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dokidoki1234さん
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「オーラップ」
という精神安定剤を処方してもらって飲み始めた。
この薬は、飲むとかえって興奮してしまう感じで、
よけいに大変になってしまったので 「ニューレプチル」
という薬に替えてもらった。
そしたらけっこう落ち着いてきた(ような気がする)。
睡眠障害も出ていて、夜中に目を覚まして大きな声を出していたり、朝早くから起きだしたり、
それも大変だったので 「レンドルミン」
という入眠剤も処方してもらっていた。
薬は1か月分しか出ないので、毎月病院へ行っていたけど、
毎月かえでを連れて行くのも大変で、見かねた先生が、
かえでは連れてこなくても様子を話してくれればいいから
、と私一人でもOKにしてくださった。
夏休みなどには顔を見せに来てね
、と言われていたので、
中学生になった最初の夏休みにかえでを連れて行った。
運転中に後ろから攻撃されることは、もう滅多になかったけど、
たまたま夏休みで、下の娘が一緒に行ってくれると言うので、
ヘルパー代わりに下の娘を連れて行った。
後ろのシートでかえでと並んで座ってくれている。
いつも下の娘はよく面倒を見てくれて、本当に助かっている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
かえでを連れて病院へ来たのは半年ぶりくらいだった。
その半年前の時は、待合室で順番を待っていることが出来なくて、
どんどん診察室に入っていこうとするかえでを 「まだよ~」
と言って引き止めた。
かえでにとって待つということは、本当に苦手で、見通しがつかないことなので、
全然納得できずに、泣いて怒ってしまい、ちょっとパニック状態になったという事があった。
しばらく泣いて大声を出していたので、
周りの患者さんが振り返って見ていて、すごく体裁悪かった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
病院へ着いて、いつものように精神科の待合室で三人で座って待っていた。
かえでは半年前と変わらず、どんどん診察室へ入っていこうとする。
半年前と同じように 「まだよ~」
と引き止める私・・・
するとやっぱり少し泣いて怒ったけど、すぐに呼ばれて診察室に入り、20分ほどの診察。
いつもなら、診察室にある玩具や箱庭の砂で遊んだりしているけど、
かえでは、何となくいつもと様子が違った。
「クムマ(車)」
と何度も言って帰りたがる。
診察室を出ると、下の娘の手を両手でギュッと握って、
自分の方へ引き寄せるようにしながら歩いている。
まるで、お化け屋敷に入ってドキドキしながら彼氏の手を握って
おびえたように歩く若い娘?のように(例えがヘン)。
帰りの車の中でも、帰宅してからも、それはずっと続いた。
家族の誰かしらの手を握っていた。
私がトイレに行こうとすれば、後追いまでして付いて来た。
一体どうしたっていうんだろう?
どうして急に、おびえたようになってしまったんだろう?
さかのぼって考えると、病院の診察の頃からだった。
たぶん、半年前に行った時のパニック状態が フラッシュバック
したようだった。
ただでさえ時間の潰しようが無く、楽しくない夏休みがさらに最悪な状態になった。
一日中リビングでエアコンをつけて、小さい子の昼寝用のような布団を敷いて、
そこでかえでと私は、ゴロゴロして過ごした。
夜寝る時も、一人で布団に入って眠れなくなり、
隣で私がずっと手を握っていなければならなかった。
ちょっと手を離すと 「ギュッ」
と言ってきた。
手を繋いでいるのに 「ギュッ」
と言うこともあった。
「ギュッ」
というのは、 「手をギュッと握っていてほしい」
という、 かえで語
車に乗る時は、後ろから 「ギュッ」
と言って手繋ぎを要求してくる。
私は右手でハンドルを持ち、左手を自分の肩の辺にあげて、かえでの両手を握り、
片手運転をした。
危険だけど、それしか方法が無い。
死ぬ時は一緒
だわ・・・
そんな思いで運転した。
中3だった上の娘は、夏休みの夏期講習に1日おきに通い、
その合間を縫って、学童保育所へお弁当を持ってボランティアに行き、
さらにその合間を縫って、勉強とかえでの 「ギュッ」
に付き合ってくれた。
私と姉妹の三人で、かえでの面倒をひたすら見ているという夏休みになってしまった。
冷え性の私は、エアコンの効いている部屋にずっといると、体調が悪くなってしまう。
だるくて疲れが取れなくて、身体がふやけたような感じが続いた。
夏休みの終わりごろ、小学校の奉仕作業があり、
夫にかえでを頼んで、久々にお日様の下で作業をした。
近所の同じ歳の子を持っているお母さんと喋りながら、校庭の草刈りをしている時、
「かえでが今、けっこう大変になっちゃって、
なんて、話した。
その近所の家の高校生のお兄ちゃんは、高校で先輩のリンチを受けてひどい目に遭い、
先生の対応も悪くて、高校を中退したという話を聞いた。
「障害が無くても、みんな大変な思いをしてやっているのよ」
と言われた。
私は、かえでに障害があることをすごく悲観していたけど、
健常な子でも今はいろんなことが起こるご時勢だし、
我が家だけが特別ではないのかもしれない。
でも、障害を持って生まれてくるって、本当の不可抗力だし・・・
つまり、はっきり言って、
不登校とかいじめとか不良になっちゃうとかは、生まれてからの育て方とか環境とか、
後になって原因があるものだと思う。
どこの家でも、子供がいたら大変だということなんだけど、
私は、かえでが手が掛かって大変な分、姉妹はまっすぐ育つよう、努力してきた。
だから、普通の子がいる家庭では、もっと子育てに努力してもらいたいとすごく感じる。
(って生意気でごめんなさい)
夏休み中は、ショートステイ、レスパイトサービス、ホームヘルプサービス、
学童保育等をふんだんに使って、家にいる間は、かえでの 「ギュッ」
に付き合い、
なんとか夏休みも終わりを迎えた。長い夏休みだった。
9月1日の朝、やっとかえでから開放されて、先生に引き渡す
例の 美人教師H先生
は、かえでが フラッシュバック
して怯えたようになった頃、
電話を入れたんだけど、ずっとお留守で、なかなか連絡がつかなかった。
代わりに、別の頼れる隣のクラスの先生と教頭先生が
学童保育所やショートステイでの様子を覘きに行ってくれて、
1週間位してからやっとH先生が電話をくれるという感じだった。
たぶん、H先生もどうしていいのかわからなくて、戸惑っていたのだと思うけど、
こんな困っているときにこそ、体当たりで熱意を見せてほしかった。
さらにがっかり・・・
同じ日、上の娘は、学校から帰ってきてすぐさま、
「かえでは今日どうだった?無事に学校行けた?」
と聞いてくれた。
普段口数の少ない娘だけど、こうやって心配してくれて、本当に嬉しかった
娘も大変だっただろうに、ありがたいなぁと思った。
受験を控えているのに、負担をかけてしまって、
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。