2006年07月07日
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カテゴリ: 介護
やせて硬くなった大腿四頭筋に鍼をうつ。硬い筋肉がほぐれる独特の響き。顔をしかめる母。
硬くすじの様になった筋肉がグンニャリとほぐれてくる。痛みが楽になったような気がすると母。
母が帰って3日目。やっと生活にリズムが出てくる。

老健施設に母を入れて気になっていたことがやっとわかりかけてくる。
好きなときにおきて、好きなときに寝て、好きな孫と一緒に好きなものを食べて、トイレもベッドから起きるときも自分のペースで動けること。当たり前のことが老健施設ではないのだ。安全と清潔は充分行き届いているし、職員の仕事に対する誠意と真面目さは感謝しつくしても足りないぐらいだ。施設の行き届いたお世話には本当に感謝している。でも、施設である限り、施設の限界はある。施設のペース内で動くことを期待されていたので、母は自分で動くことを忘れてしまった。

家に帰って、私がキリキリと痛む腰をかばいながらベッドから起こし、ズボンを下ろし、オムツをはずしポータブルトイレに座らせ、汚れを拭いてあげてまたオムツを当ててとやっていると初めて、「ああ!大変!立たなくては」と気がつく。施設では手馴れた人が二人がかりでやってくれるので、キリキリと筋肉を傷めながら介護する息遣いが直接肌に触れてこないためだろうか。

使わなくなった足は萎えて筋肉は廃用性萎縮のため痩せて骨に張り付いている。車椅子によいように曲がって動かなくなった膝頭。さて、どれだけの時間で回復するか。

下剤でコントロールされた母の便通も、今日母が下剤を拒否する。「あれ、お腹がとっても痛くなるのよ」
手の神門に鍼をする。うまくいけばこれで便通がつくのだが。



言っていられなくなる。ひとつは最低限立つことが生活の快適さの絶対条件だとわかったから。
介護するものにとっても、されるものにとっても。自分で立てれば介護者の腰の負担は本当に減る。

母にこのままでは大変という気持ちがあるので、立つことだけは回復するのではと思っている。

母とはいろんなことあったけど、私にゆとりがあったからぐずぐず言えたのだなと思う。そんなこといってる暇ない!

母との共同目標。私の快適さのためにも。一人で立つこと。短い時間なら何かにつかまって立っていられること。これで着替えやオムツはずしがずいぶんと楽になる。

シンプルに生活が決まって今が楽しい。後ろを振り向いている暇がないことはいいことなのかもしれない。

鍼の効き目にワクワクしている自分がいることも充分自覚している。賭金は私のぎっくり腰という賭けの面白さと言ったら変だろうか。










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Last updated  2006年07月07日 12時52分35秒
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