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続きです。 ところで、行政行為の附款も、めったやたらと付けることができるというわけではなく、いろいろな制約があります。 その点について、前に挙げた田中二郎著「新版行政法」によると、附款を付しうる行為は、法律行為的行政行為に限られる、とあります。 つまり、行政行為の効果の内容が、法律で定められていて、行政庁の意思が介在する余地の無いような準法律行為的行政行為はダメよ、ということらしい。 今考えている産業廃棄物処理業許可は、その名の通り、「一般的な禁止を特定の場合に解除し、適法に一定の行為をすることをえしめる行為」、という教科書にいう「許可」に当たるので、その点では、問題なさそうです。 さらに、「新版行政法」によると、「附款を付しうるのは、そのことを法令自体が認めている(これが通例である)、又は、一定の行為をするかどうか、どういう場合にどういう行為をするかについて法令が行政庁の自由裁量を認めている場合に限る」、とあります。 この点に関しては、廃棄物処理法14条11項に、「第1項又は第6項の許可には生活環境の保全上必要な条件を付することができる」とあって、さらに、産業廃棄物処分業の事業の変更に係る14条の2第2項で準用されているので、「生活環境の保全上必要な条件」と言えるものであれば、附款を付することができます。 さらに、もうひとつ、先ほどの教科書によると、「附款を付しうるのは、その行政行為の目的に照らし必要な限度に止まらなくてはならぬ。」、とありますが、これは、まあ、営業の自由といえども、基本的人権ですから、当然でしょう。 しかし、今考えているケースでは、焼却に関する許可業者でありながら、外部から直接産業廃棄物を受け入れて焼却できない、という今までにない、産業廃棄物処分業者をつくるということになるので、廃棄物処理法全体の法体系を乱すことにならないか、心配になります。 ということで、比較のために、他の法律を見てみます。 貨物自動車運送事業法に一般貨物運送事業許可というのがあります。 全国どこでも、道路さえあれば、ふつうにみかける、青(といっても、ほとんど黒ですが)ナンバーのトラックの運送屋さんが持っている許可です。 人間を運ぶのは別の許可ですが、人間も死んでしまえば貨物で、葬儀屋さんの霊柩車も同じ青ナンバーをつけています。 つまり、葬儀屋さんの持っている許可は、運送屋さんの許可と同一のもので、法律上は許可要件も含め、まったく、同じなのですが、地方運輸局長の運用で、多少許可要件を緩和して、その代わり、「霊柩に限る」というような附款をつけています。 当然、生きた人間は当然ですが、死体と柩以外の貨物も乗せることができません。 反対に、附款の付いていない、普通の運送屋さんは、引き受けてくれるかどうかはともかくとして、霊柩を運ぶことも可能です。 貨物運送自動車運送事業法の59条は、次のようになっています。「(許可等の条件) 第59条 この法律に規定する許可又は認可には、条件又は期限を付し、及びこれを変更することができる。 2 前項の条件又は期限は、許可又は認可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可又は認可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。 」 これは、また、大雑把な規定で、要するに、教科書に書いてある程度の制約があるくらいで、附款で、相当のことはできる、ということのようです。 というようなことで、案外、上のような心配は要らないような気がします。 この点、以前の考えを、改めました。
2010年01月31日
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続きです。 前回に書いた事例で、焼却に関する営業の許可を取っていた場合と、取っていない場合では、実は、平成12年の廃棄物処理法改正以前も、現実はともかく、法律上は、本質的な違いがありました。 焼却に関する営業の許可がない場合に、焼却ができる産業廃棄物は、あくまでも、当該中間処理業者が、選別・破砕などをした後の中間処理産業廃棄物に限定されていました。 この点が、焼却に関する営業許可も取得していた業者との違いで、こちらの業者は、外部から、直接、自己の焼却施設に産業廃棄物を持ち込むことができます。 焼却に関する営業の許可がない業者が、法律の改正によって焼却に関する営業の許可を取得する必要が生じた場合に、上記の限定が、行政行為の附款の問題として浮かび上がってきます。 「焼却できる産業廃棄物は、自ら、選別破砕したものに限る」、というような附款を付けることができるかどうか、という問題です。
2010年01月31日
