まいど!こないだはな、
暖簾くぐった瞬間、
「ぷはぁぁ〜〜!」って声が店中から聞こえてきた。
……もうその時点で勝利や。
一口目の衝撃
グラスにビール注いで、
泡が落ち着くまでちょっと待つ。
黄金色の液体を見つめてると、
「あぁ、生きてるなぁ」ってなる。
そして、一口――。
うっっっっま!!
体の芯からアルコールが広がって、
さっきまでのサウナの熱が
ちょうどいい酔いに変わっていく。
湯で整って、酒でとどめ。
これぞ“無職の完全体”や。
隣の客の話がBGMみたいでちょうどええ
「上司がさ〜」とか「孫がな〜」とか、
他人の話が遠くで聞こえてくる。
それがええ。
自分は何もしてへんけど、
人の営みの音に包まれてる感じや。
孤独やけど、寂しくない。
これが酒の魔法やと思う。
おかんのLINEが現実に戻す
ちょうどええ気分で2杯目いこうとしたとき、
スマホがピコン。
「晩ごはん、家で食べる?」
……現実、はっや。
でもええねん。
この1杯の幸せだけで、今日は十分や。
風呂上がりの一杯って、
ただのビールやない。
自分がちゃんと今日を生きた証やと思う。
汗流して、湯に浸かって、外出て、
喉に冷たい泡を流し込む。
これができるだけで、
まだこの世も捨てたもんやないなと思う。
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