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民主党内の親小沢派と反小沢派の熾烈な内部抗争について、原口前総務大臣が「組織を分裂させ相互に激しく罵り合あわせるのが敵の最高の戦略だ」と喝破していた。確かに反小沢派の渡部恒三らの小沢一郎に対する罵りは凄まじい。まともな人間から見れば、彼らの人格を疑いたくなるが、原口前大臣の言葉を借りれば、どうやらこれには裏がありそうだ。ここからは私の推測だが、皆さんは野中弘務という策士をご存知だろうか。恐らく彼は自民党の重鎮から頼まれて、民主党の分裂工作に走っているのではないだろうか。まず彼が取り込んだのは反小沢の急先鋒である仙谷官房長官である。野中は菅が小沢に擦り寄らないよう目付け役を言い渡すとともに、内閣官房機密費で渡部恒三らを接待し小沢の罵り役を言いつけた可能性が高い。さらに野中の指示を受けた仙谷官房長官は官房機密費を使ってマスコミによる小沢批判や市民運動の分裂工作にも乗り出しているようだ。また仙谷が「小沢が政倫審に出なければ離党勧告もありうる」と党分裂をほのめかしているが、これは野中が仙谷に小沢を切れば自民党と組めると誘いをかけていたからのようだ。この仙谷の小沢切りの行動は民主党を分裂に導こうとする野中の謀略にすっかり嵌ってしまったといってもよいだろう。こうした中で野中の謀略を見抜いた小沢は、党分裂の危機を回避するために政倫審への出席を決めたのだろう。果たして次に野中はどんな手を打ってくるのか?政治の世界は恐ろしい。
2010年12月29日
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記者会見で小沢氏が政倫審出席を下記の通り表明した。原則を主張しつつ、柔軟に対応するという立派な姿勢だな。バカ政治家をどう料理してくれるのか楽しみだ!挙党一致で「国民の生活が第一。」の政治を実現するために 私はこれまで、菅代表及び岡田幹事長から、自発的に政治倫理審査会へ出席するよう要請を受けてまいりました。それに対し、私は、政治資金に関する問題はすでに具体的な司法手続きに入っており、三権分立や基本的人権の尊重という憲法上の原理原則からいえば、立法府の機関である政倫審に出席する合理的な理由はない、ただ、私が政倫審に出ることで、国会運営が円滑に進められ、あるいは、選挙戦においても国民の皆様の支持を取り戻すことができるということであれば、政倫審に出席することもやぶさかでないと、繰り返し表明してまいりました。 そうした中で、先般、民主党の最大の支持母体である連合から、挙党一致の体制で難局を乗り越えるよう、強い要請を受けました。また、国民の皆様、同志の皆様にも、多大なご心配をおかけしていることを、大変申し訳なく思っております。これらのことを総合的に考え、私は政治家の判断として、来年の常会において、政倫審に自ら出席することを決意致しました。 具体的に申し上げます。 第一点目として、常会において私が政倫審に出席しなければ国会審議が開始されないという場合、すなわち、私が出席することにより、予算案の審議をはじめ、国会の審議が円滑に進められるということであれば、常会の冒頭にも出席し、説明したいと思います。 第二点目は、私が政倫審に出席するかどうかということが、国会審議を開始するための主たる条件ではないということであれば、国民の生活に最も関連の深い予算案の審議に全力で取り組み、その一日も早い成立を図らなければなりません。したがって、私はこの場合には、予算成立の後速やかに政倫審に出席したいと考えております。 平成22年12月28日 衆院議員 小沢一郎
2010年12月29日
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小沢一郎のウエッブサイト掲示版に以下のような激励文を贈った。検察、マスコミの横暴を糾弾し小沢先生を支持する市民デモは10月24日の東京を皮切りに大阪、名古屋、福岡、新潟へと全国展開して参りました。また先日の日曜日(12月19日)は入間市の仲間が今年最後の田園ピクニックデモを行いました。新春は1月23日に新潟デモ第2弾を皮切りに、1月30日は西宮で、さらに2月初旬には私の担当する名古屋で第2弾を予定しており、年明け後も全国でデモが続々と実施されます。我々はこのデモを通じ、多くの一般市民が小沢先生の正しさに気付き始めていることを実感しています。昨今の緊迫した政治情勢の中、是非、小沢先生には国会で頑張っていただき「国民の生活が第一」の政治を実現して頂きたいと存じます。
2010年12月21日
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愛三岐といわれる愛知県、三重県、岐阜県は極めて保守的な土地柄であった。そのせいか業者と県、市などの自治体、ならびに議会との癒着はズブズブで、特に名古屋市役所とオール市議会の腐敗は酷いものだった。ところが河村市長になってから、議会も変なことができなくなったため彼らの市長に対する反発は凄まじかった。しかしようやく市民も市議会の実態に気付き始めリコールが成立しそうになっているのだろう。今回のように市民が立ち上がったということは全国的にも非常に画期的出来事に違いない。一括交付金などの地方への配分が促進される中で、このような市民の監視が利かないと、自治体の腐敗と市民の不幸が一層顕著になるだろう。
2010年12月19日
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かつて役人と一緒に仕事をしていた時「彼らは国民への奉仕はそっちのけで、どうすれば法律を役所組織の都合のいいように解釈できるかに熱中している」と感じたことがある。法律の専門家であれば良く判っていることだが、法律というものは何から何まで細かく決めているわけではなく、いくらでも役所の都合のいいように解釈を成り立たせることができる。 国家権力の守護神である警察や検察という暴力装置は、小沢氏や鈴木宗男氏のように官僚機構に都合の悪い政策を実施しようとする政治家が現れると法律を自分達の都合のいいように捻じ曲げて解釈し、時には証拠を捏造し彼らを罪に落としいれ、仕上げは手下のマスコミを操縦し悪徳政治家に仕立て上げ抹殺する、くらいは朝飯前だ。 従って、郷原氏や一部の法律専門家などが小沢氏は真っ白といくら正論を主張してもメディアは勿論、裁判所ですら聞く耳を持たないということは今回の小沢氏の起訴議決却下の決定を見てもよくわかっただろう。恐らく宮崎学氏らが主張するように、マスコミを名誉毀損で訴えても検察や裁判所は相手にしないことだろうことは間違いない。 これではまるで中国や北朝鮮みたいだと思う人もいるだろうが、こんな事は民主主義をうたう米国や英国といった国でも平気でやっていることだ(イラク戦争や911事件などはその典型)。ただ中国・北朝鮮のように露骨ではなく巧妙にやっているところが違う程度であろう。 ところで国家権力を牛耳る役人は選挙で国民から選ばれているわけではないので「国民の声」というものに対し敏感に反応する。「国民の声」を無視すれば自分達の体制をひっくり返される恐れがあるからだ。だから大手マスコミを使って国民世論の誘導に熱心なのだろう。 ところがネット社会になって世論誘導が難しくなりつつあるようだ。すなわちネットによって国民の情報リテラシーが向上し、権力側の思うとおりには誘導できなくなってきたためだ。しかし現時点でのネットの影響力は大手マスコミの1割以下であることも現実で、依然大手マスコミの世論誘導が権力側にとって有効だ。 ところで10月24日に行われたデモは、ネットの情報で理論武装したネット市民が現場に出てきた画期的出来事だろう。今は確かに規模も小さいかもしれないが、今後はネット市民はもとより、この銀座のデモに遭遇し、共感した人々を巻き込みこの活動が怒涛のごとく拡大する可能性もある。
2010年12月15日
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検察審査会の「起訴相当」の結果を受けて小沢氏が「これは権力闘争だ」と涙したことが伝えられていた。確かに今回の「強制起訴」は革命家の小沢氏が既存利権構造の官僚組織に叩き潰されたことを意味するのだろう。「強制起訴」という官僚組織の謀略に乗せられた多くの国民は、小沢氏への拒絶感を強くしており、小沢革命政権の成立は極めて難しい。しかしそれは日本という国の劣化が益々進行することを意味している。 一部賢明な市民による検察や検察審査会への怒りも当然ではある。しかし戦前、大手メディアが戦争を煽った時のように、現在のこの状況を変えることは至難の業である。むしろ我々はこの先、国が劣化することを前提に「自分の生活を第一」に考えるべきかもしれない。かつて日本が健全で豊かな時代は一億総中流が可能であったが、これからは一部の人間しか豊かさを享受できない格差社会の時代になるだろう。 そして格差社会で取り残されるのは若者や女性、蓄えのない高齢者、生活に不安を抱える身体障害者かもしれない。とにかく国の劣化を国民が(無意識のうちに)選択した以上、1人1人が自分でできる範囲で転落しないよう自衛するしかないのだろう。しかし、がむしゃらに頑張るだけではなかなか浮かび上がるのは難しい。特に世の中が激しく変化する時代は、情報を集め分析し一歩先を行く生き方が必要になる。 今日のデフレ時代(給与生活者は大変だろうが)私のような年金生活者は、物価も安くまことに居心地の良い時代だと実感している。しかしいつまでもデフレが続くとは限らない。中国の不動産バブルがはじけたり、ソブリンリスクの顕在化などで世界経済が危機に陥れば、我々の生活にも悪性インフレや増税、年金減額などが襲ってくる可能性は十分ある。 今の政治の体たらくを見ていると、もしかするとそれは直ぐそこま近づいてきているような予感もする。とにかく政治に頼れないこれからの時代、我々は自分の身や孫、子供達を護るためにも自衛手段として何らかのリスクヘッジや対策を考えておかねばならないだろう。
2010年12月13日
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全世界を震撼させた911事件から10年近くが過ぎましたが、こ の事件をめぐる謎はほとんど解けないままです。例えば幾重にも張 り巡らされた防空体制がなぜ当日だけ機能しなかったのか?まるで 50年前、日本の真珠湾攻撃を察知しながら、わざと防がずアメリ カ国民の怒りを利用して太平洋戦争に突入した事例とそっくりです。 ところでイラク戦争では3000人を超えるアメリカ人が犠牲にな っていますがアメリカの軍産複合体は戦争や石油利権に絡むイラク 復興事業で膨大な富を得ています。またイスラエルやその代理人で あるネオコンにとって、最も厄介な敵であったフセイン大統領を抹 殺したことは大きな政治的意味を持っています。 911のテロ戦争に対する米政府の対処のしかたを見ていると、イ ラク市民を無差別爆撃などで数万人殺害するなど、国民の反感をあおる占領政策をやっています。ひょっとすると敵であるはずのテロ組織をアメリカの諜報機関が支援し軍産複合体にとって都合のいいテロ戦争をなるべく長く続けさせたいのではという疑念が起こります。 アメリカはかつてレーガン政権時代に諜報機関が敵国であったイラ ンに武器を売却するというイランコントラ事件という大スキャンダ ルを起こしています。また映画監督のマイケルムーアは「華氏91 1」の中で、テロリストの首領ウサマビンラディンと関係が深いサ ウジアラビア王家とブッシュ政権の濃密な関係を暴露しています。 さらにイラク戦争ではパキスタン政府が熱心にアルカイダの検挙を 行っていましたが、米当局はパキスタン政府に協力するアルカイダ の逆スパイの名前をニューヨークタイムスにリークしています。こ のケースなどは本気でアルカイダを退治しようとするパキスタン政 府を米当局内の誰かが妨害しているとも考えられています。 さらに911事件後アルカイダのメンバーが多数逮捕、起訴されま したが、いずれもテロ計画に関与したことを立証できず、ほとんど 無罪になっています。そこで911事件は表向き「イスラム過激派 による反米テロ」となっていますが、実はアメリカ政府内の一部に よるイラク侵攻を正当化させる陰謀という説も唱えられています。 思い起こせば40年前に起きたケネディ大統領の暗殺はオズワルド の単独犯行で片付けられましたが、ケネディのベトナム撤退に反対 したジョンソン副大統領と軍産複合体の陰謀であったという証拠が 数年前に公開されています。911事件の真実が解明されるのもひ ょっとすると30年くらい先になるのかもしれません。
2010年12月12日
