全27件 (27件中 1-27件目)
1

先ずはお知らせ。明日からスペイン出張です。大事なミッションで、かつ予定もパンパンですので、ブログは1週間ほどお休みします。また、パワーアップして戻ってきますのでよろしくお願いします。それから、昨日の話しですが、色んな媒体でエジプト情報を注視していましたところ、あるエジプト人青年の手紙というものを発見しました。ある方が、ツイッターで紹介されていたのですが、これは本当に沢山の人に読んでもらいたいなと感じましたので、「Twitterは、こういうものを拡散するためにあると思う。」というメッセージを付けてつぶやいたところ、私のツイートをリツイートした人が公式リツイートだけでも700件を超えていて、非公式を入れると数千件を超えているようです。なんと、日本の夜の10時台というツイッターのゴールデンタイムで、公式リツイート第1位になっていました(日本人は、月に5億回以上ツイートするらしいので、多分凄いことです)。ツイッターの威力を実感した1日でした。以下に、その手紙のコピーを貼ります。余計なコメントはしません。是非読んでください。2011年1月27日 木曜日 世界への手紙みなさん、今日、私は皆様に、エジプトで本当はいったい何が起きているかを知らせたくて手紙を書いています。1月25日に火が付いたデモは、自分にふさわしい人生を送る権利を求める国内の青年たちによって組織されました。大統領を含む政府はそれを否定し、ムスリム同胞団のような反政府組織が行った行為だと主張しています。でも、いいですか、これはどこかの対立党派の行動ではありません。社会全体の行動です。理由は以下の通りです。 ホスニー・ムバーラク(今年83歳)は 1981年からエジプト大統領でした。それがいったいどのようなものか、私たちの身になって想像してみてください。ムバーラクは私と私の友人誰もが生まれる何年も前から大統領でした。私が小学生のときも、中学・高校のときも、大学生のときも、結婚したときも息子が生まれたときも、ムバーラクはずっと大統領でした。単にムバーラクだけが「私の人生まるごと」と同じあいだ大統領だっただけではなく、取り巻き連中までみなそうだったのです。アフマド・ファトヒー・スルール(今年79歳)は 1986年から大臣で、1990年からの 21年間ずっと議会の指導者[人民議会(下院)議長]でした。サフワト・エル=シャリーフ[現上院議長]は 1980年代から、他の者たちもみな、私たちが生まれる前から政府の中枢にいて、いまでもその地位にとどまったままです。 国の状態はどこもかしこも、ほとんどの人にとって悪化の一途をたどっていました。教育、報道、経済などすべてが間違った方向に向かっており、私たちが生まれたとき以来ずっとそうでした。一般のエジプト人がどんな生活をしているかにかかわらず、政府は独占企業がもっと利益を上げられるように「改革」してきました。それと同時に、1981年からずっと「非常事態宣言」が機能していて、必要と見なされれば誰でも、国家安全保障上の理由により裁判抜きで身柄を拘束することが認められてきたのです。さらに、選挙では不正が行われ、そのうえで、なお真実の声を発表するどのような表現形式を認めることさえ拒否しています。大学の学生組合の選挙にまで不正が行われ、骨の髄まで堕落しきっています! ありとあらゆる分野の指導者たち、知事、大学長、工場長さえもが現役か退役した将軍です。社会のあらゆるレベルでの腐敗はいうまでもありません。失業率は、特に若者の間であまりに高く、また貧困が蔓延して国民の半分以上が貧困ライン以下で暮らしています。ほかにもまだ、ここに書き切れないたくさんのことがあります。 けれど、いまこそチェンジの時です! 私たちは今までずっと警察や治安当局を恐れていました。裁判なしで私たちを拘禁し、拷問しても殺しても問題にならないことを知っていたからです。でも、もうたくさんだ! 私たちは待って、待って、いつかは正されると30年間むなしく待ちました。この前の議会選挙では、かつてない規模の不正が行われ、ムバーラクにさらに一期――あと 6年間か、あるいはかれが死ぬまで――大統領の任期を与えるお膳立てがされました。私たちは可能な限り平和的な手段をとろうとしましたが、自由声明に署名することさえ追放の理由とされ、追及されました。私たちに選択の余地はなかった。より良く生きること、子どもたちのためにより良い人生を用意することは、私たちの権利です。 だまされてはいけません。人々を動かしているのはどこかの野党やイスラーム主義者ではありません。社会全体が、なかでも特に私たち若者が動いているのです。私たちは平和的にデモをしていますが、政府はごろつきや悪党を雇って抗議者のあいだに潜入させ、問題を引き起こさせて、それをわたしたちのせいにしようとしています。政府は容赦なく私たちを叩き、ネットやメディアを検閲し、ほんものの銃弾やゴム弾、催涙ガスで攻撃し、何百という抗議者を拘禁したり多くの人たちを殺傷しています。これは本物の戦いで、しかしほとんど一方的な戦いです。私たちは警官が同胞であることを知っています。ただ「命令に従っているだけ」です。私たちはできる限り、どんな場合においても警官たちを傷つけるのを避けています。 親愛なるアメリカの仲間のみなさん あなたがたの政府は30年にわたり、ムバーラク大統領に最大の支援を提供してきました。武器と催涙ガスで国家安全保障体制を支えています。米政府は、私たちの国に毎年 16億ドルに及ぶ資金を与えていて、それは腐敗したエジプト政府の中で主にさまざまな形の賄賂として使われています。あなたがたの「民主的な」祖国はイスラーム主義者を恐れるあまり、我々の政府を支援しています。いいですか、怖いものなどないんです。イスラーム主義者についてのあなたがたの見解は事実に反し、間違いだらけですが、その話はまた後日。私たちのリーダーを選ぶことは私たち自身の権利であるという一点において、あなたがたの支援を望みます。私たちを支援し、上院議員や下院議員にエジプト政府を支援するのをやめるように言ってください。私たちを支援し、自由はパンよりも重要である と世界に伝えてください。私たちを支援し、30年続いている政府を追放するのを手伝ってください。もしもあなたの孫たちが、いまと同じ支配者を目撃するとしたら、あなたがどのように感じるかをぜひ想像してください! 親愛なるヨーロッパの仲間の皆さん あなたがたのリーダーはエジプトの状況を気にかけています。ムバーラクが腐敗していることを知っていて、それゆえに心配しています。わたしたちがひどい圧政の下にいることを知っていて、その状態が続くことを望んでいます。あなたがたのリーダーは、ローマ時代から、英国による最後の植民地支配が終わるまでずっと、エジプトを監視していました。けれども、自分たちの国を治め、自由がどれほど貴重であるかを自分たちの子どもに教えるのは、私たちの権利です。リーダーと政府を選ぶことは私たちの権利です。そして私たちを支持するのは、あなたがたの人道的責務です。あなたの国のリーダーに対して、私たちを支援すると言ってください。エジプト大使館に行って、あなたの支持を示してください。私たちの大義について人々に話し、そして、私たちが、自分たちの権利、生まれてこのかたずっと抑圧されてきた自分たちの権利を手に入れようとしているだけであることを知らせてください! 親愛なる世界の皆さんへ、 これは、あなたが本当は何者であるかを試される瞬間です。あなた自身の真実の瞬間です。あなたの良心はまだ生きていますか。あるいは、あなたは人間性よりも利害関係を重んじますか? あなた自身の尊厳を証明し、私たちが人間性の回復を要求することを手伝ってくれるでしょうか。それとも、戦車が我々を轢(ひ)くのを、脇に立ってただ見ているだけでしょうか? それはあなたが決めることですが、覚えておいてください。それはあなたが一生抱えていくことになる何かであり、いつかあなたはこの件で子供たちと正面から向き合わなければならないかもしれません。 お声が聞こえるのを楽しみにしています。エジプトの一青年よりお読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、よろしければクリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.31
コメント(1)

