10koの徒然日記

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2010年05月19日
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カテゴリ: 小説
 「一矢さん、わかりました。これ、普通の家紋じゃありません。裏家紋です」

 匡が新しい資料を持って席に戻ってきた。「裏家紋って、なに?」匡はきょとんとする達彦

 と史朗ににっと笑ってみせた。「見つけたのは紘一なんだけどね」「あー、やっぱり」。

 「で?」一矢は表情を変えずに聞いた。

 「家紋って裏に返してもその形じゃなかったけ?」「裏家紋っていうのは、特殊な分家筋の

 ある家紋で、照合したところ、遡る所天草四郎の頃の時代なんだな」

 「それで、このあいだ時期じゃないのに1人犠牲者が出たでしょ。あと1人で完成するん

 だ。桜と蝶の模様が」

 「予想は?」「位置を照らし合わせると、史朗の住んでいる地域になりそう」



 「ふみさん、近くに彼女いるから」ぼそっと達彦が茶化す。

 「ほほう、彼女だと」一矢の言葉に「かっ、かっ、彼女だなんて」ひきつった表情の史朗に

 「顔が真っ赤になってるぞ、おまえ」と一矢がとどめをさす。

 「許可する。今電話しろ。」「はあ?」「注意するように言ってやれ」達彦と匡がニヤリとする。

 「かけて、かけて♪」2人のコールに「やだ」と一言残して事務所から走って史朗は逃げ出した。

 「一矢さん」紘一が声をかける。「時間がない気がするんです。次はなんだか武器がないと

 危ない。そんな気がするんです」「お前の感は当たるからな。史朗が嫌がっても今日から張

 り込みだ。それに武器は、とくべつな武器を二成に用意させている。」


 一方逃げ出した史朗は屋上にいた。電話をかけてみるが、出ないので、メールにしてみる。

 【ここのところ会っていないけど、元気?今忙しいから仕事が一段落したらまた、花を見に行く?】



 【史朗さん、会いたい。でも、もう会えない・・・】

 【なにかあった?】【会えない…さよなら】


 心の中はがらんどうだった。史朗に会いたくてたまらなかった。あの暖かい胸に飛び込みた

 かった。柔らかな空間に包まれたかった。でも、もう自分は穢れている。あの清らかな聖域

 みたいなあの人に近寄れない。いくら泣いてももうどうしようもないことだ。


  「電話してきたのか」一矢の言葉に、席に戻った史朗はびくう!とした。ゆっくり振り向

 くとてへへと笑って見せた。

 「なんか具合悪いみたいで・・・」「お見舞いに行ったらどうですか?一緒に行ってあげますよ。」

 紘一がにっこりと笑って言う。「ありがと」


  紘一の案でちょっとした花を買って行くことになった。

 「ありがと、紘一っちゃん。おれ1人だったら花屋なんて恥ずかしくて行けなかった」

 「そですか?割合平気ですけどね」「わーるかったね」

 選んだのは白いかすみそうに3本の淡い色合いのピンクのバラ。その花束を持って、史朗は

 紘一とゆふみのへやのドアをノックした。

 「はい、どなた」 出たのは結構イケメンな男だった。「あ、あのここ加羅見ゆふみさんの

 部屋じゃないですか?」「そうですよ。ゆふみ、いま具合悪いから」

 男は前髪をかきあげて「なに?ゆふみに何の用?」。

 「君は、ゆふみさんのなに?」紘一がさらりと聞いた。

 「双子の弟の翅隼」「ふたご?」部屋の奥でゆふみがうごく気配がした。

 「史朗、具合悪いならかえろ。」「そうだね。すみません、これ、彼女に渡してください」

 「ああ、悪い。名前聞いてなかった。」「史朗でいいです」「そ」

 花束を受け取ると翅隼はすぐにドアを閉めた。


 「ゆ姉さん、いつの間にあんな男つくったの」寝室に裸で座っているゆふみに、花束を持っ

 て翅隼は近づいた。ばしっ!その花束でゆふみの胸から顔を斜めに打った。

 はなびらがこぼれおちる。「あ・・あ・・・」「ゆ姉さんはもうぼくのものなんだから。」

 自分の身体をむさぼる弟に抵抗する力はもう彼女にはなかった。史朗への想いだけが募り、

 穢されていく自分を呪い、闇へ堕ちていく気がした。


 【一矢さんへ。多分に犯人を見つけました。武器を用意してください】

 紘一から、一矢へメールが送信された。

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最終更新日  2014年01月25日 15時22分21秒
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