Laub🍃

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2010.10.09
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ぼくは力の使い方を知らない。
暴走するのが嫌だから、いつもぼくの英雄に問う。
英雄は、答えを知っているから。

ー『教えてくれ』だの
ー『待ってくれ』だの

一生そんなことを言う人生を過ごす気か?
お前は一生ヒーローに助けられる一般人で過ごすのか?

……そんな自分の心の声には蓋をして。





『あんたはヒロインサイドかな』
うるさいなあ。

その例えはよくわからないけど、僕を表現するなら『悪役』のほうが近い気がする。

昔からそうだった。
僕はずっと自分で自分を抑えることが下手だった。
いいように抑えつける手段も知らなくて、いつも昇華できないままで次に持ち越しで、生涯横たわる延々と続くもやもやは噴き出すたびに誰かを傷付けてきた。
だからぼくは自分の中の駄目な所を隠すのに必死で、誰かを助けてる余裕なんてなかった。

ぼくの中には悪魔が住んでいる。
……唯一神様が僕を見捨てなかったことといえば、

……幼馴染の中に天使が住んでいたことぐらいだろう。


幼馴染が居ればぼくの悪魔は閉じ込められた。


力の使い方が分かったから。

幼馴染が
「やっていい」
と言ったことだから。

それを思考停止と人は言う。

幼馴染が居なかったらもっとぼくは酷い事になってるのに。

ーそう。だから、幼馴染が死んだと聴かされたときぼくは狂乱した。
どうしたらいいのか分からなかった。
幼馴染を失って狂乱していると言われてその通りだがその通りでないと怒った。
怒るのを幼馴染は許可する?しない?どちらだ。
こんな時でも自分に指示を与えてくれる存在としての幼馴染を求める自分に吐き気がした。
だが外側はどうしようもなく荒れ狂う。
唾棄する自分ではそんなもの止めようがなかった。

「ーなおそう」

だから幼馴染を再現することにした。

「ギルタブリル、今度はぼくが助けてあげるからね」

今日もぼくは天使を完璧にするために生きる。

時に抑え時に噴出するのを、発展途上の天使に抑えてもらう。
それこそがぼく。それこそがきみ。

「シアン、俺はまた失敗したのか」
「どのくらい前の記憶は覚えてる?」
「ええとたしか…」

ぼくはずっと君を再現し続ける。
その為にはどんな障害だろうとどんな病だろうとどんな技術だろうとどんな新入りだろうと刺激として利用させてもらう。
いつかくりかえしていたら、ほんとの君にまた会える筈だから。

「よし、じゃあ大丈夫。まだギルタブリルならいけるはずだよ」
「分かった。じゃあいってくる」
「頑張って。応援してるから」

君と言う存在をずっと。



to be continued... ?





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最終更新日  2017.05.05 04:05:30
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