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ハマニンニク Elymus mollis.
ハマニンニクの分布は広く、南は九州北部まであるというが、属がエゾムギ属で明らかな北方系の植物である。海岸植物らしい長い根を持ち、北海道の海岸ならばどこにでも生えているし、海岸でなくても海の近くの砂地などにも生えている。砂防のために導入した場所もあるというが、黙っていても自然に生えてきそうな勢いである。この植物は別名「テンキグサ」と呼ばれており、この辺りではそっちがメジャーな呼ばれ方だが、この植物の名前すら知らない人も多い。しかしなぜテンキ草と呼ばれるのか、私も長いこと疑問に思っていたが、最近ようやくにしてその意味がわかった。 テンキとは、アイヌ語で、針などを入れる小さい入れ物のことだそうだ。いわゆる笊やカゴではなく、とても緻密に編まれたもので、水を入れても洩らないほど細かい「コイル編み」と呼ばれる手法で編み進められる。材料はハマニンニクの芯の、柔らかい部分を吟味して使う。ハマニンニクは太いもので直径一センチもあるが、とれるのは一ミリ足らずのものなので、大量のハマニンニクを調達してもとれる材料はごくわずか。しかし、これは素晴らしい素材で、とてもしなやかで自在な表現が可能である。出来上がったものは軽く、表面は滑らかで丈夫、けば立ちなど一切ない。これで作った工芸品は、昔から千島、アリューシャン、樺太などのものが有名で、お土産、献上品として珍重されていたという。残念ながら北海道のものは技術が絶えてしまっていたが、現代になってその再現と復興のために力をそそいだ人も居られる。 テンキを手にとって見ると、その精緻さに驚くと共に、オホーツク海を吹き渡る海の風を感じる。傍に置いておくだけで部屋の空気が浄化されてしまうように思う。こういったものはとても手がかかるし、当然のことだが手の小さい女性の仕事であったから、残存する作品も少なく過去の作者名なども伝わっていない。工芸品としての位置づけも低く、残念なことである。ハマニンニクの生い茂る海岸では今日も誰かが鮭を釣っている。ところで、ハマニンニクとは名ばかりで、ただ葉が似ているからついた名前なので、この植物がニンニク臭いわけではない。
2007年09月18日
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イチビ Abutilon theophrasti Medik.
「トマトが沢山なってるけど、いつ来るかと思って待ってるのにちっとも来ない。早く来ないと終わってしまうし、ご自由におとり下さいって札をつけても誰も採って行かないから、好きなときに来て好きなだけ採って行って良いよ。」というありがたいお言葉に甘えて、知り合いの農家へトマトを貰いに行ってきた。とっても甘いミニトマトを山ほど、スイートコーンにキュウリやナスなどの野菜もどっさり貰ってごきげんで帰ってきたは良いが、ついさっきまでそれをトマトソースにして冷凍する作業で大忙しとなった。 ハウスの中に変なものが生えている。「私、この花、好きなの。涼しげで・・・」と大切に？ 一角を与えられているのは何とイチビである。他の栽培種に混ざった種か何かの形で入ってきたのだろうが、どうか野生化しませんように！ この家の、とても気前の良い奥さんは、こういう札を付けたけれど結局誰も採って行かない。こぼれるほど実ったミニトマトは、みんな芽かきのときに切り取った脇芽を挿し木して増やしたものだそうだ。裏にある大きなハウスの中ではぐるりとトマトが並んでいる。トマトは丈夫で、挿し木での活着率は１００％だそうだ。糖度計で計ると９度と出た。トマトにしてはかなり甘く、さっぱりとしておいしい。
2007年09月17日
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ヒオウギアヤメ
年によって違うのだろうか、今年はなんだかアヤメの数が少ないように思う。トウフツ湖はとても浅い湖で、その殆んどが湿地であり、国道をはさんで向こう側の砂丘とは随分違う環境となっている。砂丘にはアヤメは生えないが、湿地はアヤメだらけで、一面濃いブルーに染まる中、放牧の馬が草をゆったりとはんでいたものだが、なんだか今年はブルーが少ない。まさか、食われちゃったのかな？ アヤメなんか食べませんよーーー・・・・・だよね。
2007年07月04日
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砂丘の花園
夏の花で埋め尽くされたような砂丘の花園。今はエゾキスゲ、エゾスカシユリ、ハマナス、ヒオウギアヤメなどが咲き誇っている。青くそびえる斜里岳に、青い空、青い海に黄色いキスゲがどこまでも・・・海の匂いに混ざったハマナスの香りをかげば、これはまさに北海道の夏！
2007年07月03日
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シラネアオイ Ｇｌａｕｃｉｄｉｕｍ ｐａｌｍａｔｕｍ
大分夏らしくなってきた。ヤブのなかでこんな花に出会うと、その美しさにぼーっとなってしまう。やや大型で、花弁のような四枚のピンクのガクはファンタジックな美しさ。シラネアオイは、根が白いからシラネ・・・ということだが、掘ってみたりするなんてとんでもない！ そんなの、シラネ・・・！
2007年07月02日
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エンコウソウ Caltha sibirica
北海道の水辺に咲く花で、黄色といったらエゾノリュウキンカだが、エンコウソウという近似種もあるということを最近知った。エゾノリュウキンカは花が集散状につくのに対し、エンコウソウは１、２個ずつつけ、鋸葉が目立たないのが特徴らしい。エゾノリュウキンカはヤチブキと言い、春の山菜として食用になる。以前、営林署からヤチブキといって貰ったのを食べたことがあるが、全然美味しくなかった。よく考えてみると、あれはエンコウソウだったかも。この花、ヨーロッパではもっと愛されているようで、陶器のモチーフに忘れな草と一緒に描かれているのを所有しているが、日本ではどういうわけか、歌に歌われたりしないようだ。春の花として、もっと取り上げられても良いのにな・・・と思う。
2007年05月14日
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オオバナノエンレイソウ Ｔｒｉｌｌｉｕｍ ｋａｍｔｓｃｈａｔｉｃｕｍ
オオバナノエンレイソウ。つい先日紹介した水芭蕉は、低地の湿地ではもう終わり、オオバナノエンレイソウがぽつぽつと咲いている。緑豊かな湿地の中でさわやかな白。学名Ｔｒｉｌｌｉｕｍ は、Ｔｒｉ＋Ｌｉｌｉｕｍ (だと思う) 三枚のユリの花びらで出来たような花だから。 立夏を過ぎたのであわただしく初夏になろうとしている。今日の天気は小雨が降ったり止んだりで、エゾヤマザクラは実はまだ、ちゃんと咲いていない。山のなかの、廃屋にほころぶエゾヤマザクラ。こういう老木のほうが、季節には敏感なのかもしれない。
2007年05月11日
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ナニワズ Ｄａｐｈｎｅ ｋａｍｔｃｈａｔｉｃａ
