ところで、気になることがひとつあります。それは邦題です。 この題にある“発明”というのは、やっぱり、ヒューゴの父親が仕事場の博物館で埋もれていたのを発見して持ち帰りひそかに修理していた“機械人形”のことを指していると誰もが思いますよね。でも、これって、ヒューゴが発明したものではないんですよね。ね、題名が内容と合ってないんですよ。 この映画、原題は「Hugo」です。まあ、よくある主人公の名前を題名にしたものです。そして、実はこの映画、原作がありまして、その邦題がブライアン・セルズニックという人の「ユゴーの不思議な発明」です。(フランスのお話なので、英語読みで“ヒューゴ”ですが、フランス語読みでは“ユゴー”なんですね。)その原作小説の原題が“The Invention of Hugo Cabret”です。この“Invention”を直訳して“発明”なんですね。でも、調べてみたら、“考案・発案”という意味もあるんですね。この物語のラストの展開は、ヒューゴの考えで進んでいくんですよね。原題の“Invention”とは、この結末のことを指しているのではないでしょうか。だとしたら、“Invention”は、“発明”と訳してはいけないですよね、しかも、“不思議な”と形容するのもおかしいですよね。外国語を訳すのって、難しいですね。