Laub🍃

Laub🍃

2011.05.27
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カテゴリ: .1次題
関根椙子はいつも良い香りを漂わせている。
その香りはハーブティーやポプリのようだ。

椙子は母譲りの美貌と父譲りの惚れられやすい性格を有していたが、この香りのお蔭で、おかしな虫を寄り付かせずに済んでいた。

しかし、椙子はそんな日々を物足りないと感じていた。

故に彼女は様々な廃墟や危ない盛り場に行っては危険な目に遭おうとしてきたが、その試みは全て失敗に終わった。

その危険は全て浄化または除霊されてしまうのだ。



「どんなに危ない場所であっても彼女と一緒に行けば安全だなんて滅茶苦茶いいじゃないですか!」
「……と、はじめのうちは仲間内では評判だったんだけどねえ……

「そうそう、スポット破壊魔としても彼女は有名なのよ」
「そんなものですか」


椙子は今日も、無自覚に世界を浄化していく。


「……ふと思ったんだけど、掃除しててさあ、すごいゴミが染みついてるから、洗剤とか使ってごしごしして落とすことってあるじゃない?」
「突然の話題転換ですね」
「まあ聞いてなさい、汚れ落として、そこだけ綺麗に真っ白になるじゃない?他の所が気になるじゃない?」
「ああ」
「他の所も掃除し始めるしかないじゃない?」
「……それって…」
「椙子ちゃんの場合も、そうよ。汚いモノがなくなったら、他の所が汚く見えて来る。
 ……私達の場合、最後に残る真っ白って何なのかしらね」







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最終更新日  2018.03.02 00:16:17
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