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臨時国会が閉幕し、来年度予算を審議する年明け通常国会開幕に向け政局が一挙に流動化し始めている。政権与党や野党、メディアの重鎮達が頻繁に接触しているが、彼らに共通しているのは「閉塞した現在の政治状況を打破しなければならない」という思いであろう。 しかしその為の手段については様々であり、まさに同床異夢の状況だ。この政局の中心にいる小沢一郎は、かつての自社さ政権の悪夢を繰り返さないよう、なんとか挙党体制によって民主党政権を維持しようと考えているようだが、菅・仙谷政権は小沢派を取り込む挙党体制には消極的だ。 このような菅・仙谷政権の足元を見て政界再編を望む森喜朗やナベツネ、さらには自民党を離脱し政界孤児となった鳩山邦夫、桝添などが民主党の分断工作に走り出している。いまや菅・仙谷政権は小沢や鳩山由紀夫が望む挙党体制を組むか、それとも小沢を切って野党との大連立に走るかの選択に迫られているように見える。 しかし魑魅魍魎の政治の世界で大連立を実現するには相当な政治力がないと実現は難しい。谷垣が「小沢を切らない民主党とは組まない」と言っているが、もし菅・仙谷が自民党との連立を望み小沢派を切り捨てれば、自民党は大連立の約束を反故にし一気に解散総選挙へ追い込み、政権奪還に動く可能性は高い。 どうやら大連立の狙いは未熟な菅・仙谷を罠に陥れる森喜朗やナベツネの策略であるかもしれない。いまや彼らの謀略によって民主党政権の瓦解と自民党の政権奪還が目前に迫りつつあるようだ。ベテランの小沢はこのような自民党サイドの策略を読んで新人議員たちに「解散総選挙は近い」と檄を飛ばしたのだろう。 こういった状況の中で、小沢一郎が「疾きこと風の如く」激しく動き出した。小沢の狙いは、かねてから言われていたように自民党の分断である。そして菅・仙谷が自民党サイドの謀略に嵌り民主党が分裂しても、自民党の古賀誠や自民党OBの与謝野、桝添などと組んで政権奪取を目指すのだろう。 まさに小沢家康と菅秀頼・仙谷淀君による平成の関が原の戦いが始まろうとしているのかもしれない。ところで関が原の戦いの帰趨を決めたのは、豊臣陣営と思われていた小早川秀秋の家康陣営への寝返りにあったことは有名な話だ。そこで大胆な推理であるが森、ナベツネが小早川である可能性もある。 彼らは元々、小沢に近く小沢が離党すれば頼りない菅・仙谷を見捨て小沢に付く可能性は否定できない。また大政治家である小沢もそれくらいの裏工作はやっていると考えるべきかもしれない。ところで優れた政局感を持つ小泉純一郎は面白いことに森、ナベツネの大連立構想に反対している。 次期総理に前原を担ぎ、前原・中川連合を結成したい小泉にとって、この大連立は自らが描く政界再編にとって障害にこそなれプラスになるとは思っていないのだろう。政界の一寸先は闇と言われるように、年末から来年3月までの政局動向は全く予測ができないが、恐らく小沢は「侵掠すること火の如く」苛烈な政界再編を仕掛けてくるのだろう。
2010年12月11日
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12月5日の三井環氏が主催した市民連帯の会のデモ集会で次のような「検察最高音頭」が紹介された。まさに平成の「ええじゃないか」運動が始まった。さあ皆で歌おうぜ!今年の紅白には無理かな? 検察よいとこ 一度はおいで優しい検事が お出迎え調書は全部 書きますよいいからとっとと 署名しろ!あ、それ!検察最高!(検察最高!)検察最高!(検察最高!)検察音頭で踊りましょ検察庁は 日本の宝起訴すりゃ 有罪パーフェクトおかげで 司法の仕事は楽だ判決文を 読むだけだあ、それ!検察最高!(検察最高!)検察最高!(検察最高!)検察日本の権力者特捜割り屋は 憎めないたまにゃハメも はずさなきゃデーター改ざん やっちゃったちょいとお茶目な イタズラさあ、それ!検察最高!(検察最高!)検察最高!(検察最高!)裏金ぐらい許してね記者クラブは お友達仲良くするのは いいことだリークをするから どんどん書いて言われた通りに 書くんだぞ!あ、それ!検察最高!(検察最高!)検察最高!(検察最高!)検察音頭で踊りましょ小沢一郎は お客様すぐに儲かる 商売だ不起訴になっても 下請けの検察審査会 任せたよあ、それ!検察最高!(検察最高!)検察最高!(検察最高!)検察日本の神様だ作詞 割屋検三郎 作曲 西野夢生 歌 割屋検三郎
2010年12月08日
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現在、全国で展開されている「権力とマスコミの横暴に抗議する」デモについて「新聞やテレビが全く報じてくれない」と憤慨する人も多い。しかしデモ主催者側も恐らくマスコミに取材要請していないのだろう。普通このような行事を行えば、マスコミに取材要請するのが普通だし、要請しなければ彼らは知らないわけだから取材には来ない。もっともデモ主催者側も「マスコミの横暴に抗議する」わけだから取材要請はしにくいのだろう。ところで我々はマスコミをひとくくりに考えるが、新聞社やテレビの記者の中でもマスコミの報道姿勢に疑問を持つ人が多いのも事実だ。例えば毎日新聞には岩見隆夫などの小沢嫌いもいるが、金子秀敏など自社の報道姿勢に疑問を持つ人たちもいる。かつて豊臣秀吉は各地の大名たちとの戦で、大名の家来や敵の領地内の豪族達を調略し味方につけ勝利を納めていた。大手マスコミとの戦いでも同じで、週刊朝日や日刊ゲンダイなどを味方につけることも重要だろう。さらに地域の中小マスコミも上手に対応すれば味方になってくれるかもしれない。とにかく我々は固定観念に囚われず頭を柔軟にすることが重要だ。結果さへ出せれば、やり方は千差万別あっていいだろう。
2010年11月19日
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我が家の女房殿は「金に汚い小沢は大嫌い」、またバカ息子も「小沢は日本を中国に売ろうとしている」とネットウヨの妄言を信じていた。しかし私が黙々と小沢支持のデモの準備をしていると、最初はバカにしていたが夫や親の後姿を見て自分達の間違いに少しずつ気付いてきたようだ。大事なのは熱意のある人たちが頑張れば、最初はバカにしたり無関心な人々もどうなっているのだろうと疑問を抱き、やがて賛同の輪が広がっていく。ちなみにデモを一緒に準備しているスタッフの多くは数年前までは小沢嫌いだったそうだ。小沢嫌いが数年立つと小沢支持のデモをやろうとしている。世の中捨てたものではない。
2010年11月18日
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ちょっと前に、放浪作家の世川行介氏が「ネット市民は口先だけで、行動をしない淋しい奴ら」と批判していたが、ここ1ヶ月の間にネット市民達が抗議デモなどで続々と動き出したようだ。ネット市民を批判していた世川氏も『立ち止まって考えよう国民会議』を設立するべく大胆な活動を展開し始めているようである。そこで私も老体に鞭打って、ネットで知り合った地元名古屋の【権力とマスコミの横暴に抗議するデモ】の事務局(6人)に図々しく参加させてもらうことにした。先日(13日)、全く縁もゆかりも無かった事務局の人々とデモの事務手続きについて喫茶店で5時間近くも話し合ったが、皆さん、30代から70代までの実に立派な紳士ばかりだ。また街頭デモについては事務局全員、初めての経験であり、当初、素人ばかりで大丈夫かなと心配したが東京デモの経験を参考にしたためかなりスムーズに運営することができそうだ。デモまであと1週間、横断幕やチラシ、プラカード作り、署名や募金箱作りなどの作業を行っているが、皆で励ましあい大いに盛り上がっている。今回、私も初めて行動を起こしたわけだが「案ずるよりは産むが易し」だ。ネット上でアドレナリンを放出して激論するのも悪くは無いが、デモの準備などで体を動かすことは精神衛生面でプラスになることは間違いない。恐らくこれから全国で様々なグループが立ち上がってくる。是非皆さんも近くのグループに参加し、想いを少しでも実現できるよう行動されたらどうだろうか。
2010年11月17日
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最近ネット上でこんな文章を見かけた。「自公政権にできなかったことを、他の政党に期待してみたが、やっぱりダメだった」「国民の生活も、国家の尊厳も守れない政治家など誰も支持しない」。確かに国民の多数も現在このように思っているのかもしれない。しかしこの言葉は1930年代に政治家の腐敗やだらしなさに国民が激怒して発した言葉と全く同じなのだ。この後、軍部の一部が国民の怒りを背景に515事件や226事件を起し、その後日中戦争、国家総動員法の施行、さらには政党が解体され大政翼賛会が設立され太平洋戦争へと突き進む。最近の自民、民主という2大政党のだらしなさ、日中間の対立、政治家に失望する国民の姿を見ると、どうやら日本も戦前と同じ道を歩み始めたのかもしれない。この状態を変えることができる政治家は現時点で小沢氏しかいないように見えるが、マスコミに誘導された国民には小沢氏などどうでもいいと思っているかもしれない。もしこのまま小沢氏が政界から消え去れば、恐らく日本は戦前と同じ過ちに向かってまっしぐらだろう。日本を叩き潰し属国化したい習近平や江沢民派の陰謀に乗せられた日本の極右(清和会や日本会議など)が「反中国」で暴れまわり、経済や領土紛争、自衛隊の核武装などを経て日中戦争に突入する可能性は高い。
2010年11月15日
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2500年前に編み出された「孫子の兵法」の基本は「戦わずして勝つ」であり、敵情を探ったり敵を味方につけるなど水面下での激しい情報戦を通じ、いつの間にか敵が自然に崩れるという戦いを最上策としている。ところで表面上は「動かざること山の如く」政治的動きを見せなかった小沢氏が11月10日に行った稲盛氏との会談の意味は一体なんだろう。(政治と金が話し合われたのでは?とマスコミは報じているが、小沢氏が自身の訴訟問題や証人喚問問題を財界人に相談するなどありえず全く論外だ)ところで過去の例からも、水面下に潜っていた小沢氏が表面に出てくるときは、勝算を見出すための準備が整ったことを意味することが多い。今、財界は菅政権が右往左往している「ロシアや中国、米国との関係、TPPや法人税」など財界が関心を持つ問題に危機感を抱いているはずだ。恐らく稲盛氏は今まで、財界を代表し財界の意向を小沢氏にぶつけ、小沢氏からそれなりの回答を得てきたのだろう。そして今回の小沢-稲盛秘密会談は上記問題解決の方策について双方が合意し、それを前提に財界が小沢氏を支援するとの約束を交わしたのではないだろうか。すでに小沢氏は反対勢力である検察トップの大林検事総長を味方につけ、またマスコミのドンで旧くからの親友でもある読売新聞のナベツネに対しても何らかの取り込み策を実施している可能性は高い。当然、米国に対してもジェイ・ロックフェラーなどを通じ共和党右派や軍産複合体などの切り崩しを行っているに違いない。さて小沢氏が情報戦で「戦わずして勝つ」環境を整え、「疾きこと風の如く」政界で動き出すのは何時なのだろうか。恐らく来年春までに菅政権が自然崩壊するのを待ち、一気に政界再編に打って出ることを目指しているのかもしれない。その時こそ「侵掠すること火の如く」官僚組織やマスコミの改革を進めてくれるのではなかろうか。
2010年11月12日
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窮地に陥っている小沢氏に対し様々な人がいろいろアドバイスをしているようだが、小沢氏は殆んど沈黙を守っており小沢支持者をやきもきさせている。しかし小沢氏は伏魔殿のような政界の中心で20年以上も生き抜いてきたとてつもない大政治家である。学者や政治評論家らが提案することなど先刻承知ではないだろうか。ところで2500年前に編み出された「孫子の兵法」は、現代に至るまで世界中の君主や英雄達が戦いの教科書として活用してきたと言われている。そこで小沢氏の行動パターンを冷静に観察してみると、どうやら彼も「孫子の兵法」を念頭に行動しているように見える。例えば、過去に小沢氏が厳しい状況に置かれたとき「俺は潜る」といって姿を隠したことがよく伝えられていた。「孫子の兵法」の基本は「戦わずして勝つ」「勝算無きは戦わず」といったものだが、小沢氏は勝算が無いときには水面下に潜って様々な工作を巡らし、彼が姿を現すときには既に勝利が見えている時でもあった。ところで今回の検察審査会のいい加減さやニセ情報で世論操作するマスコミに対し、小沢氏は直ぐにでも名誉毀損で訴えるべきと激怒している人は多い。しかし孫子は「王たるもの怒りをもって戦いを致すべからず」と説いている。恐らく小沢氏は今、勝負をするときではないと考え「徐かなること林の如く」沈黙を守っているのであろう。さて「孫子の兵法」の中で「敵を知り己を知らば百戦危うからず」という有名な言葉がある。これは情報を制するものが勝利を得るということだが、恐らく小沢氏は沈黙している現在、敵情を探ったり敵を味方につけるなど水面下で激しい情報戦を展開しているだろう。また孫子は作戦行動の要諦とし「始めは処女のごとく、後には脱兎の如し」と説いているが、これは敵の狙いに嵌った振りをして、機を捉えて兵力を集中し敵を突破するという意味だ。現状、まさに小沢氏は処女のように何もせず「動かざること山の如く」で相手の油断を誘っているようにも見える。さて小沢氏が勝算を見出し「疾きこと風の如く」動き出すのは何時なのだろうか。恐らく来年春に菅政権が自然崩壊するのを待ち、一気に政界再編に打って出ることによって「戦わずして勝つ」ことを目指しているのかもしれない。その時こそ「侵掠すること火の如く」官僚組織やマスコミの改革を進めてくれるのではなかろうか。
2010年11月11日
