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2005/01/27
野田正彰著『陳真~戦争と平和の旅路』
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雑誌「世界」に途中まで連載され、中断していた。その理由があとがきから分かった。陳真さんは、末期ガンで刊行が急がれていたのだ。その後、陳真さんは亡くなられたことが分かった。この本が間に合ったかどうか。
陳真さんは、日本で少女時代を送り、日本の敗戦で台湾にわたり、台湾国民党軍のテロを避けて、中国に。建設直後の中華人民共和国の放送局で、日本語放送に携わった。
その後、NHKの中国語講座も担当。よく知られた方だったそうだ。
連載が補足され、単行本になって早速一気によんだ。先にも書いたが、日本での差別、台湾でのテロル、中国へ渡ってからの闘病、反右派闘争、大躍進、文化大革命と休むまもなく続いた失政と抗争の中で、時代に揉まれながら、人間への信頼を失わずに生きる姿が美しい。
この本を読みながら陳真さんの生きる闘いに感動しつつ、中国現代史について知らなかったことの多いことにも気づいた。そして、このような時代に揉まれた何億という人々の一人ひとりの生の重み、革命の輝きとそれを達成した後の暗闇との差の深さを思った。
「彼は政治の波風の向こうに、今生きている人間を見る力をもっていた」とは、野田さんの文章だが、こういう力をわたしも持ちたいものだ。
それにしても凄まじい時代であり、生き方だ。歴史はこうしたことを二度と繰り返さないものだろうか。それについても、野田さんはこういう。
「果たしてそうだろうか。私は、まったく同じことは起こらないが、世代が変わり、体験が忘れられると、また似たような時代を呼び込むかもしれない、と思う。個々の人が自分の精神をみつめることなく、上ずった観念によって、傍らに生きている人の感情を見下すとき。しかもそんな人が偶然数人集まり、制度や組織の轍にうまく乗ったとき、燃え上がる火の車を止めるのは容易ではない。」
私もそう思う。今の日本の現状がそのことを証明しているように思える。
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Last updated 2005/01/27 02:28:02 PM
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