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2007.04.07

世界一のカリスマ！★「偉大な生涯の物語」

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カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

明日はイースター（復活祭）。イエス･キリストが処刑された３日後に生き返った日です。
この日は、全世界２１億人（この日本はわずか100万人）ほどのキリスト教徒が、救い主の復活を盛大に祝い、感謝の祈りを捧げます。
きょうは、イースター記念として、1965年のアメリカ映画、イエス・キリストの数奇な生涯、死と復活を描いた名作「偉大な生涯の物語」を紹介します！

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キリストが主人公の映画は、これまで数多く作られ、秀作もあれば、駄作もありますが、
この作品は、神学者や聖書研究者がシナリオを書いただけに、「学者が頭で考えたキリストの物語」という側面も否めませんが、
新約聖書ヨハネ伝を基調にした、福音の物語を堪能できる一方で、壮大な歴史ドラマとしても楽しめます。
聖書を一度も読んだことのない方も、イエス･キリストがどういう教えを人々に広め、
なにゆえ処刑されたかが、わかります。

紀元数年、洗礼者ヨハネ（チャールトン・ヘストン）は、人々に旧約聖書に書かれた救い主が、まもなく現れることを予言します。
その救い主とは、大工ヨセフの息子・イエス（マックス・フォン・シドー）。
ヨハネから洗礼を受けたイエスは、人々に神の福音を伝え、ほどなくペテロ、ヨセフら12人の弟子を率います。
イエスは福音を伝えるため、弟子たちとともにパレスチナのあちこちを旅し、病死した男ラザロを生き返らせるという奇跡を起こします。
また、ある女が不倫の現場を人々に押さえられ、ほとんど全裸で晒し者となり、石打ちの刑で殺されそうになっている時、イエスはうちひしがれ、泣いている女を救おうとして、群集に向かって言います。
「あなたがたの中で、罪のない者が、まずこの女に石を投げなさい」
人間ならば、まったく罪のない者などいやしません。人々は一人、また一人、その場から去って行きます。
ところが、死者を生き返らせ、盲人や病人を即座に癒す奇跡を起こし、民衆のカリスマとなったイエスを、
当時のエリート階級であるパリサイ人やサドカイ人たちが、苦々しく思い、
「あのイエスという男は、やがて民衆を扇動してことを起こすかもしれない‥‥」という邪念にとらわれ、
ついには、何か理由をつけてイエスを処刑しようとたくらむのです‥‥！
そしてイエスは、弟子の一人、イスカリオテ・ユダに金で売られ、
ローマの軍隊に捕らえられ、死刑判決を受け、激しく鞭打たれ、
弱った身体に重い十字架を背負わされ、磔にされ、殺されるのです‥‥！
ところが‥‥神は奇跡を起こしました！

199分という長い映画で、中盤、ややだれる部分もありますが、
イエスの軌跡、福音が、まったくキリスト教の知識がない人でも、よくわかります。
事実モイラは、この映画を観た時、旧約聖書は創世記の２０ページくらいで挫折、
新約聖書はマタイ、マルコ、ルカ伝を読んだだけで挫折という、ヘタレでした。
「宗教映画」としてではなく、「史劇スペクタクル」として観ると、面白いものです。
イエスの母マリアにドロシー・マクガイア、イエスの十字架を途中でかわりに背負うクレネのシモンにシドニー・ポワチエ、
そして、イエスが十字架につけられる横で、「ああ、この方はまことに神の子であった‥‥」と、しみじみとつぶやくローマ軍の百人隊長に、なんと往年の大スタージョン･ウエイン！
まったくすごい配役です！

監督は、「シェーン」「ジャイアンツ」のジョージ・スティーブンス。
上質な福音映画であり、また史劇スペクタクルでもあります！

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