ナニワズの花。学名のダフネのように、太陽を避けるかのように湿った日陰にひっそりと咲く。ピアニストＥ．フィッシャーが、著作のなかで、水というものはそれが形作っていたものの形を記憶していて、結晶となったときにそれは、しばしば、その記憶を再現してみせる・・・と書いていたけれど、全くそれは音楽的解釈の領域のことであって、科学的な目で見た自然現象ではない。現に私は、何年もの間、窓に凍りつく氷を観察したがそういう形になったのを見たことがない、水が記憶するという植物には、確か薔薇とか貝母、そしてこのナニワズが入っていたと記憶するがそういう風に見えないのは、もしかしてどころでなく私が音楽的感受性に乏しいからなのかもしれない。 早春のナニワズはジンチョウゲ科、オニシバリとかナツボウズとも呼ばれ、夏には幹だけになって赤い実がついているのが「坊主」の由来で、ナニワズとはオニシバリに対する長野県の方言だといわれている。
2007年05月10日
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キバナノアマナ Ｇａｇｅａ ｌｕｔｅａ
可愛らしい春の妖精のようなキバナノアマナ。大体、エゾエンゴサクのあるような所に生えている。小さいので見落とすどころか踏みつけてしまいそうだ。この植物も、花が終わると程無くして地上部は消え、休眠に入る。だから年中あるわけではないのだ、地下茎はちゃんとそこにあるのだろうけれど・・・年中あれば、場所も覚えられて踏まれないだろうになあ、と思う。ユリ科で、なんか韮みたいにも見えるのできっと食べたら美味しいのかも。ああ、そうか！早く休眠してしまうのは、地上部を食べられてしまわないためなんだね、きっと。失礼いたしました。 学名は英国人の植物学者Ｔｏｍａｓ Ｇａｇｅ にちなむ。ｌｕｔｅａすなわちｌｕｔｅｕｓ(黄色い) の意。
2007年05月09日
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アズマイチゲ Ａｎｅｍｅｎｅ ｒａｄｅａｎａ
アズマイチゲの花。こちらも春一番、エゾエンゴサクやキバナノアマナとセットになって明るい里山で、普通に見られるキンポウゲ科の植物である。白い花は、日中開いて夕方には閉じる。似たものには葉が、キクの葉のようになっているキクザキイチゲがある。 随分、春らしくなってきた。連休を過ぎて、ようやく庭のチシマザクラの蕾がふくらんできた。桜前線もいよいよ終着地点に近づいているようだ。
2007年05月08日
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エゾエンゴサク Ｃｏｒｙｄａｌｉｓ ｆｕｍａｒｉｆｏｌｉａ ｓｐ．
こちらも、春一番の花である。今日の道東、網走地方は雨。これはカタクリと一緒にとって来た画像で、黄色い花が多い春の野山でブルーの花がひときわ冴える。学名Ｃｏｒｙｄａｌｉｓは、＝ギリシャ語のＫｏｒｙｄａｌｌｉｓで、ヒバリの意。ヒバリの鳴く野山に咲くからなのか、長い距がヒバリのように・・・頭か尻尾かはわからないけれど・・・見えるからなのだろうか。これはケマンソウ、コマクサなどと共にケシ科に分類されているが、ちょっと見ではどこがケシ科？ という感じ。そんなことはどうでも良く、フィールドでこれを見つけると、待ちわびた春に出会ったとばかりに嬉しくなる。花期は短く、あっという間に終わってしまうのは慌ただしく過ぎていく道東の季節と類を同じくしていることに変りない。
2007年05月07日
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キタミフクジュソウ Ａｄｏｎｉｓ ａｍｕｒｅｎｓｉｓ
先月、春一番の花として紹介したが、このあたりには普通のフクジュソウすなわちＡｄｏｎｉｓ ｒａｍｏｓａと、キタミフクジュソウＡｄｏｎｉｓ Ａｍｕｒｅｎｓｓｉｓの二種類が分布している。キタミフクジュソウは、北海道にのみ分布しているそうだが、キタミフクジュソウは一本の茎から一花をつけ、全体に毛が多く、がくの裏側が茶色みを帯び、内側の花弁より長い、という点で区別されている。ちなみに牧野新日本植物図鑑では、なぜかフクジュソウ＝Ａｄｏｎｉｓ ａｍｕｒｅｎｓｉｓとされているのも興味深いが、先月は首だけ出していたフクジュソウも、今は随分と茎がのび、春の日にのびのびと葉をひろげているようだ。お正月の寄せ植え位しか見たことのない人に、あの、コスモスみたいなのは何ですか、と聞かれたことがあるが、この姿を見ると寄せ植えのちっこいフクジュソウからは程遠く、むしろアネモネ＝アドニスの花、に近いなあ、と思う。亜種なんかどっちだって良いって？ まあ、そりゃそうですけど。
2007年05月04日
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カタクリ Ｅｌｙｔｈｒｏｎｉｕｍ ｊａｐｏｎｉｃｕｍ
春遅くにしてようやく出会えた、カタクリの花。北見市の観察会に参加してきた。ここは、自生地の北限・・・、ではないが東の限界地ということで、保護されている。今日は、その観察会があり、わずかな時間であるが楽しいひと時を過ごさせてもらうことができた。たぶん、ここが日本列島のカタクリ前線終着駅ではないだろうか。 カタクリは成長がとにかく遅い。花が終わって種ができるとまもなく地上部は消えて休眠に入る。そのせいもあると思うが、花がつくまで７～８年もかかるという。一年目、二年目はカタクリの名の由来といわれる葉の形、栗の子葉の形、ですらなく爪楊枝ほどの草でしかない。下の画像は種の殻をかぶっている一年目のカタクリの芽である。周りで小さな葉の形となっているのは三年目の幼苗である。久しぶりに春の山に入った気がする。やっぱりフィールドを歩くのが楽しい。
2007年05月03日
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コガネタケ Phaeolepiota aurea
金色の粉に覆われたコガネタケ。なんか見た目は美味しそうだけれどこの粉が、毒ではないがとっても臭いので、たいていの人は食べない。カサの部分は不味いということで茎の部分だけ、食べると言う手もあるが・・・ ここら辺の言葉で「ソッタラモン、ワライタケだ」 というがとりあえずは食菌である。北海道で、よく食べられる野生のキノコといったらラクヨウ(ハナイグチ)、ボリボリ(ナラタケ)、運がよければマイタケ。もちろん、まつたけといっているオオモミタケもあるし、ナメコやエノキタケだってある。今年は湖があふれたので、いつものキノコとりの散歩コースは台無しになってしまった。親兄弟でも、キノコとりの場所は秘密にしておくのが常識なので、これに替わる場所を誰かに教えてもらうなどという虫の良いことがあろうはずもなく・・・ すっかり冬枯れした裏摩周の晩秋の景色。
2006年11月08日
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ダイモンジソウとイワベンケイ
先日、息子の通う高校の学校祭で購入した高山植物の寄せ植えの、イワベンケイとダイモンジソウの花が咲いた。どうやって枯らさないようにしようかと、気をもんだけれどちゃんと咲いてくれた。とりあえず一年目・・・それにしても義理堅いね！イワベンケイは、赤く紅葉しながらの開花である。かじかんだみたいに赤く染まった。果たして来年は如何に！？
2006年11月06日
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冬のハナワラビ Botrychium ternatum
ポツポツの胞子葉がかわいらしいフユノハナワラビ。晩秋の砂丘で見つけた。こんな寒い地方であるけれども、生育期間が秋から春というような植物が生えている。茂った植物が枯れた後、小さな胞子葉を伸ばし、その下にはもっと小さな栄養葉という、まことに遠慮がちな植物である。昨日は雪がちらつき、本格的な寒波の襲来も目前！いよいよ紅葉も見納めとなってきた。
2006年11月02日
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エゾノコリンゴ Malus baccata var. mandshurica
