Laub🍃

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2012.09.01
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カテゴリ: .1次メモ
「……陸だ……」
「おお、陸だ陸だ~」

「……どっかのわんこちゃんですかぁ~…」
「お前だってちょっと嬉しそうな顔してるくせに」

 能面みたいな後輩の顔がちょっと嬉しそうなのを俺は見逃していない。

「……ん~とぉそれは……ですねぇ。わたしぃこっちの国に着いたら、ちょっと連絡とらなきゃいけない相手が居ましてぇ……私の代わりの魔法人形は置いておくので、よろしくでぇす!」
「……は?え?」
「一応一通りの魔術は使えるのでぇ、命令してくれればいいだけ私相手より楽かもですよぉ?」
「まっ、そ…それはそうだが」


 仲間全員が地に足を着くと同時に、後輩は風のように走り去って行った。

「……最近あいつよく居なくなるけど、本当に何やってるんだ……?」
「取り敢えず、腹ごしらえでもしますか」
「……ああ」

 船の食料はすべて尽きてしまっていたから、ちょうどよかった。もう奇妙な形の魚を食べるのもごめんだったしな。






「いきなりの呼び出しとかぁ、大胆ですねぇ。船の中でも一緒だったのにぃ…」
「あらぁ、気付いてたぁ?…石の中だと話を聞くしかできないから、直接お話しないと。それに、ここだと色々魔力バランスが北と違うから調整が必要よ?そのうちそちらの戦士さんなんか、食物の燃費悪すぎて倒れるんじゃないかしらぁ」
「……!?そういうことは、早く言ってくださいよぉ!今頃きっとご飯食べて…っ」
「だからぁ、そういうのに対抗するために私達の術があるんでしょう?ほらほら、こっちに来て」
「……っ」

「そ、その点に関しては大丈夫ですぅ!東の貴族の人が仲間になってくれましたし…っ一時的ですけど」
「……本当にそうかしら?」
「それは、どういう意味ですかぁ?」

 彼女のにやにやとした笑みが気に障る。

「……まあ、近いうちにわかるわ。私が言うほどのことでもないでしょう。……はい、術式組み込み終了!行ってらっしゃーい」


 いつの間に彼女の所が家になったのかなぁ。

 ……まぁ、いいかぁ。これからきっとこんなことは、何度もあるんだろうし。








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最終更新日  2016.06.20 13:11:24
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