スマートフォン(スマホ)など携帯機器に向けた電池において、大幅なエネルギー密度(体積当たり)増大を志向しているのがソニーだ。同社はスマホ向けに外装をアルミラミネート加工したラミネート型(パウチ型)の電池セル(電池の構成単位で、電極や電解質、セパレーターなどを含むひとまとまりを指す)を提供している。
ラミネート型電池セルの現行品における体積当たりのエネルギー密度は700Wh/L程度だ。それをまず、2016年頃に750~800Wh/Lまで高める。その後、900Wh/L程度を経て、2020年には1000Wh/Lの要素技術を確立することを目指している。ソニーのLiイオン電池の電極材料構成が大きく変わりそうなのが2017年以降だ。このあたりで、次世代材料として期待の大きいSi(シリコン)を負極に混合してくるとみられる。
Si合金などのSi系材料を電極に使うと、現行の負極材料である黒鉛などに比較してエネルギー密度を大幅に高められる可能性がある。電極の重さ当たりの理論放電容量(比容量)で比較すると、Siは約4200mAh/gと現行材料(372mAh/g)の10倍程度もある。
材料のポテンシャルが高いにもかかわらずSi合金がまだ広く使われていないのは、使いこなしの難易度が高いという課題があったためだ。Liイオン2次電池では、Liイオンが電極で挿入脱離反応を繰り返すことで充放電している。Si合金を負極に使うと、Liイオンの挿入脱離に伴うSiの体積変化が約4倍と大きく、結晶構造が崩壊して充放電を繰り返すと容量が減ってしまうという課題があった。
ソニーはこのSi系材料の体積膨張を制御する手法に、実現のメドを立てたもようだ。既に幾つかの電池製品にSi系材料を含有させており、今後はその混合量を高めていく。これによって、ラミネート型電池の体積当たりのエネルギー密度は、「900Wh/L程度までは行ける」(ソニー)と、現行比2割程度の向上幅を見込む。
日立マクセルはまず2016年半ばに、新型の角形Liイオン2次電池をスマホ向けに投入する。体積当たりのエネルギー密度が600Wh/Lと、現行品に比較して約5%向上させる。現行のスマホ向け電池では3000mAh程度の容量が主流だが、新開発品は同体積で3150mAh程度まで容量を高められる見込みだ。中国のスマホメーカーなどの、高容量品へのニーズに対応する狙いだ。
電極材料や電解質など、内部で利用する材料はそのままに、Al製の金属外装ケースの厚みを2割程度薄くし、電解液などの充てん量を多くして容量を高める。Al製の外装ケースの厚みは現状では2.5mm程度で、それが2mm程度になる見込みだ。
同社はさらに、2016年後半をめどに、充電時の電圧を4.45Vまで高めたLiイオン2次電池の出荷を計画中だ。現行製品の充電終止電圧は最高で4.4Vで、それを1%程度高い電圧まで充電できるようにする。これで、体積当たりのエネルギー密度が625Wh/Lと、現行比較で10%程度向上する。スマホ向け電池では3300mAh程度の容量が視野に入る。
日立マクセルは4.45Vまで充電する製品を「ハイボルテージチャージ」と呼んでいる。正極や負極などの材料は現行同様だが、電解液に加える添加剤の組成などを工夫して実現するという。
ただし日立マクセルは、「構造解析の結果からすると、4.45Vが上限」(同社)とする。ここで4.45Vというのは、実使用条件下で仮に4.5Vまで充電されたとしても耐えられる能力がありながら、安全を見て設定している数字だ。つまり、4.5V程度が上限で、それ以上の高電圧での充電は難しいとみる。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95482420U5A221C1000000/
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