今日は、昨日に引き続き、BBCとアルジャジーラとツイッターで、エジプト情勢をウォッチしていました。いやー、本当にライブ感があって、しかも多様な情報が入ってくるので、わくわくしながら追いかけていました。さて、話変わって、今日は、先週の私の夜の活動について書きます。先週は、ロンドン在住の同い年の日本人が集まる飲み会に2つ参加しました。何年生まれかって?それは内緒です。ただ、何で2つかと言えば、私は、所謂、早生まれなので、同年生まれの会と、同学年の会に2つとも入れて貰ったわけです。細かくは書くと分かっちゃうので詳しくは書かないが、素性はバラバラで、とにかく色んな人がいて面白かった。一つの会では、BBCと深い関係にある方と高名なジャーナリストの方が同席していて、例の2重被爆者問題について語っていたかと思えば、モスクワ在住予定者とモスクワのテロの話をしている人が、やたらとモスクワの諸事情にやたら詳しかったり、当日は、アジアカップで日本が韓国にPK戦で勝った日であるが、参加者の1人はプロサッカー選手・コーチ等のエージェンシー(代理人)。我々の知らないことを沢山ご存知で面白かった(もちろん、○○選手がどこそこのホテルで誰とデートして、お泊りとかそういう話はしていませんよ(^^))。もう一つの会でも、元エジプト駐在の方とエジプトに大型の投資をしている方が、現下の情勢についてて情報交換していたり、何点もお店を経営している方と、ソーシャルメディアの活用について話したりと全く素性の違う人間が、同じ時期にロンドンにいる同い年の人間というだけで、楽しくかつ刺激的な時間を共有できるのが素晴らしい。他にも大学の先生とか社長さんとか色々いらっしゃるんですが、同い年ということで、皆、初対面でも、敬語を使う必要はないし、話題も、昔のヒーローとかアイドルとか、自分は誰派だったとか、そういう他愛もない話で盛り上がれるのがいいですね。今度は、早めに家に帰ってから、ネクタイ外していこうかな。それで、これからは、”○○ちゃん”って呼んでもらおうかな。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.30
コメント(2)

エジプト情勢が、いよいよ緊迫の度を増してきた。エジプト全土で大規模なデモが続き、治安部隊との衝突で死傷者の数も増え続けている。既に、後継候補と言われていたムバラク大統領の次男は亡命したとの噂も流れており、ムバラク追放というところまで行かなければ事態は収拾しないのではないかという見方が強いようだ。ちなみに、現在、エジプトには英国人観光客が3万人程度いるらしく、BAが帰国のためのチャーター便を出すなどしている。そもそも、ピラミッドなどの観光の目玉となる施設は、立ち入り禁止になっている。この問題についての見解を述べるのは物凄く難しい。ムバラク政権は、独裁政権ではあるが、穏健な親米政権でこれまでの中東問題における西側諸国のパートナーとして重要な役割を果たしてきた。革命が実現したとしても西洋的な価値観である民主化が本当にアラブ社会に馴染むのかには疑問もあり、結局は、部族間・宗派間の新たな勢力争いと、その結果として別のリーダーによる腐敗や圧政(西洋的に見ればという意味だが)の世界に落ち着くしかないかもしれない。もしくは、国民の不満・怒りの矛先を西側社会(キリスト教社会)に向けたい勢力(イスラム原理主義)が、この機に乗じて大きな力を持ち、国境を越えて更に大きな勢力になるきっかけになる危険性もあるだろう。だから、世界は、宗教的なイデオロギーから離れた部分での普遍的価値である民主化をどうやって根付かせるための協力ができるのか、ここは本当に欧米諸国も頭を悩ませていると思う。理論的には、本来であれば、宗教戦争から距離を置くことが出来る日本が、大きな役割を果たすことが出来得る場面でもあるはずだが、残念ながら、無理だろう。とにかく、ムバラク政権という抑えが効かなくなると、中東情勢は流動化し世界は一挙に不安定さを増すであろう。これは必要なプロセスなのだとは思うが、どう転がっていくかは分からない。気になって気になって、ずっとBBCのニュースチャネルを見たり、アルジャジーラのウェブサイトをチェックしたり、ツイッターのエジプト情勢関連のハッシュタグを追いかけたりしている。そう言えば、日本では、刻々と変化するエジプト情勢を知るためには、インターネットかCSTV等で見るBBCやCNN位しかないんですよね。でも日本の人達も関心はあるみたいで、アルジャジーらのライブニュースを副音声(日本語)で中継するネット番組とか、結構な視聴者数みたいですね。私も、今回つくづく、ツイッターやインターネット番組によるニュースの速報性と多様性に感心しました。エジプト情報だけでなく、例えば、ダボス会議に参加して、状況と感想をツイートされている人もいますし、新聞やTVのニュースでは分からない内容がライブで伝わってくるので、すっかり引き込まれていました。では、これからまた、アルジャジーラとBBCとツイッターに戻りますね。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.29
コメント(2)

今日は飲み会で、久々の午前様。本当はエジプト情勢が物凄く気になっているんですが、今から最新情報をフォローする気力がないので、今日は別のことを書きます。このところ、結構、社会派の記事を書いている気がするが、今日は、どちらかと言えば、英国のタブロイド誌を賑わしている話題について書きます。年の為、補足しておきますが、タブロイド誌と言うのは、スポーツ新聞か夕刊フジみたいなものだと思ってくださいね。今、英国で最もホットな話題の一つが、英国の有名なフットボールの番組プレゼンターとコメンテイター(解説者)のセクハラ発言による番組降板です。ことの発端は、22日のウォルヴァーハンプトン対リヴァプール戦で、試合開始前に、この2人が、女性であるメッシー副審について、「女性に副審ができるのか?」「女性にオフサイドは分からないだろう。誰か教えに行ったほうがいいんじゃないか」「(選手の)誰か興奮するんじゃないのか」等と発言したようだ。この会話が、(彼らの想定外に)収録されており、リークされたことから問題となったわけです。スカイTVの反応は素早く、解説者のアンディ・グレイは、レッドカードで一発退場(即日解雇)となり、翌日には、プレゼンターのリチャード・キーズも辞任を表明。その後も、騒動は収まってはいないようだ。まあ、あまり詳しくは書かないが、この一件でも、ソーシャルネットワークが大活躍し、彼らの過去のセクハラ言動が出るわ出るわ。ついでに、この女性審判のプライベート写真とかも公表されていたりしる。彼女に対する女性差別発言(人権侵害)が、ことの発端なのに、結局、彼女をどんどん傷つける方向に物事が進んでいるのは、とても皮肉なことだと思う。ところで、英国において、フットボールは、決して、多くの日本人が思っているような上品なスポーツではありません。ブルーカラーのオジサンたちが、ビールをあおって、大声で放送禁止用語を叫びながら、応援するのが相場です。女性にはオフサイドは理解できない、というのは、ある種の決まり文句で、例えれば、「大阪人はせっかち」とか「京都人は腹黒い」くらいとあまり変わらない感覚で使われているようにも感じます。ただ、そんなフットボールを先進的なビジネスコンテンツに仕上げて世界中で販売し、成功を収めているスカイグループとしては、毅然とした態度を取るしか道はなかったのだとも思えますが、何だか、臭いものに蓋をしただけのような気もしないではありません。何だか、このゴタゴタを見ていると、次元は違えども、日本の大相撲の一連の不祥事を思い出しました。「あれ~。呑む・打つ・買うなんて、みんなやってるじゃん。何で俺だけ、えーえー。マジ。」ってな感じのお相撲さんが沢山いたように記憶しています。この2人も、もしかしたら同じように思っているかもしれませんが、これは時代の変わり目に誰かが負担しなければならない一種の有名税のようでもありますね。とにかく、フットボールは楽しくないといけません。プレーは激しく。応援も熱く。でも、誰かを傷つけて楽しむのは、ルール違反でレッドカードです。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.28
コメント(5)

今日も、別のことを書こうと思っていたのだが、菅首相のあんまりな発言を仄聞してしまったので、予定を変更しますね。既に皆さんご存知の通り、格付け機関スタンダード&プアーズ(S&P)が、日本国債の格付けを「ダブルA」から「ダブルAマイナス」に格下げしました。「ダブルAマイナス」は上から4番目で、財政不安で現在、欧州の火薬庫扱いされているスペインを下回ります。実際、日本の財政状況が危機的な水域に入っていることは、誰の目からも見ても明白であり、金融マーケットの参加者などには大きな驚きはありません。今日のマーケットの結果を見ても、為替への影響は対ドルで1円強の下落、10年国債の金利で0.015%の上昇、という一定の変動に収まっています。OECDによると、一般政府ベースの債務残高は、名目GDPの約204%に達するそうだ。先進国のほとんどが80~90%台で、2番目に高いイタリアでも約133%にとどまっている。戦時財政以外で、債務残高がGDPの2倍を超えた例は聞いたことがありません。それでも、このような低金利に収まっているのは、お金の行き場がないことと日本国民が保有していることですが、そうは言っても限度というものがあります。私は、すぐに破綻するとも必ず破綻するとも思っていませんし、一部の有識者(学派?)の方や一部のマスコミの方には、増税キャンペーンへの誘導(扇動?)とも思われる論調も見られるのため、彼らとは一線を画しておきたいとも思いますが、財政再建への道筋は付けておかないと、本当に日本売りの口実を与えてしまうことになるかもしれません。いずれにせよ、いつ格下げされてもおかしくない状況にあたったことは間違いなく、財政運営が政府の最大の関心事であるにもかかわらず、格下げについて記者から質問された際の、首相のコメントが、「ちょっとそういうことに疎いので、また改めてにさせてほしい。」というのは、本当にあり得ないと思う。なるべく政治的な発言は控えるようにしているつもりなんですが、ちょっと酷いですね。せめて、「詳細を把握していないので、コメントは差し控えたい。」と何故、言えなかったのだろうか。しかも、菅首相は、財務大臣経験者でもある。もう、仮免許は卒業したと仰っていたはずなのに、そもそも特殊な限定免許だったとは・・・。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.27
コメント(0)

