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『中年の発見(野田正彰)』は 、『もっと、狐の書評(山村修)』(ちくま文庫) で知る。新鮮な「中年」イメージを発見する 野田正彰『人生の秋は美しい(三五館)』による。その書き出しは、こうだ・・・、 悪いけど、本欄はこの 『人生の秋は美しい』 という書名が気に入らない。これには原本があり、その書名は『中年の発見』(新潮社、1994年)であった。 と。
それを読み、図書館で借りたのがこの新潮社版の『中年の発見(野田正彰)』。
著者は、すべてを通して、中年になるまでに捨ててきたもの、あるいは人任せにしてきたものを、自らの手に取り戻すように言っている。
儀礼の工夫 では、
結婚式は、ホテルやブライダル産業が専門的に取りしきるものになってしまっている。儀礼の商品化はとどまるところを知らず、(中略)この傾向をすぐに変えることができないとしても、私たちは中年の生活を豊かにするために、儀礼や社交をもう少し生活の場に、取りもどしてもいいのではないか。
気持ちのよい朝食 では、
彼女(主婦)たちはいつも、あわただしく朝食を作り、家族を送り出してきている。外で働いている女性は、お皿を流しに投げ込んで自分も続いて飛び出さなければならない。(中略)子どもの時には朝があった。大人になって一日は日中のもの、夜のものに次第にずれこんできた。中年も終わりになって、朝をとりもどすのだ。
そして、極めつけは、
中年心得四カ条 であり、
第一に、いきいきと生きるとは、常に楽しく生きるということではない。
第二には、将来の課題達成に向けて現在を耐える、あるいは頑張るといった発想から自由になることである。
第三には、自分の行動の底辺にある無意識のコンプレックスについて、時々考えてみることであろう。
第四に、対人関係において、人を操作的に見ないようにすることである。
その他、
成熟するということ
アルコール性管理職
夫婦間のギャップ
装われた楽天主義
中年の遊び方
素人にもどる
主婦の読書
異性との付きあいかた
などなど、どれも含蓄がある。
著者の野田正彰氏は、1944年生まれの精神科医である。

『中年の発見(野田正彰)』
1994年3月15日発行
新潮社
『手仕事の日本』 2015.10.16
『ひらがなだいぼうけん』 2015.09.26
新折々のうた2 2015.09.25