親父とはよく裏山に一緒に出かけた。遊びに行くんじゃない。食料を調達しに行くためだ。親父が木を切り倒して薪を割っている間に、おれが山菜やきのこを採る。《中略》カブトムシの幼虫の食べ方も、ヘビの食べ方も、親父を見て覚えた。ヘビを捕まえて、天日干しにして焼いて食べたこともある。本当にうまかった。だけど、親父のようにマムシを捕まえてその場で生き血を吸うことだけは、気持ち悪くてできなかったなぁ。口の周りをマムシの血で真っ赤に染めている親父の顔が、恐ろしい光景として今でも記憶に刻み込まれている。
p.14-15
山にも川にも、食べ物はたっぷりとある。山にはアケビや山柿、栗、川には魚がいる。いつだっておれの腹を満たしてくれる。そこではいじめられることもなければ、仲間はずれにされることもなかった。山も川もおれの友達だった。
p.17
食べる物がなければ生きていけない。山の暮らしは、毎日、食料を探すことで明け暮れた。違うのは追いかける獲物と歩く場所だけ。生活に欠かせない鉈とナイフは、家から持ってきた砥石で毎日手入れをしていた。でも、家出した頃は刃渡り20cmもあったナイフがこの頃はわずか数cmにまでちびていた。
p.74
不思議なもので、見るものすることが何もかも初めてだと、もの珍しさと驚きのほうが大きくなって、警察とか留置場への不安が横に追いやられていく。
p.169
読書『東日本の古墳の出現』 2016.11.13 コメント(5)
思考の繰り返しと読書の無駄 2016.09.25 コメント(1)
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小野寺秀也さん