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小沢氏が成し遂げた政権交代によって、パンドラの箱のように様々な社会の闇の部分が明らかになりつつある。検察官の証拠捏造や検察組織の裏金問題、マスコミの嘘つき報道、天下りで税金を無駄遣いする官僚たち。今まで権力に安住していた連中の醜悪な姿がこれほどまでにあからさまになったことは自民党政権時代にはなかっただろう。ところで元警察官の仙波氏が岩上氏のインタビューの中で「日本という国の中で、日常業務の中で犯罪を犯しているのは、ヤクザと警察官のみです」と具体的事例を上げ語ったことは衝撃だった。更に仙波氏は文科省出身で森喜郎の腹心だった愛媛県の県知事が、負けた県知事候補を応援した土建屋を徹底的に潰すため、軽い刑でも小さな談合などでもガサ入れし形式犯でもあげたことを証言している。県知事が警察庁長官に圧力をかけ、長官が本部長に、本部長が署長に圧力をかけたのだそうだ。また選挙違反でも、選対本部の中に警察の協力者が入って、わざと違反させることもあるのだそうだ。公安の人間は全体の2%いるらしく、彼らは表では名前も顔も知られておらず、また彼らの仕事は非合法であるため多くの政治家は警察や政権に対し絶対にNOといえないのだそうだ。よっぽど地盤が強固で選挙に強くないと、負けたときに何をされるかわからない恐怖があるためだ。また新聞記者にはスパイが多く、記者懇といって警察が記者を囲っており、記者も副署長や署長にたかっているのが実情だそうだ。ここまで知れば我々も、民主党の小沢派議員が菅政権に対し貝のように沈黙を守っている理由が判るだろう。
2010年11月10日
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11月10日の読売新聞で次のような報道がなされていた。「尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で、東京地検は9日、動画投稿サイト「ユーチューブ」から、映像を投稿したパソコンのIPアドレスを入手、分析の結果、同サイトに投稿された映像は、神戸市内の漫画喫茶のパソコンから送信された可能性が高いことが判明」この記事を見て、かつて9.11事件で(CIAと繋がりがあると言われた)アルカイダのテロリスト達が同じ方法で仲間と情報交換をしていたことを思い出した。発信者を特定されないために使うこのような方法は諜報機関やテロリストなどのプロがよく使う手である。さらに記事は「警視庁はこの漫画喫茶に捜査員を派遣、店の防犯カメラ映像や入店客の情報を入手した上、投稿者の特定を進める」とあるが当然、相手がプロであれば投稿者には前科のない人間をあて変装をさせているだろうから特定は不可能に近い。また場所が人口が多く国外脱出がやりやすい神戸であることも、外国(中国か?)諜報機関が関わっている可能性を示唆している。捜査機関は、画像が消去された5日午前に神戸から国外に出た中国人などをしらみつぶしに調べる必要があるのではないか。(但し、特定できても逮捕は無理だろうが)
2010年11月10日
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11月6日に放映された田勢康弘の「週間ニュース新書」という番組で田中真紀子元外相が「先の代表選で小沢氏を支持した200人の議員は反小沢派のパッシングを恐れ皆貝のように黙りこくっている」と述べていた。 田中氏はパッシングの内容について言及を避けていたが、恐らく民主党の小沢支持議員たちは「政治資金を誰よりも透明にしてきた小沢氏でさへ、これほどまでに「政治と金」でコテンパにやられるくらいだから、もし自分達が反小沢派に逆らえば忽ち起訴され政治生命を失うのではと恐れているのだろう。 まさに現在の状況は、反小沢派による恐怖支配といってもいいのだろう。これを打ち破るのは小沢氏や小沢支持の国会議員たちでは難しいかもしれない。やはり今回のデモなどのように市民自身が立ち上がるというのが良策なのだろう。
2010年11月09日
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参議院選挙で野党に過半数を与えた国民は、次期衆議院選挙で「民主党政権」か「自・民による連立政権」かを問われることになる。現在の「ねじれ国会」に対し多くの評論家やマスコミは「与野党が話し合いをすべき」と主張しているが、衆議院選挙を目前に控え、自民、民主がそれぞれの政策を譲り合うということは難しい。特に民主党にとって自民党に譲れば、その成果は政権党である自民党のものになる。それでも話し合うべきとなれば「大連立」によって政権の一方を民主党が担うしかないだろう。しかし「大連立」=「巨大政党」=「民意に反する」と感じる人が多すぎるため「大連立」もなかなか難しい。結局、政治が落ち着くためには早々に解散・総選挙を行い衆議院でも民主党など野党に過半数を与えるしかないだろう。国民はすでに民主党や野党に参議院選挙で過半数を与えた段階で政権交代を決心したことになる。幕末に大政奉還を行った徳川幕府と同じで、自民党も既に実質的な権力を失っているのだろう。幕末の歴史によると「大政奉還後に幕府と薩長による戊辰戦争が勃発」し最終的には「江戸城の無血開城」へと進んでいく。恐らく今の政局も「衆議院選挙」「政権交代」へと進むのだろう。ちなみに戊辰戦争の前までは幕府軍の力は薩長軍を上回っていたが、戊辰戦争初期の鳥羽・伏見の戦いで形勢は逆転した。形勢逆転の原因は、大阪城に陣取った大将の徳川慶喜が味方の将兵を置いたまま敵前逃亡したためといわれている。まるで政権を投げ出した安倍前総理の姿が重なって見えるようだ。さらに「錦の御旗」がバラバラだった薩長軍の結束力を高めたといわれているが、これも民主党が掲げる「国連主義」が「錦の御旗」のようにも見える。ところで幕府から政権を奪った薩長は、明治新政府を樹立し様々な改革を実行していく。その基本方針が「5箇条の誓文」であるが、民主党の政権政策の基本方針である「政策マグナカルタ」がこれに相当するのだろう。また廃藩置県は小沢代表が主張する「300自治体構想」かもしれない。しかし明治維新の三傑といわれた「西郷隆盛」「大久保利通」「木戸考允」らも維新から5年後に征韓論を巡って対立し、西郷隆盛は西南の役で自刃する。「歴史は繰り返す」ではないが民主党による新政権も数年後、「小沢」「菅」「鳩山」が朝鮮や中国政策を巡って内部分裂を起こすのだろうか。
2007年11月25日
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米国事情に詳しい無所属の江田けんじ衆議院議員が、日米首脳会談において米国側の関心の高いテーマは、1位は米国産牛肉(BSE問題)の輸入規制緩和、2位は「思いやり予算」(2300億円)の維持、3位は沖縄米軍のグアム移転等の日本負担費用(1兆円)、4位にインド洋上の給油(6年間で220億円)と述べている。どうやら米国の本音は、年間40億円のインド洋上の給油よりは、「思いやり予算」や沖縄米軍のグアム移転費をきちんと払ってくれる方が有り難いのかもしれない。自民党はテロ特措法に関連して「インド洋上から自衛隊が撤退すれば、日米関係が大変なことになる」と言っている。しかし現在政府が進めている「思いやり予算」削減によって日米関係が損なわれないのかについては何も言っていない。もっとも守屋事務次官と防衛商社との癒着が暴露され、防衛利権に世間の目が集まっているため下手なことは言えないというムードが政府や自民党内にあるのかもしれない。ところで「インド洋上の補給活動の油調達」や「沖縄キャンプ・シュワブの滑走路計画」「沖縄米軍のグアム移転の住宅建造費に関する通常の3倍以上の水増し予算」などに関し、久間、額賀などの防衛族議員が裏で暗躍しているという噂がかねてから流れている。守屋問題に見られるように防衛利権の闇は深いが、自民党政権による本格追及は自らの身を切り刻むことになるので出来ないだろう。しかし民主党が政権をとれば、防衛利権や外務省のODA利権などの腐敗が続々と表面化する可能性がある。もしそうなれば行政機構全体が大混乱に陥る恐れがある。当然、行政に対し国民の非難が集中するだろうが、社保庁の例のように役人のモラルが更に下がり行政機能が麻痺状態になるかもしれない。そうなれば国民生活にも多大な影響が及ぶだろう。このとき始めて国民は自民党に長期政権を委ねてきたことを後悔することになるのかもしれない。
2007年11月24日
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現在の衆参両院における議席構成の中で公明党の存在意義は乏しい。キャスティングボートを握っているわけではなもく自民党との連立を離脱しても国会の構成に基本的な変化はないからだ。強いて言えば自民党は衆議院での「2/3条項発動」の際に公明党の協力が必要ではある。しかし次期衆議院選挙で自公が2/3の議席を確保するのは絶望的だろう。もし民主党など野党が次期衆議院選挙で過半数を得れば「政権交代」によって自公は野党へ転落する。そうなれば公明党にとって自民党との連立の意味は無くなる。また与党が勝っても「ねじれ国会」は続くため自民、民主による大連立の可能性は高まる。いずれに転んでも公明党の存在価値は薄くなり、自民党に吸収されるか共産党のように野党として独自に戦うのかを迫られるだろう。振り返ると公明党は自民党の旧竹下派と連立を組んできた経緯がある。ところが小泉、安部政権とは「集団的自衛権の行使」などで理念的に対立していたが「政権のうまみ」を失うことを恐れ連立にしがみついてきた。しかし「平和の党」を自称する公明党が「国家主義者」と同居するのは無理がある。ところで自民党と民主党の「大連立」は政界の大再編を生む可能性を秘めている。自民党と民主党のバスが(一定期間の)大連立というトンネルをくぐり抜ければ、夫々のバスに違った人が乗っていたということは十分考えられるからだ。現在、自民党も民主党も右から左までの人材を抱え、党内で理念のねじれ現象を起こしている。もし同じ理念や考え方の人材が夫々の党に集約されれば政策も分かりやすくなる。例えば自民党は国家主義や市場原理主義の「新保守主義」に、また民主党は国連主義や生活第一の「保守主義」に集約されるかもしれない。一方、公明党は共産党や社民党のように2大政党の狭間に埋没する可能性は高い。もともと小選挙区制度は共産主義者や創価学会の支持を得ているメジャーでない政党をふるい落とす作用がある。どうやら先の参議院選挙における与党の敗北が公明党没落の始まりになってきたようだ。
2007年11月22日
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11月16日に行われた日米首脳会談では「インド洋での自衛隊による給油活動」の早期再開と、米国が検討している「北朝鮮へのテロ支援国家指定解除」について話し合われたようだ。拉致被害者家族会からは福田総理が首脳会談で反対姿勢を明確に示さなかったとして「失望」の声があがっていた。しかし11月20日、内閣府で中山総理補佐官が拉致被害者家族会に対し首脳会談の内容についての補足説明を行った。その際、中山総理補佐官は「首脳会談では拉致問題が真剣に話し合われた」と自信を持って説明したため飯塚副代表は「少しは落ち着いた」とコメントしている。ところで福田総理は11月21日、シンガポールのホテルで記者団に対し、「テロ新法」に関連し与党が「3分の2条項」を行使すれば民主党など野党が多数を占める参院で首相問責決議案を提出する構えを示していることについて「何のための問責かさっぱり分からない。僕を問責できるような人はいるかな」と述べた。さらに22日に予定されている野党各党との党首会談について福田総理は「テロ新法」の成立へ協力を求める考えを示し、同法案成立に強い意欲を表明している。しかし今更、野党党首と会談しても協力を得られる見通しはゼロである。なぜこの時期に福田総理が野党との党首会談を望んだのか疑問が残る。ひょっとすると日米首脳会談でブッシュ大統領は福田総理に「インド洋での日本の給油活動」の継続ができれば「北朝鮮のテロ支援国家指定解除」を先延ばしにすることを示唆したかもしれない。そこで福田総理は米国に「テロ支援国家指定」を暫く継続をさせるためにも「テロ新法」で「3分の2条項」の行使を決意したかもしれない。それが福田総理の「早期成立に全力を尽くす」という発言の具体的な意味なのかもしれない。ひょっとすると野党との党首会談でも「テロ支援国家指定」継続を盾に「テロ新法」成立への協力か、少なくとも「3分の2条項」行使による野党の問責決議案提出で国会を混乱させないよう働きかけをするのかもしれない。
2007年11月21日