今日の天気は大荒れで、珍しく窓にも潮風が吹きつけてベタベタ状態である。こんな日はあまりないし、また長い！ よっぽどスローペースの低気圧とみえてなかなか天気が回復しない。仕方ないので画像のストックで。 エゾノコリンゴは、以前にも一度、砂丘で自生しているものを紹介したけれども、これは我が家にあるもので、砂丘にあるものとは若干違う。どこが違うのかというと、まず第一に大きさと成長の速度が違う。砂丘のエゾノコリンゴは毎年、少しも大きさが変わらないのに我が家のは、どんどん大きくなり、そのスピードはエゾ松を凌ぐ。葉も幅が広いし、エゾノコリンゴの実の範囲内ではあるが実も大きい。これらがズミでない理由は、ズミの特徴とされる三裂の葉が出ないことである。木の肌などはうちのは普通のリンゴに近く、雑種のようだ。といっても、どこまでが本来のエゾノコリンゴなのか、というのは依然としてはっきりしない。そもそもリンゴの類は、気の遠くなるような花粉交雑の歴史の上に現在のリンゴの姿があるのだ。史前帰化植物というものがある。米や麦の耕作とともに日本にやってきた植物たちのことであるが、エゾノコリンゴもまた、そうではないだろうか。リンゴのもともとの原産地は中央アジアだといわれているが、エゾノコリンゴもまた、海を渡ってやってきて、古代の人達が栽培していたものが野生化したとは考えられないだろうか。シルクロードを渡ってやってきたものか、氷原を渡ってサハリンや千島からもたらされたものかどうかは分からないけれども、砂丘は昔から人が住んでいた場所であり、そうした遺跡のあるところにエゾノコリンゴもまた、生えているからである。 ところで我が家のエゾノコリンゴであるが、これは植木屋から貰ったもので、これをくれた植木屋は今はなき人となっている。色々なことを教えてくれたおもしろい人だったのだが、惜しむべきかな先年亡くなってしまった。木の出自を調べることができなくなったことと共に残念なことである。そんなわけでうちのエゾノコリンゴは、本物かどうかますますわからなくなっているので、いつか砂丘のエゾノコリンゴの実を貰ってきてタネをまき、同じものになるかどうか、調べてみたらどうかな、と考えている。
2006年10月08日
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オトコエシ Patrinia villosa.
オトコエシの花。オミナエシに対するオトコエシである。そもそも、オミナエシとは、オミナメシつまり女飯、粟飯のことである。黄色い小さな花が粟飯を連想させ、粟は女の食べ物？というわけだ。オトコエシは白いので、男の食べ物は米のご飯？かな。ちなみに私は粟ご飯が好きである。オミナエシは十五夜に供える花、秋の七草のひとつであるが昨日の十五夜は月見どころではなかった。だからオトコエシ、というわけでもないのだが、今、ヨットで来たロシア人たちは船で待機している。今日は海が大時化なのだ。この分では明日も出航できないだろう。私ものんびりと月見するのは来月に持ち越しである。オトコエシの実は、UFOのような翼がある。これは花の下にある小包葉が成長したものである。学名Patrinia とはフランス人植物学者E.L.M.Patrin にちなみ、villosaは毛むくじゃらの、という意味の形容詞だが女性形になっている。どうやら男ではないらしいな・・・。
2006年10月07日
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オカヒジキ Salsola komarovi Iljin.
何だってそうだが、若い時と年取ってからは全然容貌が違うという、オカヒジキ。実がなる頃にはご覧の通り、海藻の束みたいになってしまう。若いころには緑色のヒジキのようで柔らかく、さっとゆでたらサラダ位にはなるのに、秋のこの変貌ぶり。学名 Salsola は、塩辛いに由来し、komaroviとは旧満州の植物を手がけたV.L.コマロフという分類学者の、と言う意味である。こうなると、もう食べるどころじゃない。チクチクのイガイガ！海岸で他の海藻とからまっているのは本当の海藻みたいに見える。下はオカヒジキ、若かりし頃。共に写っているのはハマベンケイソウの花。
2006年10月03日
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オニハマダイコン Cakile edentula Hook.
オニハマダイコンは、1982年に新潟県村上市で見出だされ、その後北海道、東北などの海岸でも見つかっている新しい外来種である。ヨーロッパから北アメリカの海岸地帯原産で、全体無毛で多肉質の５０cmほどの植物であり、今のところ生態系への影響はないといわれているが本当だろうか。それにしては何だか随分元気にやっているようだ。新しく入ってきたものだけあって、図鑑にも出ていないものが多く、古いのを調べても出ていない。随分勢力を拡大しているようだが砂地の、海岸線に近いところに生えるので、アッケシソウなどの生える塩湿地に入り込む心配がないし、競合する植物もあまりないと思われるので、そういう結論なのだろうが、その場所にはハマナスやハマボウフウ、ハマベンケイソウなどが好んで生える場所なのだ。宗谷海峡を回って入ってくる日本海流に乗ってやってきたか、船のバラスト水によって伝播されたのかは不明だが、今後も注意深く見ていかなければならない植物であることには変わりない。 茎に直接つく大きな実は２節よりなる。食用などには今のところなっていないようだ。
2006年10月01日
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ソバ Fagophyrum cymosm Meisn.
新そばの季節になってきた。日本でのそばの栽培は古く、神話時代の伝承もある位だから、日本の在来種のように考えがちだが、原産は中央アジアであると言われている。最近、やたらとソバの畑が目に付く。日本のソバは、殆んどが中国やカナダからの輸入で、農薬やポストハーベストの問題もあることから、国内産が見直されている作物である。白い花一面咲くソバの畑は遠くからでもよく目立つ。学名Fagophyrum は、ブナの穀物、すなわち三つの稜を持つ(ソバの実って角ばってます)cymosumとは集散花序の、という意味。やや硬い殻を脱穀したあとのソバガラは、角張っているためさらさらとしており、ソバガラ枕などを愛用している人もまだまだ多いことだろう。
2006年09月30日
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シロヨメナ （Aster ageratoides Turcz. subsp. leiophyllus (Franch. et Savat.) Kitam.）
昨日の悪天候は嘘のような快晴。釧路湿原の植物分布を調べに行って迷子になった学生も見つかったようだし、とりあえず良かった良かった。今日は昨日溜まったことをしなくちゃいけないので忙しい。山の花は涼しげで、雨風吹いてどうにかなってしまうかと思ったが意外にへっちゃらだ。シロヨメナまたはヤマシロギクは、大まかな鋸歯のある長卵形の歯と、中心の管状花をとりまくややまばらな舌状花が特徴である。藻琴山よりオホーツク海を望む。左の方に池のように見えるのはトーフツ湖(涛沸湖) 今年、ラムサール条約に加えられた湖である。渡りの季節になり、色々な鳥がちらほら姿を見せている。
2006年09月29日
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エゾゴゼンタチバナ Chamaepericlymenum suecicum (L.)Aschers. et Graebn.
