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この話は三年ほど前になります。当時私は駅からバスで仕事に通ってました。その空間での出来事なんですが、その日私はバスの後方一人席に座っていました。満員というほどではありませんでしたが、席はおおむねうまっていたと思います。私の降りる停留所までは役15分たらず。ですが私はバスが走りだしたと同時に腹痛にみまわれたんです。我慢できない。しかし一度走り出したバスと私の腹痛は止まることを知らない…周りの景色が霞んで見えました。生き地獄とはこのことを言うのでしょう。そんな状況下で、私は子供の頃のことをふいに思い出していたんです。あっ、俺ここで死ぬんだな…とも思いました。こんな極限の状況下で子供の頃なんか思い出したりしてるんです。まさに死ぬ前のひとときのように…。その時です!!私はすっかり気が抜けていたんです。おならがでました!!何発も!でも音は出ませんでした。それと同時に腹痛が和らいでいくんです。背に腹はかえられません。私は力ある限りにそれを連発したんです。すると今度は「コホン、コホンッ」とすぐ後ろで音がしました。振り返ると、そこには鼻を抑えてむせ返る、美しい女性の顔がありました。でも、苦痛に歪んだその顔は、とてもとても恐ろしいものでもありました。
2006.08.23
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弟はどうも周りから嫌われているらしい。あいつは俺とは違ってがさつな人間だ。根は悪いやつではないのだが、周りに敵を作ってしまう性格だ。 同じ高校ということもあり、そんな噂はダイレクトに伝わってくる。だからと言って兄貴としてどうにかしようとも思わないし、弟もそれを望んでいないだろう。はっきり言うと、俺はあまり弟が好きではないのだ。そんな折に、俺は弟のことを悪くいう連中を目撃してしまった。教室で笑い声が聞こえてきた。廊下まで筒抜けだ。弟がこの場にいたとしたら、いったいどうなることだろう…。乱暴者の弟だけに、彼らもただでは済まないだろう。俺は聞かなかったことにして、そのまま素通りするつもりだった。だが、そんな時に、決定的な一言を聞いてしまった。弟の容姿の悪口を言っていたのだ。性格とかそういうものならまだ許せる。しかし容姿や触れられたくないコンプレックスのような、自分にはどうしようもないことに対しての発言は承服できなかった。そこで卑怯だとも思ったが、俺は弟を捕まえて、そのことを話した。そして弟は思ったとおりに彼らの元へ走り、まあこの後の話はしなくても分かると思う…。 とにかくそんなことがあって以来、俺と双子の弟は妙に仲良くなれたんだ。
2006.08.21
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今から四年ほど前、僕の身に起きた本当にあったお話をします。あれは蒸し暑い夏の夜でした。友人が久しぶりに帰郷するとのことで、僕は地元の駅まで彼を迎えに行ったんです。そして駅で彼を拾い、ひとまず僕の家に連れて行くことにしました。彼とは久しぶりに会ったので、積もる話に華を咲かせていました。ですが調度家の付近まで来た時のことです。僕がいつもどおりに自宅へ向かう角を曲がった時のことでした。突然友人が言ったのです。「おまえの家、もう一本隣の筋ではないか?」僕は大変驚きました。そうなんです。僕は何十年も住んでいた自分の街、そして自宅へ向かう道を間違えてしまったのです。しかもそこは僕の家のすぐ裏の道であり、行き止まりでもありました。あれほど驚いたことはありませんでした。本当に僕は驚きました。でも、友人はもっと驚いていたと思います。
2006.08.20
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孤独を感じるようになったのは、いつからだろう?いつからだろう?周りの俺を見る目が変わってしまったのは。俺はみんなと同じ目線で生きてきたつもりだ。俺は周りの妬みに耐えられない。お金持ちの子だから? コネで就職出来たから? でも……そんな先天的な理由で俺は嫌われなきゃいけないのか?俺にはどうすることも出来ないものなのに……。
2006.08.17
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同窓会の幹事をすることになった。勿論好んでそうなったわけではない。この前高校時代の恩師にたまたま出会った。そして話の流れからしてそうなっただけなのだ。だけどなぜ私が!!と思うがこうなっては仕方が無い。恩師に出会えたことが吉でもあり、その結果が必ずしも吉である保障はどこにもなかったのだ。かくして私は3年4組の名簿を眺め、片っ端から葉書を送ることにした。ただ、四人を除いては。 勿論それは嫌いな人間だからというシンプルなものだ。幹事の特権の一部を乱用させてもらったのだ。 そうして待ちに待った!?同窓会は開幕した。ここで少し自己紹介をしておきたと思う。せめて性別だけでも。私は女だ。そして学生時代は結構もてた。だが、今はすっかりおばさんである。私がおばさんなのだから、必然的に周りも勿論おっさんおばさんの集まりである。学生時代の思い出話に華を咲かせて笑顔になるのが何よりの証拠だった。あの頃は私を取り合って、何人もの男が争っていた。勿論この会の中にもそのメンバーはいる。あれほど憎しみあった宿敵達は、今は仲良く肩を組んで泥酔していた。時が立つとみんな少しずつ大人になって、それは寂しいことかも知れないが嬉しいことでもあった。と、すると私はなんてことをしたのだろう。今になって自己嫌悪に襲われた。「きらい」というだけで私はクラスメート4人を誘わなかったのだ。もういい年齢である私は、同級生の中で一番子供じみたことをしてしまったのだ。気づくのが遅すぎたではすまない。取り返しがつかないとはこのことを言うのだろう。 私は二次会を一人キャンセルし、帰宅した。なんだかそのままあの場所にいることが、自分自身許せなかったのだ。 そして唯一の罪滅ぼしとして、私は後日その四人にも同窓会の葉書を送った。
