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アメリカの民主党と共和党の大統領候補者選びについて、宮前ゆかりという人が面白いルポを書いている。(世界11月号「アメリカの夢、行方知れず」)その中で二大政党制について私たちにも参考になる指摘があった。
「二大政党制が確立して久しい現在のアメリカ政治構想では、大企業やロビイストの圧倒的影響力を排し、第三勢力の民意を反映する機会はほとんどない。」
つまり少数意見は無視され、捨て去られてしまうということである。それだけでなく、大企業や大金持ちや多数を組織する団体などの影響を強力に直接的にうけるようになるということである。日本の場合も経済界などの思うままな政治が行われ、少数弱者の意見の反映の場がなくなることは容易に予想される。
「民主党と共和党の二大政党が政治プラットフォームを独占して久しい現在のアメリカでは、国民総人口の約半数が大統領選挙の投票に参加していない。二大政党の癒着が大きな原因で、第三勢力による代替政策の選択肢が与えられていないからだ。つまり、どちらの候補が勝利しても、民意は25%弱しか反映されない。」
アメリカの二大政党は癒着しており、ほとんど相違がない。アメリカを牛耳る巨大企業や大金持ちはどちらにころんでも安心しておれる。日本の場合も、一度は破綻したが大連立に見られるように民主と自民はほとんど相違がない。その結果はどうなるか。
今こそ、政権奪取などといって相違点を出そうとしているが、違いを出すのに苦労しているのが現状である。そして、政策の基本ではほとんど差がない。小さな違いや、相手の失点で争っているだけである。
これが、晴れてアメリカのようになれば、癒着どころではなくなるだろう。その時、民意の反映はどうなるか。圧倒的勝利と言われた小泉選挙でも自公を支持したのは有権者の4分の1程度だった。投票しない人も多く、選挙制度のマジックの結果だったのである。日本の場合、将来は更に暗いものになる可能性も考えられる。
「ASC,NBC,CNN,FOXなどの主流メディアは、第三勢力の市民の掲げる疑問や抗議、提案についてほとんど取材しない。ワシントンの政治環境に癒着した「専門家たちの意見」を四六時中繰り返し、客観性を欠く怠慢な姿勢が目立つ。」
これは、今の日本では、すでに現実のものになっている。日本の中央大手メディアは、このとおりである。市民運動や労働運動などはまず報道しない。報道するのは自公か民主だけである。他の政党や市民運動や労働運動、平和運動などは大手メディアを見る限りでは存在しないのと同じである。
その結果アメリカはどうなっているか。
「「怒れる神」による「世界の終焉」を待ち望む過激な宗教アジェンダを掲げる人物が、大手を振って副大統領候補として登場するアメリカ。科学的・論理的思考が衰退し、反知性主義の世論が蔓延するアメリカ。「黒人」対「女性」の対決構図に国民が翻弄されるアメリカ。巨大多国籍企業により民主主義議会制度が支配されるアメリカ。金融危機の真っ最中に巨大軍事予算が議会で通過するアメリカ。「次の標的」イラン攻撃の準備を進め、自国民にも矛先を向けるアメリカ。」
部分的には違え、あるいは表現は違え基本的には同じようになるに違いない。
おりしも日本の国会では、新テロ特措法にあれほど反対していた民主党が、通すといい、何日に通すと予定した上で、衆院での論議を始めている。茶番である。この茶番の裏に、民主と自公の癒着をみずにはおれない。
国民の目の前で、公然とこれほどのことをやるのだ。将来を思うと暗然となる。