Laub🍃

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2016.07.07
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カテゴリ: 🌾7種2次表
これ



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IF/7

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「……誘拐?馬鹿なことを言うな。俺達は人類の希望として未来に送られて来たんだ」
「私達は訓練施設から、貴方たちは一般人から選ばれたのよ。……異分子として、ね」


彼等の目がおかしくて、特に安居と名乗る人は矢鱈どんな時にでもついてきて、だからあたしは。

「逃げよう。……もしかしたら、俺達は何か、やばい宗教団体に誘拐されちゃったのかもしれない」
「……はい」


だけど。

「……?なんか、これ……ねばねば、して……」
「い、今、助け……ひゃあっ!?」

「だから言ったんだ、森の奥に行くなと」


あたし達は、簡単に捕まってしまった。



命を失う恐怖、自分では何も出来ない無力感。この二つが合わさったら、どんな怖い相手でも一緒に暮らしていくしかない。

牡丹さん、安居さん、あゆさん……そして、本当にたまに訪れる百舌さん。

この人達は共通して、学校の先生のような厳しさと、有無を言わせない強さ、知識を持ち合わせていた。
あたし達は今日もこの人達に導かれるまま、……特に安居さんには厳重な監視に近い保護をされて、生きている。

どうして、今も、あの暗くて狭くて湿った部屋の中に居る気がするんだろう。

……ナッツのように、じゃれついてくる、まつりちゃんのふわふわとした声と髪の毛。

これは幸せなのか。あたしは踏み出せているのか。……あたしには、何があるのか。

答えはまだ、分からない。





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最終更新日  2018.03.23 02:17:15
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