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行政行為の附款とは、行政行為の効果を制限するために意思表示の主たる内容に付加される従たる意思表示のことです。 分かりやすく言うと、役所が発行する営業の許可書等に、時々みかけることがある、「条件」というところに書かれていることや、運転免許証の「免許の条件」というところに書かれている「眼鏡等」等のことで、行政法の教科書では、このように言います。 一般に、「条件」、「期限」、「負担」、「取消権の留保」、「法律効果の一部の除外」の、5種類に分類されます。 ここから、本題に入りますが、以前に書いた産業廃棄物の中間処理のことです。 要約すると、 産業廃棄物の中間処理場で、たとえば、選別・破砕等をした後、焼却するような場合に、廃棄物処理法の平成12年改正以前は、選別・破砕などの営業許可は取っているが、焼却に関しては営業の許可は取っていない、というようなことも可能であった。 というのも、焼却施設等の環境負荷の大きい施設については、営業用に使うか否かを問わず、別に、産業廃棄物処理施設設置の許可を得る必要があるし、産業廃棄物の中間処理業者に産業廃棄物の排出者の面があることで、自社が排出した産業廃棄物を焼却している、という主張が認められていたからです。 平成12年の廃棄物処理法によって、上記のような主張は認められなくなったが、法律上、不明確であったので、その後、平成17年改正で明確化され、そのことに関して、環境省から通知が出た。 このような、事案で、行政行為の附款の、上記分類のうちの、「法律効果の一部の除外」になるのだろうと思いますが、それについて書きます。 ただし、この事案は、産業廃棄物処理施設設置の許可が必要ですが、そうでない場合もあって、廃棄物処理法改正に伴う移行手続きが必要なケースには、ヴァリエーションがあるようです。 また、平成12年の改正は、産業廃棄物の排出者責任の原則が、中間処理業者が間にはいることで断ち切られるのを防ぐ、という趣旨ですが、中間処理産業廃棄物(発生から最終処分が終了するまでの一連の処理行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物、廃棄物処理法12条3項)にも、選別しただけのもので、原形をとどめるものから、産業廃棄物処理過程からしか出ないようなもので、原形をとどめないようなものまであって、後者の場合は、感覚としては、自社が、産業廃棄物の最初の排出事業者であるというものに近いと思います。 なお、行政行為の教科書的な知識は、大昔に買った、「新版行政法」(田中二郎著)によっています。
2010年01月31日
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「登記されていないことの証明書」といっても、漠然とした名称なので、分かりにくい人もあろうかと思いますが、一定以上の判断能力の必要な仕事や役職に就くときに提出を要求される書類で、最近は、建設業許可を取得するときに、必要となります。 前提知識として、成年後見制度についての知識が必要なのですが、法務省のサイトによると、「認知症(にんちしょう),知的障害(ちてきしょうがい),精神障害(せいしんしょうがい)などの理由で判断能力(はんだんのうりょく)の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約(けいやく)を結んだり,遺産分割(いさんぶんかつ)の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約(けいやく)であってもよく判断ができずに契約(けいやく)を結んでしまい,悪徳商法(あくとくしょうほう)の被害にあうおそれもあります。このような判断能力(はんだんのうりょく)の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度(せいねんこうけんせいど)です。」 要するに、売買などの法律行為を行なうに足りる判断能力の不十分な人を保護する制度で、10年ほど前までの、民法の制限能力者制度を改正したもので、判断能力の不十分な人を、あらかじめ登記しておくことができます。 「登記されていないことの証明書」というのは、その登記がされていないことの証明書です。 かつての、制限能力者制度は、市町村が管理していて、いまでも、成年後見制度と統一的な管理がなされていないようです。 その場合は、市町村長発行の「身分証明書」中に、「禁治産・準禁治産の宣告の通知を受けていない」という文が入っていれば、「登記されていないことの証明書」と同様の内容を示すことになるようです。 まあ、このあたりまでのことは前提知識ですが、最近は、あまり興味がないので、適当に書いています。 で、本題です。 「登記されていないことの証明書」は、ある人が後見登記等ファイルに搭載されている人か否かの判断をした文書ですが、一般に個人は、氏名、生年月日、本籍、現住所等で特定されます。 