2008.04.29
XML
カテゴリ: 野球
楽天に限らず、今年は全般的に投手陣が奮闘しているので、防御率成績が凄まじいことになっている。
その中で朝井の防御率3点台後半は、岩隈、田中、永井が0点台、1点台、2点台と上出来だけに物足りないと映るかもしれない。

しかし5試合投げての3勝2敗は昨年の8勝からすれば申し分ない。
だが投球回数の少ないということは彼の投球スタイルからすれば物足りないといわざるをえない。

なぜなら、それなりの速球を投げるとはいえ緩急を使う投手は速球派というよりは技巧派なのだから、9回を投げるだけの体力を計算に入れた投球をしてもらいたいというのがある。
しかも年齢も24才と岩隈より若く永井とタメなのだから、鉄腕の田中を別にすれば体力的には問題がないはずだ。

では肩や肘に不安があるかといえばそうともいえない。
それを言えば故障で低迷していた岩隈には球数を気にしながら投げさせたいところになる。

結局、朝井の投球回数の少なさは首脳陣の信頼度の低さからきているのだろう。


緩急を使う投手の狙いは打者にタイミングを合わさせないことにつきる。
打たれたとしても長打を封じ大怪我をしないということが持ち味でないといけない。
だが朝井の場合は要所で打たれまいとし過ぎてしまうのだ。
前に飛ばされても野手の守備範囲に飛べばOKという達観が、ピンチになると気負いへと変貌してしまう。

その気持ちがコースをつきたがるがゆえの四球や死球となり、力で押しきれない直球に力みが加わり棒球へと変化してしまう。
それは球種の違いをモーションの変化で曝すことにもなるだろう。

そこで朝井に必要なのは精神面での投球術であり、その投球術とは力が入るとことで力を抜くというイチビリ精神である。
ストレートをより速く投げようとして失敗するよりは、緩いカーブをより緩く投げて打者を待ちきれなくして翻弄するぐらいの精神面での優位さが欲しいのだ。

いわゆる「開き直り」とでもいおうか。
もっと良い言葉を使えば「達観」である。

それさえ得られれば朝井は良かったときのパウエルの域までは充分届く素材である。

だからこそ越えていかねばいけない壁に直面したとき、あえてそこに挑ませる判断を下したのだろう。

それができるのも三本柱が充実しているからである。
四本柱、完投カルテットは楽天が優勝するためには必要な看板となる。
その一角を担って欲しい朝井には他の三人で勝てる間に壁越えを挑戦させる。
その結果に明暗のわかれがあったとしても、その方針はどちらに転んでも朝井の経験、チームの次の段階へのステップという糧になる。


こいう「課題を絞った」ところが「経験の積ませどころ」なのだ。

勝算はある。勝算できるだけの装備もある。その使い方もわかっている。
そのわかっている使い方を間違えなければ結果は得られる。
間違えなければ正解を知る。
間違えても不正解を知ることができる。
不正解を繰り返してもいずれ消去法で正解を得られるだろう。
しかも「何が間違いなのか」を知った後での正解である。

朝井のような投手は完投のコツを覚えれば何度も完投できるようになる。
将来本当にそうなるかは朝井しだいだが、首脳陣はそう思っていると思えるし、自分は確実にそう思っている。

朝井で勝てば最高、投手を替えて敗ければ最悪。
では朝井で敗けるのと投手を替えて勝つのではどうだろうか。
朝井の続投で敗けるとも限らない。投手を替えて勝てる保証もない。
プレイオフが導入されて3位に入りさえすれば日本一のチャンスは残される。
この時期は5割ラインにいればいい。トライできるだけの貯金もある。
朝井への投資はチームへの投資でもある。貯金を一つ賭けるだけの価値は充分ある。

そして真に完投カルテットが完成したとき、日ハムやロッテが旋風したとき以上の投手王国が東北の地に築かれることになるだろう。

朝井続投の首脳陣の判断に間違いといえる要素は皆無である。
もちろんそれは自分の単なる感想というだけの話なのだが。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.04.29 20:09:03
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: