三日月の夜にはミルクティーを

三日月の夜にはミルクティーを

2008.07.17
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カテゴリ: わたしの日記
まだ私が、自動車教習所に通っていた頃のお話。

結構こういう事は、無難にこなす私。
とんとん拍子に進んでいって、あっという間に仮免の試験までこぎつけました。

技能試験があったのは午前中。
当然、一発合格です。

「おめでとうございます。合格です。」
「ありがとうございます。」
「では午後、学科試験を受けてください。」

「……は?」


学科試験?
まあ、受けなくてはいけないのは分かっていましたが…まさか、その日の午後だなんて。
聞いてないし…。

「あのう…。」
「はい。」
「今日受けなきゃいけないんですよね、それって。」
「はい。今日受けてください。」

「そうですよね、やっぱり…。」

ひえーっ。
ど、ど、どうしましょう。
全然勉強してない。



そうと決まれば、ゆっくりしている暇などありません。
昼食を取る時間も惜しい。

とにかく片っ端から、覚えて覚えて覚えまくって…。

「あとは、運と勘よ。」

度胸だけで、試験に臨んだ私。


これが受かってしまうんですのよ。
しかも満点で。

いやあ、なんか嫌な女になってますよね、私ってば。

結果を聞いて帰ろうとした時…ふと、周りの異変に気が付きました。

「ちょっと、あなた。」
「はい?…おおっ。」

うわ。
なんか囲まれてるし。

5,6人のおばさま方が、逃げる隙を与えず、がっちりと私の周りを取り囲んでいます。

ええっ。
なに?だれ?なぜ?
私、お金持ってませんことよ。…こわい。

「あなたさ…。」
「は、はい。」

「…優秀なんだってね。」
「へ?…そ、そうなんですか。」
「学生?」
「は、はい。大学生です…。」

「ふーん。」

そう言ってじろじろと私を眺め回して、そのまま集団でどこかへ行ってしまわれました。

「な、なんだったの…。」

まるで狐につままれたような私。
しばらく呆然と、その場に立ち尽くしておりました。

真夏に起きた怖ーいお話…いやいや、不思議なお話でございます。





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Last updated  2008.07.17 16:31:35
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