Laub🍃

Laub🍃

2012.07.02
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カテゴリ: .1次長
うちの長男と長女はクソみてえに怖い。
大家族で親代わり、そりゃあ気を張らねえほうが難しいっつーのは分かっちゃいるが。
いるが、納得はできねえ。
畜生。
大家族じゃあ特に真ん中の子供は貧乏くじだ。
とはいえ得したことがないわけではねえ。
外でやられるより中のほうがこえーよって思う事が多かったせいか電話での大抵の脅し文句は通用しねえが電話以外でやべえなこれってなるとトラウマが蘇ったり。いい人だと思ってたら豹変した時にあーまたかーって思えたりそんな時の為に大事なことは絶対話さなかったりとやーな奴への対抗策は持ってる。

調べればわかる事はジャミング用に言うから並のコミュ強よりも初対面は強いしそして相手が先生や先輩やお仕事熱心な人っつー「立場」を重視している人の場合はその「立場」を信用できるから他の人より積極的に話しかけられる。
つまり永遠の初対面。


アンケートでも「相手は自分を攻撃してくると思っている」よりも「情報を開示するほうがお互い分かり合える」を選択する。

大事にしたい・されたい相手なら「ここを攻撃しない限りあなたは味方ですよ」っていう開示は必要だと思うがただ好奇心に突き動かされる子供とかあからさまに悪意持ってるけどこっちが攻撃できない相手とかにはそれができねえ。

相手としては俺がクソ兄貴の一人に対して『仮病の皮剥ぎたい』って思った感情と似ているのかもしれない。
もしくは『試し』。どこまでやったら許してくれるか、みたいなもんなんだろう。
どこまで締め切りが延びるかのチキンレースとも似てる。
責任を取らなくていい我儘の分水嶺。
やる側としては多分一回試せば満足なんだけど、その一回が致命傷なんですけどっつーやつをやられる側としてクソだとわかってるくせにやっちまうのはどういうわけなんだろうなあ。


たーだ、そういったあらゆる相談役ご用訊きになったおかげか公平に貢献する力はついた。

公共機関ですら気を使う俺を、礼儀正しいと周りは言う。
だが、目はそれをおかしいと言っているような気がしてしまう。
他の兄弟が礼儀ねえから代わりに謝ったり御礼言ったりする癖がついてるせいか一人じゃやり過ぎてしまうんだよなあ。




ーー甘かった。




中毒でぶっ倒れて、あっこれやべえもしかして死…と思って意識が薄れて。
気付けば俺は異世界の浜辺に打ち寄せられていた。
人魚姫もかくやという青ざめた顔で落ちていたにもかかわらず誰も助けてはくれなかった。


武僧かよ。

どうにかこうにか助けてもらう為に紛争について岡目八目で意見を述べたら面白がられ、実際に使ってもらえた。
ぶっちゃけ家族内での争いや学内のヤンキー派閥について思い浮かべて言っただけだから無理かもしれないと思ったがその争いは解決した。
俺はそいつらに渋々とはいえ感謝してもらえた。
年齢オーバーやら各条件を満たしていない為、完全には無理だがある程度の見返りはくれると言ってもらえた。





それから数年後、まだ俺はどこにも所属していなかった。
しかし無所属の証の黒い骨に、宮殿所属の証の花聖像、神殿所属の証のちょっとグロイものが封入された結晶全部を俺は装着させられていた為命は保証されていた。

公平中立両成敗は、異世界では安心の証だそうだ。

俺は妙な世界にきてからこっち、何故かずっと大岡裁きの役を任されていた。
もっと他に適任が居るのではと問うても無理無駄不必要の一点張り。

何故か様々な所からそれを頼まれるのだから断れる筈もない。
存外死ねには心中死ねで返すことも厭わないが善意や好意には弱いのだ。

しかし俺は責任を負いきれないので完全な仲裁でなくいくつかの中立地帯を設ける事でみんなに納得してもらうことにした。

手始めは裁判所と監獄だ。





本格的に戦争を止めたい。
そう思った宮派のお嬢ちゃんが、中立派の異世界人を呼び出したらしい。
コンタクトをとってみたいが時期が来るまでは我慢我慢。
極端は控えて、タイミングを狙わねば。

殺されないように強く殺さないように優しく、常にバランスを取らねばならない。
俺はここの基準の一つなんだから。

俺は間違ってはいけないんだ。



to be continued... ?





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最終更新日  2017.05.05 16:53:53
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