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2007.02.18

怪優ジャック・ニコルソン、ここにあり！★「シャイニング」

(4)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

観ていて背筋がぞぞお～～っと凍りつくようなホラーの名作は、古今東西、数多くありますが、
その中でも、モイラが超名作と信じて疑わない映画といえば、これ‥‥ スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」！（'80年　米）

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作家志望のジャック（ジャック・ニコルソン）は、妻（シェリー・デュヴァル）と幼い息子（ダニー・ロイド）とともに、冬の間閉鎖されている山奥のホテルの管理人として働くことになる。
ところが一家がホテルに到着してまもなく、心の中にもうひとつの人格を持つ（この設定だけでもコワイ！）息子の脳裏に、おぞましい光景がよぎる。
ホテルのエレベーターのドアがゆっくりと開き、中から大量の真っ赤な血が波のように流れ出て、廊下にあふれ、
お揃いの服を着た双子の童女が、まったくの無表情で廊下に立っている光景だ。
実はこのホテルでは、過去に管理人一家の惨殺事件が起こっていた。
いわくつきのホテルに住み始めたジャックは、亡霊のしわざか、はたまた自らの幻覚のせいか、次第に精神に変調を来たし、妻も彼の異常に気づきはじめる‥‥
そしてある時、ついにジャックの狂気が爆発する‥‥!!

冒頭、ジャック一家の車が、がけっぷちを走るシーン‥‥
キイイイイ～～～ン♪という、聞いただけでもイカれてしまいそうな音楽のせいか、
ただ車が走ってるだけなのに、恐怖感を覚えました。
ジャックの息子のもうひとつの人格が、かすれ声でしゃべるのも、ぞっとしました。
エレベーターからあふれ出る血、息子に「一緒に遊ばない？」と声をかける無表情の双子姉妹（モイラはこのシーンに、マジで震えあがりました）
ジャックがバスルームで出会う顔崩れ全裸女、
ジャックがタイプライターを熱心に打ち、執筆にいそしんでいるのかと思いきや、
「仕事ばかりで遊ばない。ジャックは今に気が狂う」とばかり何枚も書かれた原稿用紙を見て、恐怖に凍りつくシェリー・デュヴァルの顔、
そして‥‥息子が「レッドラム、レッドラム‥‥」とかすれ声で呟きながら鏡に赤い文字を書き、
それが「 Murder （殺人）」の逆さ言葉だったとわかった時の戦慄‥‥!!
完全に狂気に支配され、斧を振りまわして妻子を追い回すジャックの恐ろしい姿は、たぶん一生モイラの脳裏に焼きついたまま離れないことでしょう。

「いやあ～、ジャック・ニコルソンって、ほんっとに怪優の名にふさわしい人だわ‥‥」
モイラならずとも、そう思った映画ファンは数多いと思います。
妻子を斧で追い回す時の狂気をはらんだ目つきと歪んだ笑顔が、なんとも不気味でした！
「この人、私生活でもイッちゃってるんじゃないの?!」と、思ったくらいです。
しかもイッちゃってるのは、ニコルソンだけじゃない。シェリー・デュヴァルも、あの目のやたら大きな独特の顔立ちのせいか、悲鳴をあげてる時の顔が、めっちゃクレイジーで怖かったです。
息子役のダニー君も、父親母親に負けず劣らず、クレイジーぶりを発揮してましたね。

う～ん、これほどの怪優たちを、奇才と呼ばれたキューブリックが起用して、
スティーヴン・キングの原作を、「キューブリック流」に解釈してシナリオを作り、
カメラ・ワークは言うに及ばず、照明、美術、音楽‥‥とにかく細部の細部にまでこだわりを持って撮っているのだから、
あっと驚くような作品が、できないわけがないですよ！　
キューブリック監督、恐るべし‥‥！
ジャック・ニコルソン、恐るべし‥‥！

★もっとキューブリック！★