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南包

南包

2012.05.15
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テーマ: 本日の1冊(3748)
カテゴリ: 本・読書
この「ちくま日本文学全集」は1991年芥川龍之介と寺山修司を皮切りに、当初は全50巻で刊行され、途中から全60巻になった、文庫本サイズの全集である。金額は1000円丁度。
最近、装丁を変えて 全40巻で復刊 された。


さて、先日読んだ『遅読のすすめ(山村修)』に柳田國男の「木綿以前の事」があった。『木綿以前の事』は岩波文庫がある。山村修が触れているのはこちらの方だが、手許に「ちくま日本文学全集」柳田國男があり、そのなかの「木綿以前の事」を読んだ。

気になった記述を引く・・・、
【久しい年月を隔てて後に、あるいは忍びがたい悪結果を見出したとしても、これによって先祖の軽慮は責めることはできぬ。ただ彼等の経験によって学び得る一事は、かようにいろいろの偶然に支配せらるる人間世界では、進歩の途が常に善に向かっているものと、安心してはいられぬということである。(中略)静かに考えてみると損もあり得もある。その損を気付かぬゆえに後悔せず、悔いても詮がないからそっとしておくと、その糸筋の長い端は、すなわち目前の現実であって、やっぱり我々の身に纏わって来る。どうしてもひとりの力では始末のできぬように、この世はなっているのである。】
【(木綿による)熱の放射の障碍である。近い頃までも夏だけはなお麻を用い、木綿といっても多くは太物であり、織目も手織で締まらなかったから、まだ外気との交通が容易であったが、これから後はどうなって行くのであろうか。汗は元来乾いて涼しさを与えるために、出るようなしくみになっているものに相違ない。湿気の多い島国の暑中は、裸でいてすらも蒸発はむつかしいのに、目の細かい綾織などでぴたりと体を包み、水分を含ませておく風習などを、どうして我々が真似る気になったのであろうか。】
大正13(1924)年10月 柳田國男49歳の時
以上。



ちくま日本文学全集/柳田國男1875-1962 033
解説:南伸坊
1992年6月20日 第一刷発行
筑摩書房






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Last updated  2012.05.16 06:09:55
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Re:『ちくま日本文学全集/柳田國男「木綿以前の事」』(05/15)  
柳居子  さん
地政学条件の下、入手可能な材料と 信じがたい長い歳月の結果として、生活文化が成り立っているのだと考えます。衣・食・住 全てに当て嵌まる論理かもしれませんね。 (2012.06.11 09:24:03)

Re[1]:『ちくま日本文学全集/柳田國男「木綿以前の事」』(05/15)  
南包  さん
柳居子さん
>地政学条件の下、入手可能な材料と 信じがたい長い歳月の結果として、生活文化が成り立っているのだと考えます。衣・食・住 全てに当て嵌まる論理かもしれませんね。
-----
柳居子さん
いつもコメントを有難うございます。
柳田國男は名前と『遠野物語』くらいしか知りませんでしたし、今回まで読んだこともありませんでした。ひょんなことから今回読み、その思索の深さと当たり前さに惹かれました。学者は人々の衣食住を学問として普遍的なものへと広げるのが仕事でしょうね。でも、その根底には普通の人々の生活とそこから得られたものが深く横たわっているのだと思いました。
しかし、人間の欲望と言う愚かさが今の社会の根底に流れていることも間違いありません。進歩とはどこに向うことになるのでしょう。進歩と言う名の退歩?
「大飯」も例外ではなさそうですね。
(2012.06.11 21:31:55)

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