始まり、担任教師の話すことなど秋彦にとってはどうでもよく、上の空で聞いていた。今はただ、奈津子と居ることが重大な出来事なのである。二人だけならば、そおっと奈津子の肩を抱いてみたい衝動を必死で抑えていた。そして明くる日から、宇治平等院・奈良東大寺・奈良公園など、京都・奈良の名所旧跡を巡る旅が始まったのだが、奈津子と秋彦は、同じ班ではないため、行動は別々に取らねばならなかった。秋彦は、何を見ても詰まらなく、班のメンバーが話しかけてもただ頷くばかりである。奈津子と合う所と言えば、唯一記念写真を撮る時と、移動するバスの中だけであった。嵐山の下を静かに流れる桂川、その川に一筋に伸び、木の香りが漂う橋がある。また、各々の時代の人々を見、何百年かの時を経て今日もなお見続けている橋、渡月橋。秋彦は、その橋を嵐山の方から渡り中程に来たところで橋向こうから渡ってきた奈津子たちと出会った。双方の班のメンバーは、それぞれに声を掛け合っている。奈津子は嬉しそうに秋彦に白い歯を見せニッコリと頷いた。秋彦もまた笑顔で頷き返した。奈津子は、別れぎわに胸元で小さく手を振ると、班のメンバーと歩き始めた。秋彦も歩き出し、暫く行き振り返ると奈津子もまた振り返って見ていた。そして今度は大きく手を振った。三泊四日の修学旅行も終わり、夕暮れの中に五重塔の影が浮かぶ、京都の町を後にした。
2007年12月23日
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滝子が、東京に出ようと思う様になったのは、七月も終わろうとしていた二十八日朝、二つになったばかりの末妹悦子をおぶり家の前の通りを掃いていた時、樫立地区の方から、一人大きな荷物を背負い、手には唐草模様の風呂敷包を下げ、真っ赤な顔をして汗をふきふきやって来る青年がいた。滝子は、目を凝らして見ると東京・新橋にある『やまだや』と言う、煎餅屋に十七歳から働きに行っていた長兄の昌義が、ひょっこりと顔を見せたのだ。彼女は思わず持っていたホウキを放り出すと、走り出した。そして昌義の下げた風呂敷包を奪う様に受け取った。 私の八丈島おススメ紹介コーナー八丈島と言えば、特産物の一番に上げられる物は『クサヤ』と言って過言ではないと思います。無論、八丈島以外に伊豆諸島の島々でも作られております。焼く時に独特のニオイを出すため、敬遠する人も有りますが、食べ慣れれば、結構美味しいですよ。私の食べ方としては、アルミホイルで包み、魚焼器で焙る程度に焼くと、煙もニオイも出ずに済みます。後は、身をほぐし、マヨネーズにお醤油を垂らして食卓へ出すだけです。私は、トビウオのクサヤが好きですが、最近ではムロアジ・キンメダイ・シイラと言った魚でも作られています。また、お酒ずきの彼方に贈る島酒といえば、芋焼酎です。ぜひ、お好きな魚のクサヤと共にお試しあれ!焼きたてくさやのセット八丈興発[東京都八丈島]本格芋・麦ブレンド焼酎【本日のこれだけは!】八丈島 鬼ころし陶器入...
