まんがよみ日記

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2004年12月18日
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カテゴリ: 批評
 女優EにDMを貰って新宿へ。

 舞台は沖縄。第2次大戦中ガマ(沖縄の言葉で洞窟の意)で篭城を強いられる沖縄の人々の群像劇。題材が題材なだけにやる側も観る側も覚悟が要るであろう内容。と思ったが三線の音ではじまるイントロだけでもう、かつてのかの地に連れて行かれる。パンフをみるとわざわざ全員合宿したようだ。覚悟がみえる。痺れるぜ島唄。

 中央高いところだけを唯一の出入り口としてすすむ物語。みあげて待つ人々。そこから漏れるあかりが時間と空気をつくる。

 登場する兵隊が語る最前線のえぐい描写よりも、フツウの人のフツウの会話がやがて来る破滅を予感させて泣ける。けっして能天気なセリフがつづくわけではない。だが確実に自分たちの地続きの「フツウの人々」が語る生き様。リアルである。「戦争である」という実感が客席に伝わるのだ。

 教師や兵隊など時代を語るために設定されたであろう役が喋るステレオタイプな「感想」よりもそこらへんのおばはんが語るなんでもない生活感情がリアルで突き刺さる。政治情勢の話よりもまず生きようとしてもがく様子がなによりも尊い。「語る」のは平和でないとできないことなのかもしれない。その場に自分と同じフツウの人がいた、という時間軸をこえた部分がいたい。

 生き残った者がまた皮肉であり、観た後を重くする。生き残ることもまた地獄なのだ。以前遠藤周作氏がナチのユダヤ人の収容所で殺される順番を神父にかわってもらった男の話について同じことをいっていた。生き残ったとしてもやはりなにかを背負うのだろうと。

 兵隊さん役は頑張っていたがやっぱり私には戦場は遠い。

 もはや「プライベートライアン」でも「ブラックホークダウン」でも広島の原爆記念館でも驚かなくなってしまった、というのは私だけではないだろう。視覚は視覚でしかないのだ。

 惨状そのものを伝える努力はもちろん大切である。ただ、それよりは愛し愛される者がとつぜんまきこまれる死。その単純な出来事をどういう意味か考えるほうが「遠くなった戦後」を嘆くより現代人の態度としては大切かもしれない。戦争の記憶がない以上。

女優E前回の活動 (♂)





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最終更新日  2004年12月19日 01時19分31秒


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