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11月7日の小沢代表留任会見からはや12日が過ぎた。小沢代表は11月18日のフジテレビ番組「報道2001」で大連立構想について「真意が誤解された」とし「政権に入って民主党の政策を実現し、政権担当能力を示し選挙に勝つことが二大政党制への近道と考えた」と当時の心境について述べている。また「選挙区は自民、比例は公明のように党の存在を否定することはやらない」と選挙協力を伴う連立を否定した。当初、小沢代表は世論やマスコミから「二大政党制を否定」するものだと袋叩きにあったが、時間が経つにつれ小沢代表の真意が伝わるようになり、ようやく世間でも大連立に対する冷静な評価が行われるようになった。評論家の田勢康弘は11月19日の日経新聞のコラムに「法案が通らないねじれ国会」であれば大連立の構想は自然だとし「1年くらいの期限を切って閣僚を出し合い、政策について協議することは無茶な話ではない」と言う。むしろ反省すべきは小沢党首ではなく党首が何を考えていたか読むことができなかった民主党役員の方だとも批判する。確かに民主党にとって「大臣の経験」は政権奪取においてプラスに働けどマイナスにはならない。こうしたシナリオは政治のプロであれば普通なのかもしれない。最近では小沢代表の大連立構想に理解を示す民主党役員もでてきており、もし民主党などの野党が次の衆議院選挙で過半数を得られなければ大連立の可能性は強まるだろう。いずれにしろ参議院で野党に過半数の議席を与えた国民は、次の衆議院選挙で「与党を勝たせて大連立」の道を選ぶのか、「野党を勝たせて一気に政権交代」を実現するのかが問われることになるだろう。どちらにしても民主党が今後、国政の中で重要な役割を果たさなければならないことは間違いない。政治の世界では「相手の動きを読み解きながら、時には俊敏な対応行動を起こす」ことも必要だ。今回の騒動を通じ民主党議員には自らの「青臭さ」を反省してもらうとともに、小沢代表の政治力を見習い老練な自民党政治家やずる賢い官僚に負けない「政治のプロ」に育ってほしいものだ。
2007年11月19日
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ここ1、2年の政界の動きを見ていると国民は「政権交代」という歴史的転換点の真っ只中にいるように見える。事の始まりは偽メール問題で政治的未熟さ露呈して退場した前原代表に代わって選ばれた小沢代表の登場である。小沢代表は就任早々「政権交代」を掲げ「民主党議員の足腰強化」と「国民のためになる政策」に力を入れた。一方自民党は国民に人気があるという理由で小泉を総理に祭り上げたが、小泉は仇敵の経世会をぶち壊しただけでなく自民党の政権政党としての政治能力も崩壊させてしまった。小泉の後を継いだ安部も官僚敵視や「政治と金」にまつわる閣僚の辞任や自殺、「年金」問題などの処理で政治的未熟さを露呈し参議院選挙で大敗した。外交面でも「拉致問題」で強硬姿勢をとり続け交渉は膠着状態に陥り、また「テロ特措法」でも、自民党が過去あいまいにしてきた憲法解釈が安部を窮地に追い込み政権を放棄せざるを得なくなった。一方、民主党の小沢は党内分裂の芽を抱えながらも「生活が第1」を掲げた参議院選挙での勝利により党内の求心力を急速に高めた。参議院選挙で大敗した自民党は今まで好き勝手にやっていた国会運営が行き詰まり、役人に作らせた法案を嘘八百で糊塗し成立させることが困難になっている。そのため安部総理の後を継いだ福田政権は「民主党と話し合う」として「政策協議」や「大連立」などの奇策で民主党の抱きこみを始めている。しかし防衛省や厚労省などに見られる政官業癒着の構造に対し、政権交代の声は日増しに強まっている。未熟な民主党議員も「大連立」騒動で緊張感が生まれ、次期衆議院選挙に対する危機意識も芽生えてきたようだ。どうやら政権交代に向けた最後の決戦が始まろうとしているのかもしれない。
2007年11月17日
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天下りや談合などで「税金のムダ使い」がこれほど頻繁に報道されているのに、マスコミや多くの評論家は「消費税増税(5兆円~10兆円規模)」は当たり前という。理由は膨大な「財政赤字(800兆円)」を解消するためというが、既に行われた定率減税廃止(3兆円)の増税には言及せず馬鹿の1つ覚えのように増税大合唱である。行政による15兆円のムダに切り込んだ民主党の考え方にもう少し耳を傾ければと思うが、政府与党の「15兆円は夢物語」という発言を代弁するだけだ。もちろん「増税の世論操作」のために内閣官房機密費がマスコミや評論家にばら撒かれているのだろうが、それにしても何の理論武装もなくただ喚いているだけでは見苦しい。ところで行政コストを試算すると、現在中央及び地方の役人に支払われる労務費(給与や福利厚生など)は40兆円(内訳は人数が400万人、年間1人当たり平均1000万円)といわれている。この中には民主党が指摘する独立行政法人で働く準公務員の給与や天下り、談合、補助金など12兆円にのぼるムダ遣いは含まれていない。それらを入れれば行政コスト(人件費分)は50兆円を超すのだろう。国家の税金収入が40兆円であるから、それを超える行政コストがかかっていることになる。財政赤字の原因は福祉などの年金コストの増大(5兆円~10兆円)と政府与党は主張するが50兆円にものぼる膨大な行政コストにはも口をぬぐったままである。最近の防衛省など役所の税金ムダ使いに憤る国民も多いが、世論調査では国民の消費税アップに対する許容度は高まっており政府与党の世論操作が功を奏しているようだ。しかしこのまま自民党政権が続き消費税増税が当たり前のように実施されれば役人のム使いを助長し、日本は「役人栄えて国滅びる」ということになりかねない。
2007年11月15日
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永年の間「無原則外交」を続けてきた自民党政権は、いま「テロ特措法」と「拉致問題」という2つの外交、安全保障の難題にぶつかっている。政府は「テロ特措法」について「テロとの戦い」「国際貢献」のためと国民に対し理解を求めようとしているが、民主党は「国家の行動原則である憲法」に違反していると反対の立場だ。「拉致問題」についても小泉元総理は「拉致被害者の全員帰国」という原則を放棄し、北朝鮮が出してきた「拉致被害者13人(8人死亡、5人生存)」を呑んで「平壌宣言」を結ぶ政治決着を行ってきた。その後、拉致被害者の反発もあり13人以外の拉致被害者も返せと要求したが北朝鮮から約束違反と激しい反発を受けている。北朝鮮のこのような態度は日本人の感覚からすると盗人の開き直りのように見える。これに対して拉致被害者家族の蓮池透氏は11月11日放送のサンデープロジェクトで「日本政府はなぜ北朝鮮が日本に対して激しい怒りをぶつけるのかを理解して対応策を練るべき」と極めて冷静な発言をしている。蓮池氏は、小泉訪朝以来、日本政府は拉致被害者の全員帰国という原則を主張せず、4つのあいまいな政治決着(1つは2002年の小泉初訪朝と平壌宣言、2つめは拉致被害者5人の一時帰国で決着を図ろうとしたこと、3つめは小泉再訪朝と拉致被害者家族の帰国、4つめは横田めぐみさん遺骨問題)を行ってきたと批判している。拉致被害者からすると小泉政権は自身の支持率回復のために北朝鮮との間で「平壌宣言」というあいまいな政治決着をはかってきたという思いがあるようだ。国民感情からすると「5人でも帰ってきたのだからいいじゃないか」と思うかもしれないが、相手にそれで打ち止めと思わせたことになれば他の人は返還されなくなる。結局、最初に原則を決めずに日本政府が「北朝鮮の拉致被害者は13人」を認めたことが、その後の問題の解決が一歩も先に進まない状況を生み出した。安部総理が「拉致被害者の全員帰国」という原則を新たに持ち出しても、日本政府が「平壌宣言」に縛られる限り北朝鮮は約束違反と原則論を繰り返すだけだ。さらに蓮池氏は「拉致問題」解決に熱心な福田総理に対しても、また「あいまいな政治決着」をするのではないかと危惧の念を抱き、真の問題解決のためには「平壌宣言」を破棄し、もう一度再交渉すべきとも主張する。しかし「平壌宣言」の破棄は小泉訪朝の否定につながり、今の自民党政権下では実現は難しい。日本人の「あいまい」な交渉態度は相手を傷つけないなど良い面もあるが、文化の違う諸外国との外交交渉においては無原則やあいまいさは相手を怒らせたり、こちらの立場を不利に追い込むことになる。国民の間で小泉訪朝は高く評価されているが「拉致被害者の全員帰国」が実現しなければ日本外交の失敗であったといっても過言ではない。
2007年11月14日
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いよいよ北朝鮮の「テロ支援国家指定」解除が目前に迫ってきた。11月11日には米国訪問を終えて帰国した韓国の宋旻淳外交通商相が記者会見で、米韓両国が「北朝鮮の核施設無能力化や核施設と核活動の申告状況に合わせ、米国が北朝鮮のテロ支援国指定を解除し対敵国通商法適用を終了させる」ことで合意したと語った。一方、指定解除が近づいたことを察知した拉致被害者家族会や「救う会」のメンバーも、米政府が指定解除をしないよう要請するため11月11日に米国へ向かった。訪米中は、米国の有力議員やジョン・ボルトン米前国連大使のほか15日には6か国協議の米首席代表を務めるヒル国務次官補とも面会する予定だ。ところで日本政府も11月10日から中国・瀋陽で日朝両国の外交当局実務者による秘密裏の非公式協議を続けているようだ。今回の協議で日本政府は「拉致問題の進展に応じて、対北朝鮮制裁を段階的に解除する」意向を伝えるようだが、最終的には「テロ支援国家指定解除」に向けての環境作りを日朝両国政府で話し合っているのだろう。ここで焦点になるのは、どんな状況になれば日本は「拉致問題の進展」と判断し、米国に対し「北朝鮮のテロ支援国家指定解除」にOKを出すかである。巷間言われるように「よど号ハイジャック容疑者の日本への引渡しと、欧州で拉致された有本恵子さんら数人の返還」になるのかどうか。今のところ「拉致問題は解決済み」とする北朝鮮の原則論に押され、自民党政府はこの線で手を打つ可能性も高い。しかしそれでは国民や拉致被害者は納得しないだろう。その場合には、表では御用マスコミを使い、裏では「救う会」にもぐりこませた「住吉会」系のヤクザを使って国民や拉致被害者を黙らせるのだろうか。いずれにしろ「拉致問題」は米国や日本、北朝鮮による政府間駆け引きだけではなく、10兆円以上と言われる北朝鮮援助利権を巡って商社や闇社会、政治家が暗躍する舞台となりそうだ。結局、自民党政権の「無原則外交」のつけを払わされるのは彼らを選挙で選んできた国民や拉致被害者なのだ。
2007年11月12日
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最近の大手マスコミの退廃には目に余るものがある。今回の「大連立」騒動の仕掛け人と言われる読売新聞社の渡辺恒雄会長は、2ヶ月前から公器である新聞を使ってジャーナリストにあるまじき世論操作を行っている。マスコミ界のトップに君臨する人間がこうだから、現場の記者たちのジャーナリズム精神ルも推して知るべしである。また読売新聞以外の新聞やTV、評論家たちも今回の「大連立」騒動について「密室」だとか「小沢代表は無責任だ」など現象面ばかりを捉えた低レベルな分析や批評に終始している。実は、今回の騒動は日本の政治史上においても画期的な出来事だったのだが、複雑さ故に並みの国会議員や一般国民には理解が難しかったようだ。どうやら小泉政権以来、底の浅いパフォーマンス政治がもてはやされマスコミも本質を捉えた分析が出来なくなってしまった。ところが今回の問題を鋭く分析した論文が一部マスコミの中からでてきた。例えば11月9日のThe Commonsに載った田中良紹の「大連立を見てみたかった」という記事である。以下にその論文の要約を紹介する。私はかねてから「大連立話は政府与党が政権交代をさせないための罠だ」と思っていたから、初めは小沢氏がその話に乗ったことに驚いたが、4日に行われた小沢氏の辞任会見を聞いて、全く考えを一転させた。小沢氏が言う「大連立が政権交代の早道」というのは極めて説得力があり検討に値する話だった。勿論、国民が投票する選挙によって政権交代を果たすというのが正論である。だが次の選挙でそれが実現する保証はどこにもない。自民党にとって政権の座から滑り落ちる事は地獄を意味するから、全身全霊をかけて、あらゆる手段を使って選挙に勝とうとするだろう。民主党のスキャンダルを徹底して暴露してくるかもしれない。マスコミが民主党の候補者に二重丸の予想をつけて落選させる方法もある。今回の大連立を仕掛けた人物が会長をしている新聞社の記者から、「上司からの命令で上層部が気に入らない政治家を落選させるため、予想を二重丸に変更させられた」という話を聞いた事がある。とにかく次の衆議院選挙で民主党が過半数を獲得する事はそう簡単ではない。そのことを小沢氏は十分承知している。小沢氏は次の選挙に政治生命を賭けると言っているから、仮に次の選挙で民主党の議席を今の2倍に増やしても政治家を辞めなければならなくなる。そこに新聞社の会長から話があった。国家国民のためにねじれ国会をこのままにしておくわけにはいかない。大英断を持って連立を組むべきという話だったのだろう。福田総理からも会いたいと言ってきた。参議院選挙で惨敗したときから既に自公政権は「死に体」で、野党の協力なしに政権運営は全く出来ない。だから会いたいと言って来るのは当然だが、もしかすると自分を陥れる罠かもしれない。しかしどのような提案をしてくるのか会ってみる価値はある。小沢代表はそう思ったのではないか。政治の世界では古今東西どんな民主主義国でも機微に触れる重要会談をオープンでやる馬鹿はいない。密室でやるのが常識だ。特に交渉事であるならばなおのことそうだ。今回の党首会談はやる事を公表した上で行われた。それを密室談合と批判する人たちがいる。他の野党にとっては自分たちが排除される話だから批判するのは当たり前だが、メディアの中にそのような批判をする者が多いのに驚いた。