2007年12月22日
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彼女にまたもや押し切られ、リクエストである長野の白樺湖へ、二泊三日の予定で、スキーに出かけた。なぜ白樺湖が好いのかと彼女に問うと、彼女曰く「スキーとスケートが同時に出来るから」と、スポーツウーマンらしい彼女の明瞭な答えである。私は、スキーやスケートよりも、湖でワカサギ釣りの方が魅力があるが・・・・・。ともかく此処まで来た以上、彼女と行動を共にするしかない。泊まったこの宿は以前、友人と二人と来た所で、宿の前がゲレンデとなり、リフトも程近くあるし、むろん湖にも近いので彼女も直ぐに気に入ってくれた。それよりまして彼女を喜ばしたのが、宿の女将よりリフトの無料パスをプレゼントされた事である。彼女はすばやく着替えると、私へは後から来るように言いすてて、直ぐにゲレンデに飛び出していった。私はまだ、お茶すら飲んでいないと言う今日この頃。 私のおススメ&紹介コーナー長野と言えば、信州そば・野沢菜ですネ。姉の嫁ぎ先が伊那地方なので、出かけては美味しい信州そばや野沢菜漬け・五平餅などを食べてきます。やはり美味しいものは、現地で食する方が一番だと思いますが、あなたはどうですか?【送料無料】信州そばと野沢菜漬セット信州名産「五平餅」5個セット
2007年12月22日
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あくる日、何時間目かの授業が終わり、秋彦がトイレから戻ってみると、奈津子が秋彦の席に来て、後ろの席にいる美和子と話をしているではないか。彼はてっきり嫌われたと信じていた彼女が、自分の席に居るとは思いもよらなかった。秋彦は、内心飛び上がって喜びたい心境に駆られた。がしかし、照れを隠すため彼の口から出た言葉は「なんだぁよ! おまえ!」「え。なぁに、あたし?」「そうだよ。 邪魔だ!」「・・・・・・・・・。」「あっちえへ行け!」と、秋彦が言うと、奈津子は寂しそうにその場を去っていった。それを見た美和子が「秋彦君。何であんな言い方するの?」「何がだよ。」「奈津子によ。奈津子が可哀想じゃない」「おまえには、関係ネーよ。いいじゃネーか」「良くないよ。」「うるせーな。何でもいいだろ」と、秋彦は美和子に背を向けた。しかし一方の奈津子は、初めて秋彦と喧嘩をしたと思い、嬉しいような悲しいような複雑な気がしていた。その日から二人は、言葉のやり取りは無いけれど、二人だけには判る、目と目の会話の交際が始まった。 『私のおススメ紹介コーナー』さて、今回も大変ご好評を頂いております。『ふくや』の明太子シリーズをご紹介致します。復刻限定セット博多紅トロふくやの明太せんべいオリジナルセット「禄」(ろく)
2007年12月19日
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三日目は、餅つきなどをし、新年を迎える準備をした。島の餅には『カンモチ』と言う餅がある。カンモチとは、薩摩芋『別名唐芋(丸い形した物)』を輪切りにして茹で、天日干しした芋と餅米を合わせ、ついた餅のこと。ちなみに『カンモ』とは薩摩芋の島での呼び名である。またトビウオのクサヤ、島寿司(トビウオを砂糖醤油へ漬け込み練辛しを付け、握った寿司)などがある。トビウオのクサヤだけでなくトビウオの塩漬けなどもある。今日では、島から宅配もしてくれる。その他にも観葉植物や球根類が、たくさん栽培されている。代表的なものとして『ロベ』と呼ばれているロベフェニックス、町の花となっているストレチアやフリージャー、アシタバ、アロエなどがそうである。八丈島は、園芸植物の宝庫といわれるほどだ。大晦日の晩、八丈富士に登り正面に見える三原山(標高701m、伊豆大島のではない!)から昇る御来光を私は身体全体で受け止めた。これは八丈島出身の、ある女性の物語である。 私の八丈島おススメ紹介コーナー今回は、島寿司を紹介します。トビウオを三枚卸し、刺身大に切る。砂糖醤油に一晩漬け込む。握ったすし飯の上に洋ガラシ(練りガラシ)を付け刺身を合せ握る。空港内レストラン「あかこっこ」の島寿司(予約できます)
2007年12月18日
