元ロンドン新(米)所長→現ハノイ所長日記
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今、日本では、ピヶティ・ブーム、と言うか、格差論争ブームなんですね。色んな意見があるようですが、ベトナムのような、とても貧しいけれど成長している国で暮らしていると、少し見方が違ってきます。ベトナムには、物凄く大きな格差が存在します。賄賂も含めて、お金はお金持ちに集まる仕組みになっています。でも、格差問題なんて聞いたことはありませんし、それぞれに、足るを知りながら楽しく暮らしている印象があります(国民の平均年収は30万円に満たないのですが、幸福度調査で世界2位になったことがあります)。少し話を変えますが、インフレ社会で生まれる格差とデフレ社会で生まれる格差というのは違いますね。凄くシンプル化した例ですが、10%成長の企業だと、頑張った人の報酬20%アップ、頑張らなかった人でも2%アップとかが可能です。これがインフレ下での格差。ゼロ%成長の企業だと、頑張った人3%報酬アップ、頑張らなかった人0.5%報酬アップ、採用ゼロ、派遣職員採用に切り替え。これが、デフレ下で生まれた格差ですね。これを国レベルに置き換えて考えるとして、さて、どっちの格差が問題でしょう?それはさておき、格差って、実際に問題ではあるし解決すべき課題ではあるのだけれど、個人の意識レベルの問題として考える限りにおいては、人間の幸せというものは、”今どこにいるか”ではなくて、”今どこに向かっているか”で決まるものだと思っています。比較するなら、どこかの誰かとではなくて、今日の自分と明日の自分を比較して、前に進んでいきたいものです。
2015.03.05
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