おぢさんの覚え書き

おぢさんの覚え書き

2018.05.20
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カテゴリ: 近代
麻生氏が福田淳一前事務次官のセクハラ問題で「はめられた可能性がある」発言を撤回した。行政のナンバー2が、記者に罪があるとほのめかす。冤罪事件に近い。
麻生氏は福田前事務次官の人権には敏感だが、女性記者の人権に対しては鈍感であった。

さて、80年前に戻ろう。

戦時下に政府や軍部に対する批判を個人雑誌上で行なった正木ひろし、桐生悠々、生方敏郎、矢内原忠雄らの勇気 [1] は敬服すべきものがある。
ただ残念なのは、あまりにも遅すぎたということだ。
正木氏が『近きより』を創刊するよりも前に、共産主義者やアナキストは帝国主義戦争を批判していたが、治安維持法による大量検挙によって黙らされるか、小林多喜二のように物理的暴力によって殺されていた。

あの人の人生を知ろう~小林 多喜二 (文ジャン)



共産主義が弾圧され、日中戦争に嵌っていたこの時代は官尊民卑の時代でもあった。特に警察官の横暴は目に余るものがあった。『近きより』は度々これを批判している。

​     六、メキシコ公使館の運転手
 この頃の新聞にメキシコ公使館の自動車が浅草の吉原へ行き、車を停めてはいけない場所へ駐車させたので、土地の巡査が叱りつけたところ、無知な運転手は公使館の車だからいいのだと口返答をしたので、群衆がたかって運転手を袋叩きにした。運転手は群衆が暴行するのを巡査が傍観したのがくやしくてたまらず、翌日警視庁へ訴え出たところ警視庁の交通課では、「貴様が生意気だからだ」といって、即座に免許証を取り上げてしまったと報告されていました。この記事を読んで私は黯然となりました。
p.300-301 昭和13(1938)年「街路に拾う」『近きより』第2巻第5号​​

おぢさんは、佐川氏不起訴のニュースに黯然となりました。​

​     二十、巡査とおわいやさん
 円タクの運転手など、巡査にとがめられると実にペコペコとお辞儀をする。米搗バッタそっくりである。他から見ているとこれ以上の卑屈はないように思われる。あんなにペコペコされたら巡査の方でも不愉快ではなかろうかと思うが、運転手などにきくと、ああしなければいけないのだそうだ。少しでも弁明でもしようとすると「生意気を言うな」と一言の許にどなりつけられ、結局五分間ですむものが一時間になり場合によると一日か二日がかりの事件にされてしまう恐れがあるのだとのこと。とにかく巡査には触ってはいけないと思っている人が中流以下にはかなり多い。
p.309 昭和13(1938)年「街路に拾う」『近きより』第2巻第5号​​

正木氏だけではない、当時の警官の横暴は実に多くの証言がある。萩原朔太郎も警官の威張り癖には、腹を据え兼ねていたようだ。

実際日本の巡査は、その勤勉にして廉潔なこと(賄賂など絶対に取らない)で、世界的に模範巡査として好評されて居るのである。しかしその欠点は、官僚的でクソ威張りに威張ることと、生真面目にすぎてユーモアを理解しないこととであって、これもまた世界的に知れてる日本巡査の欠点である。
p.31 萩原朔太郎 (1938) 「日本の巡査」『日本への回帰』

日本を貶める売国弁護士と売国文人の言葉ですっかり気分が滅入ってしまったので、口直しに右翼新聞でも読むか。
​     十九、やまと新聞の記事
 七月十七日の「やまと新聞」に左の記事が載っていた。
『物資需要制限その他事変関係で失業した者は実に全国で百五十万人に達しており、これ等の転業につき厚生省当局では種々対策を講じているが転業し得た者は僅かにその一二割にすぎず残りの八、九割即ち百二、三十万人は全く失業者となった訳である。
 しかもこれ等の失業者は全く事変による犠牲であり、政府の救済を要望する立場にありながら時節柄声を大きくする事も出来ず、かつ政府としてもその実情を察していながら、これを救済するに途なく、多少の犠牲者の出る事はやむを得ざるものとしているが、政府の対策は全くそこまで手が延びないのであって、今後とても事変対策を中心に終始するであろうが、犠牲者は全く泣寝入り形である。一方軍需関係会社等では、熟練工の如きは五十割乃至百割からのボーナスを出しており、その他でも三十割くらいは普通とされている状態で、国民所得の不平等は社会問題を惹起せんとしている。』
p.309 昭和13(1938)年「街路に拾う」『近きより』第2巻第5号​​

日中戦争は丸一年を迎えており、中国国民だけではなく日本国民も苦しめていた。百万人の失業者達は、同年メーデーも禁止となっており、抗議を行うことさえできなかった。4月に電力国家管理法成立、5月にガソリンも切符制となるなど統制が徐々に進んでいく。

戦後、吉田茂は報告書『日本外交の過誤』で「現地軍の独断専行―不拡大方針と和平交渉―軍の挑発―中国側の態度硬化―日本側の反発―日中間の不信感の増大、緊張の激化―日中両軍の衝突―現地軍の暴走」という悪循環が日中戦争の長期化さらには太平洋戦争の原因となったと分析している。

イラク派遣、南スーダン派遣の日報では非戦闘地域という嘘が暴露され、文書が隠蔽されていたことが明らかとなった。国会が自衛隊の過去の派遣について検証できず。大臣が自衛隊を統率できていないとすれば、過去に照らして、危うい道を歩んでいると言わねばならない。






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Last updated  2018.05.27 11:04:58
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おぢさん@ Re[3]:無(03/15) なんだかねさんへ お久しぶりです。永ら…
おぢさん@ Re[1]:土器-編年(02/14) 上毛野形名さんへ 長いこと返信もせず失…
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