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その日、私はキス釣りに出かけた。餌はアカイソメを途中にある釣り道具屋で購入し、いつもの浜辺へやって来た。人影はまだチラホラとまばらであり、定位置に陣取ることが出来た。これは幸先が良いと一人喜び、釣りの準備しオモリを海に沈めた。竿を寝かせながら、ゆっくりとリールを巻き上げ始めて、四・五分たった時、コツンコツンと竿に当たりを感じた。竿を立てリールを早めに巻き上げ始めると確かな当たりが竿を通して伝わってくる。やがてオモリが姿を現し、しばらくするとキスとは違う魚の姿が現れた。『なんじゃこりゃ』と思いながら針を外し、また餌を付け海へ竿を入れた。そこに、釣り仲間になったばかりのM氏が来た。早速先ほど釣り上げた魚を見せると「コレは、グチだよ。」と教えてくれた。グチとは俗称で正式名は「イシモチ」と言い、頭の位置に「石」では無く「カルシューム」の塊があり、そう呼ばれている。ではなぜ「グチ」と呼ばれているかと言えば、釣り上げた時、「グー・グー」と泣き、愚痴をこぼすからと言われている。 私のおススメコーナー【第25弾】メヒカリ丸干し駿河湾特急【980円セール】秋刀魚昆布締め 刺し身用 3枚セット
2007年12月18日
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今日は、彼女とデートをしたチョッと子供みたいだが、彼女のリクエストで浦安までいった。私は、余りにも人の多さに少々うんざりしながらも、彼女と二人で居ると言う事実が、私にとって救いになったようだ。それにしても、平日だと言うのに、どこからコレだけの人々が集まってくるのか、私たちも含めてだが感心してしまう。横で彼女は私には、お構いなしでハシャギまくっている。あのスポーツ万能の姿は見当たらない。だが、今日の彼女は、ちょっぴりセクシーなスタイルでいる。ベージュ系のミニスカートと淡いピンクのシャツで極めて来た。嬉しい今日この頃である。 私のおススメコーナー 特にこだわり派のあなたへ贈る一品!こだわりの牡蠣工房 ふくえい能登千年 720ml
2007年12月18日
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次の日は、朝から従兄と共に中之郷に在る祖母の実家に向かった。途中に大坂(おおざか)トンネルと言うのがあって、それが島一番の難所である。大坂を境に中之郷・樫立・末吉地区を坂上(さかうえ)、三根・大賀郷地区を坂下(さかした)と呼び、大坂が唯一坂上と坂下を結ぶ道だった現在は道路も整備され、島内を一周する定期観光バスも出ているまた、大坂からは八丈小島(昭和44年6月まで鳥打・宇津木と言う二つの集落があった。現在は無人である)が望むことができ、観光絵はがきにもなっている。昔から大坂越し(おおざかごし)は、上がるも下がるも急坂な上、その土質から崩壊たやすく牛による運搬さえもままならず険阻な道で、島の発展には一大障害になっていた。大坂トンネルには、こんな唄も残されている。 『 あのな大坂が われままならば 鍬でならして 金梃いれて ひとつ在所にしてみたい 』 (古いショメ節)
2007年12月15日
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目と目との会話が続いたある日、秋彦は奈津子へ手紙なら口では伝えられないことも伝えられると思い、ラブレターを書き始めた。数日かかって書き上げると秋彦は、『もし、彼女が三日以内に返事をくれなければ、きっぱりと諦めよう』と、自分に言い聞かせ、祈るようにポストへ入れた。二日ほど過ぎた。秋彦はいつものように講堂でのブラスバンドの練習を終え、隣のクラスにいるリーダーでトロンボーンを吹く、晴男と共に教室へ戻ってきた。秋彦は、「じゃあ、さいなら」と晴男に言いながら教室の戸を開けた。いつもなら、もう誰もいないはずの教室の隅に、奈津子の友人達であるクラスメートが集まり話をしていた。秋彦は、もしやと思い奈津子を視線で探したが、彼女の姿は見えなかった。彼は少しがっかりしながら自分の机に向かうと、カバンに教材を詰め帰り支度を終えると、彼女たちに「さいなら」と、声をかけて教室を後にした。秋彦は、歩きながら『やっばり、駄目かぁ・・・。どうやら彼女、俺のことは眼中に無いみたいだなぁ・・・。』と一人呟いた。そして自分を励ますように『よし!。きっぱりと諦めよう』と、もう一度大きく呟いた。だが、奈津子達が自分の家までついて来ているとは、露にも知らずにいたのである。 私のおススメコーナーいわし明太博多焼ししゃも
