05年にPC版を開始した国内最大規模のハイレゾ音源配信サービスで、スマホ対応により外出先で視聴や決済、ダウンロードなどがより手軽になった。配信する楽曲は13年までに約3万曲だったが14年には約7万曲に増え、ラインアップが充実した。独自コンテンツにも取り組み、シンガーソングライターの山崎まさよしさんのライブをハイレゾで配信も行っている。
情報量が大きいことからデータのダウンロードに時間がかかる難点も克服しようと試みる。台湾のQNAPとネットワーク対応ストレージ(NAS)を共同開発。外出先でスマホから購入手続きを済ませると、自宅のNASにハイレゾ音源が自動的にダウンロードされるため、帰宅後すぐに聴くことができる。オーディオ機器メーカーも矢継ぎ早に対応製品を投入する。パイオニアは14年12月、世界で初めてiPhoneなどスマホに保存したハイレゾ音源をワイヤレス再生できる「Stellanova(ステラノヴァ)」を発売した。デジタル音源を再生するための「USB DACアンプ」やワイヤレスユニット、スピーカーで構成する。独自の転送方法により、無線LAN経由でも大容量のハイレゾ音源をやりとりできるようにしたのが特徴だ。「ハイレゾ音源でもいち早くスマホからワイヤレス再生できるよう対応した」(パイオニア)という。
ソニーは昨秋、ハイレゾ対応のオーディオ機器として世界最小・最軽量のモデルを発売した。13年に発売し好評だったフラッグシップモデルの「NW-ZX1」(実勢価格7万円強)の追加モデルで、2万5000円程度からと手ごろな価格とした。当初予想を上回る売れ行きといい、手応えを感じている。
ハイレゾ人気を受けて良さが再認識されたのがレコードプレーヤーだ。e-onkyoを運営するオンキヨーエンターテイメントテクノロジーの黒沢拓ネットワークサービス部ディレクターは「ハイレゾ音源とアナログレコードを買い求める人に共通するのは『音楽をより良い音で聴きたい』という願望だ」と指摘する。
「レコードって初めて見た。クイーンが好きなんです」。東京・八重洲にあるオンキヨー・ギブソン・ティアック3社のショールームでレコードの音に聞き入っていたのは20歳代後半の若い女性。「思っていた以上に、レコードプレーヤーの前で若い人が立ち止まる」。ショールームイベントの企画を手がける営業・マーケテング本部の本谷恵佑氏は、思わぬ恩恵に驚きを隠さない。
人気の高まりを受けオンキヨーは1月下旬、約30年ぶりにレコードプレーヤーを発売する。きゃりーぱみゅぱみゅなど若者に人気のアーティストが限定版レコードを出すなど、追い風も吹く。5万円程度に抑えたが、回転盤など音質に直結する素材にはとことんこだわった。海外でも販売する予定だ。 パイオニアも14年9月に新型プレーヤーを発売済み。「CDでは収録していない周波数帯の音もそのまま再現できることが、アナログプレーヤーの需要を高めている」(パイオニア)という。
国際レコード産業連盟によると、2013年の世界のレコードの売上高は前年比27%増の2億1800万ドル。06年の3400万ドルを底に拡大傾向にある。国内も同様で、日本レコード協会によると2010年を底にアナログレコードの生産金額は上昇し、14年の1~11月までで前年同期比の1.5倍以上だという。
CDの登場から約30年。長い目で見れば、デジタルとアナログの相乗効果こそがオーディオ機器業界を支える鍵になるかもしれない。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81915110U5A110C1000000/?dg=1
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