いろいろな国の政治を見てきたが今回の党首会談を密室談合と呼ぶのはいささか政治を知らない素人の議論ではないか。鳩山幹事長が「大連立話は王手飛車取りのような陰謀だ」と言ったが、大連立を仕掛けた側にはそうした狙いがあったのだろう。小沢氏が大連立に応ずれば政権交代はなくなり、いずれは中選挙区制に戻す。そうすれば昔の自民党単独政権時代と同じ政治構造になる。もし小沢氏が大連立を拒否すれば、会談に応じた小沢氏に対して反発を誘う情報を流して民主党を分断する。ところが小沢氏は仕掛けられた大連立をまったく逆に転換する事を考えていた。大連立に乗ることで自公政権を自分の手の中に入れ、民主党の政策を次々実現させたうえ、次の衆議院選挙は自民と民主が別々のマニフェストを掲げて戦い、民主が過半数をとれば自民と手を切って政権交代を実現し、過半数にいかなければそのまま連立を続ける。新聞社の会長や自民党とは全く逆の思惑で事を進めようとしたのではないかと会見を聞きながら思った。大連立と聞いてすぐ「大政翼賛会だ」とか「中選挙区制に戻る」と短絡する人がいるが、これも余りにも単純すぎる。連立を決めたら2つの政党が直ちに1つになるわけではない。まず政権協議が行われて、連立の条件が話し合われる。今回の連立は与党の側が必要としているから与党が譲る形の政権協議になる。小沢代表が言うように安全保障政策の大転換が図られた可能性は高い。次に参議院選挙で民主党が国民に約束をした年金法案、子育て支援、農業政策も自民党が飲む可能性がある伝えられているところでは大臣ポストが民主党に6つ用意されたという。年金の厚生労働大臣、子育ての少子化担当大臣、農業の農林水産大臣を当然小沢氏は要求しただろう。その上財務大臣などが取れたらその意味は大きい。国の財政を民主党が握れることになる。小沢副総理という話もあったというが、小沢氏ならば副総理でも十分総理を超える力量を発揮した可能性がある。自民党の一部に大連立を危惧する声があったのは、庇を貸して母屋を乗っ取られる恐れがあったからだ。その危惧は当たったのではないか。大連立になれば選挙は限りなく遠のく。2009年の任期切れまで選挙はない。その間民主党の若い政治家も官僚機構を内側から十分に知る事が出来る。政権を取れば野党のときとは違い、正論を吐いて国民に訴えるだけが仕事ではなくなる。弁舌だけで出来る仕事ではない。明治から続く岩盤のような官僚機構と戦わなければならない。一方で野党からの攻撃もかわさなければならない。さらに権力を持つものには蟻が蜜に集まるように得体の知れない者が近づいてくる。本人にではない。家族、兄弟、親戚、秘書らにおいしい話が次々持ち込まれて落とし穴が用意される。そうしたことを潜り抜ける鍛錬もしなければならない。そして小沢氏は、選挙になれば自民党と別々のマニフェストを掲げて戦うという。ここがおそらく国民には最も分かりにくいのかもしれないが、現在公明党と自民党は別のマニフェストで選挙を行っている。連立でも別のマニフェストを掲げる事は出来る。小泉政権では自民党が郵政民営化を巡って分裂選挙をやった。昭和27年には自民党の前身である自由党が吉田派と鳩山派に分かれ、再軍備賛成と反対で真っ二つに割れて分裂選挙をやった。連立を組んだから小選挙区制は駄目で中選挙区制でなければならないと小沢氏は考えていないのではないか。民主党が中選挙区制を拒否すれば中選挙区制には絶対ならない。連立を組んでいても選挙が近づけば民主党は自民党との違いを鮮明にして国民に選択肢を与えることも出来る。選挙の結果、過半数を越えれば自民党と別れて民主党単独政権が出来る。過半数を越えられなければ、自民党はそれでも連立を必要とするからまた連立協議をすればよい。自民党が約束を守らなければさっさと連立を解消する。かつて小沢氏は小渕政権でもあっさりと連立を解消した。あのときは公明党がその穴埋めをしたため自民党も別れられたが、今度は民主党に逃げられたらどうやっても参議院の過半数を自公が回復する事は出来ない。だから自民党は民主党の要求を飲むしかない。この大連立構想に問題があるとすれば国民が求めたものではないということだ。その点で怒っている国民が多いと思う。しかし国民の求めるものが常に正しく、国家にとって良いことなのか。民主主義は国民が政治の主役である。しかし同時に民主主義は国民を信用しているわけではない。国民の言うとおりにすると間違う可能性があるというのも民主主義の考えの基本なのだ。だからギリシアの昔から直接民主主義ではなく間接民主主義が採用されている。国民の間違いを直す役目を負っているのが政治家なのである。国民の言うことを聞き、国民に人気のある政治家が優れた政治家とは限らない。国民に不人気の政治家こそ本物の政治家として評価された例はいくらでもある。だから政治家は時には国民の声を無視して事を決断することもある。最近の政治家を見ていると、国民の声を聞き、毎日街頭で国民に訴えるのが良い政治家だと勘違いしているのが一杯いるが、政治はそんな単純なものではない。小沢氏は国民の不人気も覚悟しながら大連立に乗ろうとしたのだろうが、私の想像通りならば、私は大連立を見てみたかった。竹下政権以降小粒な政治家のちまちました政略ばかりを見せ付けられてきたが、今回の騒動は久しぶりにダイナミックな政治の駆け引きを見せてくれた。それが理解されていない事が何ともさびしい。
2007年11月10日
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8月初旬に行った時事通信社の世論調査によると「自民、民主両党などの大連立」への評価は28%、「自民党中心の政権」の23%、「民主党中心の政権」の23%をしのぐ支持であった。この理由としてマスコミは、国民が「ねじれ国会での政局不安定化」に懸念し大連立を支持したと評価していた。ところが大連立騒動後の11月3,4日に朝日新聞が行った世論調査では「自民、民主両党の大連立」を評価するのは36%、評価しないは48%で国民は大連立に否定的という全く逆の評価をしている。この2つの世論調査を別の視点から分析すれば、大連立への国民の期待は8月の28%から11月の36%にアップしたともいえる。ところで政権維持のためには何でもやるヌエのような自民党にとって大連立は「ねじれ国会」の行き詰まりを打開する奇策だったのだろう。一方小沢代表は「大連立で政権の一翼を担えば民主党の政策が実現し、国民に民主党の政権担当能力を示すことができ衆議院選挙にも勝利できる」と考えていたようだ。特に外交や安全保障面では「自衛隊の海外派遣に関する恒久法」に自身の持論でもある国連中心主義の考え方を盛り込めると期待したのだろう。また内政面でも「強大な権力を持つ官僚組織の大改革(補助金行政の是正)」も大連立でやりやすくなるだろう。そうなれば15兆円にものぼる行政のムダを無くし「農業者戸別所得補償」や「子供手当て」「基礎年金の全額税負担」など予算が必要となる民主党の政策の実現性も高くなる。さらに政局的には、自民党内で大連立を支持する町村派のグループと麻生前幹事長などの反対派グループが分裂する可能性もある。さらに大連立によって影が薄くなる公明党も連立離脱を考えるかもしれない。もし自公を分断できれば公明頼みで選挙を戦ってきた自民党は壊滅的打撃を受けるだろう。こう考えると大連立は民主党にとっても大きなメリットがあるようにも見える。そのためか当初、大連立に否定的であった民主党内からも一定の理解を示す議員も増えてきた。しかしこのような複雑で高度な戦略には落とし穴もある。「他党の政策を丸呑みして自分たちの成果」にする自民党の図々しさに未熟な民主党が太刀打ちできるのか。また自民党内の分裂や自公の分断を図ろうとして、かえって民主党のほうが分裂させられる危険もある。果たして大連立が国民のためになるのかどうか、まだ予測は難しい。
2007年11月09日
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「大連立」騒ぎは小沢氏の代表辞任撤回でひとまず一段落したが、小沢代表のその後の記者会見や様々な報道から真実が少しづつ見え始めている。どうやら「大連立」構想は読売新聞の渡辺恒雄会長が影の仕掛け人であったようだ。まさに渡辺は徳川家と薩長の連立政権案「船中八策」を進めようとした坂本竜馬の役割を担ったようだ。一方小沢代表は福田総理が「自衛隊派遣の恒久法に国連決議の原則を盛り込む」という小沢の主張に応じたため、連立政権構想や政権協議に前向きになったようだ。また次期衆議院選挙は民主党にとって厳しいという認識もあり、連立構想を逆手にとって政権交代を成し遂げようと考えた節もある。ところで幕末期の徳川幕府軍は薩長軍に対し装備や兵員面でも圧倒的優位に立っていた。しかし長州の高杉晋作らは農民や町民による奇兵隊を組織し、第二次幕長戦争(長州征伐)や幕府と官軍の雌雄を決した戊辰戦争において圧倒的に優勢な幕府軍を破り明治維新を成し遂げた。現在、衰えたとはいえ自民党の力は民主党を超えるであろう。しかし民主党が奇兵隊ならぬ国民を味方につければ自民党と民主党の雌雄を決する戊辰戦争、すなわち次期衆議院選挙で勝利することは可能だ。世の中が大きく変化しようとしているときは、「大連立」のような奇策を弄するより「国民生活第一」の志を貫くほうが王道であろう。いま自民党や読売新聞は「大連立は小沢代表が持ちかけた」と得意の嘘八百を並べ立て民主党内をかく乱しようとしている。また民主党内でも反小沢の仙石や枝野らも小沢代表の続投に難くせをつけているが、しょせんは小人のたわ言である。いま民主党に求められるのは一刻も早く国民の信頼を回復することであろう。従ってこれからの延長国会で重要なのは「テロ新法」にはあくまで反対し、福田総理も認めた「国連決議の原則を盛り込んだ恒久法」を実現することだろう。さらに内政については民主党が国民に約束した「生活第一」の法案を参議院で可決して欲しい。実際に実現するのは政権を取ってからでも遅くはないだろう。また国民が心配する民主党の「政権担当能力」については民主党議員に早く政権運営を経験させるのが一番だ。さらに小沢代表が常日頃やかましく言っている「地域に密着した選挙活動」が、今回の騒動で民主党の若手議員の背中を押すことになれば、まさに「雨降って地固まる」ことになるだろう。
2007年11月07日
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福田総理と民主党小沢代表との間で話し合われた連立政権協議が決裂し、小沢氏はその責任をとって民主党の代表辞任を表明した。辞任会見で小沢代表は「福田総理が自衛隊派遣の恒久法に対し自身が主張してきた国連決議の原則に応じた」ため連立政権も含めた政策協議を進めようとしたが役員会で拒否されたため辞任を決意したと述べた。もともと健全な2大政党制を主張し、対立軸を明確にして与党と対決姿勢をとってきた小沢代表が大連立構想に乗ろうとした真意は何だろうか。小沢代表は役員会で自民党との政策協議を行えば「民主党が参院選で訴えた政策を実現できる」とし国民の信頼を得て「政権奪取が可能になる」と説明している。さらに「このまま参院選で国民に約束した政策が実現できなければ次期衆院選は厳しい」とさえ語っている。しかし次の衆議院選挙は「風頼み」で勝てると呑気に考えている民主党の役員や議員の多くは「大連立」は不要と考え、また「参議院で与党を追い詰める」というかつての社会党的手法を主張し「政策協議」についても反対している。小沢代表は辞任会見で民主党議員の甘さを指摘するとともに次期衆院選の準備が進んでいない現状に不安を持っていることも率直に述べている。恐らく地道な選挙活動を行わない民主党若手議員の姿を見て選挙のプロである小沢代表は不安で一杯だったのだろう。そこで今回の「大連立」構想に乗ったのではないだろうか。ところで大連立構想の裏には「自民党と公明党の選挙協力を切り崩す」狙いもあっただろう。また自民党と民主党が大連立を行い、その後ガラガラポンで2つの政党に割れれば民主党の人材不足も解消し、真に政策が対立する2大政党が実現するとも考えたかもしれない。どうやら小沢代表にとって「大連立」は政界再編へ向けての極めて高度な政治戦略であったようだ。今回の小沢代表の辞任表明はこの戦略を理解できない役員に愛想をつかしたという側面と、辞任表明で民主党議員を目覚めさせるショック療法であったのかもしれない。もしここ数日で民主党議員が目覚めなければ小沢代表は辞意を貫くかもしれない。
2007年11月06日
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11月2日の午後、福田総理と民主党の小沢代表による第2回の党首会談が開かれた。会談で福田総理は重要法案の成立の見通しが立たない状況を打開するため小沢代表に新体制(連立政権)への参加を申し入れた。小沢代表は2日夜にこの提案を党内に持ち帰り役員会を開いたが「拒否」する方向で決したようだ。今回の「大連立」は幕末の英雄、坂本竜馬の「船中八策」に共通点を見出すことができる。「船中八策」は薩長連合で危機に瀕した幕府を救うべく土佐藩の坂本竜馬が1867年に編み出した奇策である。具体的には「大政奉還」で幕府が天皇家に政権を返上し、その後上下議員制度による雄藩連合(連立政権)を作り徳川慶喜がリーダーとなる案だ。この案に乗った徳川慶喜は同年12月「大政奉還」に応じたが、何としても徳川家を潰したい薩長連合は雄藩連合(連立政権)を拒絶した。また幕末の騒乱を鎮めるために「船中八策」を画策した坂本竜馬も「大政奉還」の1ヵ月後に暗殺された。これ以後、幕府と薩長連合は全国規模の戊辰戦争(1968年~1969年)に突入し幕府軍は大敗した。薩長連合は1968年に江戸へ攻め上ったが、江戸が火の海になることを恐れた徳川慶喜は江戸城を無血開城し明治新政府の新体制が出来上がった。今回の福田総理の「大連立」構想は坂本竜馬の「雄藩連合」に相当するのだろう。しかし民主党内の大勢は「大連立」ではなく自民党と選挙で戦って「政権を奪い民主党政権を作る」ことのようだった。民主党にとって選挙で自民党を破れば徳川幕府のように自民党は崩壊すると見ているのだろう。やはり「大連立」は歴史的に見れば中途半端な選択かもしれない。「大連立」構想を拒否された福田自民党は衆議院選挙で戦わざるを得なくなるだろう。1867年から1868年の間に起きた幕末における政権交代の歴史が今再び甦りそうである。