2007年12月15日
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その日私は、まだ夜が開けきらぬ四時半ごろから浜辺にて、遠投し釣り糸を垂れていた。狙う獲物は、黒鯛と決めているが、何度か餌取りに餌を取られ、中々成果が上がらない。先ほどまで、夜空に青白く輝いていた星たちも段々と少なくなった。半ば諦めかけては、餌を付け替えながら今度取られたら、竿を仕舞うか思いを巡らせた。携帯ラジオから午前七時の時報が流れ、もうそんな時刻なるのかと思い、そろそろ帰り支度でも始めるかと、座っていたクーラーボックスより立ち上がろうとしたその時、突然竿が大きくしなり、激しく揺れた。何か大きな獲物が掛かった事だけは判った。急ぎ竿を立てて懸命にリールを巻き上げた。がしかし、中々オモリは上がってこない。段々と手はシビレてくるわで、約十五分悪戦苦闘の果て、ようやく浜辺にその獲物を上げた。待ちに待った黒鯛である。約五十二・三cm、二kg半位の大物であった。家に帰り、早速魚拓を取り、近所で知り合いの魚屋にて捌いてもらい、その日の食卓へ上った。 おススメコーナー明太子と言えば福岡。製造元は沢山ありますが、十数年前、福岡の友人が『ふくや』を紹介してくれました。一度食して以来すっかり『ふくや』の虜になり、親戚や知人に送ると、大変喜ばれました。最近では催促の電話が来る始末です。あなたもぜひ、どうぞ召し上がれ!家庭用明太子600g中辛(マイルド)《送料無料》味の明太子「復刻」240g味の明太子ふくや
2007年12月15日
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今日の彼女は、朝からどうしたのか、いつものお下げ髪でなく、束ねもせず無造作にしていた。はつらつとした動作はなく、何処と無く寂しそうに見えた。一体何があったというのか?私は気になり声をかけると。彼女は「クスリ」と笑って、大丈夫、何でもないとばかりに首を左右に振った。がしかし、どう見てもやはり変んである。この場は一先ずコレまでと思い引き下がる事にした。午後になり、凝りもせず、彼女に再アタックすると、半ばあきれた様に答えてくれた。「馬鹿ねー。今日は、母さんが寝坊して、髪を梳かす暇がなかっただけよ!」と彼女は言って、口をへの字にした。何事も無く安心したような今日この頃である。 私のおススメコーナーナチュラルローソンXクリスタルボール コラボ限定タンブラーイキナスマイル
2007年12月11日
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私達は神湊港からタクシーに乗り、三根に在る家まで向かった。十二月だと言うのに春を想わせる陽気には、さすがは南国だと感じた。特有の強い風が吹く為か、町並みは皆石垣とハイビスカスや椿などの防風林で囲まれている。親戚の家の防風林は椿の木で囲われており、ちょうど寒椿の紅い花が咲いていた。三根地区の土地は、八丈富士(標高八五四m伊豆諸島一の高さ)の噴火による、ザラザラとした赤い火山灰が多く、その他の地区は普通の赤土である。船を降りたと言うのに、身体全体がまだ揺れていた。船酔いと言うものがこれ程ひどいとは思わなかった。おかげで、その日一日はボーとして過ごすより他になかった。 私の八丈島おススメ紹介コーナー今回は健康野菜?植物としても超人気がある『アロエ』です。八丈島での『アロエ・べラ』は至る所に群生しており、観光スポットにもなっている場所もあります。お出かけの際は、ぜひご鑑賞して見て下さい。人気のアロエ ベラ
2007年12月11日
