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2016.01.02
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カテゴリ: ドラマ
ヒューゴ1



監督 マーティン・スコセッシ
出演 エイサ・バターフィールド クロエ・グレース・モレッツ ベン・キングズレ―
   ジュード・ロウ

 あけましておめでとうございます。今年も細々と、映画について勝手な意見を書かせていただきます。よろしくお願いします。
 さて、新年1発目は、マーティン・スコセッシ監督が、ロバート・デ・ニーロでもレオナルド・ディカプリオでもなく、少年を主人公にした映画を作り、その年のアカデミー賞に11部門もノミネート(受賞は技術系ばかり5部門)され話題を呼んだ、ハートフルな作品を紹介します。

 1930年代、パリ、孤児ヒューゴ・カブレ(エイサ・バターフィールド)は、亡き父親(ジュード・ロウ)が遺した壊れた機械人形とその修復の手がかりとなる手帳を心の支えとして、モンパルナス駅の時計台に隠れて暮らしていました。彼は駅の構内を縦横無尽に行き来して、大時計のねじを巻き、時にはカフェからパンや牛乳を失敬して生きてきたのです。
 ある日、ヒューゴは、駅構内の片隅にある玩具屋で、機械人形を修理するための部品をくすねようとした時、店の主人ジョルジュ(ベン・キングズレ―)に捕まってしまい、手帳を取り上げられてしまいます。
ヒューゴは、店じまいをしたジョルジュの後を尾行し、彼のアパルトマンにたどり着き、ジョルジュ夫妻の養女であるイザベル(クロエ・グレース・モリッツ)という少女と知り合います。彼の話に興味を持ったイザベルは、手帳を取り戻す協力をしてくれると言います。

 機械人形はほとんど修理が済んでいましたが、人形のぜんまいを巻くためのハート型の鍵が見つかっていませんでした。ところがイザベルが身に着けていたペンダントがまさしくハート形の鍵でした。早速、機械人形に鍵を差し込みぜんまいを回してみると………。

ヒューゴ2

 謎ときにワクワクして、追いかけっこにハラハラして、ラストにほっこりして、みんなの優しさにほのぼのして、映像が美しくて、映画愛にあふれていて、とってもいい映画でした。ジェームズ・キャメロン(「ターミネーター」「アバター」の監督)曰く、「ようやくできた子どもたちを連れて行けるスコセッシ映画」です。というのも、マーティン・スコセッシ監督って言えば、「タクシードライバー」とか、「ギャング・オブ・ニューヨーク」とか、「ケープ・フィアー」とか、「シャッターアイランド」とか、「ディパーテッド」とか、ギャング映画や犯罪映画など、血生臭くって、男臭くって、犯罪や殺人に充ち溢れたものばかりでしたので、この映画のようなファミリー映画は初めてではないでしょうか。はっきり言って、「スコセッシ監督どうしちゃった???」というような感じです。
 とりわけ、主役の2人の子どもたちが、素直で聡明で頑張り屋で優しさにあふれていて、その奮闘ぶりに、観客は誰もが心から応援したくなってしまうでしょう。イザベル役の女の子は、「キック・アス」のヒット・ガール役で一躍脚光を浴び、「ダーク・シャドウ」での存在感をこのブログでも絶賛したクロエ・グレース・モリッツちゃんです。ヒューゴ役の男の子もどこかで見たことがあるなあ、と思ったら、かつてこのブログでその結末のショッキングさを紹介した「縞模様のパジャマの少年」の主役の少年でした。2人とも、現在18歳、今後の活躍が楽しみな逸材です。

 ところで、気になることがひとつあります。それは邦題です。
 この題にある“発明”というのは、やっぱり、ヒューゴの父親が仕事場の博物館で埋もれていたのを発見して持ち帰りひそかに修理していた“機械人形”のことを指していると誰もが思いますよね。でも、これって、ヒューゴが発明したものではないんですよね。ね、題名が内容と合ってないんですよ。
 この映画、原題は「Hugo」です。まあ、よくある主人公の名前を題名にしたものです。そして、実はこの映画、原作がありまして、その邦題がブライアン・セルズニックという人の「ユゴーの不思議な発明」です。(フランスのお話なので、英語読みで“ヒューゴ”ですが、フランス語読みでは“ユゴー”なんですね。)その原作小説の原題が“The Invention of Hugo Cabret”です。この“Invention”を直訳して“発明”なんですね。でも、調べてみたら、“考案・発案”という意味もあるんですね。この物語のラストの展開は、ヒューゴの考えで進んでいくんですよね。原題の“Invention”とは、この結末のことを指しているのではないでしょうか。だとしたら、“Invention”は、“発明”と訳してはいけないですよね、しかも、“不思議な”と形容するのもおかしいですよね。外国語を訳すのって、難しいですね。

ヒューゴ3

 ということで、ちょっと細かいことが気になってしまう、右京さんのような悪いクセが出てしまいましたが、心がほっこりする、いい話です。ぜひ、ご家族で楽しんでください。
 ところで、この映画のDVD、いつもの“夢○書店”では、SFコーナーに置いてありました。“機械人形”はゼンマイ仕掛けのからくり人形のようなもので、決してロボットではないですよ。また邦題や予告編の雰囲気などに惑わされましたね、夢○書店さん。





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Last updated  2016.01.03 00:39:53
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