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2007.06.15

怪鳥、九州を襲撃！★「空の大怪獣ラドン」

(4)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

東宝特撮初のカラー作品空飛ぶ怪獣の登場‥‥
九州在住の４０代以降の方々は、すぐ答えが出るでしょうね‥‥
そう‥‥1956年（昭和31年）の「空の大怪獣ラドン」です！

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筑豊の炭鉱で謎の出水事故が発生。
続いて、ボタ山付近で巨大トンボとザリガニのハーフのような生き物が現れ、
警官を襲い、鉱山に逃げ込んだ。
鉱山技師の河村（佐原健二）が警官とともに山奥に入ると、
その不気味な生き物が無数にうごめき、さらにそこには、孵化しようとしている巨大生物が‥‥！
河村はあまりの恐ろしさに気を失い、気がつけば記憶を失っていた。
そしてほどなく福岡上空で、ものすごい速さで飛翔する巨大な鳥のような生き物が発見された。
その怪鳥ラドンは、巨大な翼を広げ、恐ろしい咆哮をあげながら九州北部の大空を飛び、
佐世保や博多の町を破壊してゆくのだった‥‥！

九州の方々には申し訳ないのですが、
ラドンが巨大な翼で大津波を起こして佐世保の西海橋を真っ二つにし、
地上すれすれに飛び、その羽ばたきで博多天神のビルやデパートなどを次々崩壊させるシーンに、
息を呑むと同時に、「かっこいい、空飛ぶ怪獣！」と、拍手喝さいしてしまいました。
初のカラー作品ということで、円谷英二大先生もかなり力を入れたのでしょう。
博多の町や西海橋、阿蘇山のセットは芸術品のようでしたし、特撮もそれは目を見張るほど秀逸です。
西海橋が津波であっという間に真っ二つに割れてしまうシーン、迫力ありましたね。
そして、岩田屋百貨店近くのビルが倒壊しかけている中、ビルの窓から逃げる人々が見える特撮‥‥「うわ‥‥芸が細かい」と、ため息をつきました。
巨大トンボとザリガニのハーフみたいなメガヌロンが、民家を襲うシーンも、
なかなか迫力があり、こわかったです。
もっともメガヌロンの動きがのろいのが、ちょっと気になりましたが‥‥

世界をあっと言わせた「ゴジラ」では、モノクロの映像の特性を生かし、
夜の東京の街を破壊しつくすゴジラの怖さ、ゴジラの素早いとは言えない、どちらかと言えば鈍重な動きを、重厚なタッチでとらえていましたが、
この作品では、明るいカラーの映像の特性をフルに利用し、
ラドンが暴れるのは主に昼間、
音速を超える速さで飛ぶこの怪鳥の機敏な動きを、ある種軽快なタッチでとらえています。
監督は本多猪四郎。脚本は「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」の村田武雄、そして「ガス人間第一号」「世界大戦争」の木村武。
この映画はイギリスで公開された折り、エリザベス女王とチャールズ皇太子も観たそうです。

ところで、モイラは黒い鶏の雛（生後一ヶ月半）５羽を飼っているのですが、
うち一匹の雄が、正面から見ると、日に日にラドンに似てくるのです。
でも性格は、勇壮なラドンとは似ても似つかず、
カラスの鳴き声や雷鳴を聞いただけで、ちぢこまって震え上がるような弱虫です。

★海、空、陸の怪獣大暴れ！★