今日は色々買いたいこともあるのだが、取りあえずは、昨日TPPについて、どちらかと言えば賛成(だが・・)と書いた理由を書いておこうと思う。決して、平成の開国というイメージに条件反射的に反応しているわけでも、私が得をするからでもない。今、企業の海外流出、つまりは、雇用流出が大きな流れになっていますね。政府も雇用が第一とか言って、一応の対策らしきものをやっているそうではあるけど、全然だめですよね。少なくとも、円高対策や微々たる法人税引き下げなんかだけで、こういう流れは止まりません。例えば、雇用規制、失業を減らそうと思って解雇関連の規制を強化すればするほど、ますます、企業は、人を雇いにくくなるので、海外シフトを加速して失業が増えます関税についても同じではないでしょうか。日本が他国とFTAを結べなければ、日本企業は外国で作って輸出します。つまり、日本で自動車を作って売れば、関税が10%かかるが、タイで作って売れば関税ゼロなら、タイで作って売るだけです。そうしないと生き残れないからです。ただ、FTAやTPPなどを結んで、関税障壁がなくなれば、日本で作って海外に売れるのか、と言えば、そういうわけでもないでしょう。これだけグローバリゼーションが進めば、日本で労働集約型の産業を維持発展していくことは難しいとは思いますので、世界的な分業体制みたいなルールの中で、どういう位置を占めていくかが大切です。単純加工などでバングラディッシュなどと競争するという選択肢はありえませんから。だから、FTAやTPPなんかは、世界的な分業体制を作るための枠組みだと思うんですね。となれば、その枠組み作りには、できるだけ早い段階から入っておいた方がいいに決まっているんじゃないかな、とは思うのです。もちろん、国運をかけて交渉に臨んでくるアメリカと対等に渡り合えるのかとかいう話は別次元の話ですし、論点が他にも沢山あることは昨日も書いたとおりです。いずれにせよ、これからの政策判断は、グローバリゼーションに対する本質的な理解が必要だとつくづく感じますね。今や、自国だけで物事を考えて対策を打っても、逆効果となることも多いのです。少し話がずれますが、金融政策・金利政策も同じです。日米欧で、自国の景気を刺激しようとして実施された金融緩和ですが、そのお金は、自国には投資されず、新興国や商品市場に流れ込んでいます。それで自国通貨安になればいいじゃないかという人もいますが、食料や原油のインフレやバブル崩壊等で後になって痛手を追う可能性が高いし、日本の場合は、単にグルッと回って国の借金が積み上がるばかりです。まあ、こういうグローバリゼーションの本質を捉えて行動しなければならないのは、何も政策立案者だけじゃないですけどね。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.26
コメント(0)

今、日本では、平成の開国とか言って、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定(Trans Pacific Partnership))に加盟するのしないので、大変な議論になっていますね。マスメディアでも、どの政治家が賛成派で誰が反対派だとか、世論調査の結果はどうだとか、毎日のように報道されている様子。ただ、世論調査の結果をみて思うのだが、この回答をした人のうち、どれくらいの人が、TPPの中身や影響を本当に理解しているのだろうか。もし私が質問を受けたとすれば、「どちらかと言えば賛成だが、よく分からないので、しっかり勉強してから見極めたい。」と答えるのがやっとだと思う(統計上は“賛成”になっちゃうのかな)。これって、輸出振興か農業保護かみたいな単純な問題ではなくて、「労働市場の開放(移民受入れ)」とか「医薬品や食品の安全基準」とか「公共事業の入札」とか、他にも色んな課題があるんですよね。個別の損得は一旦横に置いても、そもそも関税自主権を放棄するって本当にいいのとか、安全保障上の効果が見込めるとかいうのは本当か、とか、よく分からないことが一杯ある。だから、「平成の開国」というイメージだけで、賛成か反対かを問うのは、ちょっと違うんじゃないかな、と感じるし、ちゃんと、見えるところで、しっかりと論点を明らかにして、議論したうえで、ビシッと決めて欲しいですよね。もちろん延々議論だけで先送りというのは最悪ですが。消費税もそうですね。「賛成か反対か?」って、前提条件なしに聞かれても答えようがありません。「その他の公約を守らず、無駄遣いは残したまま」なら、反対に決まっていますし、「絞っても何も出てこない中で、国の財政再建に必要な財源の選択肢として」であれば、賛成も出来ます。だから、こういう賛成か反対かみたいなシンプルな支持率調査みたいなのは、あんまり意味がないと思う。聞かれている人は空気で判断しているだけの人が多いだろうし、結局、支持率ばかり気にするポピュリズム政治を生み出すだけのような気がする。まさか、国民おマスコミも“政権交代”に賛成か反対かという二元論に、空気と熱だけに押されて、現政権を熱狂的に支持した過ちをもう忘れたのではあるまいな、とも思うのは私だけではないと思うのだが・・・。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.25
コメント(2)

実は、先週、遂に、スマートフォーンを購入しました。いかんせん、アナログ人間ですので、少しずつおそるおそる触っているところです。私も、仕事柄、出張なども少なくはないので、同僚や家族との連絡手段として、やはりあると便利かな、というのが購入の動機です。それから、先般の大雪+寒波で飛行機が飛ぶかどうか分らなかったとき、TVのニュースでも、適宜HPで確認しろと言っていたんですよ。それって、スマートフォン持ってないと出来ないですよね。あと地図情報は、海外では特に便利ですよね。さて、イギリスでは、どの程度、スマートフォンが流通しているのでしょう。何かの記事で読んだのですが、確か普及率は30%弱で、どんどん拡大しているとのことでした。ちなみに、イギリスより普及しているのは、スペインとイタリアらしい。これってフットボール熱と関係しているのかな~。ただ、イギリスでは、日本のように、電車の中などで、頻繁にメールを打つ姿は、それ程見られません。もちろん、Wi-Fi環境とかの違いとかもあるんでしょうが、スリや強盗に狙われやすい、というのもあります。実際、バスにも、そういう警告のポスターが張ってあったリしますから。以前の在英時の記憶では、イギリスの携帯電話は、かなり機能レベルが低くて、所謂、プリペイド式の携帯電話が主流でした。一部のビジネスマンなどは、ブラックベリーのヘビーユーザーであり、ブラックベリーに電話機能をくっ付けるだけでも間違いなく、すぐにでも普及するだろうと思っていましたが、実際、凄い勢いで広がっていますね。日本人的な感覚だと、次なる進化は、ワンセグとお財布携帯でしょうか。詳しく分かりませんが、おそらく、こちらでは、まだ普及していないはずだと思います。でも、ワンセグで見たいとすれば、スポーツ中継かな、とは思うのですが、こちらはフットボールとかの試合は、基本的に有料チャネルだから、そことの兼ね合いですかね。いや、フットボールは、バぶで見るものですし、試合が見たければ残業とかしませんから、普及しないかな?お財布携帯はどうだろう。こちらは無理だろうと思う。デビッドカードの使用金額が現金の使用額を超えているほどで、どう見てもデビットカードの方が便利ですからね。やっぱり、こういうものって文化の差が出ますね。って、文化論述べてるより、早く、使いこなせるようになれねば!!お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.24
コメント(0)

