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2007.02.24

炎という怪物に挑む男たち★「リベラ・メ」

(2)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

「韓国版バックドラフト」とも呼ばれている秀作「リベラ・メ」（2000年　韓国）‥‥

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「バックドラフト」同様、火災現場で活躍する消防士たちの物語ですが、
この映画のすごいのは、なんとノースタントで、俳優たちが CGではない本物の炎相手に、芝居に挑んでいるところです！

韓国第二の都市・釜山では、謎の放火事件が頻発し、消防士サンウ（チェ・ミンス）、ヒョンテ（ユ・ジテ）たちは、消火と怪我人救出に、まさに命がけの日々。
仲間の一人が殉職し、一人は全身に大やけどを負う。
犯人は、刑務所を出所したばかりのヒス（チャ・スンウォン）という青年。
ヒスは刑務所を出た直後に、刑務所のボイラー室を爆発させ、奮闘する消防士たちをあざ笑うかのように、あちこちに火を放ち、綿密な計算の上で、ガソリンスタンドも爆破する。
ヒスの魔の手はヒョンテにまで及び、ヒョンテは自宅マンションで、彼にしかけられた時限爆弾で爆死する。
ヒスのもうひとつの顔は、小児精神科病棟の子どもたちの世話係。虐待などで心に傷を負った子どもたちからは「優しいお兄さん」と慕われ、主治医からも信頼されている。
しかしそんなヒスも、少年時代、飲んだくれの父親からひどい虐待を受けた過去を持ち、そのトラウマに今でも苦しんでいた‥‥
そして‥‥ヒスは自分が勤める大病院を炎に包むことを計画していた。その大火災は、「心の傷の癒えぬ子どもたちへのクリスマス・プレゼント」だった‥‥！

放火魔ヒスが子ども時代に受けた親からの虐待という痛ましい過去を、「これでもか、これでもか！」と前面に押し出しているのに、少々辟易しましたが、
この映画の製作当時、韓国では、子どもの虐待がマスコミ等で盛んにクローズアップされ、社会問題になっていたのですから、まあ仕方ないでしょうか‥‥
（モイラも2000年にソウルに行った時、テレビのニュースで毎日のように児童虐待の報道を目にしました。「ああ、日本と同じだなあ‥‥」と、ため息をついたものです）
シナリオ上のアラもありました。ヒスがいったいどうやって、ヒョンテのマンションの場所を突き止めることができたのか‥‥？　これがいまだによくわかりません。
夫からDVを受けている女性が登場したのも、ちょっとうんざりでした。（トラウマ人間オンパレード映画かよっ?!）/b>
だけど‥‥いろんな欠点を差し引いても、一級の娯楽作品としての見せ場が満載の傑作です！
大火災に挑む消防士たちの命をかけた奮闘ぶり‥‥
炎という大量殺人凶器を魔術師のように華麗に操る放火魔の姿 ‥‥
すごすぎますよ‥‥映画のために大病院一軒、丸ごと焼いてしまうんですから。
病院の近隣も、よくまあ火をつけることに許可したと思います。あそこ、どう見ても、大都市釜山の市街ですもんね。
主演のチェ・ミンスが、めっちゃかっこいい！イケメンとは彼のような男性のことを言うんでしょうね。
でもそれ以上に強烈だったのが、ヒス役のチャ・スンウォン。
目つきといい、手の動きといい、狂気がみなぎってましたね。
名優です、ほんと‥‥

監督は「ホワイト・バレンタイン」「風のファイター」のヤン・ユノです

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