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数ヶ月前、進級と同時にクラス替えが行われ、秋彦は初めて三年二組の教室に入った。クラスメートの中に何人かの見知った顔を見つけ話が弾んでいた。そんな中、目の隅に視線を感じた秋彦は、目をやると、そこにはまるでセピア色に染まった背景の中に、ポッカリと浮かぶ一人の少女の姿があった。奈津子である。初対面であった二人だか、奈津子と秋彦の視線はいつしか互いに絡み合うと、周りのざわめきもさえも聞こえない、音のない世界に居るような感覚だけが二人を支配していた。その日以来、奈津子と秋彦は、互いに言葉を交わしたいと思っているのだが顔を合わせると、自然に目と目の会話だけになっていた。数日後、奈津子はコーラス部に、秋彦は一年から在籍しているブラスバンド部へそれぞれ入部した。 私のおススメコーナー ケフラン
2007年12月11日
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その日、私が釣りを終え、海から上流へと続く、川沿いの土手を自転車に乗り走らせているとひときは大きな歓声が上がった。土手の下を見ると、どうやら町内会の野球大会をしている様だ。よく目を凝らしてみると、見覚えのある女(ひと)が入るではないか。彼女がバッターボックスに立っている。今まさに打たんとしてバットを構えていた。思わず自転車を止め、食い入るように見つめたその時、「カーン」と乾いた音が響き渡りボールは大きく弧を描きレフト方向へ飛んだ。彼女の足の速さは折り紙つきだ。「アッ。」と言う前にファストベースを駆け抜けた。相変ず彼女はカッコイイと思う今日この頃である。
2007年12月08日
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島は、三根、大賀郷、中之郷、樫立、末吉の五地区。今では余り使われいないようであるが、私が上陸したのは三根の神湊港であった。現在では三根に底土港が作られ、東海汽船の大型船『すとれちあ丸(三七〇八t)』などが直接接岸出来る様になり、シーズンでは船が到着すると、娘さんたちが島の特産品である『黄八丈』を着て出迎えてくれたり、名物八丈太鼓を打ち鳴らして歓迎をしてくれる。話はもどるが、私が港に上がるまで、またこれが大変である。今のように直接接岸出来ないので、『ハシケ』と言うものがあったハシケとは小さな漁船が引いてくる、タグボートのことである。そのハシケが、沖合いに停泊している我々の乗った椿丸までやってくる。それに乗り移るのであるが、乗り移ると言うより船から飛び移ると言ったほうが的を得ているようだ。と言うのも船とハシケの間は1メートル位開いている。波のうねりを利用して『せーの』で飛ぶ。まさに命がけである。一歩まちがえれば海の中なのだから。そんなわけでどうにかこうにか、私達は無事八丈の島に上陸をはたした。 私の八丈島おススメ紹介コーナー私が初めて口にした八丈の食べ物としては、ブリキ缶に入っていた「牛乳煎餅」であった。島へ行った帰り、空港などの土産物の売店を覗いて見るが、最近は余り見掛なくなっている機会があれば是非紹介したい一品です。さて、今回紹介するのは、『明日葉』今日植えても明日には食べられる位に成長すると言われ、其処からこの名が付いたとも言われる、島ではよく『天ぷら』にし、食卓へ上がる。チョッとほろ苦く健康野菜の代表的な野菜。『明日葉』明日葉-1束八丈島産 アシタバ100(粒))【マクロビオティック・オーサワジャパン】あしたば明日葉100グラムスマイル通販オンラインショッピングモール健康野菜「明日葉」と京の生八ツ橋がドッキング!【明日葉入りおぼこ】御殿八ッ橋本舗
2007年12月08日
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奈津子たちが、秋彦に追いついたのは、彼が丁度正門を出て駅に向かい歩き始めるときだった。彼女たちも、彼に距離を置きつつゆっくりと歩き始めた。それから電車に乗り降りしても、彼に接触する機会も得ないまま、とうとう彼の家まできてしまった。奈津子は、皆にすがるような眼差しをし、ため息混じりに言った。「困ったわ、どうしよう?」「しょうがないよ。こうなったら彼が出てくるまで待つさ」智子がぶっきらぼうに言うと、弥生は「なに、ノンキなことを言ってるのよ。」「じゃあ、あんたはどうすればいいと思うのよ?」「それは・・・・。」弥生が、智子に突っ込まれて言葉に詰まると、横から悦子が言った。「誰かが行って、彼を家から呼び出したらどう?」弥生は、渡りに舟とばかりに手を打ち「それだ!それがイイヨ。ネ。そうしようよ」「で、誰が行くのよ?」智子が言うと悦子は「決まってるじゃん。