先週は、結構真面目に、社会派ネタについて色々と書いてみた。沢山の方にお読み頂き、コメントも沢山頂いた。主には自分自身の勉強のために書いているのだが、何かを感じていただけたのであれば嬉しい限りです。ちなみに、いつもお願いしている、人気ブログランキングも、今現在、昨日の記事が1位になっていました。重ねてお礼を申し上げます。さて、今日は日曜日。特に用事もなかったので、ぶらりと散歩に。そのうち、思い立って、サイエンスミュージアムに行った。実は、私の家から徒歩圏ながら、いつでも行けるとの思いからか、一度も行ったことがなかったのだ。さすがに、産業革命を起こした国らしく蒸気機関車や初期の航空機など、中々に興味深い展示が一杯だ。体験型の施設等も沢山あって、子供達も楽しそうだった。やはり、自動車とか汽車とか飛行機って、大人も子供も大好きなんですよね。特にお父さんと子供にとっては、共通の話題として最適なのではないだろうか。そして、以前にも書いたが、ロンドンに数ある博物館・美術館は、基本的に無料だ。芸術や知的資産に触れる機会の平等を確保するという姿勢は徹底されていて、財政危機にあっても、ここを有料にすべしとの声は聞かない。日本も高速道路より先にこっちを無料にしたらどうだろうか。翻って、日本だが、同様の施設はあるにはあるが、小規模乱立気味でしかも有料というのが相場ではなかっただろうか。間違っているかもしれないが、私が知らないということは、それだけ認知度が高くないということだろうとも思う。やっぱり、日本というのは、多くの国から見れば、科学技術立国であって、特に新興国の人達にとっては、憧れの存在でもある。そういう人たちに、日本に行くのであれば、あそこに行けばいいよ、という日本版のサイエンスミュージアムのようなものがあってもいいと思うのだが、どうだろうか。これって、博物館だけではないですけど、日本(特に東京近辺)には沢山行くべきところはあるにはあるけど、決め手にかけるんですよね。ロンドンなら、ビッグベン周辺・バッキンガム宮殿・大英博物館・ナショナルギャラリー位を挙げれば起点になるけど・・・。そういう意味では、アニメの殿堂はあってもよかったかな~。あ、そうだ。日曜日は、脱力バージョンの日なんです。今日も社会派ネタだと思われていた方には、ごめんなさい。さー、晩ご飯つくろっと。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.23
コメント(0)

昨日から今日にかけて、この問題が日本でも英国でも大きな話題となった。在英の日本人の一人として、思うところを記しておこうと思う。簡単に、事情を振り返るとこういうことだ。英国の公共放送BBCの人気お笑いクイズ番組で、広島と長崎で2度被爆した方を「世界一運が悪い男」として面白おかしく紹介したことを、受けて日本政府(大使館)が抗議の文書を送り、釈明の文書が返ってきたというものだ。このような行為は決して許されるべきものではない。更に強い態度で抗議すべきだし、このようなことが2度と起きないように関係者には猛省を促したいと思う。ご遺族の心情などを考えれば、適切な言葉も見つからず、軽々にここで論じることが憚れる思いすらある。ただ、英国に住んでいると、これは起きるべくして起きたことのように想われ、それ程大きな衝撃を受けないのも事実である。まず、このTV番組は、偶にしか見たことはないが、王族や現役の政治家(英国に限らない)を派手に揶揄したり、宗教やテロなども笑いにしてしまう相当に際どい番組である。日英の笑い・ユーモアに対する違いがモロに表れていると言えばそれまでだが、あの番組ならあり得るな、というのが在英の人間の直感なのだ。また、より本質的な問題として、第2次世界大戦に対する国民の認識は、悪の枢軸を倒した戦いであって、対日本について言えば、英国人捕虜に酷い仕打ちを行った国ということは嫌というほど報道されるが、原爆の悲惨さについては、ほとんど意識されてはいない。アメリカほど、露骨に、原爆を正当化する考え方が一般化しているわけではないが、日本人が持っている原爆に対する特別な思いを理解している人はほとんどいないように思える。さて、ご批判を承知で、今回の件で、日本人・日本のマスコミの反応を見ていて、感じたことを書きたい。ある新聞の社説では、「原爆の悲惨さが伝わっていない。もっと訴えていく努力が必要。」と結んでいた。それはそれで大切かもしれないが、もっと大切なことは、「なぜ、あのような悲惨なことが起きてしまったのか。」「どうすれば、あのような事態を起こさない世界が築けるのか」を皆で考えることであるはずだと思う。全ての兵器は悲惨であり、悲惨だから戦争を止めようだけでは、何も解決しないのだ。ちなみに、ポーランドにあるアウシュビッツの強制収容所は、普通の人間であっても、どのような状況に置かれれば、あれほどの非人間的なことが出来てしまうのかを、皆が考えるための施設と位置付けられている。よろしければ、昨年書いた記事をお読み頂きたい。「アウシュビッツ強制収容所で考えたこと」 http://plaza.rakuten.co.jp/Londonnikki/diary/201008130000/我々も、そろそろ「原爆は悲惨だから戦争は2度と行ってはならない。」というところから一歩踏み出して、「何故、原爆が落とされなければならないような事態を招いてしまったのか」、「2度とそのようなことを繰り返さないために必要なことは何か」を国民一人一人が考えていく必要があるのではないだろうか。そのためには、是非、日本史や世界史は、年号を覚えたりするものではなく、歴史の教訓を引き出して現代に活かすためのものであると認識を改めて、授業なども、正解をおしえるものではない、そうハーバードで「正義」の話をするような、そんな時代がくればいいなと夢想したりしている。お読み頂き有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.22
コメント(10)

今日は、あるセミナーに参加。講師は、元駐日大使で、日英・日欧関係や日本経済についてのご所見等を伺った。中身については、勝手に発表してはいけないルールなので、ここには書きませんが、質疑応答タイムに、とても気になることがあったので、書いてみる。長く欧州でビジネスをされている、素晴らしい大先輩である日本人の方が「最近の日本の若者が海外で働くことに消極的だと言われているが、どうしたらよいのだろうか。」という趣旨の質問をされた。確かに、最近のマスコミ報道などでも、「最近の若者は、内向き。もっと海外に出よ」の大合唱だ。ただ、私は、こういう論調にやや違和感を感じている。もちろん、私は、自分自身が海外で学び、海外で働く機会を得たことを、この上なく幸せな経験だと思っているし、特に、若い頃に海外で色んな刺激を受けることは物凄く大切なことだと思っている。だから、身近に迷っている人がいたりすれば、迷わず背中を押しますよ。でも、今の若者が昔ほど海外に出ないのは、果たして、若者が悪いのだろうか。先ず、私が若い頃、欧米というのは、眩い憧れの土地でした。特に、アメリカは、まさにパックスアメリカーナ、自信に溢れたまぶしい国でした。なんとかキャッチアップしたいと必死で背中を追いかけたのが我々の世代です。でも、今の若者が子供の頃に知るアメリカは、日本との経済戦争でヒステリックに騒いだアメリカや、底なしのテロとの高いに疲れ果てようとするアメリカであったりもするわけで、何はともあれアメリカだ、という意識はあまりないのではないだろうか。まず。前提が違うと思う。それから、確かに、我々の世界は海外には出たが、中には、好景気に押された、社費留学・トレーニーのようなものも多かった。私自身もそういう経験があるので、天に唾することになるが、意を決して海外に飛び立ったというよりも、お膳立てがあって出た人の方が多かったのではないだろうか。そもそも、海外で学んだ人が、その素晴らしい経験・知識を滲ませて自信に溢れた生き方をしていれば、言われなくても、周りにいる人間(若者)は、自分もそう在りたいと思うのではないだろうか。更に言えば、日本経済の閉塞感を生み出したのは、若者ではなく我々だ。そういう立場の人が、上から目線で、若者を内向きと非難し、裸で飛び込めというのは、ちょっといかがなものかと感じてしまうのだ。若者がチャレンジしないようになったとすれば、それは大人がチャレンジすることを評価しない社会を作ってしまったからなのではないだろうか。野球やサッカーでは、若者がどんどん海外に飛び出していますね。彼らは、より高いレベルを求めてチャレンジし、そして、また、そこでの経験が日本に戻ってからも高く評価されます。チャレンジすることが評価される世界であれば、もっとチャレンジするのです。私はそう思う。でも、その上で、敢えて言います。若者よ、日本を出て世界を知ろう。そして、チャレンジしよう(おじさん・おばさんもね)。応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.21
コメント(9)

数日前のブログで、文部科学省が、英語の先生の国費留学(半年の英語研修)を新たに実施する予定であるとの記事について、発想がおかしいのではないかと指摘した。英語教師が実践的な英語を身に付けていないことが、日本人の英語の語学力向上の妨げになっているのは事実だろう。だからと言って、多額の税金を投入して、何人かの先生を半年間留学させて、何が変わると言うのだろうか。やらないよりマシではないか?って。冗談じゃありません。どこにそんな財政上の余裕があるんですか。結局、お役所が選抜して、行かせてあげて、レポートを受けとる、という役所権限と仕事が増えるだけです。記事によれば、意欲のある先生を校長が推薦という権威主義とか、帰国したらレポートを書き・周りの先生にも身につけたことを還元とか、アリバイ的な形式主義がぷんぷん臭う官僚の作文で、全然ワクワクしないですよ。そうしたら、一昨日、橋下大阪府知事が、大阪府下の全ての高校を対象に、TOEFLの受験を励行し、成績上位50校に対して5億円の予算を配分するという。私は、こちらの方策は悪くないと考えている。少なくとも、先生方は、自分自身がTOEFLのことを全く知らなければ話にならないので、自分で受験してみるだろう。そうなれば、先生自身が、より実践的な英語力の習得に向けた勉強も行うであろう。それに、「全員に受験を義務付ける」とかでなく、先生が自主的に勉強するようになれば、職業としての授業に慣れてしまった先生が、勉強の楽しさや尊さを再確認できるかもしれないじゃないですか。また、生徒にとってみれば、こういうゲーム感覚で楽しく勉強できるという環境は、もの凄く大事なのだ。日本人(特に年配者)は、どうしても、勉強≒修行であるかのように捉える傾向があるが、何事も嫌々やるより楽しんでやった方が身につくことは、科学的にも証明されている。「それって面白そうじゃない。」っていう感覚が大事。グーグルだってフェイスブックだって、優秀な学生が、ゲーム感覚・遊び感覚が生み出したものである。しかも、頑張って予算が入ってくれば、それでまた、語学力強化の方策が打てるので、獲得に貢献した生徒達の意見なんかも聞いてあげればいい。勉強して成果が出て認められて、また次の改善策を考えて、といったサイクルを経験できれば、語学力向上以上の教育的効果があるんじゃないかな。まあ、分かりやすく極端に対比させてる面はあるけど、例えれば、最貧国で、貧しい民衆に食べ物を配るのか、稼ぐ方法を教えるのか、の違いに近いと思うのです。ちょっと言い過ぎかもしれない。応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.20
コメント(2)

