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漢方でも、ダイダイは用いられています。枳実(きじつ)と枳殻(きこく)です。
行気薬という効能で、簡単に言うと気の巡りを
よくする作用があります。どちらも果実ですが、枳実は夏至前に採取した幼果で、
枳殻は秋に収穫した成熟果実だそうです。
脾臓、胃、大腸に作用するそうで、便秘や下痢の治療や、
食欲不振や胃の痛みの治療に使われます。
ただし、気の滞りがあるとか、冷えなどの特定の原因に
よるものに限られますので、
「下痢、便秘、胃痛で即、枳実か枳殻。」と言うほど
漢方は甘くないです。
枳実の方が作用が猛烈で、枳殻は緩和なのだそうです。
自然療法の世界では、時期によってフィトケミカルの
量が変化することを重視します。
それに伴って、採取する時期を変えたりもしますし、
状態に合わせて使い分けることもします。
枳実では効果が強すぎる場合に、枳殻の方を使ったり、
効能にも若干の違いがあったりします。
妊婦には使用しないという、使用上の注意もあります。
ポン酢に入っているダイダイの果汁に対して、
妊婦はダメなのかという心配はいりません。
漢方で使用されるのは、乾燥した果実全体ですし、
使う量が違います。
単独でなく、いくつかの生薬と組み合わせて漢方薬として
使うことと、ダイダイ果汁を少量というのはだいぶ違います。
花から抽出した精油は妊娠線対策に用いたり、
果実を絵画やお飾りで象徴扱いする時は、
子孫繁栄祈願で、
乾燥果実を漢方薬として使用する際には、
妊婦に禁忌ということになり、
ポン酢にダイダイ果汁は一家団欒の食卓にということで、
部位や量によって、人間は自分の都合でいいように
使っています。
よしあしではなく、長年の生活習慣と植物との付き合い方なのです。