2007年11月03日
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かつて自民党は森政権の末期に「派閥政治」「密室政治」を非難され、下野せざるを得ない状況に追い込まれた。そこに登場したのが小泉元総理である。彼は分りやすい言葉で語りかけ多くの国民の支持を得て自民党は蘇ったかに見えた。ところが「自民党をぶっ壊す」という言葉どおり、小泉政治は自民党の政治家も壊してしまった。従来の自民党の政治家は総理・総裁を目指し「派閥」という村の中で過酷な権力闘争を戦い抜いてきた。ところが小選挙区制度の導入によって党執行部の力が強くなる半面「派閥」が機能不全に陥り、さらに選挙に勝つため「政治力」より「国民受け」する政治家を総理に担ぐ状況が生まれてきた。その代表格が小泉元総理であろう。その後自民党は「国民受け」するという理由で権力闘争とは無縁の安部を総理に選んだが、ひ弱な安部は総理の重圧に耐え切れず途中で政権を投げ出すという前代未聞の行動に出た。小泉、安部政権の6年間を通じ、自民党の有力な政治家は外へ放り出され、自民党に残った政治家は魂を抜かれたようにポストだけを追い求めるようになった。、かつての自民党の総理・総裁であった田中角栄、大平正芳、竹下登、橋本龍太郎らは卓越した「政治力」で官僚を動かしていた。しかし「官僚丸投げの小泉」「官僚と対立した安部」「官僚頼みの福田」を通じ、官僚は政治家を自由に操るまでに強大化した。やり放題となった官僚組織が腐敗まみれになっていくのは当然の帰結であろう。ところで「政治力」があるとは、政治哲学や原則を持ち自らの政策を実行する力である。現在の与党の政治家は「政策は官僚任せ」で自己顕示欲や私利私欲の塊となってしまった。自民党内で次期総理と言われている麻生太郎や小池百合子もパフォーマンスだけの小粒政治家でとても「政治力」があるとは思えない。政治家を見事に無能力化した小泉政治のおかげで「政治力」を持った本当の政治家はすでに与党には存在せず、野党民主党の小沢一郎や無所属の平沼赳夫くらいだろう。しかし彼らの政治生命もそう長くは無い。彼らを超えるような若手政治家は現時点で見当たらず、10年先の日本の政治を考えると暗澹たる思いになる。
2007年11月02日
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10月30日に行われた党首会談について与野党から様々な発言が出ている。与党内部では「解散・総選挙」か「大連立」かといった噂が飛び交かい、党首会談から外された公明党は幹部クラスが不快感を示している。また民主党内では当初「わが党を攻撃するための総理や与党の謀略か」といぶかしむ声も出ていた。しかし会談後、小沢代表は30日夕の党役員会で「大連立や解散・総選挙、国会の会期延長など政治的話は一切なかった」と強調し「総理はテロ新法案などいろんな問題で行き詰まっているようだ」と説明、「どうも政府は判断能力がなくなってきているのではないか」とも指摘した。ところで現在の日本の政治は、幕末における「徳川幕府」ならぬ「自民党政権」と「薩長連合」ならぬ「民由連合(現民主党)」との決戦の様相を呈している。「徳川幕府」最後の将軍である徳川慶喜は「薩長との決戦を覚悟で江戸を火の海にするのか、江戸城を無血開城し政権を返上するか」という判断を迫られた。結局、将軍徳川慶喜は「江戸市民を苦しめることになる薩長との決戦」を避け「政権返上」という賢明な選択をした。いま福田総理も「ねじれ国会」で民主党と戦い「国民に迷惑をかける」のか、民主党に「政権を渡す」のかという瀬戸際に立っている。さて福田総理がこのような難しい時期に党首会談を呼びかけた狙いは何だろうか。260年も続いた江戸幕府の統治機構が腐敗していったように、現在の自民党の長期政権下においても厚生労働省や防衛省の不祥事に見られるように政治・行政システムが完全といっていいほどの制度疲労をきたしているのは間違いない。恐らく「政権交代」が無ければ日本の政治と行政をもう一度、正常に戻すのは不可能である。福田総理も政治、行政の機能を回復させ正常化するには一度、組織を壊して再建する方がよいと考えているかもしれない。また「ねじれ国会」での自民党と民主党の激突は決して日本のためにならないと考え、さらに民主党と自民党では基本的理念や政策は殆ど変わらないので政権交代しても混乱は少ないと見ている節がある。もし福田総理が賢明な政治家であれば、自民党最後の将軍「徳川慶喜」になるかもしれない。一方薩長連合ならぬ民由連合は、旧自由党の小沢一郎が西郷隆盛、旧民主党の菅、鳩山が長州の木戸孝允、伊藤博文に相当するのだろうか。そして今回の「党首会談」は福田幕府が薩長連合の民主党に江戸城を引き渡すセレモニーの始まりかもしれない。ところで幕末には幕臣でありながら幕府に引導を渡した勝海舟が政権交代のキーマンであった。現在、自民党の中に勝海舟のような「天下国家」を考え自民党に引導を渡す政治家がいるのだろうか。先日マスコミは小沢代表と与謝野馨前官房長官が囲碁を指したことを報じていた。恐らく小沢代表と気軽に話せ、かつ福田総理にも直言できる人材は自民党内では与謝野くらいだろう。ひょっとすると現代の勝海舟は与謝野かもしれない。いずれにしろ11月2日に行われる福田、小沢会談では解散・総選挙や政権交代に向けた話し合いが行われる可能性もあり、そうなれば来年には民主党政権による平成維新が始まるだろう。
2007年11月01日
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福田総理と民主党の小沢代表が10月30日に国会内で初の党首会談を行った。マスコミは福田総理が小沢代表に対しテロ新法の協力を要請するために党首会談を開いたと報じているが、「特措法は認められない」との立場を堅持する小沢代表を説得するために党首会談を開いたとは考えにくい。会談後、福田総理は「ねじれ国会で衆参の意見が違う状況をどうするか、一番、頭を悩ませている」と延べ「民主党は協力政党だ」とも強調している。また小沢代表も「一般論として協力できることは協力する」と柔軟姿勢を示し、31日に予定していた党首討論を延期してまでも再度11月2日に党首会談を行うことでも一致した。会談の中身は分らないが最近の政治情勢や双方の話し振りから推測すると「政策や政局全般を通じ両党が合意できる一致点」について話し合ったのだろう。例えば年金制度改革についても意見交換したと報じられているが、恐らく民主党の「基礎年金の全額税方式」について消費税との関連で突っ込んだ話し合いがされたかもしれない。また「テロ新法」について民主党はイエスとは言わないだろうが、ひょっとすると「テロ新法」の対案として民主党が提出予定している「ISAFへの民生支援」法案を政府や与党が丸呑みすることも考えられる。元々「テロ新法」は米国の機嫌を取るための法案であり、米国が「ISAFへの民生支援」で納得すれば政府・与党も問題ない。いずれにしろ「衆参ねじれ国会」で自民党と民主党が双方の法案を否決しあう状況になれば国会は機能不全に陥る。それを防ぐためにも、話し合いで両党の法案をできるだけ可決する方向で協力し合おうとしているのではないか。そうなれば野党の民主党も国民に約束した政策を実現できるし、与党も円滑な国会運営が可能になる。今までも国会の場で与野党は話し合いをしてきたが、どうしても対決基調になってしまう。そこで党首会談で福田総理は「政府・与党の譲れる限界」を示し、小沢代表との間で合意点を見出そうとしているのだろう。果たして今回の党首会談が「衆参ねじれ国会」を円滑化する特効薬になるのか、もう暫く様子を見る必要があるだろう。
2007年10月31日
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21世紀はBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)の時代だと言われている。米国やEUとともに広大な国土を持つこれら大国の中で島国の日本は21世紀をどう生きていくのだろうか。日本の強みは高い「教育」レベルと高度な「技術力」を保有していることであり「科学技術立国」こそが将来の道かもしれない。特に経済発展するBRICSは近い将来CO2の巨大排出大国になることは間違いない。これに対し日本の技術力は地球的規模の課題でもある「環境問題」を解決する切り札になるだろう。また日本のもう1つの切り札は「自国を守る以外は他国の戦争に与しない」という世界でも例の無い「平和憲法」である。しかし世界には北朝鮮のような無法国家もある。これに対応するために日本は米国の核の傘に依存してきた。しかし米国の軍事力に頼りすぎれば、当然のことながら米国の言うことは何でも聞かざるを得なくなる。イラクやインド洋への自衛隊派遣も「国際貢献」と奇麗事をいうが、結局は米国の機嫌とりであることは間違いない。現在世界は米国による単独覇権から米国やEU、中国、ロシアなどの列強が並び立つ多極化の時代へと向かいつつある。その中で日本が採っている対米追従政策は長い目で国益を損なうことにもなりかねない。そこで「日米安保」を中心に据えてきた日本の外交や安全保障政策を多角的・柔軟に見直す時期が始まったと言える。そこで外務省は対中国包囲網としての「自由と繁栄の弧」構想を独自外交の1つとして力を入れようとしてきた。しかし中国との関係を最重視する米国のライス国務長官から「中国が入っていませんね」と牽制球を投げられ頓挫している始末だ。確かに2050年には世界1のGDP国になる中国を敵に回した外交が成立する訳が無い。ここは中国が好きとか嫌いといった問題ではなく、この国とどう積極的に向き合うのかを考えることが重要だ。米国が中国に対し最も関心を寄せるのは金融、エネルギーなどユダヤが最も力を入れる分野だろう。そこで日本は米国とぶつからないようにCO2排出大国でもある中国と技術や環境面で連携することが現実的だろう。また今後は、6カ国協議を基盤にした北東アジアの安全保障、さらには中国、朝鮮、日本、ASEANによる東アジア経済圏構想などが具体化するだろう。その中で日本は「国連中心主義」に徹し、米・中・露といった列強に対しても日本の強みである「平和主義」や「環境主義」を訴えることで「諸外国から尊敬される国」を目指すべきだ。残念ながら現在の政府・与党は、民主党小沢代表の「国連中心主義」に対し「中国やロシアが反対したら何も出来ない」とネオコンと同じことを言って反対する。「対米従属主義」で凝り固まる自民党では、世界情勢の変化に対応できる戦略は描けない。やはり政権交代が無ければ日本は激動する世界の中で取り残されてしまう。
2007年10月30日
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政治の世界では閣僚や国会議員、官僚の嘘が横行している。石破防衛相は「インド洋の自衛隊の補給艦はイラク戦争向けの艦船に給油していない」と嘘をつき、福田総理は官房長官の時代に「キティーホークには20万ガロンしか給油していなかったからイラクには行っていない」と嘘をついた。また守屋前事務次官は業者との癒着を否定し、厚生労働省の役人も肝炎患者リスト放置しておきながら偶然見つかったと嘘をつく。そして嘘がばれると決まって「単純ミス」だと見苦しい言い逃れをする。戦前においても政治家や軍部が嘘をつき国民を戦争に巻き込んでいったが、その構図は現在も変わらない。何故、政治家や役人はこのような見え透いた嘘をつくのだろうか。物事というのは必ず筋道(道理)がある。ところが目先のことに囚われて嘘をつくと筋道から外れ、それを取り繕うためさらに嘘を拡大して大問題になる。政治家や役人の場合も「その場しのぎ(無原則)」の対応がこのような「嘘の上塗り」を生んでしまうのである。もし「テロ特措法」が憲法の原則に反していないならば「20万ガロン」と嘘を言ったり「イラク向けの艦船には給油していない」などの嘘をつく必要は無かったろう。また役人が「公僕」という原則を認識していれば「肝炎患者リストが無い」など場当たり的責任逃れの嘘は言わなかったろう。このような嘘は民間でも同じように発生している。例えば「赤福」も彼らの経営理念という原則をきちんと守っていれば、あんな不正は行われず、また嘘をつく必要も無かった。原則を軽視して場当たり的対応をすれば問題を起こし、結局嘘をつくことになる。ところで政治家すべてが嘘つきだと言うわけでもない。例えば民主党の小沢代表のように「原則」や「理念」にこだわる政治家は決して嘘をつかない。また彼の政策は国民の視点に立つとともに、口先だけの奇麗事ではなく極めて体系的、論理的、現実的である。しかし世の中には物事を感情的に捉えたり論理的に考えられない低レベルの政治家や評論家も多い。この手の連中の特徴は自分としての「原則」や「論理」を持っておらず、発言内容はその場しのぎで嘘つきの人間が多い。例えば小沢代表の「国連中心主義」について「国連は中国やロシアが反対すれば何も出来ない」から「国連中心主義」は幻想だと批判する連中だ。彼らは「国連は頼りにならない」と言いつつ、一方では「国連から謝意の決議をもらった」と大騒ぎし「テロ特措法」は正当と主張するなど支離滅裂な論理展開だ。こんな連中に政権を任せていたから嘘八百や詭弁の政治になってしまった。政治家や役人も悪いが選んだ国民にも責任はある。