ゴメンね、君の画像はみんなブレブレで、ちっとも良いのがない。でも君なしでは北海道の山道を語れないと思うので、これで我慢しておくれ、山道で膝が笑っちゃって・・・はは。エゾゴゼンタチバナは、六枚の輪生する葉の上に、初夏、白い端整な花をつける。ところがその白い花びらと見えるのは「がく」の部分で、花の中心と見えるものは、じつは小さい花が頭状に集まっているものなのである。熟すとこのように赤い実がつくが沢山なので、もとの花を知っている人は意外に思うかも知れない。ミズキ科に属しているこの植物は、花も実も、同じミズキ科のヤマボウシになんとなく似ており、秋になった今は山道のあちこちで赤い実をむすんでいる。 休日には関係なく、朝の湖は静まりかえっている。皆んな、どこへ行っちゃったのか・・・
2006年09月27日
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キツネノチャブクロとフッキソウ Lycoperdon pｅｒｌａｔｕｍ ｅｔ Ｐａｃｈｙｓａｎｄｒａ ｔｅｒｍｉｎａｌｉｓ
純白の実をつけるフッキソウ。木の根元に生えるキツネノチャブクロ。こんな下草に覆われたエゾ松の林を歩いていくとオンネトー湯の滝に着く。フッキソウはツゲ科に属しているが、ツゲとは似ても似つかない格好をしている。フッキソウは富貴草、緑にこんもりと茂ることからつけられた名だという。最近はゴルフ場の植え込みなどのグランドカバーに用いられているそうだ。純白の実は、アイヌの人達が風邪の初期にもちいていたらしいが、食用にはならない。 キツネノチャブクロとは面白い名前で、正式にはホコリタケという。成熟すると中から胞子が忍者のケムリのように出てくる、いわゆるバクダンキノコである。キツネ→バケルを連想する、楽しい名前だ。 昨日、露天風呂の話で盛り上がった？ ので、天然記念物オンネトー湯の滝の画像をアップすることにした。オンネトーのどんづまり、湯の滝入り口から徒歩で三十分ほど(車・バイク不可)山道を歩くと湯の滝に着く。右の方に滝の上への登り口が写っている。滝の下では沢山魚が泳いでいる。 滝は２本あり、露天風呂は滝の上と下にあった。昔の露天風呂は湯の滝の上の、岩の間から自然に温水がわき出ていて、そこにみんなでつかっていた。滝には天然のマンガン鉱床があり、露天風呂から流れる排水が最近問題になって、今は全面的に使用禁止となっている。昔は簡単なすのこが置いてあるだけの、脱衣所もない、真の天然温泉だった。今も、湯は温かい。えっ、ここじゃ嫌だって？ 大丈夫、もう入っちゃいけないんだよ。
2006年09月26日
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ドクツルタケ Amanita virosa
「破壊の天使」と呼ばれるドクツルタケ。真っ白なキノコは暗い森のなかにひっそりと、ひとり気高く立っている。毒がある分、余計美しく見えるというものだ。属名Ａｍａｎｉｔａ から、毒はアマニタトキシンというが、これ一本で人間１人を殺せる位、強烈なのだそうだ。調べてみると白いキノコは沢山あって、結構食べられるものが多いし、昨日も書いたがテングタケの類は、味のよいものが多いらしい。それで、よく中毒が起きる。なんでそんなものまで採って食べなきゃならんのか、と思うかもしれないが秋の林のなかは色々なキノコでいっぱいで、驚くべきことに毒菌より食菌のほうが多いのだ。味の保障は出来ないけれど一本ぐらい味見・・・なんて、ああ、怖い怖い。毒キノコの中毒でだけは死にたくないと思う。何故かと言うと、死ぬまで散々苦しむからだ。コレラ症状だけでなく、毒で肝臓や腎臓の組織を破壊され、もだえ苦しみぬいた挙句の果てには、同定もできないくせに間違えて食べたという謗りまで受けなければならない。 属名Ａｍａｎｉｔａは、小アジアのＡｍａｎｕｓ山脈から、種小名ｖｉｒｏｓａ は有毒の意味。 秋のオンネトー。湖面に映る山の木々が美しい。紅葉まで、あとわずかである。
2006年09月25日
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ベニテングタケ Amanita muscaria
毒々しいベニテングタケ。毒キノコの代表みたいに見えるが、実は毒性はあまり強くなく、食べても死ぬほどではないらしい。だからといって、食べてもらっちゃ困るのだが、昔は有名なうどん屋なぞの家伝の秘密のレシピというと、これが入っていたりしたものだという。毒成分の一つがイボテン酸で、これは味の素のグルタミン酸の二十倍もの旨み成分になるのだそうだ。英名 Ｆｌｙ ａｇａｒｉｃ（ハエキノコ） は、殺ハエ作用をもつことからの由来らしい。 ベニテングタケは、秋の山道の両側に行列を作って並んでいて、まるで妖精の国への入り口を示しているかのようである。 ところでキノコ類のは葉緑素を持たない菌類であるが、これらは広義の分類上のカテゴリーは植物に入ることになっており、図鑑も植物図鑑のうしろの方に若干出ている。まあ、動物以外のものを全部植物に入れてしまうことも出来るが、それではあまりにも植物部門は大入り満員になってしまうので、実際には植物界と菌界は区別されている。
2006年09月24日
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クルマバソウ Ｇａｒｉｕｍ ｏｄｏｒａｔａ．Ｌ
なんだかショボイ画像だが、クルマバソウと思われる。普通、ヤエムグラの仲間の果実は、アレイ形をしているのに対し、クルマバソウだけはアレイの片方が退化したようになっていて、一個ずつになる。しかし何でこの種類はちっちゃいものばっかりなんだろ。そして、こういうのに出合った時、なんで写真だけ撮って本体をとってこないのか・・・後悔先に立たずというが、私の野外での植物観察は行きあたりばったりで、おまけに植物は出来る限り採らないという方針なのだから、その結果に満足すれば良いものだが出来ない。結局何度もその場所に行ったりしてしまう。いつか、一発で同定も撮影も何もかも、その場ですませて帰れるようなベテランになりたいものである。 私がこんな風に残念に思うのは、この植物が本当にクルマバソウならば、クマリンのよい匂いがするはずで、西洋ではかなり古くから使われているハーブだからである。ワインの香り付けや、ハーブティーにしたり、新鮮な葉は傷薬として、乾燥した全草はシーツやリネンの香り付けとして、(昔のファブリーズですね) マットレスの中にまで詰め込んだからである。現在の日本では使われることがないけれど、相当マニアックなハーブなのだ。しかし写真では香りまでは写らない！ ええい、面倒くさいけどまたチャリで行くか・・・どこか、家の近くにでも生えていないだろうか。今度会ったら種だけは貰ってこよう。雑草だらけの庭にまけば、雑草よりは遥かに役立つものになるに違いないのだから。 学名ｏｄｏｒａｔａ とは、良い匂いのする、という意味。
2006年09月22日
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マツヨイセンノウ Ｓｉｌｅｎｅ ａｌｂａ
