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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2023.12.14
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これもまた「心の育ち」と関係しているのですが、最近、「絵」が描けない子どもたちが増えています。増えてきたというより、描けない子の方が圧倒的に多いです。
学校の授業では嫌々でも描きますが、嫌々ですから、当然のことながら家では描きません。

確かに「イタズラ描き」や「イラストのような絵」や「マンガ」を描く子はそれなりにいます。でも、そういうものは私が言っているところの「絵」ではありません。

普通の幼稚園などの絵の発表を見ると、みんな同じような絵ばかりが並んでいますが、あれもまた「絵」ではありません。

お母さん達も、ワークなどで「次回は絵を描きます」と言うと、多くの人が「えー、嫌だ・・・」的な反応をします。
そんなワークで写実的に描ける人がいるとみんな「上手だ 上手だ」と言って褒めます。

友人が園長を務めていた保育園で、友人が定年になり園長を退いた後、新しく来た園長がそれまでの「絵の先生」を辞めさせてしまったそうです。理由を聞いたところ「褒めるばかりで描き方を指導しないから」という事だったそうです。

どうも日本人は「絵」というものが分からない民族になってしまったようです。
それはつまり日本人が、「心の世界を楽しむことが出来ない民族」になってしまったからなのかも知れません。それと共に、絵や歌などでも(技術的な)上手下手ばかりを気にするようになりました。


あの番組では「絵」そのものではなく「対象を写し取る技術」を競っているだけです。だから、「優劣」を決めることが出来るのです。

でも、「絵」の価値が「どれだけ対象を上手に写し取っているのか」ということだけで決まってしまうのなら、ピカソやルソーの絵には価値がないことになってしまうのです。
棟方志功や、セザンヌや、モネの絵にも価値がないことになってしまいます。
実際、あの番組にはピカソやセザンヌのような絵を描く人は登場しません。

確かに「上手な絵」は売れるかも知れません。「子どもの絵」は売れないかも知れません。ですから、社会的な価値においてはそこに上下があります。でも「絵の値段」は「絵そのものとしての価値」とは別のものです。

また、上手を競うだけの絵をいくらいっぱい描かせても「子どもの心」は育ちませんが、自分が感じたことや考えたことを素直に表現する絵を描く行為には「子どもの心」を育てる力があるのです。なぜなら、絵を描くことを通して自分の感覚や心と対話するからです。

「絵」は本来「自分の心の表現」なんです。
心の中にあるものを「視覚的な形」に表現するのが絵なのです。心から出たものだからこそ、人の心に感銘を与えるのです。

そしてそれは、「絵」だけでなく、「歌」も、「踊りも」、「物語」も、およそ芸術と呼ばれるようなものはみんな同じです。芸術と呼ばれるものは全て「心の表現」なんです。

ですから、ただそっくりに描けた絵より、その子らしく描けた絵の方が「絵」としては上質なのです。その「絵」がどんなにグチャグチャになっていても、その子らしい世界が表現されているのなら、それは立派な「絵」なんです。

でも大人達は、その「子どもの絵」の価値を認めません。


幼稚園でも学校でも、上手に描いて、上手に歌って、上手に踊るような指導はしても、自分らしく描き、自分らしく歌い、自分らしく踊るような指導はしません。そういうことの価値も教えません。
むしろ、自分らしく描き、自分らしく歌い、自分らしく踊ると、「正解はそうじゃない」と指導されてしまいます。
感想文でも、本当に自分が感じたことを感じたままに書いてしまうと指導されてしまいます。

それは、常に人目を気にしていて「ありのままの自分の心」を表現しようとしない日本人の感性の表れなのかも知れません。

日本の教育現場では常に「正解」が提示されるのです。そのため「自分の心を表現するような活動」はさせないのです。そして、そういう教育を受けて育ったお母さん達も、子どもの活動を上手下手だけで評価します。


そして心が育たないまま大人になったら、他の人が困るようなことを平気でするような大人になります。

そういう人に注意しても、「自分の心と対話する能力」自体が育っていないので、自分の問題点に気付くことはありません。





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Last updated  2023.12.14 09:17:48
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