成定 竜一~高速バス新時代~
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『バスラマ・インターナショナル』152号(それにしても今号は知ったお顔がたくさん登場)に、珍しい形で私の原稿が掲載された。サービスアドバイザーを務めている高速バス比較サイト「夜行バス比較なび」と、同サイトが運営するウェブメディア「バスとりっぷ」が出稿した広告のコンテンツとして、私がエッセイを連載することになったのである。連載と言っても3回程度の予定だが(この手の話は、最初は自己紹介的な内容にするしかないので、このブログをお読みの方ならご存知の内容ばかり。そういう方は読み飛ばしてください)広告のコンテンツとして記名でエッセイ、などと言うと、五木寛之さん、伊集院静さん、村上龍さんなど有名作家のようで面はゆい。まあ、対象を『バスラマ』読者に限っての話なら、世間一般で言うところのこれら大先生方に肩を並べるくらいには自分にも存在感があるのかな、と思いお引き受けしたしだい。そもそも、とても「足の長い」広告で、この第一回目を見ただけでは何を売り込みたいのかよくわからないだろう…補足すると、「移行組」の間では今や無くてはならない送客元に成長したこの「夜行バス比較なび」だが、「既存組」の間では存在をあまり知られていない。今年に入り「発車オーライネット」とのアフィリエイト連携の仕組みがようやくリリースされたのに際し、「既存組」への営業を支援するため、まずはサイトの認知度を上げよう、というのが広告の目的だ。過去にも紹介したことがあるが、このサイトは、楽天トラベルなどの「(他社)予約サイト」と異なり、高速バスの「比較サイト」である(発オラやハイウェイバスドットコムなど「(自社)予約サービスサイト」と、楽天など他社サイトの区別さえ付かない人も業界内に多い中、さらに新しいレイヤーの登場)。一見した通り、発着県を指定し検索すると多数の候補が表示されるという動きは楽天などと共通だが、詳細な情報を確認、そして実際に予約しようとすると外部サイトにリンクされる。誘導先のサイトは、バス事業者の(自社)公式サイトであったり、「高速バスドットコム」のような(他社)予約サイトであったりする。加えて、この画面(←複雑な動きをする画面なので、リンク切れ、または意図通り表示されないケースはご容赦を)のように、自社サイトと他社サイトの両方から希望のサイトを選んで予約へ飛ぶこともできる。幅運賃制度を活用すれば運賃が販路によって異なる(届出内容しだい)こともありうるし、ポイント付与や個座席指定などサイトごとの特徴を比べながら、利用者自らが最もお得だと思える方法で高速バスを予約することができるのだ。アフィリエイトモデルなので、実際の予約や決済は飛んだ先のサイトで行なう。そのため、事業者側の手数料負担は、発オラなど自社サイトのシステム利用料や決済手数料と合算しても、楽天や高速バスドットコムなど他社サイトの送客手数料(決済費用を含む)よりも安い。上記の通り、リンク先が高速バスドットコムのような他社サイトの場合も多く話がややっこしいが、これらのサイトで予約成立した際にも、当然、アフィリエイトフィーはそのサイトが負担する。つまり、どう転んでも事業者側の負担が他の販路より高くなることはない。私がこのサイトを応援する理由がこれだ。以前も書いたが「全国の高速バスを一覧できるサイトを作り、高速バス予約はそこに一本化するべき(または、それが理想だ)」という意見もあるけれど、もしそうなれば、その時点でサイト運営者は競争が止まってしまう。「他社より一人でも多くアクセス(訪問)を集めよう」「UI(ウェブ画面)を改善し転換率(訪問のうち予約成立する率)を上げよう」という競争意識が働かなければ、サイトは生きた化石となってしまう(既になりかけているサイトもあるよね、というツッコミが入りそうだが)。またバス業界には、旅行業界を指して「搾取」などと悪者視するクセがある。たしかに、旅行会社的感覚に違和感を覚えることも多いが、しかし、需要を作り上げてくれる存在でもあり、本来的には重要なパートナーだ。加えて、楽天やじゃらんのような予約サイトまで一緒に悪者扱いする人もいる。だが高速バス業界に「既存」と「新規」の新旧対比があるように、旅行業界にも新旧のモデル対比がある。従来の、旅行会社が素材を仕入れ商品造成するモデルから、ウェブ管理画面の活用により、商品作りや価格決定の機能をサプライヤー(宿泊施設やバス事業者)側に取り戻したのが、予約サイトの本質的な意義である。このウェブ管理画面は、さらに、限りある在庫(客室や座席)の配分という機能もサプライヤー側に取り戻した。従来、旅行会社が販売の主導権を握っていたのに対し、楽天やじゃらんはサプライヤーと対等のパートナーとなった。その代わり、対等であるがゆえ、従来の「お任せ」の姿勢では何も生まない時代が始まったということでもある。「楽天や高速バスドットコムと契約しシステム連携も終わったから、後は楽天たちにお任せ」ではダメなのだ。足元では、手数料負担を最小限に抑えながら収益を最大化するように、また長期的には他社サイトへの依存度を高めすぎないために、販路の組み合わせを常に最適化する必要がある。夜行バス比較なびのような「比較サイト」は、それを実現する重要なツールの一つである。さて、22日に発売された『BUS Life』第二号では、「地理人」さんこと今和泉隆行さんが紹介されている(うーん、バス趣味人扱いなのは微妙ですいません…)。同氏の著書『みんなの空想地図』は、バス趣味というよりも事業者視点でも様々なことを考えさせられる内容なので、上記雑誌2誌と合わせて、この機会にぜひお目通しいただきたい。
2015.10.22
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