ワッカ原生花園の片隅に、申し訳なさそうに、しかし元気に咲いているマツヨイセンノウ。花の首のところの種子をいれるところがふくらんでいるのが特徴である。本来ならば、こういう帰化植物は、ワッカに入れてはいけないのだ。すぐに排除したほうが、植物生態系の維持の為には良いに決まっている。けれどもなんとなく、ここに生えている。形が面白いし白い花も可憐で、爆発的に増えるわけでもないので、ここのネイチャーセンターなども排除できずにいるのだろう。しかし、これはれっきとした帰化植物なのだ。このＳｉｌｅｎｅ 属は、古くから日本に伝わったらしく、センノウという名前は、雅なことに京都は嵯峨野の仙翁寺に、最初に伝わったためついた名なのだという。また、この属の多くはマンテマと呼ばれており、(この植物もヒロハノマンテマという別名があるというが、ヒロノハマンテマはＬｉｃｈｎｉｓ 属である) 江戸時代に輸入されたマンテマはマンテマンと初め呼ばれていたのでそうなったといわれるが詳細は不明である。どこからどこまで本来の日本の植物とするかは問題だけれど、はじめは「ここ、良いですか」「良い所ですねぇ」と遠慮がちに生える外来種も、数が増えるにつれて「おまえら出て行け」とばかりに在来種を追い出してしまうのだ。私自身は植物インベーダーに対しての立場は中立だが、ワッカのような所では、やはり注意が必要である。 白い花弁の真ん中には、スリットがあるのだが写っていない。名前の通り、夕方開くので、秋がそんなに深まる前の夕方に、もう一度撮影のチャンスがあれば良いと思う。 秋は美しい水があふれる季節・・・
2006年09月22日
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コメナモミ Siegesbeckia glabrescens
今日出合った花はコメナモミ。砂利の山道の荒地に生えていた。全身毛だらけで、葉の裏はもちろんのこと、表にまで薄毛が生えている。総包片も毛だらけ、なのに学名にはｇｒａｂｒｅｓｃｅｎｓやや無毛の。という名前がついている。新日本植物図鑑にも、一見無毛・・・と書いてあるが、どうみても無毛とは言い難い。違うんじゃないかって？ うーん、他に該当する種類がないし、新種なんてそうあるわけないし。大体これで良いと思うよ。テキトーだけど・・・属名Ｓｉｅｇｅｓｂｅｃｋｉａ は、ロシアの植物学者の名からとられている。ほらね、やっぱり毛深そうじゃないですか！ 今日は阿寒の山の、麓まで行ってきた。そこで採掘される化石に会うためである。画像はタカハシホタテと思われる。鮮新世、いまから五百万年以上前にこのあたりで繁栄した分厚い殻を持つ貝である。 地層に含まれる花粉とかプランクトンの殻なんかも、そのうち調べてみたい。
2006年09月21日
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ハマニガナ Ixeris repens
キク科の植物の適応力には驚くべきものがある。このハマニガナ、いつ見ても浜辺の砂に埋もれたようになっているが、この植物は少々砂が飛んできてもこれ以上は絶対に埋もれないように、余計な茎なんか伸ばさないのだ。葉柄も、茎もあるのだけれど、絶対砂の上に出さない。いつも首だけ砂の上に出した状態で、もし、砂が飛んできて埋まりそうになったら、その分だけ茎をのばす。これで海辺の強風で飛ばされることも折られることもなく、砂のなかに半ば埋もれてぬくぬくと生活できるというわけだ。自然界にはよくある、このような最小の力で最高の効果をあげるという方法で、ハマニガナは渚の一番近くまで行ける植物の一つとなっており、早春から晩秋まで、いつも変わらず葉を広げている。学名のＩｘｅｒｉｓの由来は不明。ｒｅｐｅｎｓは、動詞ｒｅｐｏ の由来であり、地を這うという意味である。シロヨモギとハマナスの実、ハマニンニクが綺麗な秋のコントラストを描き、まるで自然の寄せ植えかなにかのように美しい。
2006年09月19日
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ヒメヨツバムグラ？ Ｇａｌｉｕｍ ｇｒａｃｉｌｅｎｓ？
いく種類か、宿題になっている植物がある。これもその一つで、初めはアカネムグラかと思って写真におさめたが、よく見ると花弁が四枚。じゃあ、エゾキヌタソウかと調べると茎に毛がない。ケナシヤマムグラか？それともヒメヨツバムグラか？分布域が違う。 あまり植物を採ってこない方針なので、写真しか手がかりがない。分かんないよぉ、うーん、うーん・・・・ あんまり図鑑やら本やら引いていると目が回って気持ちが悪くなってしまう。今日はここらで、外を散歩することにしよう。だって、連休最後の日、なんだから。
2006年09月18日
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ウンラン Ｌｉｎａｒｉａ ｊａｐｏｎｉｃａ
ウンランとは海蘭、つまり海の蘭という意味だ。秋、花のとぼしくなってきた海岸砂丘を、白と黄色の花の色で彩る。蘭とは全然関係ない、ゴマノハグサ科に属し、ちょっと変わりものの多いこの科の他の花のように複雑な花の形をしている。５つに裂けたガクの上に、距という蜜の入る袋、いわば花のシッポのようなものをつけた仮面状花が乗っかる。上唇と下唇に分かれているが(合弁花なのでこれらは一体構造になっている)下唇の中央が盛り上がって、私はテングか何かの鼻みたいだと思うのだが、明るいオレンジ色になる(この部分は、分かれているのではない) 上唇は二枚に分かれ、大きなウサギの耳をつけたように、下唇の上にかぶさる。花のなかを覗いてみると、めしべが一本、おしべが四本、そのうち二本は短く、シャム双生児のようにくっついている。 乱れ咲くウンラン。そんなに大きくない花が沢山咲く。一つ一つをよく見てみると面白いのに、あまりかえりみてもらえずなんだか気の毒だ。
2006年09月17日
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ネナシカズラ Ｃｕｓｃｕｔａ ｊａｐｏｎｉｃａ
みごとに実をならせているネナシカズラ。この植物は、種で増える。小さいうちは根があるが、すぐに他の植物に巻きつき、その植物から栄養をすいとって成長する、寄生植物である。植物というものは、それぞれ根から忌避物質を出して自分の領域が他のものに侵略されないようにしているものだが、根に依存しないネナシカズラを排除する方法はないようだ。ヨモギなどは、他に競争相手がいないせいか特に好まれているようで、アラベスク模様のようにがんじがらめにまきつかれている。生かさず殺さずというか、ヨモギのほうもネナシカズラの間から葉っぱを出して、死なないようにがんばっている。まあ、ネナシカズラも寄生する相手に死なれたのではお終いだから、そうでなければ困る。この風景は、ある人間の親子の風景とも、社会の中のある仕組みの風景とも似ている。どっちにせよ、この実はきっと鳥たちのよい食料になっているのだろう。 属名のｃｕｓｃｕｒａは、ｋａｓｓｙｅｉｎ というアラビア語由来の言葉(からみつく、巻き込まれるの意)からの名とされている。草原の秋のひとつの風景である。
2006年09月16日
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エゾノコリンゴ Malus baccata