ここは本人の奈津子だよ」奈津子は、驚いて皆の顔を見渡し「え!あたし。あたしが行くのぅ・・・・。」弥生を初め彼女たちは、一斉に頷いた。「ここまで来てやったんだから当然でしょ」「そんなぁのって、ないよ。」弥生は、叱るように「奈津子。じゃあ聞くけど、あんたじゃなくて誰が行けばいいの?」「それは、そのぅ・・・。」「でしょ。これは、あんたの問題なんだから、奈津子自身が決めることなの」「・・・・・・・。」「そうよ奈津子。弥生の言うとうりよ。ここは覚悟を決めて行ってきなよ。皆んもついているんだかさ」「でも・・・・・・。」奈津子は、どうして好いか、わからず本当に困ってしまった。悦子は、そんな彼女の動揺が可哀想になり「しょうがない。もうチョット待ってみようよ」「・・・・・・・・・。」結局、秋彦は家から出てくる気配はなかった。仕方なく奈津子たちは、諦めてその場を立ち去った。 私のおススメ紹介コーナーWiiFit発売記念!!ウィーフィットに更に人気Wiiソフトが3本★4本まとめてお買い得「選べるWii Fi...あえもの2ヶ入りセット
2007年12月08日
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彼女は、髪を腰より下、つまりお尻辺りまで伸ばし、それを左右分け三つ網して下げていた。顔は、色白で、丸顔をしている。身体つきは、細くキャシャな感じを受けた。がしかし、みごとに裏切られた。なんと、彼女の特技は、陸上種目の100m走。また水に入ればこれまた、100m背泳ぎの競泳が得意で、スポーツ万能ときている。そんな彼女の、普段着はスラックスかジーンズを履き、滅多にスカート姿を見たことがないスタイルは抜群に良いのに・・・・・。と思う今日この頃である。【Wii】ファミリースキー2008年1月31日発売予定 予約フラボノールM
2007年12月05日
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私が初めて島に訪れたのは、19××年12月中学三年の冬休み。今は亡き従兄章太郎に連れられて、竹芝桟橋から東海汽船の椿丸(1016t)と言う名の船に午後六時に乗船した。暫らくするとドラが鳴り、蛍の光が流れデッキに出ると七色のテープにそれぞれの思いをつないだ、見送る人見送られる人々の歓声があった。乗船して六時間余りは東京の夜景を見ながら快適な船旅を過した。船室は、真ん中に通路を挟んで畳が十五枚から二十枚程敷いてあった従兄は船内で借りた毛布をかぶり、気持ち良さそうに寝てしまった。私は、初めて島に行く想いと、同時に旅への興奮からか、なかなか寝つかれなかった。そうこうしているうち、船は揺れだした。上下左右にと、十二月と言う時節がら島の漁師さえ船酔いすると言われる黒潮。仰向けに寝ていると自分の足は見えるは、身体は移動するはで、私は寝るどころではない。枕元に置いた荷物は転がってくるし、吐き気もするし、かといってトイレに行こうとすれば、まともに歩けない。危うくデッキから、落ちそうになったりで、それはもう大変。しかしそれでも、何時しかトロトロとまどろんでいた。 何時過ったのか、『島が見える!』との声で目が覚めた。船室の丸い小さな窓から外を見ると、波しぶきの間の間に、山水画を想わせる八丈の島影が映った。腕時計を見ると午前七時を指している。いよいよ島に上陸するんだと思うと胸の高まりを覚えた。私の到着を島民に告げるかの様に船が汽笛をあげた。 私のおススメ紹介コーナー八丈島と言えば、特産物の一番に上げられる物は『クサヤ』と言って過言ではないと思います。無論、八丈島以外に伊豆諸島の島々でも作られております。焼く時に独特のニオイを出すため、敬遠する人も有りますが、食べ慣れれば、結構美味しいですよ。私の食べ方としては、アルミホイルで包み、魚焼器で焙る程度に焼くと、煙もニオイも出ずに済みます。後は、身をほぐし、マヨネーズにお醤油を垂らして食卓へ出すだけです。私は、トビウオのクサヤが好きですが、最近ではムロアジ・キンメダイ・シイラと言った魚でも作られています。あなたもぜひ、お好きな魚のクサヤを召し上がれ!焼きたてくさやのセット新製品!炭焼飛魚くさや
2007年12月05日
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