つまり、登記されていないことの証明を受けたい人を氏名、生年月日、本籍、現住所で特定して、後見登記ファイルに載っていないことを確認してもらう、ということです。 ここで、ややこしいのは、プライバシーの問題があるからかどうかは知りませんが、氏名、生年月日、本籍、現住所は、こちらが申請したものがそのままコピーされて証明書が発行されます。 つまり、生年月日や氏名を書き間違えて申請すると、本来必要な人の証明書としては役に立ちません。 で、どの程度の範囲で、同一人として判断するか、が問題になります。 たとえば、法務局の後見登記ファイルには旧字体で書かれているのに、申請書には新字体で書かれているような場合や、住所にある丁目や番地を「―」で書くなど。 まず、市長村長発行の身分証明書を取って、その通りに写せば間違いないのですが、氏名、生年月日、本籍地、現住所だけであっても、一字一句間違いなく写すのは、結構、神経を使います。 建設業者の方に、「身分証明書の通りに書いてね。」と言っておいても、結構、大雑把にする方もいらっしゃいます。 それで、法務局に電話で確認したところ、 まず、生年月日で検索をかける。 次に、氏名が同一かどうかを確認する。 旧字体が、新字体であった程度では、同一人と判断する。 おそらく、本籍地までで、結論はでるのでしょう、住所は、審査の対象外です、とのことです。 ということで、生年月日の書き間違いは、致命的なミスになりますから、気を付けてください。 建設業許可の申請書には、取締役の生年月日を何カ所か書かなければなりませんが、審査官は、生年月日に目を光らせているはずです。 旧字体と新字体の問題は、大阪府の建設業許可でも、法務局で確認したことを前提にした扱いになっているので、さほど神経を使うことはありません。 生年月日、氏名まで一致していれば、後は、同一人を疑わせない程度で本籍や現住所が書かれていればOKだと思います。 くれぐれも、生年月日は再確認しておくことです。
2010年01月22日
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政策の善し悪し以前の問題として、政治家には国を統治するという使命がありますが、それであっても、かなり、困難なことであって、決して、自然にできる、というものではありません。 通常、そこまで意識しないのは、政治家が、統治システムの土台までも揺るがすというようなことを行うということが無いからでしょう。 一国の首相が、税金を払わない(問題が発覚してから納めたようですが)、犯罪の捜査には協力するな(検察と闘え)、というようなことで、国を統治することができるのでしょうか。 ほとんど、革命家です。 胡散臭いところがあるのは、政治家には付き物ですが、それにも、おのずから限度があります。 しかし、国民にとって、この政権の本当の恐ろしさは、その点ではなく、首相本人にも、政権与党にも、善意が満ちていることです(この点に関しては、以前に書いておきました)。 おそらくは、政治に必要な基本的な素養や技術にかけるのが原因なのでしょうが、その気もないのに、日米関係を悪化させたのと同じように、なにか、根本的なところを崩壊させている、という気がします。
2010年01月17日
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年末に、配偶者から、迷惑そうな顔をして、「片付けて」と、言われ、居間に積まれた本や雑誌等を整理していたところで、見つけたのが、これ。 後で読もうと思ってカバンの中に入れておきました。 外国との交流が増え、日本の法制度や慣習を前提にして、日本語でつくられた私文書や公文書をどのようにして海外で効力をもたすのか、また、外国の法制度や慣習をもとにして、外国語で作成された私文書や公文書を、日本国内でどのようにして効力をもたすのか、ということは、仕事がら、関心のあるところでした。 で、日本行政書士会連合会の機関誌「月刊日本行政」の、2008年6月号にある程度まとまった文章が載っているので、それをもとに考えてみたいと思います。 論文のタイトルは、「公証人制度の利活用について」で、あまり、国際的な雰囲気を感じさせませんが、内容は、上に書いたような、国際的なものです。 この種の問題で、まとまったものを、読んだことがなかったのですが、これを読めば、かなり、視野が広がるような気がします。 単なる、専門家の、月刊誌の論文として埋もれさせておくのはもったいない。 わたくし事ですが、最近、ちょっと忙しいので、このテーマで、まとまったものを書く自信がないので、内容を正確に知りたい方は、各都道府県の行政書士会に行って、「月刊日本行政の2008年6月号を見せてください」と交渉してください。
2010年01月13日
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