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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2022.07.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
子ども時代の想い出にはなぜか道が多く現れます。ケンパやメンコなどをして遊んだ道。仲間と一緒に隣の町まで探検に行った時の道。学校の行き帰りの道。どこまでも歩いた野山の道。土手が黄色くなるほどに菜の花が咲いた川沿いの道。遠回りして帰った好きな子の家の前の道。遊園地などに行った時のことはよく覚えていないのに、ど-でもいいような道のことはよく覚えています。

それは、子どもにとっては道が不思議と発見の宝庫だからなのでしょう。歩くたびに景色が変わり、新しい発見と出会いがあります。下を見れば綺麗な小石があり、虫がいて、お花が咲いています。上を見れば風に揺れる木々があり、飛行機や面白い形の雲が形を変えながら動いています。前を向けばパノラマのような空間が広がり、人が歩いたり、ジョギングしたり、犬の散歩をしている人がいます。友達もいるかも知れません。

道は大人にとっては単なる目的地までの通路に過ぎませんが、子どもにとっては一つの劇場のような場所なのだろうと思います。

そして、その劇場を歩くと物語が生まれます。
道ばたにお花が咲いています。そのお花を摘んで歩いているとちょうちょやトンボがやってきます。そのちょうちょを見ていると青い空と白い雲が目に入ります。雲がモクモク動いています。そよ風の中にかすかなお花の匂いもします。何となく気持ちが良くなって来てスキップします。

向こうから小さな子どもを連れたお母さんがやって来ます。その子と目が合います。知らない子です。何となく恥ずかしくなって下を見て、小石をけります。そしてまた歩き出します。

しばらく歩くと橋が見えてきます。橋の上から下を見ると鯉が泳いでいます。川の土手にはタンポポが咲いて、昼寝をしている人もいます。鳥の声も飛行機の音も聞こえます。時々お母さんの「ちゃんと歩きなさい」という声も聞こえます。

子どもたちは道を歩きながらこのような物語を体験しているのだと思います。だから大人のようにちゃんとは歩かないのでしょう。うちの子ども達も、大人が歩けば5分程度の通学路を、たっぷり30分もかけて歩いて帰って来ていました。しかもお約束の通学路を通らないでわざわざ遠回りして帰って来ていたようです。

私は親子遊びや、子育てや、お母さん達の自分育てなどに関する講座やワークショップの講師をしています。そのワークショップでお母さん達に子どもの頃に遊んだ町の地図の絵を描いてもらったことがあります。最初は漠然としか想い出せないのですが、描き出してみると細かいことまで次々に想い出されてくるのです。「ここに空き地があって、ここでよく遊んだ」とか、「ここの家には犬がいて怖かった」とか、「この小川で遊んだ」とか。それで次第に地図が広がり何枚もの画用紙をつなげて大きな地図にしてしまう人までいました。



皆さんのお子さんはそんな「道の記憶」を持っていると思いますか。
自転車や自動車で移動しているだけでは「道の記憶」は残りません。
「速く歩きなさい」と急かされていても、「道の記憶」は残りません。

子どもが立ち止まったら、お母さんも立ち止まってみて下さい。
子どもがしゃがんだら、お母さんもしゃがんでみて下さい。

そして、子どもが見ているものを見て、子どもが感じているものを感じてみて下さい。
そのように、子どもと一緒に見たり感じたりしていると、自分が子ども時代に見た風景を想い出すかも知れませんよ。

そこが子育ての原点です。





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Last updated  2022.07.22 06:23:09
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