2006.08.11
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ついに30000HIT達成いたしました。これもひとえに皆様のお力あってのものです!これから皆様の家に、お礼に向かいますので、鍵はポストの中に入れておいてくださいませm(__)m
2006.08.09
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はっきり言います~女性にふられ続けて早44回。今ではそれが俺のステータスになりつつある。しかも連敗だ。連戦連敗。ここまでくると笑うしかない。 おほほほほほ!!!だから一々落ち込んでなどいられない。次から次へと出会いはあるさの精神。友人には毎回慈悲のお言葉を頂戴するのだが、俺はいつも何食わ顔で対処する。というか仕方がないものは仕方がないのだ。だが今回だけは違っていた。今回だけは人には言えない。友人にも黙っておこうと思っている。別に落ち込んでいるわけでは絶対ないのだが、それなりに理由がある。それでも今度ふられた時には高らかにのたうち回ってやることを約束する。でも今回だけは勘弁して欲しい。なぜなら今回で、俺がふられた回数が 45(死語) だから… 恥ずかしくて誰にも言えないんだ。
2006.08.08
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競馬は負けがこんできた。 本業のパチンコももう駄目だ。 株に関しては、この前の日経暴落で取り返しがつかないほどの損失をくらった。 なんとかここまでやってきたが、さすがに限界みたいだ。 親のすねももうかじれない。 就職というがらでもないし、夢がない。 だが良いことを考えました。始めます! 『自転車操業(じてんしゃそうぎょう)』 持つべきものは友人さ!!!!
2006.08.07
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俺には毎日必ずする日課がある。それは動物と触れ合うことだ。うちには亀が一匹いて、毎夜一緒に戯れている。なんとも自分は根暗な男だとは分かってはいるが、やめるつもりはない。人間関係は疲れる。とくに社会では正直者は馬鹿をみる。だから俺は嘘で毎日を生きているようなものだ。今では嘘をつくことにすっかり慣れてしまい、それが当たり前のように繰り返される。だが、動物はけして嘘はつかない。それにどこまでも純粋だ。俺が唯一心を許せ、本心を語れるのは、うちの亀だけかもしれない。恥ずかしい話だが実際はそうだ。そして信じられない話かもしれないが、どんな動物にだって心は通じる。それが亀であっても同じだ。実際うちの亀は呼べば寄ってくるし、話も聞いてくれる。会社帰りで辛そうな顔をしてしまっていたら、隣で寄り添ってもいてくれるのだ。 そして今夜も亀と戯れながら、今日起きた出来事など、なんでも話しをした。 それに対して愛亀も答えてくれた。 「ワンッ!!」
2006.08.06
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おじ様は、いつも突然友人を介して電話をかけてくる。断る理由も無い私は、その都度誘いを受けるのだが、いい加減自分から電話を掛けてきて欲しいなんて思ったりもする。電話があるのは決まって友人からだ。そして途中でおじ様に代わる。そこで私は言葉少なく返答を求められ、それだけ伝えるとそっけなく電話は切られる。九州男児ってみんなそうなのだろうか?それでも誘いにのってしまう私。今度こそは私から誘ってやるんだ!ずっとそう思っていた。そしてついに昨日、おじ様からの電話が鳴った。勿論友人を介してだ。私は相手ににペースを握られまいと必死だった。そしておじ様に電話が交代された瞬間にすぐ「明日うちにいらっしゃいませんか?」と伝えた。「……」おじ様は答えない。私はさらに「明日はごちそうを用意しておきます」と言った。それでもおじ様は無言だった。それならばと「お酒も用意しておくので、明日はうちに泊まってくださいね」と少し艶っぽく言ってみた。が、そこで電話は切れた。やりすぎたのだろうか……。それとも迷惑だったのだろうか? あんな年配のおじ様にとって、私のような二十歳そこらの女性とは、単なる子供のようにしか思えないのだろうか……。 私は後悔でいっぱいだった。今日は朝からモデルの仕事があったのだが、体調が優れないからと言って無理やりお休みをもらった。どうすれば良いのか分からない。嫌われてしまったに違いない。そんなことばかり考えていた。だからと言ってこのままで良いはずがなかった。とにかく昨日電話をくれた友人に会い、中を取り持ってもらうより仕方が無かった。そう思うと、いてもたってもいられなくなり、友人に電話を掛けることにした。そして今まさにボタンを押そうとしたその刹那、私の携帯は鳴りだした。画面を見ると非通知ではあったが、私は”まさか”に賭けて電話に出ることにした。すると第一声が「陽子ちゃん? 今大丈夫? 」と聞き覚えのある声。電話の相手はおじ様からだった。突然の電話で、正直声も出ないほどだったが、私は昨日のことをまず謝罪しなければと思っていた。しかしおじ様はいつものように自分のペースで話し出した。「陽子ちゃん。今夜開いてるんだよね? 」「はい」「それじゃ昨日の話なんだけど」「あっ、そのことなんですが……」「ん? 何? 用事か何かあるの?髪切りに行くとか? 」「いえ、そうじゃなくて昨日の私の発言についてなんですが……」そう言って、私が謝罪の言葉を選んでいると、おじ様は即座にこう答えた。 「いいとも~」
2006.08.03
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