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あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。
では、新年の初更新です。
その5
佑一と唯香の、それぞれの左手薬指に、初めて指輪が光り輝いた、その夏のこと
二人は、東京都とは思えないほど綺麗な南の島へ向かう船に乗った。
このささやかな新婚旅行を、不服に思う人は少ない。
少し前なら、旅行どころか衣食住を確保するので精一杯っだった。
そんな時機が過ぎて間もない頃のことである。
そんな暮らしの中、唯香とその母親にとって、佑一はかけがえの無い存在だった。
彼は、時折、やや突飛な発想をまじめな顔して語り、唯香母子に笑顔をとりもどしてあげる良好な結果をもたらしてくれた。
それは、唯香の亡き父に似ていたのだった。
新しい南の島のホテルには、ほとんどの場合、豪華ではないが昔にくらべて、かなり大きめなプールが海側に備えてある。
これは、震災とは無関係で、温暖化によるサメの北上を完全に食い止めることが困難であり、観光客の安全確保のためだ。
唯香と佑一は、昼食を挟んで、プールでの水浴を楽しんだ後、
ビーチパラソルが作る日陰の下、伸ばしたデッキチェアに身体を
預けてのどを潤し、エメラルドの海を眺めながら会話を楽しんだ。
唯香は、佑一の話しが途切れがちになったのに気づいた。
(また、なにかに捉われているのね・・・ほっといてあげる・・・)
佑一の目に映る、はるか沖合いに、水平線が見える。
佑一は、思考する。
水平線のその向こうの景色を見てみたい。思考する。
あの水平線まで行けば、向こうが見える・・・
でも僕は、ここに居ながらにして、水平線の向こうが見たいんだ。
思考する・・・仲間が要るな・・・
あの水平線に一人。彼に見える水平線にもう一人。
そうやって繋いで行けば、やがて知らせが届くはず。
「君の背中が見えたよ!」
その時僕は思考する。返事を選ばなければ!
「知ってるよ、君の背中だって望遠鏡を通して、僕の目の前だから」
もうひとつの返事は
「本当だ、すごい!面白いね、ありがとう!」
我慢できずに、君に話した!そしたら君はこう言ったんだ。
「二番目の返事に決めてるはずよ」
・・・君にはどうやったって敵わないね。
降参した僕に君は
「お好きなんですね」って・・・ずるいなぁ・・・
認めるよ、君の勝ちだって。でも僕はちっとも悔しくなんかない。
君を奥さんに選んだのは僕だからね・・・
だから僕は、今、得意げに鼻唄を唄っている。
どちらも一日一回有効です。
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