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碧るいじの個人的な趣味日記
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碧るいじ

碧るいじ

2020.12.13
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カテゴリ: 機動都市
SFにおける空想科学は作品によって様々ですが、宇宙論は結構使いまわしたりします。
今回は機動都市を含んだSF作品群共通の空想科学考察。


我々の住む宇宙はビッグバンによって生まれ、その構成要素は4.9%の物質、26.8%のダークマター、68.3%のダークエネルギーであると仮定されています。
ダークマターとは物質と同じように質量を持ちながら、観測出来ないので辻褄を合わせるために存在すると仮定した仮想物質です。
ダークエネルギーとは物質同士を引き寄せる重力とは逆に、宇宙全体に広がって物質同士を引き離すように働いていると仮定される力で、これが宇宙の膨張を加速させると考えられています。
ここまでが現実の宇宙構造仮説。


創作の空想科学設定では物質同士の干渉、観測(情報交換)によって増え続ける記憶海によって空間が形成されていると仮定しています。
例えば遠くの星を観測したり、空想するだけでも宇宙は広がっていくという独自の仮説です。
これは人間が直接観測しなくても、物質同士が相互作用した時点で発生します。


つまり大きな砂山ほど質量が大きいという事になります。
記憶海という砂を集めて来る力は記憶海同士の観測によって発生しているのですが、それは電磁気力など量子状態の遷移によって引き起こされる力全般も含みます。
要するに何らかの関係を持てば集まろうとする性質が「観測」という行為です。

宇宙(空間)は記憶海の広がりを指すのですが、砂山を潰すと砂は周囲に広がっていきますよね。
これが重力崩壊であり空間を広げていくダークエネルギーです。
超新星爆発などがこれに当たります。
逆に砂の量を変えずに山の設置面積を狭めようとすると、急斜面となって標高が高くなります。
砂を圧縮し固める力が増えるほど標高も高くなり設置面積は狭くなっていきますが、これは狭い空間に大量の質量がかかっている状態を表します。
つまり質量(砂の量)は変わらず、空間が圧縮される(宇宙が収縮する)事によって単位空間当たりにかかる質量が多い状態。
それがブラックホールのような超重力状態です。

ちなみに時間の流れは砂山にくっつかず転がり落ちていく砂粒のようなもので、急斜面ほど時間の流れは速く、平坦な状態が限りなく時間が停止している状態です。

厳密に言えば砂が存在しない場所は観測出来ないんですけどね。
(観測した時点で記憶の砂が生まれている)

さて、記憶海は集まっただけでは質量を生み出せるようになりますが、「物質として存在する可能性がある」というダークマター状態です。
現実には山の形が見えない状態なので、山の形を決める重力があるのかないのか分からないんですね。
山の形を観測した時点で初めて重力が働いているという事が分かるようになります。

もしも神が存在するのなら、物質化する観測行為そのものを指します。

記憶海は観測方法により多種多様な砂山を作っていきます。
その中で必然的にプログラムのようなルール(物理法則)が生まれていき、記憶はどんどん複雑に連鎖的に絡まっていきます。
そして生まれた自己増殖プログラムを得た超巨大な記憶海の塊が「意識」であり自我とも呼べるもの。
生命体の精神は「意識」が脳機能などを介して「世界を観測する」事によって発生します。
「意識」は通常物質間に見られる観測だけでなく、大量の記憶を生み出す事で砂山が噴火してまわりに砂が降り積もっていくように、爆発的に記憶海を広げていきます。
つまり生命体の誕生が宇宙膨張加速の要因にもなっていると考えられています。

では全ての事象の元となる記憶海は時間が存在する以前から存在するのか、記憶海が存在しなかったのなら何者が最初に観測したのか、その謎は作品によって解釈が異なるし答えはないかもしれません。

ちなみに記憶海を通称「ディラックの海」、世界を観測するシステムを形骸化した概念を「デカルトの劇場」と呼んでいます。





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Last updated  2020.12.16 03:25:14
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