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2007.02.15

宮本信子の名演光る！★「マルサの女」

(8)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

明日からいよいよ確定申告の受付開始…（ですよね）
税金と言えば、ざくざくお金を稼いでる人には、頭の痛い問題。
「税金なんかたくさん払いたくない。所得をごまかしちゃえ！みんなやってることだ！」という悪魔のささやきに、負けそうになるものかもしれません。
「ちょっとぐらい所得をごまかしたって、バレるもんか…」と、たかをくくる人も結構いるようです。
しかし、国税局はそんなに甘くな～い!！
本日紹介するのは、２０年前に話題を呼んだ、伊丹十三監督の「マルサの女」です。

マルサの女　コレクターズセット〈初回限定生産・2枚組〉

「お葬式」「タンポポ」のどこにでもありそうなラーメン屋など、
伊丹監督は、これまであまりスポットをあてられなかった題材をあえて選び、
その題材をとてもドラマチックに、そしてユーモラスに描いてきましたが、
「マルサの女」も、国税局査察官という、あまり身近でない職業の人を主役にし、
査察官と脱税に奔走する人々との攻防をリアルに、社会性豊かに、なおかつユーモラスに描いている大傑作です。
シナリオも演出も、目を見張るほどすばらしい！さすがはかつての日本映画界の大御所・伊丹万作先生の息子さんですね。

金の亡者の実業家（山崎努）は、脱税など屁とも思っていないツワモノ。
脱税のためのダミー会社を作っては、次々計画倒産させ、「ふん、何が税務署だ。来るなら来てみろ！」と日頃から豪語している。
ところがどっこい…凄腕の女性査察官（宮本信子）が、彼に目をつけた！
脱税の事実をつきとめようとする女性査察官。のらりくらりとごまかす実業家。
いつしか、２人の間には友情のようなものが芽生えるが…

モイラはこの作品を見て、「税金を払うまい！」と涙ぐましい努力（？）をしている人たちのやり口には、怒るよりもあきれ、果ては感心すらしました。
子どものランドセルに通帳を隠したり、口紅のケースに銀行印を隠したり、
とにかくまあ、「よくこんなことを考えるよ…」と思うほど、所得隠し、証拠隠しに必死なのです。
「ああ私も脱税するほど、お金を儲けてみたい…」とも思いましたね。
でもね、さっきも書いたけど、マルサは甘くない！脱税の追徴金も莫大なものです。
「脱税なんてワリにあわない！」
それを肝に銘じさせる名作ですね。

女性査察官を演じた宮本信子が、とてもいい味を出していましたね。
彼女は全然美人じゃないんだけど、それだけにリアリティを感じさせるんです。
地味といえば地味な役柄なんだけど、個性的で、光輝いてました。
演技力抜群の、すばらしい女優ですね！

★もっと伊丹十三！★