南包の風呂敷

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南包 @ Re:周囲が評価は己の評価に非ず(07/19) 柳居子さん >穿った見方では無く、正鵠を…
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南包 @ Re[1]:●アナ雪 DVD115万枚予約。(07/19) KUMA0504さん コメント有難うございませ…
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南包

南包

2012.09.17
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テーマ: 本日の1冊(3748)
カテゴリ: 本・読書
『現代の作家一〇一人(百目鬼恭三郎)』
阿川弘之から和田芳恵までの一〇一人を切り刻んで一歩も退かない。読み手にとっては痛快。

誰の評かは伏せるが、
【純文学か通俗小説かは、物語性が弱い強いで決まることではなくて、文章の力によって左右されるものなのだ。このことを、私たちは良く心得ておく必要があろう。】

大岡昇平のところ、
【人は年をとると、想像力を失う代わりに、事実に対する興味がつよくなって考証趣味に陥るといわれる。大岡の近年(*)の傾向も、ひとつにはたしかに年のせいであろう。】【私たちは考証家大岡に、新しい文学、たとえば露伴の『運命』のごときもの、を期待できそうな気がしてならないのだ。】

佐多稲子のところ、
【佐多稲子の処女作『キャラメル工場から』を読むと、小説の上手下手は天分次第だ、ということを痛感させられる。むろん、教養や修行によって段々小説が上手くなってゆく作家もいて、云々・・・一言でいうと、天性のうまさのほうがより直接に読者の心をとらえるものである。】

これら101人の評を読みながら、手許の本を漁ったり、図書館で借りたりしました。佐多稲子の短編「水」は面白く読みました。また露伴の「運命」に手をつけたのですが難しすぎて・・・、辞書を片手に、というより辞書(漢和辞典)と首っ引きで解読というように読んでいます。いつまで掛かるか今はわかりません。


【これまで熱心な文学読者ではなかった私は、純文学と大衆文学の差はそれほどなかろう位に考えていたのであります。ところが、よく読んでみると、その差が予想以上に大きいことを知って驚いたのですね。通俗小説を純文学作品と同列にならべたのでは、悪口を書くほかなくなる(笑声)。で、通俗小説のほうは、できるだけそのとりえを推奨することに重点をおくことにしたのであります。にもかかわらず「けしからんことを書いた」と腹を立てて騒いだのは、甘くしたはずの通俗小説作家ばかりだった(笑声)。通俗作家のほうは、日ごろ雑誌の編集者からほめられてばかりいて、まともに批評されたことがない。だから、ちょっとでも自分の欠点を指摘されると、カッと頭に血がのぼるらしいのですね。ことに女流はそうらしい(笑声)。】云々・・・この後は痛烈
【悪口をいわれて腹を立てるのは、人間性が健全な証拠である。実をいうと、私はそれまで、この人たちがあんな小説を平気で書いていられるのはどういう神経なのか、よくわからなかったのですね(笑声・拍手)。それがこれでよくわかって安心したような次第であります。】

初めに紹介した「誰か」は日経新聞連載の小説が有名ですね。


これを再び読むきっかけは、本の処分で整理をしていて見つかったもの。百目鬼恭三郎をまとめて読んだことがある。百目鬼恭三郎は「風」の名で週刊誌の文学批評を書いていた。ボクは「風」の書評を2冊読みその後これを読んだように思う。今回の方がより面白く読めたようだ。「ようだ」というのは、以前に読んだ時の記憶がないからだ。百目鬼恭三郎と一緒に見つけたのが山本夏彦の後期の評論である。それも処分を免れた。


*昭和48年2月から50年3月にかけて、朝日新聞に連載された「作家Who’s Who」の単行本。だから、近年とは48年2月から50年3月のこと。
【】内 引用。


百目鬼恭三郎(どうめききょうざぶろう)
発行/昭和50年10月20日
10刷/昭和53年12月25日
新潮社





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Last updated  2012.09.17 20:47:31
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