エゾノコリンゴの実りは、小さな秋の実りである。これはワッカ原生花園のもので、今日珍しく実をつけているのに出会った。恥ずかしながら最近まで、この植物はヤナギの一種だろうと思っていた。普通エゾノコリンゴといわれるものより、幾分葉が細い上、花が咲いているのを見たことがなかったのだ。海岸の、ハマナスやスカシユリの咲く砂丘にいじけたように、でも沢山生えていて、この辺の名物であり、短歌に詠まれたりしているのに。今日は何故、殆んど花が咲かないのか、考えてみた。 リンゴの類は、花芽は果実と共に形成される。花が咲くと、すぐに来年の花の準備がなされる。つまり、今年の花の根元にはもう来年の花芽がついているのだ。普通のリンゴでも、収穫するまでには１５ヶ月位かかるという。花がつかないということは、花芽のできる期間に何者かに食われてしまっているか、実が出来たとき何者かに実ごと食われてしまっているか、さもなくば厳しい冬の環境に花芽が耐えられないのか、のどれかだろう。エゾシロチョウの食害ということもあげられるが、一体誰が食っているのか？ いずれにしてもそのうちじっくり調べてみたい。 ちなみにエゾノコリンゴは、花がなくても子孫を残せる。いざとなれば少しずつだが、ひこばえを出すことができるからである。左側がサロマ湖、右側がオホーツク海。ワッカは両者を隔てる長い砂州であり、この砂州の上は海岸性植物の宝庫である。もちろんエゾノコリンゴもここにへばりついている。小さく写っているがサロマ湖は日本で二番目に大きな湖なのだ。 ところで昨日の変な出来事の続きは、もうなかった。お化け屋敷も現れず、国道を走る馬にも会わず、腹痛も起こさず、急になくなった植物もなく、蚊やブヨは相変わらすだが、チャリで二回転んだのを除いて(怪我はない)、全く平穏無事な一日であった。 明日は野暮用で札幌に行かなければならない。明日中に帰れないかもしれないので、早めだけれど明日の分の更新します。
2006年09月14日
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イワヨモギ Artemisia iwayomogi
イワヨモギは、新日本植物図鑑に掲載がない。イワインチンの別名とされることもあるが全く別の属である。私もずっとエゾノヨモギギクだと思っていたのだが、花が咲いて初めて違うということが判明。小学校の国語の教科書に登場した牧野富太郎博士、今になって彼の偉大さに敬服しているのだが、かの偉人ですらこれを見逃したのだから、私なんか間違っても当たり前だ。全体が硬く、木本のようで、葉には強い香気があり、岩の上や礫のごろごろしている所に生えている。 昨日はおかしな日だった。フィールドのずっと奥に、変な廃屋を見つけたり、国道を馬に乗って走っている人とすれ違ったりした。あんなに沢山あったハマボウフウが何故だか知らないがわずか数日にして一本のこらず消えており(盗掘か？)、一緒に来た学生にお昼のカレーを作って食べさせたら腹痛を起こすし、フィールドでは虫除けなんかものともしない蚊やブヨの襲撃にあい、体を掻きむしりながら寝るはめになったので夜中はうなされていたという。星の廻りが悪かったのか、真面目な顔をしているのはイヌだけ・・・今日は天気が良い。星廻りなぞ気にせず、少し離れた場所に行って見ようと思っている。
2006年09月14日
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オグルマ Inula britannica L. subsp. japonica
アッケシソウとは反対側の、河原の土手に咲いていた。こちらではよく似ているカセンソウもあるのだが、カセンソウはもうすでに終わってしまっているのでオグルマに間違いないだろう。オグルマの意味するところは「小車」。ちいさな花がまるで車のようなのでつけられた名前である。まるでこの車を駆って行くかのように秋が進んでゆく。７月の終わりごろ咲くカセンソウ。よく似ているが花期が違う。それにカセンソウのほうが見たところ葉も厚く、頑丈そうで、全体がパリパリしている。
2006年09月13日
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アッケシソウ Salicornia ｈｅｒｂａｃｅａ．Ｌ
わずかな間だが北海道の我が家を留守にしていた。都会からこちらに帰るとやはりほっとする。出発前の一騒ぎも入れてあたふたと過ぎた数日の間、いつのまにやらアッケシソウが赤くなっていた。 この草はサンゴ草と呼ばれ、秋に群落が一面赤くなったところが美しいので、このあたりの観光名所となっている。ほうれん草と同じアカザ科に属しているが、奇抜な形態はホーレンソウなど、はるかに超えている。多肉で体節のような節があり、花はこの節の窪んだ所に張り付いたようにつく。分布はオホーツク海沿岸の、この地の他には根室地方(厚岸で最初に報告されたのでアッケシソウと名づけられた)、他には香川県、愛媛県、岡山あたりにも自生がある。これは、北前船による塩の交易で種が運ばれたのだといわれているが、なるほどここには昔、瀬戸内海の塩田の周りに生えていたというシバナ Triglochin maritimum L.も混在している。塩やその他の物資を積んで来て、降ろした代わりに昆布やその他の海産物を積むのは良いが昆布なんか軽いので、船のバランスが悪くなる。そこで種の混ざったここの砂を積み込んで帰ったため、このような分布が出来上がったらしい。その説が本当ならば、この群落があるのは汽水 (海水と淡水が混ざった水)である湖の、漁港にほど近い場所なのだが、この湖はかつて湖口が閉じており、船は入れなかったはずなので、こうなる前の、つまり人工的に湖口を開く前の、湖の砂州が発達して入り口を塞ぐ以前からそういった交易がなされたと考えなければならないだろう。Ｓａｌｉｃｏｒｎｉａ ｈｅｒｂａｃｅａ とは ｓａｌ(塩)＋ｃｏｒｎｕ(角) ＋草 であり、この草はなめると塩辛く、ツノのような形の植物、ということなので・・・珍しく、この植物をよく表現した命名となっている。
2006年09月12日
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エゾノカワラマツバ Galium verum
海岸に多く生える草であるが、おもに花は七月ごろによく咲く。とっくに周りのカワラマツバは花を終わらせているのに、この一群れ、今頃になって花を咲かせている。アカネ科に属するこの植物は、昔チーズを作るのに使われていたという。Ｇａｌｉｕｍ とは、ギリシャ語のｇａｌａ( ミルク)の由来である。ｖｅｒｕｍはラテン語で、本来の、という意味。河原や海岸にあって、細い葉が松葉のようで、見たらすぐに覚えられる花である。とても、とても細かい花がまるで雲か、銀河 (ｇａｌａｘｙ) を映したかのように咲いているのだから。
2006年09月08日
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ムラサキベンケイソウ Sedum telephium