さて、私が毎日このブログを書いているのには、後付けも含めて色んな理由があるのだが、その内の一つは、自分の勉強のため。この2日間は、政治問題と世界情勢について書いてみたところ、2日間で2500件近いアクセスを頂いた。一緒に勉強してくださっているのだとすれば、嬉しいですね。と言うわけで、今日は経済問題。一応経済人なので、ちょっとハードル高いが、気にせずチャレンジ。日本は、ずっとデフレで苦しんでいますね。でも、今、世界が心配しているのは、特に新興国におけるインフレやその先のバブル崩壊です。ちなみにイギリスでさえ、12月の物価上昇率は、3.7%。特に、食品は、6.1%上がっています。まあ、景気がよければ収入も増えるので、なだらかに物価上昇していくぶんにはとてもハッピーなことなのですが、今は、歯止めの効かない行き過ぎが懸念されています。と言うのは、今は、様々な事情で世界中に溢れているお金が投資先を求めて世界中をさまよっていますから、ここだとなれば、瞬時にお金が集まり、懸念が発生したり他の有利な投資先を見つけたりすると、あっという間に出て行ったりしてしまいます。まず、何故、そんなにお金が余っているかと言えば、所謂、世界的な金融緩和(量的緩和)が一番の理由です。景気の下支えのために中央銀行がお金を刷りまくる。本当は、これが国内の投資に回れば景気回復の起爆剤になるのですが、適当な投資先がないため、これらのお金は、国境を越えて、新興国市場に流れたり、金・原油・商品などの市場に向かいます(ですから、日本は、いくら金融緩和しても、デフレ脱却できないわけですね。ついでに言えば、国債が積み上がるばかり。)。一時期流行った「円キャリー取引」、これはゼロ金利の日本円を借りて、高金利の通貨で運用する取引ですが、世界中の先進国が低金利になって、ドルキャリー取引とかも含めて、世界中のお金があふれ出したわけです。世界中の投機マネーを集めた中国やブラジルなどは、景気の過熱・バブル崩壊を抑えるために、既に金融の引締め(利上げ)体制に入っています。金融引き締めによるソフトランディングが結構な難題であることは、日本のバブル崩壊の経験が証明していますし、欧米の景気が回復しなければ、政策的な高金利(信用度の悪化によるものではない)につられてやってくる資金によって、ますますバブルが膨らむ可能性もあります。そうなれば、ハードランディングのリスクは高まらざる得ません。加えて、反対周りで、資源高で設けた国の資金(オイルマネー等)や新興国の投資資金も、様々な思惑を持って世界を駆け巡っています。大切なことは、日本の経済問題の解決についても、日本の事情だけ見ていては対応できない世界になっているということです。円高対策やデフレ脱却のための論議で、短絡的な主張をする人もいるようですが、マネーの世界に国境はありませんので、世界の動向ををしっかり認識しておかなければ、大きな間違いを犯す恐れもあると思うのです。応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.19
コメント(0)

今日は、世界を大きく変えるきっかけになるかもしれないチュニジアの政変について、私なりに整理をしてみたい。そもそも,ことの発端は、昨年の12月に起きた、若者の焼身自殺だ。失業中であった彼が街で野菜を売ろうとしていたところ、無許可販売であることを咎められた。辱めを受けたこともあり、抗議の意をこめて自分自身に火をつけたとのことだ。この事件は、高失業率とインフレなどによる貧困に苦しむ多くの国民の同情を集めたようだ。そこに、ウィキリークスによる外務省の公電が暴露され、その中に、チュニジアの独裁者であるベンアリ前大統領及び側近等による腐敗・汚職を匂わす内容が含まれていた。フェイスブック等のソーシャル・ネットワークを通じて、これらの情報は瞬く間に伝播し遂にはデモの扇動へと変わっていったようだ。その後、大規模なデモが国内中で発生して、遂には、大統領がサウジアラビアへと亡命を図り、デモは革命へと昇華した。既に、同じような問題を抱えるエジプトやアルジェリアなどの近隣のアラブ諸国でも、チュニジアを意識した焼身自殺(未遂)による抗議等が発生しており、リビアやサウジアラビア等も含めて、独裁国家における革命のドミノ現象が起きる可能性もあるのではないかとの見方もあるようだ。今回のチュニジアにおける革命(「ジャスミン革命」)が、特に重要な意味を持つと思われるのは、欧米の対応姿勢の変化だ。従来、民主主義の権化のような国であるアメリカでさえ、新米政権である限りにおいては、アラブ諸国の専制君主たちによる専横を認めてきた。もちろん、この背景には、「航路の確保」、「石油の確保」、「イスラエルの保護」、「ソ連の牽制」、「反米アラブ諸国の牽制」など、より実利を伴う理由があっての妥協であったのだろうが、今回の革命において、オバマ大統領は、チュニジアの国民の勇気に賛辞を送る発言をしている。つまり、これまでは、まかりなりにもアメリカ(及びその同盟国)が、支持していると考えられていた独裁政権には、米国の後ろ盾はなく、民主主義を求める国民側に米国政権の支持があるということが、明確になったわけだ。ただ、アラブ世界に民主主義を持ち込むのは、それ程簡単なことではなく、それは幻想に過ぎないのかもしれないとの思いが強い。しかし、いずれにせよ、パンドラの箱が開いたかもしれない、のは事実だ。日本の報道ではおそらく、簡単な背景と邦人の安否くらいしかニュースになっていないんじゃないかも、と思ったので、勉強を兼ねて問題を整理してみた。こんな感じで、これからもブログを勉強の糧にしていこうと思う。応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.18
コメント(1)

今週からは、また、世界情勢について、自分なりに勉強しながら、書いていこうと思っていたのだが、今朝の朝刊を読んで、あまりにも呆然としたので、今日は、真面目に、日本の目指すべき進路について書いてみたい。私が、呆然としたのは、以下の2つの記事。一つは、TPP参加の地馴らしとして、新規就農者に、年間100万円支払うという話。もう一つは、公立校の英語教師を税金で留学させるという話。ともに、「平成の開国」にための施策らしい。各論はともかく、どうして、日本政府は、税金を使うことしか発想できないんだろう。どうして規制緩和して、競い合って、資金を呼び寄せて、人も育てて、経済(結果的に財政も)も潤うようなサイクルを考えないんだろう。優遇税制を変えて兼業農家が休耕地を手離すように促して集約化を進めた上で、ネット等を使ったマーケティングで安全な農作物を世界に売るとか、外国人講師のVISA取得要件を緩和してネイティブ授業を増やしつつ、スカイプによるガ外国在住講師による授業も認めるとか、いくらでもアイデアは出てくるんじゃないのか。税金なんか使わなくても、どんどん、人や金が集まる仕組みは出来るんじゃないだろうか。どうして、そんなにして、農業従事者や公務員にばかりサービスしようとするのか。私には、明治時代くらいの発想にしか見えない。結局は、許認可権限とチェックや報告の役所仕事が増えるだけではないのか。上手くいくかは分からないが、イギリスのキャメロン首相は、税金など一切使わずに、ビッグソサイエティという概念で、公共サービスのレベルアップなどを図ろうとしている。財務大臣も、もう我々にはお金がない。だから、お金をかけずに、国を立て直すしかない、とはっきり明言している。財政状況は、日本の方がずっと危機的だ。かつて聞いたことがあるのだが、優秀な官僚の皆さんは、「IT立国」でも「観光立国」でも「コンクリートから人へ」でもどんなスローガンでも、作文によって全く同じ施策を組み入れることができるらしい。とにかく、官僚の方は、予算を確保して権限と仕事を増やすことが評価の対象なので、任せ切りにすると、税金を使う話しか出てこないのだ。税金なんか使わなくても、今、世界中でお金が余っていますよ。世界中に溢れているお金が集まってくるようにするためには、過去の延長線上ではなく、日本が変わったんだなと思われることを大胆に実行しなければならない。過去との非連続(自己否定)は、官僚の方が最も苦手とするところであり、それをやることこそが政治主導であり、政権交代の醍醐味であるはずだと思うのだ。応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.17
コメント(7)