2007年10月29日
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日本最大の国家主義者の団体である「日本会議」の国会議員懇談会の設立10周年記念大会が10月6日、東京都内で開かれた。安部前総理や三好元最高裁長官から極右翼団体までが参加する同会議では福田政権が「所信表明で憲法改正に触れなかった」と批判し国家主義の後退に強い懸念を示した。ところで現在世界には民主国家や共産国家、王政国家など様々な政治形態が存在する。これらの政治形態の特徴を対比してみると、神などの霊的意思に従う「神秘主義」に対し国民、労働者の意思に従う「世俗主義」、さらに統治者が権力の継承で選ばれる「世襲制」に対し、国民が直接・間接的に選挙で選ぶ「代議制」に分類することができる。これを4象限のマトリックスであらわすと1)「神秘主義」&「世襲制」2)「神秘主義」&「代議制」3)「世俗主義」&「世襲制」4)「世俗主義」&「代議制」となり、夫々の政治形態を大まかにポジショニングすると1)は「王政や独裁国家」2)は「国家主義」3)は「共産主義」4)は「民主主義」と分類できる。国民の民度が低いと「強力な権力者頼み」の1)や3)の形態になり、また政治力が低いと政治家は「神頼み」の1)や2)の形態になる。そして民度や政治力が向上すれば最終的には4)民主主義へ行き着くのだろう。ところで戦前の日本は国民の民度も低く政治力も未熟であったため軍事独裁的な国家主義に陥ってしまった。戦後はGHQから民主主義を与えられ民度や政治家のレベルは相当高くなったが、安部前政権のような国家主義が根強く残っていることはまだ本当の民主主義にはなっていないのだろう。しかし国民は参議院選挙で安部政権の憲法9条改正や教育基本法など国家主義的動きを拒否することで民度の高さを示したのだろう。米国でもブッシュ政権の第一期は「キリスト教原理主義」という神秘主義で国家主義的政策を進め、イラク戦争を泥沼化させる政治的失敗を犯した。第二期目では中間選挙に敗けたことでネオコンなどの理想主義的政治勢力が政権内から姿を消し、現実的政治力を持った国務省などの勢力が力を得たことでより民主主義的になった。このように民度の高い米国や日本国民のいずれもが、ここ1年の間に行われた国政選挙を通じて国家主義や傲慢な政治スタイルにNOを突きつけている。今後、ロシアや中国など世界の非民主主義国家が健全な民主国家になるためには、国民の自立性を高めるとともに、常に民意に耳を傾け透明化を図る政治が必要であろう。
2007年10月28日
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10月第4週になって「拉致問題」が急速に動き出した。10月24日には「拉致問題」に同情的であったシーファー駐日大使がブッシュ大統領に公電を送り「テロ支援国家指定解除」をしないよう求めているが、見方によっては米政府もいよいよ指定解除に踏み切ろうとしていることを示唆しているのかもしれない。翌25日にはジョーダン一等書記官が横田滋さん等の拉致被害者を米国大使館に招き意見聴取を行った。その中でジョーダン氏は「拉致問題は日朝の2国間問題」であり「指定解除の条件に拉致問題は関係しない」との見解を示すなど、年末に向けての北朝鮮に対する「テロ支援国家指定解除」を臭わせるような発言をしている。一方日本側も高村外相が25日の参院外交防衛委員会で「何人かでも帰国すれば拉致問題の進展であることは間違いない」との認識を表明している。また福田総理も26日に就任後始めて首相官邸で拉致被害者と面会し、北朝鮮との対話で拉致問題を解決する意気込みを示した。ところで安部前政権は当初「拉致問題の解決」なくして経済支援も無いという強硬姿勢であったが、6カ国協議の進展や米朝接近の影響で「拉致問題の進展」でも可とするようになった。ここで「拉致問題の進展」とは巷間言われるように「よど号ハイジャック容疑者の日本への引渡しと欧州で拉致された有本恵子さんら数人の返還」の可能性が高い。米朝国交正常化を果たしたい米国政府の圧力もあり、いよいよ福田政権は安部前政権の「圧力重視路線」から北朝鮮との「話し合い重視路線」に舵を切り始めたようだ。恐らく水面下では「拉致問題進展」の落とし所を北朝鮮と話し合いつつ、「経済制裁解除」や「エネルギー支援」に向けた筋書き作りを始めているのだろう。交渉の最大の課題は北朝鮮の「拉致問題は解決済み」という原則論と、日本政府の「拉致被害者全員返還」とのギャップが埋まるかどうかである。日朝交渉で「拉致問題が進展」し「継続交渉」となったとしても、テロ支援国家指定が解除されれば多くの拉致被害者が歴史の闇の中に消え去ってしまう可能性も高い。
2007年10月27日
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民主党の長妻議員が税金や保険料のムダ使いについて「HAT-KZ」という略語を提案している。Hは「ひもつき補助金(中央省庁が自治体に不要な事業を申請させる)」、Aは「天下りあっせん・仲介」、Tは「特別会計(天下りを養う原資)」、Kは「官製談合」、Zは「随意契約(特定の天下り企業に高値発注)」である。今まで自民党政権は国民向けに「行政のムダ」を撲滅するポーズだけは示してきたが、「政官業」の癒着が極まわる中で役人の税金ムダ使いは益々ひどくなっている。そのしわ寄せが増税と言う形で国民に降りかかっているのだが、増税したい政府はマスコミを操り「少子高齢化だから消費税増税は仕方が無い」という世論喚起に一生懸命だ。ところが民主党が「HAT-KZ」で14兆円ものムダがあると指摘、消費税増税は当面不必要と<余計なこと>を言い出したため、慌てた自民党は「支出の多くは年金や社会保険の支払いであり行政コストは僅か」と言い訳けし、民主党の「行政コスト削減は夢物語」と打ち消しに必死である。ところで一般会計と特別会計を合わせた国家の総支出は240兆円程度ある。そのうち年金や保険料、教育費など国民に直接支払っているお金は60兆円、また公務員400万人に支払われる労務費は40兆円である。これらの経費と比較しても「HAT-KZ」でムダ使いされている14兆円という数字が如何に大きいかよく分かる。現在自民党は基礎年金の国庫負担を1/3から1/2にするために消費税を2%程度上げたいとしている。しかし14兆円のムダ使いは消費税の7%アップに相当し、ムダ使いさえ無くせば消費税アップは不要だろう。消費税を上げたい政府・自民党にとって「HAT-KZ」は決して国民に知られたくない「不都合な真実」なのだろう。
2007年10月26日
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米国は自由主義のチャンピオン国家である半面、冷戦時代を通じ今日に至るまで世界最強の核兵器や軍隊を保有し、また自国の国益のためにはCIAのような秘密工作機関を使って他国政府の転覆や政府首脳の暗殺も実行してきた恐ろしい国家でもある。そのため日本政府は戦後一貫して米国に忠誠を尽くす「親米外交」を採らざるを得なかった。しかし小泉政権で極端な「媚米外交」を行ってきた自民党政府も、米国の覇権がイラク問題で陰りを見せる中、微妙な姿勢の変化を見せている。例えば「在日米軍再編に絡む普天間基地移設問題」や「在日駐留米軍経費(思いやり予算)の負担軽減」などでは、遠慮しながらも米国の言うがままにはならないようになってきた。特に現在国会で問題になっているインド洋での海自の給油継続問題では「中断すれば日米関係を損なう」と言いつつも政府・与党内には来春以降に先延ばしする声も出てきている。恐らく防衛省の不祥事もからみ「テロ新法」の成立を強行すれば世論の反発を買い政権を失うかもしれないと思いだしたのだろう。ところで世界情勢が激変する中で日本外交は難問山積である。6カ国協議で米国が北朝鮮の「テロ支援国家指定解除」を行えば「拉致問題」の解決は程遠くなってしまう恐れもある。また日米関係だけではなく日中関係も東シナ海の油田開発で進展は見られず、ロシアとの北方領土問題も話し合いの兆しすらでてこない。政権交代したからといってこれらの問題が直ぐに解決されるとは思えない。しかし自民党の「対米追従外交」が、民主党政権になれば「国連中心外交」に転換する可能性は高い。小沢代表が「テロ新法」に反対するのも「国連中心主義」を外交の原則とすれば、米国の戦争に巻き込まれないという思いがあるのだろう。だが今回の民主党の「テロ新法」反対は「米国の反発」という大きなリスクを伴う。小沢代表も米国の恐ろしさを十分認識しており「ISAFへの自衛隊参加」という代替案を打ち出し米国との間合いを計ろうとしているようにも見える。また小沢代表の東アジア戦略は米国、中国との等距離外交を進める「米中日二等辺三角形論」である。しかしこれも中国利権を巡り米国との間で対立を生む心配もある。いずれにしろ政権交代で「国連中心主義」外交が展開されれば対米追従の「ぬるま湯外交」と異なり、米国や近隣諸国との間でタフな外交を強いられるだろう。しかしタフな外交交渉力が身につかなければ中国やロシア、北朝鮮との間に横たわる外交諸問題の解決は難しい。
2007年10月25日
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臨時国会が10月1日に再開するやいなや「インド洋での海自補給艦の航海日誌破棄問題」や「政府が発表した給油量のミスが4年前に把握されていた事実」、さらに極めつけは「守屋前事務次官と業者の接待疑惑」など防衛省内部のずさんさな管理体制が次々と明るみに出ている。安部前政権では農水省の官製談合や社会保険庁の年金着服などの不祥事が世間を騒がせたが、これらの問題が片付かないうちに今度は厚労省の肝炎患者リスト放置問題や防衛省の不祥事やである。どうやらこのような「ずさんな管理体制」は農水省や社保庁、防衛省、厚労省だけにとどまらず全ての役所に内在する問題なのであろう。国民が「お上」と恐れ敬う役所が何故これ程までに腐ってしまったのか。どうやら今回の守屋前事務次官の例に見られるように「高級官僚」と「業者」、またそれに与する「政治家」らの癒着が根本原因にあるようだ。確かに甘い汁を吸っている「偉い人」の姿を部下の役人が間近で見ていれば、それを真似したとしても罪悪感は全く無いのだろう。また腐敗が役所にはびこっても税金で動く役所は民間企業のように倒産することは無い。こうして役人や政治家による税金ピンはねが常態化すれば行政コストは天井知らずになり国家財政を圧迫するのは当然だ。そして人間社会の常ではあるが、管理体制の緩みは役人同士の抗争を助長し内部告発合戦となり不祥事が世間に明らかになる。このような不祥事は与党が衆参両院で過半数を占めていた頃は、役所が与党政治家を動かし蓋をしてきた。しかし「ねじれ国会」で野党の力が強まるにつれ隠しきれなくなっているのだろう。いずれにしろこのような役所のモラル低下は自民党政権が長く続きすぎ、役所に緊張感がなくなったことが最大の原因であることは間違いない。
2007年10月24日
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年末の予算編成に絡み「道路特定財源」の「一般財源」化が話題になっている。道路を作りたい国交省や道路族は「一般財源」化に反対し、赤字財政や税不足を解消したい政府や財務省は「一般財源」化を目指している。またマスコミは「道路特定財源」のままでは無駄な道路が作られるので「一般財源」化に賛成との論調が多い。しかし「一般財源」化すれば税金の無駄使いが減るという保証は無く「行政コスト削減」の努力が行われなくなる恐れもある。といって今までのように無駄な道路をどんどん作れば良いというものでもない。これに対して民主党は「道路特定財源」の8割を占める「揮発油税」を「環境目的税」とする構想を打ち出している。この構想は「消費税を基礎年金の財源にあてる」ように「温暖化の元凶であるCO2の発生源であるガソリンの税金をCO2削減対策等のために使う」という目的税化であり国民の目には分かりやすい。来年4月には揮発油税に上乗せしていた暫定税率の期限が切れるが、税率維持を巡って政府・与党と民主党の間で激しい火花が散りそうだ。参議院選挙で惨敗した自民党は執行部に道路族の重鎮である二階総務会長や古賀選対委員長を据え、地方対策として道路を求める地方や土建業者の声に応えようとしている。確かに地方の疲弊を救うことは重要だが、民主党には「土建事業」から環境税を活用した「環境事業」への転換を促進する政策も打ち出して欲しいものだ。この分野では民主党と統一会派を組む新党日本の田中前長野県知事の得意分野でもあろう。是非彼の「脱ダム宣言」のノウハウを国政にも活かして欲しい。一方、民主党が政権を取れば「環境事業」が政官業の癒着の温床になるのは明らかだ。そこで自民党の二の舞にならぬよう、民主党の公約には「政権与党は企業献金の禁止」を掲げて欲しいものだ。