ムラサキベンケイソウ。ベンケイソウとは、切ってつるしておいてもまた挿せば、根を出して活着する強い草ということでつけられたという。それにしては最近少なくなっている。探してやっと、これ一本見つけた。北海道以外では自生がみられなくなってしまったらしい。学名ｓｅｄｕｍ は、座る者という意味で、この植物は艱難辛苦に耐えてじっとその場を動かない、ということなのだろう。ｔｅｌｅｐｈｉｕｍ とは、遠くの恋人という意味。 ずっと座っているばかりでは儚くなってしまう遠距離恋愛って意味かな・・・ 私は当分ここを動かないつもりなので、ベンケイソウに近似の種類なのかもしれない。
2006年09月07日
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クサフジ Vicia cracca
普通のクサフジである。クサフジは、カラスノエンドウや、スズメノエンドウなどと同じくｖｉｃｉａ属である。ｖｉｃｉａ とはソラマメのことだが、どう見ても似ていない。それじゃエンドウ豆は、というとｐｉｓｕｍ属でこれとは別になっている。もちろんフジはｗｉｓｔａｒｉａ属で、これとは関係ない。類は友を呼ぶのか、この辺にはヒロハクサフジ、ツルフジバカマなどが生える。これらはよく似ており、ｖｉｃｉａ属である。 昨日、作ったズッキーニ入りのブローチェン。食べられないってわけじゃないけれど、どうも重くってしようがない。生地に入れたズッキーニがどうにも水っぽいのだ。何とかフカフカにならないものか・・・まあ、今日のはお弁当に、ハムをサンドしてもっていってくれた。有難い事である。周りについているのはひまわりの種。 ズッキーニと玉ねぎのピクルスも作りました。今朝はズッキーニのチャンプルー風に炒めたのを食べたので、大分減りました・・・ホッ
2006年09月06日
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オトコヨモギ Artemisia japonica
種子が、あまりにも小さくて、種のないヨモギだと思われていたためオトコヨモギと呼ばれる。しかし、こうやって立派に花をつけているわけでして、決して種がないわけではないし、種ができなさそうにも見えない。 ヨモギやセイタカアワダチソウなどは、アレロパシーといって、根から発芽抑制物質を出して他の植物の侵入をおさえる。ヨモギもセイタカアワダチソウも、地下茎で繁殖するので、自身の種子が周囲で発芽できなくてもたいした被害はなく、種を飛ばした場所でまた群生して増えていくことができる。河原などがヨモギだらけ、セイタカアワダチソウだらけになってしまうのはこのためであり、ヨモギ類は種がなくても生き残っていける。この植物をオトコヨモギと名づけた昔の人もこんなヨモギの性質を知ってか知らずか。このあたりでは、エゾヨモギよりもオトコヨモギが少し多い位での群生がみられる。学名はヨモギ属Ａｒｔｅｍｉｓｉａ，これは女神アルテミスの、という意味であるが種小名はｊａｐｏｎｉｃａ， 日本の、という意味である。 イヨッ！ 日本男児！ ・・・なんか弱っちそうだな。 昨日行った産業まつり。ひどい人ごみ・・・といっても都会の日常ほどもない。昔はこういう祭りが、個人的な人と人とのつながりになっていたのだろうが、今の私達にはそんなものもないのでつまらない。行っても、ただ疲れるばかりだ。左手前の行列は地元産手打ちそばの販売に並ぶ人達、右はステージ前に集まった人達である。もちろん地元産牛肉のバーベキューもあって、それなりの楽しさはある。立ち寄った知り合いの家でのひと時の方が、よほど実りあるひと時だった。このりんごの木は、ここのご主人が生まれた時に植えられた木、と伝えられている。
2006年09月04日
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ビロードモウズイカ Verbascum thapsus L,
ビロードモウズイカ。なぜかこの辺では駅の周りの、それも線路のわきに群生している。周囲にはセイタカアワダチソウの群生もあるのだが、そんなものも寄せ付けずに二メートル以上も茎をのばして咲いている。両者は混ざって生えていないので、お互いに寄せ付けない何かをもっているのかもしれない。その名の通り、大きな葉はやわらかなうぶ毛に覆われている。モウズイカとは毛蕊花で、めしべおしべに毛が生えている花ということだ。心臓に毛が生えているっていうのは表現だがこれは本当に生えているから笑える。種小名の学名にはシシリアか、あるいはシーザーがポンペイウスを破ったというアフリカの町の名がつけられている。いずれも地中海地方の地名でなので、なにかこの地には似つかわしくないものがあり、人気のない無人駅に並ぶビロードモウズイカは何かおどろおどろしい。 姿に似合わず、すぐれた薬効を持つハーブで、麻酔作用があるという。
2006年09月02日
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ナミキソウ Scutellaria strigillosa
波が来そうな所に生えているからナミキソウ。北海道から九州までの分布があるが、南のほうでは絶滅か、減少傾向にある。踏まれやすいところにある上、なにせ小さい草なので、八月中にみつけたものはみんな上部が折れてしまっていた。人の気配が遠ざかり、浜辺のキャンプ場が閉まって、ようやくまともな花の写真を撮ることが出来た。 ミントのような姿かたちだが、ハッカのような香りはない。全体の大きさに比べて、比較的大きな花をつける、頭でっかちの花である。中はカラッポだろうって、そりゃあ、花ですから。 この週末はあちこちでイベントがある。雨も止んでいるので、デジカメ持ってぶらついて来ようと思っている。今頃のイベントはみんな収穫祭系統なので、野菜の詰め放題とかがあって楽しい。
2006年09月02日
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ハチジョウナ Sonchus brachyotus
一週間ほど前、この植物に出会ったときはまだつぼみで、私はてっきりエゾオグルマだと思っていた。ところが、今日、雨が止んだので行って見ると、ぽっかり黄色の花が咲いていたが、筒状花がない。がーん！あわてて調べなおしたらハチジョウナ、っていうことでした。ハチジョウナの名前の由来は、原産地を八丈島、と誤ったためについた名だそうだ。名前と反対でむしろ北の方に多く分布しているという。ここは、オホーツク海に面しているので、植物も太平洋側とは若干違うものがある。いずれにしても、暖かい八丈島の原産のものがあるはずもない。名前なんかどうだって良い。明るい黄色で、なかなかに可愛らしい花であることには変わりがないのだから。でも、改名させたい。という人はいるんだろうなぁ・・・
2006年09月01日
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オオウバユリ Cardiocrinum cordatum (Thunb.) Makino var. glehnii (Fr. Schm.) Hara