今日は、日曜日。特に予定もなかったので、以前から何んとなく気になっていた、ウエストフィールド・ロンドンというショッピングセンターに行ってきた。このショッピングセンターは、ロンドンで最大のものであるが、私が以前ロンドンにいた頃にはなかったものだ。ロンドン西部にあるので、ヒースロー空港からロンドンの中心街に行く途中にその近くを通るので、この強大な建物は何なんだ、と先ず目に入るのだ。ロンドンには、北部にブレントクロスショッピングセンターという有名な大型のショッピングセンターがあり、実は、以前住んでいた家は、このショッピングセンターの徒歩圏だったのだが、これと比べてみると、ウエストフィールドには、ルイ・ビトンやティファニー等の、ブランドショップも沢山入っていること、シネコンもあってレストランも充実していることから、かなり近代的で高級感のあるレジャー型のショッピングセンターであると言えるようだ。とにかくデカくて、ロンドンで見る主要な店は全て入っている感じだ。だから、プーマやアディダスた鬼塚タイガーの専門店がある一方で、デパートにもスポーツグッズのディスカウント店にもスポーツウェアは売っているわけだ。端から端まで行けば、次の駅に出てしまうという感じなのだ。ぱっと見たところ、日本銘柄は、ソニーとユニクロと鬼塚タイガーが店を構えていた。それぞれに違う特色で日本代表として頑張っている企業であり、応援したい気持ちが増した。ちなみに、ロンドンは、今も未だバーゲンの最中。こちらでは冬のバーゲンは、クリスマス辺りから1月程度行われる。日本のバーゲンと違うのは、昨日まで正価で売られていたものが半額になって、バーゲンが終わったらまた元に戻ったりすることもあるということだ。日本だとお客さんが怒りますよね。これも慣習の違いですかね。私は、スポーツバッグ一つとセーター1枚を購入しました。あまり身なりを気にするタイプではないのですが、また帰国したら娘とデートしないと行けませんから、ちょっと奮発(と言っても3割引き)。そう言えば、このショッピングセンターには、パーソナルスタイリストという人がいて、自分に似合うコーディネートをしてくれるんですよ(もちろん、有料)。声をかけられましたが、遠慮しました。頼んでみると面白いかもしれませんね。というわけで、何のことはない日曜日の日記でした。最近、読者になって頂いた方にはご免なさい。日曜日は、気楽な日記の日にしていますので、学びとか社会派メッセージとかはなしです(^^)。 応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.16
コメント(0)

第2次菅内閣が発足したが、早速、与謝野氏の経済財政担当大臣就任や藤井官房副長官といった人事を受けて、消費税増税内閣などと騒がれているようである。記者会見などでも消費税に関する質問には、菅首相も気色ばんで反応したようで、とにかく、政治家も国民も、消費税の話になった途端に、過敏とも言える反応を示すのは何んとも奇妙である。一方、イギリスでは、何と消費税に相当する付加価値税が、今年から20%にまで上がった。しかし、付加価値税引き上げ反対といったデモや激しい論争を見た記憶が全くない。もちろん、増税に対して無関心というわけではなく、大学の学費値上げに対する大規模な学生デモは世界中にて報道されたし、今は、銀行トップのボーナス支給を認めるべきか特別税などの創設で阻止すべきかといった論議が喧しい。この違いはどこから来るのか、基本は、プリンシプルの違いだと思う。イギリスの場合、プリンシプルは、フェアネス(Fairness)。付加価値税は、国民みんなが薄く広く負担するという意味で極めてフェアな税方式だと理解されている。生活必需品は無税であったり、一部商品等は5%の低税率が適用されたりするので、低所得者層への配慮も組み込まれている。一方で、学費の値上げは、世代間の公平性、銀行税については、業態間の公平性(銀行だけは公的資金で救済される)といった面で、フェアではないと考える人が多くいるがゆえに、騒ぎが起きているのだと思う。翻って日本だが、当然、増税よりも無駄の排除が先だというのは分かるが、歳入に議論を絞った場合、消費税増税が嫌だという人は、どのような歳入構造がフェアだと考えているのだろうか。そう言えば、昔、娘のバレーの発表会が公民館のようなところで開催されたとき、家内が「公民館の使用料が高すぎる、ちゃんと税金払ってるんだからタダにしてほしいわ」と言い、「気持ちは分かるけど、我々は一生に何回かしか利用しないけど、タダにしたら、喜ぶのは、毎週使っている人達で、使用料という収入が減るから税金で運営されることになるよ。」と答え、「冷静にそんな身も蓋もないことを言わないで。そんなことは分かっているけど、払いたくないような対応だったのよ」と怒られたことを思い出した。消費税も同じことで、上がるとなれば面白くないが、そこで負担しないとその分は、別のところで負担が発生する。それは所得税かもしれないし、赤字国債かもしれないし、行政サービスの低下かもしれない。だから、普通に考えれば、例えば、子持ちのサラリーマン主婦の人が、スーパーでインタビューを受けて、消費税が上がったら困るわ、等と言っているのは、あまり合理的ではないはずなのだが、皆が、怒っているということは、フェアかどうかといった内容の合理性よりも前に、「貴方達がやるなら反対」ということ、つまり、「貴方にフェネスを語る資格はない」という拒絶なのかもしれない。やっぱりもう一度、子供手当とか高速道路無料化とか農家個別補償とかそういう個別施策ではなくて、どういう国を目指すのかのプリンシプルを掲げて、この指とまれで再編して、国民に信を問うべきだと思う。 応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.15
コメント(2)

今、イギリスの経済界で大きな話題になっていることと言えば、銀行幹部のボーナスがどうなるかだ。イギリスは、今、大幅な財政再建(歳出カット+歳入増)に踏み出しており、学費値上げや付加価値税UP(→20%)など、経済的な弱者にも大きな負担が寄せられている。多くの国民は、財政再建の必要性に理解を示してはいるが、財政難に陥ったことの最大の原因は、先の金融危機における財政出動(銀行救済)だと考えている。実際、RBSやロイズBKなどの大手銀行は、公的資金投入により、準国有化されており、銀行が、国民の税金によって救済されたというのは、ある意味、事実でもある。政府もその当たりの空気は当然感じており、金融システム維持のためのコストは、税金ではなく銀行自身が負担するような仕組み(銀行税)を設けたり、一定額以上のボーナスに特別な課税(昨年限り)を行ったり、新たな破綻が置きにくくするための規制の枠組み作りなどを進めているところだ。銀行側も、この2年間は、ボーナス返上などで、低姿勢を示してきた。そして、今期の決算であるが、やっと危機的な状況を脱して、好調な決算となる見込みであり、既に、銀行トップに対する支払い予定のボーナス金額(数億円)などが、マスコミに踊っている。野党や国民からは、公約違反の声もあり、キャメロン首相も、窮地に追い込まれつつあるようだ。今のところ、昨年実施したボーナス特別課税のような強権的な方策をとることは考えていないようだが、中小企業への貸出増加を、ボーナス支払いの条件として提示するなど、かなり国家統制的な対応を余儀なくされようとしているようだ。国会招致で追及される銀行トップもいて、彼は「国民感情は理解するものの、それではいつまで銀行は、小さくなって国民に謝り続けなければならないのか。」と、少々逆ギレ気味の答弁も話題となっている。非常に難しい問題ではあるが、イギリスは紛れもない金融国家。銀行をイジめて憂さ晴らしをするのもいいが、度が過ぎると、彼らはどこか他の市場に出て行ってしまう。ボーナスは要りませんと言って、銀行を立て直してくれるような優秀で奇特な経営者は存在しない。いくら愛国者であっても、自らの活躍できる舞台と高い報酬を求めて、多くのサッカー選手だって海を渡るではないか。もちろん、最後は国が救ってくれるとタカを括るような不埒なモラルハザードがあるとすれば論外だが、ポピュリズムが行き過ぎると、取り返しのつかないことになるかもしれない。イギリス人はそこまでバカではないと思ってはいるが・・・。 応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.14
コメント(1)

