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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2023.09.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
お話や物語の中では自分が「自分以外のもの」になって色々と体験することが出来ます。

「旅に出る」ということが「日常から離れ、非日常の世界に入って行く」というなら、これもまた立派な「旅」です。「心の旅」です。

観光名所めぐりや、買い物や、美味しいものを食べることだけが目的の旅行よりも、ズ~っと「旅」です。

そして人は、その「旅」で色々なものに出会い、色々なものを見て、色々なものを感じて、色々な体験をして、自分の「心の世界」を広げることが出来ます。

ただし、その「心の旅」が出来るようになるためには、子どものころにいっぱいお話しを聞いたり、いっぱい物語を読む必要があります。

心の中であれこれ空想するだけのことなら、お話しを聞いたり物語を読むことなく育った人でも出来ますが、そういう人は「他者の視点」に立つことが出来ないため、「自分」から外に出て「旅」をすることが出来ないのです。だから「新しい出会い」も生まれないのです。


その体験を与えてくれるのが「お話し」であり「物語」なんです。
「他者の視点によって表現された言葉の世界」との出会いが、子どもたちの「他者の視点に立つ能力」を育ててくれるのです。


そのため、いくらいっぱいテレビやタブレットで「お話し」を見せても、「他者の視点に立つ能力」は育たないのです。

古来から、「お話し」は見るものではなく「聞くもの」なんです。「物語」も同じです。
文字が読めるようになったら自分で読んでもいいのですが、映像化されたものを見ても、「他者の視点に立つ体験」は出来ないのです。ドラえもんの体験はドラえもんの体験のままであって、自分の体験にはならないのです。

なぜなら、「視覚の働き」が自分と他者を分離してしまうからです。それが「視覚」の長所であると同時に短所でもあるのです。


ではその違いはどういう所で表れるのかということです。

特攻隊の生き残りだった父親からもよく聞かされましたが、戦争中、上官が理不尽な理由で新兵をいじめ、しごくのは当たり前だったそうです。それで自殺してしまった仲間も数人いたそうです。
そのような上官は「俺も新兵の時にはしごかれた、だから今度は俺がお前らをしごく番だ」と、自分の行為を正当化していたようです。

でもその一方で、「俺は新兵の時にしごかれて苦しい思いをした、だから俺はしごかない」という判断をすることが出来た上官もいたそうです。
父親はそういう上官に恵まれたようです。それで、命が助かったのです。

他者の視点に立てる人は、相手の立場に立って優しくすることが出来ます。でも、他者の視点に立てない人は、ただ自分勝手な思い込みを「あんたのためなんだから」と押し付けます。そして、そういう優しさしか思いつきません。相手のことを想っているのは確かでも、相手の立場や気持ちや感覚を無視しているのです。
勝ち負けばかりにこだわり、相手の気持ちを考える事が出来ない子も同じ状態です。

災害にあった人に救援物資を送る場合も、相手の立場に立つことが出来る人は「本当に相手が必要としているもの」を送ります。でも、相手の立場に立つことが出来ない人は「自分が送りたいもの」を送ります。そして送られた方は処分に困ります。

そして実は、幼い頃からのお話しや物語の体験の有無がその違いを生み出しているのです。

私はお母さん達から色々な話を聞いていますが、「虐待されて育ったから我が子も虐待してしまう」と言う人もいれば、「虐待されて育ったから、自分は絶対に虐待しない」とそれを貫くことが出来る人もいます。

そういう人に共通しているのは「お話し好き」「本好き」だということです。単純な負の連鎖を食い止めることが出来るのは、子どもの頃からいっぱい本を読んで育った人に多いのです。(私の印象では、ということです。)


「お母さんから聞いた桃太郎」と「テレビで見た桃太郎」は全く別物なんです。





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Last updated  2023.09.01 09:41:30
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