オオウバユリの実である。 ウバユリは、花の頃に葉がなくなることから、その姿を乳母にたとえてウバユリ、(葉がない→歯がない) と呼ばれる。昔は、自分の娘が大きくなって(花の)十八になる頃には、つまり子育てが終わる頃には、母親は歯も抜けて、すっかり婆さん臭くなってしまったのだろうが今は違う。このオオウバユリをご覧あれ、全然葉なんか、なくなっていないではないか。しかも成っている実の見事なこと。 七月の終わりに細いユリの花を横向きに沢山つける。花が咲いたときの香りは特に夕方強く、甘いユリの香りをあたりに漂わせて夏休みの到来を告げる。近くを通っただけですぐにその存在がわかる、私の好きな花である。これはジャガイモが伝来する前の、アイヌの人たちの重要な食料であったと聞く。そのため昔、飢饉があったときには人里近いところにあるオオウバユリは、ことごとく食べつくされたと聞くが、今ではそこいらの道端にも、誰に採られるでもなく生えている。かつて多くの人を養ったというオオウバユリは、こうやって葉が枯れるどころか実がついても青々としていて、まるで森のソルツィーコである。 夏休みの終わりにオオウバユリは実を結び、秋の到来を告げる。「ソルツィーコ」を練習していた我が家の娘も東京へと帰っていった。こっちも枯れる気なんか全くないのでしっかりやるのだよ！
2006年08月29日
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カラフトニンジン Conioselinum kamtschaticum Ｒｕｐｒ．
カラフトニンジンは、丁度今、浜辺で咲いている。 セリ科には３００属もあるので、ひとたび検索を誤ると大変なことになる。花の咲いていないカラフトニンジンを最初に見たとき、何だか判らずかなり悩んだ。似ている植物が多くあったからである。シャクみたいだけど白いハカマがない。ミヤマセンキュウかヤブニンジンみたいだが海岸に近いところにあるし、まさかドクニンジン？いやいや。葉っぱをちぎってにおいをかいだら、コリアンダーみたいなにおいがする。ドクニンジンはネズミの匂いがするっていうけど、それってどんなだろ。色々と調べるうちに、ノハラジャクなどという外来種も登場し、ますます混乱しているうちに花が咲いた。やはり、植物を調べるときはそれがどこに生えているかという情報と開花期の情報は、重要なポイントである。 Conioselinum属は、種子でＡｎｇｅｌｉｃａ属と区別される。前者には明確な三個の翼がある。
2006年08月28日
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ハマナシ(ハマナス) Rosa rugosa
ハマナスの実が色づき始めた。 ハマナスと聞いて、まったく花を見たことのない人を除いてだが、野菜の茄子を連想する人はいないだろう。 では、梨を連想する人はいるだろうか。 普通、ハマナスといったら赤い花の他に知床岬、森繁久弥さん、はまなす国体その他のはまなす何とか、皇太子妃の御花、などなど・・・ そこで「はまなす」は方言です。「ハマナシ」が正しいのです、などと言っても誰も相手にしないだろう。しかし、はまなすは方言なのだ。たしかにこの辺の古手の人たちは「すつ、はつまんはあるべさ」などと言うが、これは「七、八万はあるでしょ」という意味である。昔はハマナスは、銚子あたりまで群落を作っていたというが、言語的な地図からいうと、シ→ス と発音する地域の植物だから、ハマナスの意味するところはハマナシ、つまり浜辺にあるナシというのが妥当な線であろう。ではナシの意味するところは何か。偽果である点を除いて、全然、梨とは似ていないではないか。 果物には、分類上、真果と偽果がある。子房壁がふくらんで実になるものが真果で、バラ科でいえば、真果にはモモ、ウメ、サクランボなどがあたる。子房壁以外の部分がふくらんでできるのが偽果で、これにはナシ、リンゴ、イチゴなどがあたる。ある植物学者の説によると、日本の古代人は果実をモモ、ナシ、クリの三種に分けていたのではないかという。簡単に言ってしまえば果実のなかに種が一個だけあるのが「モモ」、中に芯があって種が沢山はいっているのが「ナシ」、回すとクルクル回り中をえぐって食べるような硬いカラを持つものが「クリ」である。古代人の分類に従ってハマナスの実を切って見ると、丁度イチゴを裏返しにしたような構造をしており、中からびっくりするくらい沢山の種が出てくるから、これは「ナシ」である。 シーボルトもこの植物をハマナシとして報告しているが、色々な文献によると、すでにその時代には江戸の園芸愛好家の間ではハマナスで通用していたらしい。 では何故シーボルトは「ハマナシ」と言ったのか。昔はハマナスは銚子あたりまで群落を作っていたが、そのもっと昔にはシをスと言わない地域にもあったのだろうと推測される。乱獲か、気候の変化か、何かが原因でシをスといわない地域のハマナスはなくなってしまい、シをスと発音する地域にのみ、残った。ところが今はシをスと発音する言葉の方が滅びかけているのだ・・・・。
2006年08月27日
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エゾノキツネアザミ Ｃｉｒｓｉｕｍ arvense Scop. var. setosum Ledeb.
エゾノキツネアザミ。雌雄、異株のアザミである。ちょっと目にはどっちがどっちだか判らない。雌株のほうが大きく、総包が１６～２０ミリ、雄株のほうが１３ミリ前後とある。左側の大きいのが女性で、右側で数本、ややこじんまりとかたまっているのが男性？なんか、どこかの人間社会みたいで嫌だなあ・・・この植物、どういういきさつだか、学名が二つある。新日本植物図鑑のほうがこれで、一般に通用しているBreea setosa (Bieb.) Kitam. は珍しく Ｋｉｔａｍｉ 北見の名前がついている。北見周辺の、いう意味だろうが、属名まで違っちゃうと、ちょっとなあ・・・
2006年08月25日
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アキカラマツとアキノキリンソウ Thalictrum minus var. hypoleucum ｅｔ Solidago virgaurea
アキカラマツの花。 道産子は秋という言葉が嫌いだ。忙しくなるから。岬の上に登ると、風が吹きっさらしのせいか、季節がすこしばかり進んでいるように思う。アキの名を冠する植物ばかりが目立つ。和名アキノキリンソウだが、こちらではコガネギクまたはエゾノコガネギクなんて呼んでいる。秋が嫌いなのを隠して、小金の貯まる花などと言っている。しかし、そんな植物は存在しない。っていうことは、小金のたまる草などあるわけないっていうことかな。能取岬にて。
2006年08月24日
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サラシナショウマ Cimicifuga simplex
随分、秋っぽい花が見られるようになってきた。ちょっと場所を変えると植物も随分変わる。今日は本当は、シソ科のものをやりたかったのだけど、どうも種小名がはっきりしないのでやめた。新しい図鑑が欲しくなって来たが、適当なものも見つからないし・・・。この植物、属名はナンキンムシが逃げるという意味である。食べられるというが、相当アクが強そうだね！こんなムシもいるが何せ名前がわからない。昆虫の専門は周囲に居ないし、困る。どなたか、知っている方は教えて下さい。
2006年08月23日
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