日本では、今、空前の?伊達直人ブームだそうですね。私は、何を隠そう、子供時代は、ターガーマスクの大ファンで、伊達直人の強さと優しさに、どれだけ励まされたか知れない、そういう世代だ。彼の名を語り、養護施設等にランドセルを届ける行為は、非常に心温まる話だ。少々頭でっかちと思える人が、寄付文化が未熟だとか、施設に対する偏見が背景にあるとか、色々仰っていたりもするようだが、これは純粋に素敵なことであって、余計な講釈は不要だ。ただ、この美談に水を差す積りはサラサラないが、「ランドセル」については、やや引っ掛かるものがないでもない。確か、私の知る限りでは、ランドセルというのは世界的に見れば異質だ。実際、イギリスでは、うちの子供たちは、リュックサックで登校していた。そもそも、教科書や道具箱は、学校に置いてくるので、それ程大量の荷物を持ち運ぶこともない。宿題も出るが、親の前で読書したり、インターネット等で調べて資料を作ったりというもので、教科書を使う必要はなかったと記憶している。※イギリスの小学校の宿題については、以下の過去ログで書いています。http://plaza.rakuten.co.jp/Londonnikki/diary/201011040000/http://plaza.rakuten.co.jp/Londonnikki/diary/201010010002/ランドセルの効用である、安全性であるとか、モノを大事にする週間であるとか、そういうものをを否定する積りはないし、使いたい人は使えばいいと思う。ただ、実際、非常に高価であるし、1年生はピカピカの新品でないといけないというような無言のプレッシャーがあることも、問題をややこしくしている感じがする。学校教育のスタート時点で、「みんなと同じでないといけない(いじめられる?)というメッセージを子供に植え付ける結果になっているとすれば、凄く残念で、やはり、「みんな、違っていいんだよ。」というメッセージに変えていかないと、日本の将来が暗くなるのではないかと思うのだ。 応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.13
コメント(6)

昨日は、在英の日本人起業家の草分け的な方の会社設立25周年記念パーティーにご招待頂いた。大使を含めて在英の日本人社会の重鎮はほぼ集結しており、大変盛大な会であった。異国の地において一代でこのようなビジネスを発展させた大先輩には、本当に頭が下がる。閉塞感漂う日本経済の建て直しには、やはりこの方のようなチャレンジ精神が重要だと再認識した。さて、このパーティーだが、会場は、あの有名なロイズビル。ロイズというのは、世界の保険市場の総元締めのような存在であり、ロイズの存在ゆえにロンドンは世界の保険市場の中心地として君臨し続けてきたと言える。また、このロイズビルは、建築物としても大変高名なものであり、年に一度のオープンデイには、大変な人気を博するとも聞いている。このロイズが果たしてきた役割というのは、単なる保険引受ビジネスを遥かに越えたものであったことも広く知られている。7つの海を支配したといわれる大英帝国だが、それを支えたのは船舶による交易であり、海上保険の仕組みは、海洋国家の根幹を支える仕組みでもあった。また、海上の安全とは即ち、地政的問題である場合が多く、つまりは軍事情報・インテリジェンスの領域にも関わるものでもあったようだ。遡れば、日露戦争において、連合艦隊がバルチック艦隊の進路予想を的中し撃破できた背景に、同盟国であるイギリスからの情報提供があったとの説も有力であるが、日本がバルチック艦隊の所在を見失っている間にも、ロイズ保険市場における保険料率は、日本海側と太平洋側で大きな変化を見せていたとの話もある。その情報を日本人がキャッチしたのかイギリスが教えてくれたのか、それ以前に別ルートの情報を得ていたのか、そこまでは確実なことは言えないのだが・・・。さて、私は陰謀史観とかそういうものには全く知見も関心もないが、今でもイギリスの情報力(インテリジェンス)の底力みたいなものを感じることはある。ただ、そのような力が弱ってきているという声も聞く。ロイズが普通の保険市場になっていったのと軌を同じくして、イギリスも普通の国になろうとしているのかも知れない。歴史と近世デザインが同居するロイズビルの中で、ふとそんなことを考えた。 応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.11
コメント(0)

先週は、日本のTV番組の話をする中で、結構、悲観的なコメントを書いた気がするが、とても素晴らしい言葉にも出会ったので記しておきたい。 ある起業家社長が、司会者より「ストレスを貯めないコツは何ですか?」と聞かれた際の回答だ。すかさずスッパリと、「変えられないことではなく、変えられることにフォーカスすることです。」と仰った。つまり、「変えられないのは過去と他人」、「変えられるのは未来と自分」ですよね。変えられないものに対して、悔やんだり文句を言ったりするのはストレスが溜まるばかりか単なる時間の無駄で、そんな暇があったら、自分を変えて未来を変えることにだけ集中すれば、ストレスなんて感じることはない、との考え方だ。当に我が意を得たりで、私がこれまで実践してきたのと同じ考え方。偶には有意義な電波の使い方もされているじゃないか(苦笑)と、感じたところだ。もちろん、この方と私では発想や行動のレベルが断然違うのだが、「明日はもっといいことがあるはず。」「自分はもっと出来るはず」といった一見根拠のない自信みたいなものが、当人のあるべき行動や周りのサポートを自然に促すような場面というのはよくあって、そういう人は失敗してもタダでは起きないのでストレスが溜まらないのだと思う。だから、根拠のない自信を持って、変えられることにフォーカスする。これが大事ですね。ちなみに、私はかくありたいと思いつつも、まだまだ修行中の身であり、偉そうなことをかいておきながら、暴飲暴食をストレスのせいにしてしまう悪い癖の方は中々抜けそうにないのです。 応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.10
コメント(2)

今週はずっとゆる~~い感じで、日本で感じたことを書き連ねていますが、今日は最終回として、日本での食事について。さて、帰ったら食べたかったものの第一位は、何と言っても焼肉でした。イギリスの肉は脂が乗っていないので、やはり日本の焼肉は恋しくなります。韓国式の焼肉店は沢山あって美味しいのですが、何故か日本式の焼肉店は1つもないのです。1週間に2度行ったので、お店の人は驚いていましたね。もういい年なので、あまり焼肉に執着するのもどうかとは思うのですが、好きなものはしょうがないし、家族で行くと楽しいんですよね。あとは、ラーメンですね。これも本当に美味しいと言える店はロンドンにはないですからね。家では、鍋系ばかりをリクエストしていました。やはり鍋物は1人で食べるものじゃないです。それから、家では敢えて発泡酒や第3のビールを飲んでいました。節約というのもあるが、それより久しぶりに飲んでみたいという気持ちが強かったんですね。結構美味しいなというのが印象ですが、これって日本の税制に合わせるための経営努力の賜物であって、世界マーケットに拡大していくような技術じゃないですよね。こういうところに経営資源を投入するように振り向けるような税制というのはいかがなもんだろうかとは思う。日本には世界一のビールを目指せる技術があると思いますよ。政府がガラパゴス化を推進してどうすんの?と。あーそうそう。もちろん、おせち料理も食べましたよ。スカスカではないやつです(^^)。まあ、色々取りとめないことを書きましたが、今回痛感したのは、やっぱり、「食事において大切なことは、何を食べるかではなく、誰と食べるかである」ということです。応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.09
コメント(1)

昨日は、日本で見たTVドラマのことを書いた。今回は久しぶりでもあり、他にも随分沢山TVを見た。年末年始と言えば、昔は、それなりにワクワクするような特別番組が多かったような記憶があるのだが、今回は、何ともしょぼい番組が多かったなというのが正直な感想だ言い古された話だが、インターネットの普及などによって広告媒体が多様化してTVコマーシャルのスポンサー料は下がる一方だし、多チャンネル化も進行しているとあれば、TV番組の制作費用は右肩下がり。そういう状況下で、各局がこぞって人気の連続ドラマの一挙再放送で放送時間を埋めていたのが今回目立った特長だ。ただ、それをどうのこうのと非難するのは時代認識の誤りだとも思っている。今は、昔のように、茶の間で家族が揃ってTVを見るという時代ではない。TVが家族団らんのための一番の娯楽という時代はとっくの昔に終わっていて、パソコンやワンセグも含めて、一人一台のTVを持ち、録画やオンデマンドで、自分の好きなものを好きな時間に見るというのが今や普通であり、かくいう私も、紅白歌合戦の裏番組である格闘技イベントをワンセグで視聴していたし、面白い番組がないときには、撮り貯めてもらった「坂の上の雲」何かを見ていた。まあ、見たい人は見ればいいし、見たいものがなければ、他の選択肢がいくらでもあるということだ。だから、例えば、若手芸人を集めてバカ騒ぎを繰り返す番組などで、無理やり時間を埋めるくらいなら、良質のドラマやドキュメンタリーの再放送は大いに結構ではないかと思う。まあ、願わくば、世界の現状を伝えるような骨太の番組がもっとあれば、それに越したことがないとも思ってはいるが・・・。いずれにせよ、一度、固定観念をバラバラにして、TVの役割みたいなものをゼロから再構築する時代に入ったような気がする。まあ、再構築が必要なのはTVだけではないですがね。 応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.08
コメント(1)

