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2007.04.08

命をかけた悪との闘い！★「モスラ対ゴジラ」

(6)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

ゴジラが怪獣の王ならば、モスラはさしずめ怪獣の女王といったところでしょうか‥‥
人類による恐ろしい核実験の申し子で、口から放射能を吐いて地球を破壊するゴジラ。
核実験で生き残った南の島の人々から、守護神とあがめられているモスラ。
この悪と正義の２怪獣の壮絶な死闘を描いたのが、1964年東宝の「モスラ対ゴジラ」です。

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大型台風が去ったあと、愛知県のとある海辺に巨大な卵が漂着した。
それは南太平洋・インファント島から流れ着いたモスラの卵なのだが、
この卵で一儲けたくらもうとする悪徳商人が現れ、
モスラの側近である双子の小美人（ザ･ピーナッツ）が、「卵を返して下さい！」と懇願するが、聞き入れられなかった。
そんな時、埋立地からある日突然、ゴジラが出現し、名古屋の町を破壊し始めた。
ゴジラの破壊はとどまるところを知らない‥‥ そんなゴジラをやっつけられるのは、正義の怪獣・モスラしかいない！
人類の悲願によって、残りわずかな命のモスラは、最後の力をふりしぼり、
色鮮やかな羽を広げ、日本列島に飛来する‥‥！

「ゴジラ」シリーズの特撮は、毎回目を見張る素晴らしさですが、
この作品の名古屋の町のセットも、非常に緻密で、素晴らしいできばえです。
名古屋城にテレビ塔、昔の名古屋球場。それがみ～んなゴジラによって、無惨に壊されてしまうんですから‥‥
壊されるためのミニチュア・セットを、より本物に近い緻密さを追求して作っていた方々は、どういう心境だったんでしょうね‥‥モイラなら、ちょっとやりきれない、かな？

ゴジラの登場の仕方も、迫力満点！
埋立地から巨大な尻尾がニュッと出たかと思ったら、徐々にその全貌が‥‥いや～、観ていて怖かったです！
逃げ惑う人々の背後に、目をむいたゴジラのおっそろしい巨大な顔がアップになっていたのも、ド迫力！
ゴジラが吐く放射能火炎で、戦車が飴のようにグニャグニャになってしまう特撮も秀逸！あの戦車は、ロウ細工だったんですよね。円谷先生、お見事！

しかし、なんといっても、一番面白かった、というか感動したのは、
「モスラが親子二代にわたってゴジラと闘う」という設定ですね。
モスラは人類を救うため、最後の力をふりしぼってはるばる日本に飛んできて、
ゴジラと壮絶な闘いを始めるけれど、力尽きて、自分が生んだ卵を羽で抱きながら息絶えてしまう。
息絶える時、モスラの大きな青い目から光が消え失せ、観ていてとても悲しかったです。
ところが‥‥母モスラの最期の体温であたためられた卵が孵り、なんと双子の幼虫が誕生！
生まれたばかりの双子は、力を合わせてゴジラと闘います！まったく勇敢な赤ん坊もいたものです。

ゴジラシリーズではおなじみの宝田明が、今回も正義感の強い新聞記者を好演していましたね。
相棒の女性記者星由里子も、つたなさはあるものの、初々しい演技をしていました。
佐原健二が珍しく悪役を演じていたのも、面白かったし（この人、「海底軍艦」でも悪役でしたね）
やたら部下を怒鳴りまくる新聞社デスクの田崎潤もリアリティ満点、藤木悠もトボけた新聞記者役が上手で、印象に残っています。

特撮マニア、怪獣映画ファンじゃなくても、この「モスラ対ゴジラ」が大好き、という人は、結構多いですね。

★もっとゴジラ！モスラ！★