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正月のお飾りに使われる柑橘系の果実のこと、説明できますか。
今から10年以上前に、鏡餅の上に乗っているダイダイの
ことを聞かれて往生したことがありました。
英語で説明するのは大変だったからです。
そして、あれから10数年。だてに長生きはしていません。「もういいです。」と言うまで、その実のことを語らせて頂きます。
学名はCitrus aurantium。日本語ではダイダイと
呼ばれています。放っておくと、2、3年枝についたままでいられる生命力を買われて、
子孫繁栄を願って正月飾りに使われることになりました。
これが日本だけの発想かと思いきや、ヨーロッパでも
同じだそうです。
花は花嫁の純潔を表し、婚礼の際に作ったブーケを、
夫婦の寝室に置くそうです。
果実は子孫繁栄を意味するとのことで、絵画に突如として
オレンジの実が転がっているだけで
「この絵は寝室に飾られていたものですね。」
と、推理できるのだそうです。
昨年見に行った「ベネツィア展」で学びました。
その名残でしょうか。
アロマセラピーで用いる精油にCitrus auruntiumが
用いられているのは、花から抽出したネロリで、
「妊娠線の予防に」用いられるそうです。
ちなみにこのネロリという名前は、イタリアに実在した地名です。
その土地の君主の妻が、研究熱心な夫に贈られたこの精油を
用いたところ、その香りで会う人会う人すべてが魅了された
という逸話に由来しています。
花はもともと生殖器官ですので、花粉を誰かに運んでもらいたい
ということで、あの手この手の手練手管で誰かをお誘いします。
柑橘系の場合は、「香りで悩殺」という戦略で、精油や精油を
抽出する際に得られる副産物で「人間が用いても悩殺」という
エピソードには事欠きません。
ハンガリアンウォーターは、14世紀にハンガリーの王妃が
愛用していた芳香水ですが、年老いた王妃が隣国の若い国王から
求婚されたという伝説から、「若返りの香水」とも呼ばれているそうです。
中身は見事なまでの「柑橘系固め」で、
オレンジフラワーウォーター、オレンジ、ベルガモットなどが
入っています。
喉元を見せてビジュアルで攻めるのも結構ですが、香りもどうぞお忘れなく・・・。