今回の一時帰国では、旅行や遠出は一切しておらず、結構沢山のTV番組を見た。 あるドラマを見ていて感じたことがある。昨年を代表する人気ドラマなのだそうだが、何と言うか、夢がないのだ。「フリーター、家を買う」というドラマなのだが、根底に流れるメッセージは、「大きな夢なんか敵わなくててもいい。自分を必要としてくれる人がいるんだから、それでいいじゃないか。」というものなのだ。どこかで読んだのだが、こういうのを「世界で一つだけの花症候群」と言うのだそうだ。つまり、「NO.1になる必要はなく、オンリーワンだからそのままでいいんだ」という考え方。これは、作詩者の本当の意図とは違ってあくまでも曲解に過ぎないのだが・・・。また、この手のドラマでお決まりなのが、貧乏で学歴の高くない人達は、清く正しく美しい人達で、金持ちや高学歴の人間は、卑しくも悲しい人間という設定だ。確かに、金儲けに必死で強欲なだけの人もいるし、偶々恵まれた環境にあるだけなのに自分の実力と勘違いして他人を見下すような人もいることはいる。でも、実際の世の中では、努力して成功を手に入れた人は、本当に魅力的な人が殆どだし、恵まれた環境にあるがゆえに、世の中のために貢献したいとの高い志を持つ人も多い。まあ、別にTVを見ている方も、実際に所轄の刑事さんは正義の味方だが、本庁のエリート刑事は全員が実は悪人とは思い込んだりしていないだろうとは思うが、社会的成功を目指すこと=卑しいことだという刷り込みは、何だか危険な気がする。このような設定のドラマにも、重要な意味合いがあることは承知している。ごくせんやルーキーズ等が典型だろうが、これらのドラマに勇気付けられる人がいるのも事実であろう。実際、当たり前の日常を幸せと噛みしめて、夢とも折り合いをつけながら生きていくのが、多くの人の人生であることも事実だ。でも、やっぱりこういう時代だからこそ、高い志や大きな夢に向かって突き進む、そういう姿をもともっと描いて欲しいと思うのだ。 応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.07
コメント(3)

さて、私の家(日本)は、某成田エキスプレス停車駅から徒歩2分のところにある。一次帰国時には大変便利で助かっている。今回、久しぶりに利用して驚いたのが、車内放送が、日・英・中・韓の4ヶ国語対応になっていたことだ。実際、経済成長著しい中国や韓国から多くの観光客等が日本を訪れているようであり、それ自体は大変いいことだと思う。観光立国という言葉が頻繁に聞かれるようにもなったが、経済的な意味だけでなく、多くの国の人たちが日本を訪れてくれて、日本に好感を持ってくれれば大変嬉しいことだ。それはそれとして、前から思っているのだが、日本の交通機関は、無駄な(不要不急の)車内放送が多すぎる。傘を忘れるなとか席を譲れとかどこで乗り換えろとか携帯電話の使用を控えろとか・・・。おそらく殆どの日本人の方は慣れてしまって違和感を感じないかも知れないが、日本語が分からない外国人からすれば、不安になることこの上ないのである。ちなみに、ロンドンの地下鉄に乗っていて車内放送が流れるのは、次の停車駅を知らせる以外では、トラブル等があったときに限定されている。トラブル等は本当に頻繁に発生するのだが、次の駅で降ろされたり、いつの間にか行き先が変わっていたりするので、放送を聞き逃すと大変なことになる。かくなる私も読書に没頭していたりして聞き逃したときに、隣の乗客に「今何て言ったの」と聞いた経験は、1度や2度ではない。だから、そういうのが常識だと思っている外国人からすると、日本の電車やバスの日本語による車内放送は、不安でしょうがないのだ。おそらく、成田エキスプレスは、4ヶ国語で流す必要(価値)のある放送内容だけに絞るという検討をしたんだと思うが、この際、全ての公共交通機関は、同じような基準で見直しをしてみてはどうかと思う(ついでに言うと、子供の手を引けというエスカレーターの放送なども不要だ)。まさか、放送がなかったので傘を忘れたとか子供がエスカレーターで躓いたじゃないかと文句を言う人はいまいと思うし、これも所謂、ガラパゴス現象の一つではないかと思うのである。 応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.06
コメント(3)

私は、昔から、駅伝が大好きで、毎年、正月にはTV観戦するのがお決まりです。今年は、1月3日にイギリスに帰国したので、箱根駅伝は、往路のみTV観戦しました。見所は色々あったものの、一番印象に残ったと言うか心に引っ掛かったのは、1区です。総合優勝した早稲田の1年生の快走は清清しかったのですが、その一方で、終盤まで18人のランナーが、牽制しながら、団子状態で走るという何ともすっきりしない状況が続きました。まさに、今の日本の若者と言うか経済状況を象徴するようなシーンでした。要するにリスクを取らないのです。1位を目指そうという気持ち、自己記録を出してやろうという気持ちよりも、皆から遅れたくないという気持ちが優先していて、見ていて全く面白みがないのです。指導者側の問題もあるのでしょう。きっと、潰れてもいいから限界までチャレンジしろとは言わないんでしょうね。それはともかく、全体としては、今年も素晴らしいレースでした。史上稀に見る高レベルの大接戦。駅伝の良いところは、負けたチームの選手、例えば、今年も5区で大活躍した柏原選手なんかも、決して、他のメンバーを責めようとしないことです。例えば、25秒差で負けた場合、ブレーキになった選手があと30秒頑張っていればと考えるのは、我々のような外部の観戦者であって、本人達は、一人一人があと3秒ずつ頑張っていればと考えるのです。そう言えば、昔、ある国際駅伝大会で、アンカーが追い上げにあって、トラックで抜かれて日本代表チームが2位になったレースがありましたが、そこまで1位でつないだ選手達は、抜かれたアンカーを責めるのではなく、自分達があと1秒ずつ頑張っていれば、アンカーの選手にあんな思いをさせないで済んだのにと、自分を責めて涙していました。本当に素晴らしいチーム・組織というのは、このように考えるものであり、このように考えられるチームこそ本当に強いチーム(組織)なんですね。いかにも日本的ではありますが、日本の強さはこういうところから来ていると思います。だから、冒頭で書いたチャレンジ精神とセットになれば、日本は必ず復権できると信じています。さて、私も、組織を預かる人間です。1番を目指し、新記録を目指す、チャレンジ精神に溢れた、素晴らしい組織を作っていくことを念頭の目標にしようと思います。 応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.05
コメント(0)

皆さん、あけましておめでとうございます。日本への一時帰国により、しばらく、ブログの更新をお休みしていましたが、昨夜、ロンドンに戻り、今日から仕事にも復帰しました。今回の一時帰国は、今般の渡英以来初めての帰国で、家族とも9ヶ月ぶりの再会。家族との時間を大切にするために、ブログはお休みしましたが、その甲斐もあってか、大変充実した休暇となりました。しばらくは、リハビリも兼ねて?久々の日本で感じたことなどを書いていこうかと思っています。まず、日本は暖かいですね。飛行機が飛ぶかどうか分からなかったイギリスとは別世界でした。イギリスは夏も涼しかったので、発汗機能が麻痺しているようで、デパートなどで、汗だくで歩いている私はかなり怪しい人物でした。そうそう。デパートと言えば、今回は、中学2年生の娘と2人で、2度ほどショッピングに出かけました。若者が集まるショッピングモールで、娘に洋服を買ってやりました。普段は、母親と買い物に行くのですが、どうしてもこの時期の母親は、コンサバティブに傾きがちだったりしますので、事前に、今日は特別に、好きな服を買うから好きな店に行こうと誘って出かけ、3着ほど購入。とても楽しいひと時でした。これからも、この手で時々娘とのデートを楽しもう。一方、6年生の息子は、中学受験に向けた最後の追い込みの真っ最中。1月1日、2日外は、塾があったので、遠出などは出来ませんでしたが、毎日、2人で風呂に入った。やっぱり、同姓の親子のコミュニケーションの基本は、一緒に風呂に入ることですね。いずれにせよ、今回も、元気付ける積りが逆に元気をもらった気がする。とてもよい充電が出来たので、仕事もブログもそれ以外の私生活も、何だか充実した年になりそうな予感です。応援有難うございます。皆さんのお陰で、昨年は何度か部門1位にもなりました。 "励み"にしておりますので、本年もワン・クリックをお願いします! にほんブログ
2011.01.04
コメント(1)
全27件 (27件中 1-27件目)
1