2007年10月23日
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現在国は800兆円の借金を抱え、今もその借金は増え続けている。ところで企業経営の視点から財務体質の改善を図るためには1)売上げを上げる、2)単価を上げる、3)コストを低減する、の3つしかない。現在のような競争の厳しい時代は外部環境の影響を受ける1)売上げアップ、や2)単価アップ、は非常に難しい。従って多くの企業は内部努力で実現が可能な3)コスト低減、に全力を挙げざるを得ない。しかしコストを低減するためには社内のムリ・ムダ・ムラを減らさざるをえなく、日産自動車のゴーン社長のようにトップが先頭に立って大胆な機構改革や社員の意識改革を進めなければならない。国家も財務体質を改善するためには1)納税者を増やす、2)増税する、3)行政コスト低減、しかない。しかし経済成長が頭打ちになる中、1)は少子高齢化で納税者は減少し、2)は国民生活を圧迫する。そこでやはり3)の行政コスト低減、が必要で、そのためには総理大臣が先頭に立ち国家(=官僚)機構を改革する知略が必要だ。ところで平成19年の8月に渡辺行革相が「独立行政法人の整理・合理化案」提出を各省庁求めたが「ゼロ回答」だっため、マスコミは「行政改革に対する官僚の徹底した抵抗、意識の低さにはあきれる」と報じていた。しかし民間企業でも部門長に組織合理化案を出せと言っても出るわけが無い。何故なら夫々の部門長は自分の担当する組織は最も合理的と考えているからだ。しかしそれは「部分最適化」であり「全体最適化」にはなっていない。行政の「全体最適化」は民主党の小沢代表が打ち出した「補助金行政の廃止」が好例だろう。「全体最適化」を考えるのは幹部社員ではなく社長であり、行政では官僚ではなく行政トップの総理大臣だ。こんなことが分らないほど渡辺行革担当相もマスコミも馬鹿ではないと思うが、もし分っていたとすればゼロ回答は「やらせ」としかいえないだろう。では何故こんな「やらせ」をしたのか。今の政府・与党は官僚に操られており、国民の手前「官僚と対決」するパフォーマンスはやっても役人の嫌がることは基本的にはできない。過去に自民党がやってきた「省庁再編」などの行政改革も、結局どれだけコスト削減できたかという具体的な数値が挙がったことは無い。これだけ頑張ったから「増税」させてくれという言い訳のために、何の効果も挙がらない「行政改革」をやってきたのが現実だ。それが証拠に現在、行政は肥大化し、べらぼうな借金だけが残ったのである。今回の「やらせ」で最も考えられるのは、消費税などの「増税」のための布石であろう。各省庁に「ゼロ回答」を出させ、一方手なずけておいたマスコミを通じ「独立行政法人の廃止」はこんなに難しいと国民に思わせ、その後小手先の対策をやって、こんなに苦労したのだから消費税アップを認めてという戦略だろう。国民も政府・与党のこんな詐欺に騙されてはいけない。民主党は「談合・天下りの根絶」「特殊法人・特別会計廃止」「公務員労務費削減」「補助金一括交付化」で全体として13兆円の「行政コスト削減」を提案しているが、自民党も民主党と同程度の精度でよいから国民の前に数字をきちんと出して「行政コスト削減」競争をして欲しいものだ。
2007年10月22日
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全閣僚と民主党幹部を対象に政治資金の不透明な使い道について調査した結果が10月20日の毎日新聞に紹介されている。現行の政治資金規正法では、事務所費など経常経費と5万円未満の政治活動費については支出先記入や領収書添付が義務付けておらず使い道が「不透明」となる原因となっている。本調査では「支出した政治資金に対し、事務所費など領収書添付の必要がない支出の割合」を計算し、割合が高いほど「不透明度」が高いとしている。06年分収支について資金管理団体と本人が代表を務める選挙区政党支部の2団体を対象に調査したところ「不透明度」が最も高かったのは何と公明党の冬柴国土交通相の92.1%であった。逆に「不透明度」が最も低かったのは民主党の小沢代表の20.9%で支出総額は4億円と突出して多いが使途の8割は明らかにされている。小沢代表は日ごろ「政治資金は透明性が大事」と強調していたが、まさに「有言実行」を貫いたと言える。いずれにしろ支出の透明度を高めるためには1円以上の領収書添付は欠かせないようだ。一方政治資金の収入について見ると、政党別では自民党が617億円に対し民主党は206億円であり、利権と密接につながる与党の資金収集能力が圧倒的に高いことを示している。また福田総理と小沢代表の個別の資金収集力を比べると小沢代表(2億円)が福田総理(9700万円)の2倍以上もある。双方とも資金の半分以上はパーティー券販売で収入の柱となっている。また福田総理は与党政治家が独占する政官業の利権を武器に企業・団体献金を1705万円集めているが、野党暮らしで利権とは縁の無い小沢代表が4806万円を集めているのは驚きである。米大統領選挙では資金力が選挙結果を大きく左右するため、有力候補者は年間数十億円にものぼる政治資金をパーティー収入や寄付・献金の形で支持者から集めている。まさに資金力と政治力が比例しているといってもよい。日本でも政治資金だけを見ても小沢代表が大政治家であることがよく分かる。
2007年10月21日
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今国会が佳境に入る中で与党内の政局の動きが活発化してきた。例えば外交・防衛面で、政府は「テロ新法」を是が非でも成立させたいと考えているが「イラク向け空母への間接給油問題」や「守屋前防衛次官のゴルフ接待疑惑」など国民の不信を買いそうな事象が次々と発覚している。そのため自民党の一部や公明党は、国会の混乱、解散を恐れ衆議院での2/3再議決に消極的になりつつある。果たして「テロ新法」が今国会で成立するかは微妙な情勢だ。もし法案が来年の通常国会へ先送りになれば、米国は本年中といわれる北朝鮮の「テロ支援国家指定解除」を行い福田政権に打撃を与えそうだ。また内政面では政府が10月17日に開いた経済財政諮問会議で「社会保険制度を維持するために将来、消費税率は最大17・4%が不可欠」との考え方を打ち出した。「増税路線」を積極的に進める自民党の与謝野前官房長官は消費税率引き上げについて「選挙で負けるんだったら、ドーンと上げなくてはいけない」と驚天動地の発言をしている。これに対し前政権で「成長路線」を強力に進めてきた中川元幹事長は「どう考えたって選挙に負けることを前提にした政策なんてあり得ない」と与謝野氏を批判している。しかし中川元幹事長と同じ派閥の町村官房長官は「耳障りのよい言葉を並べればいいというものではない」と「増税路線」を是認している。どうやら政府・与党はを財政再建を選挙の争点の1つに据え「民主党の行政改革による歳出削減策は夢物語」と批判しつつ、責任政党を前面に消費税アップを国民に訴えていく戦略なのかもしれない。確かにここ数年、政府のマスコミコントロールの効果もあり世論も消費税アップを容認する傾向になってきた。しかし定率減税廃止に続く消費税アップは衆議院選挙で政府・与党に打撃を与えるリスクは残る。また与党がそう簡単に政権を手放すとは思えず「成長路線」と「増税路線」の対立は止むことは無いだろう。さらに石油価格の上昇やサブプライム問題など世界経済の情勢が景気動向に影響を与え政局を混乱させることにもなりかねない。
2007年10月20日
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最近の国会やマスコミでの「テロ新法」に対する論議を見ていると「インド洋で活動する海上自衛隊がイラク作戦に従事した米空母に対しても間接的に給油した」のではといった事が問題になっているが、元米軍の当事者の証言や様々な状況証拠から見てイラク作戦に従事した米空母に給油したことは間違いなさそうだ。しかし石破防衛相は「米政府が給油していないと言っている」のでやっていないと嘘をついている。もし給油を認めれば法律違反をしたことになるので政府も黒を白といいくるめようと必死だ。どうやら「核兵器持込」と同じように米政府と口裏を合わせて「給油していない」と主張し続け国民を騙そうとしているのだろう。もともと米軍の作戦領域はアフガニスタン、イラク、イランなど中東全域にまたがっているのにアフガニスタンやイラクなど個別に特措法を作って対応したところに無理があったのだろう。また国民感情を考慮して戦地に「非戦闘地域」という概念を持ち込み自衛隊の派遣を正当化しようとしたことも無理がある。ところで民主党は10月18日にイラクに派遣された航空自衛隊を撤退させる「イラク特措法廃止法案」を参院に提出した。与党が17日に国会提出した「テロ新法案」が衆院で可決され参院に送付された場合は、両法案の審議を参院外交防衛委員会で一括審議する狙いもあると見られる。テロ対策は国際的にも、また日本にとっても重要な問題であることは間違いない。日本も「米国から背中を押されたからイラクやインド洋に自衛隊を派遣する」という発想ではなく、根本的なテロ対策の理念を固め、それに基づいて立法化を進めていく姿勢が必要だ。「テロ撲滅」には民主党の小沢代表が言うように中東地域から貧困を無くすことだ。イラクのサマワに派遣された自衛隊に地元の人たちが望んだのは経済支援だ。やはりイラクやアフガニスタンで日本が出来ることは経済支援や民生支援であろう。問題は治安状態が悪い中で民間人を守るために自衛隊を派遣すべきかどうかだ。国内では国連決議があっても武装した自衛隊を海外に出すことには強いアレルギーがある。他国の軍隊に守ってもらうという選択肢もあるが「日本は汚れ仕事を他国に押しつけている」という批判も出るだろう。また共産党や社民党が主張する「1国平和主義」で日本の安全保障は大丈夫かと言う現実的な問題もある。現時点で与党は「テロ新法」による給油再開のことしか頭に無いようだが、民主党内では「テロ新法」への対案ということで様々な検討が行われているようだ。今後の国会では憲法や国連憲章、日米安保も含めた日本としての「テロ対策」「安全保障」のあり方について与野党間で活発な論議が行われることを期待したい。
2007年10月19日
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民主党の小沢代表は16日の記者会見で、政府が17日に閣議決定する「テロ新法」の対案を参院へ提出するかどうかの質問に対し「未定」と語った。もし国際治安支援部隊(ISAF)に自衛隊が参加するならば法案化が必要だが、党内では旧社会党やテロ特措法に賛同する議員を中心に反対意見が多い。また小沢代表も「ISAFの今の(治安維持の)やり方は賛成できない。治安回復はできていない。紛争の元はほとんどすべてが貧困だ」と述べ、治安維持活動より民生支援を重視する考えを改めて示した。もし自衛隊が参加しない民生支援(すでに現在でも行われている)であれば法案化が必要か微妙だ。ところで10月14日のフジテレビ報道番組で中谷元・元防衛庁長官が海上自衛隊のインド洋での給油活動継続に関連して「活動は国際社会の中で非常に評価されている。反対するのはテロリストしかいない」と述べた。給油活動を正当化するための極論ではあるが、福田総理や自民党は現在の米国流「テロとの戦い」が正しいと信じているのだろうか。アフガニスタンでは米兵の損耗を防ぐためにテロリストの拠点に対し米英軍による大規模な空爆が行われている。しかしテロリストが民衆の中に紛れ込んでいるため空爆によって多くの民間人も殺されている。そのため地元民の反発が強まり、治安維持や民生支援を行っているISAFの活動にも支障が出ているといわれている。ISAFにはNATOを中心に多くの国が参加しているが、米英が主体となって行われている空爆に対する各国の反感は根強く米国によるISAF増派要請を拒否しているのが実情だ。もし日本が自衛隊のISAF参加を打ち出すならば民生支援に限定するとしても「隊員の戦死」など相当な覚悟が必要だろう。小沢代表が言うようにテロは「貧困と暴力」から生まれる。可能であれば米英の空爆を止めさせ、また給油に金を使うのではなくアフガニスタンの経済復興や地元民の生活安定に寄与できるとよい。それができて始めて国際社会の中で評価されるのだろうが専横な米国を説得するのは至難の業かもしれない。
2007年10月18日
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沖縄戦の集団自決について「軍の関与」を覆した教科書検定意見の撤回を求める沖縄県民大会が9月29日に開催された。今回の件は、従軍慰安婦問題と同じように軍すなわち国家が犯した罪を否定し「戦後レジュームから脱却」したい国家主義者の陰謀であり、これに怒った沖縄県民が立ち上がったのだろう。この県民大会を受け民主党内では一時「検定意見の再検討を求める国会決議案」の提出に向け与野党に働き掛けていた。しかし民主党内の国家主義者が「政治介入すべきでない」と反対したり、同党の西岡参院議運委員長が「全会一致が望ましい」と否定的な発言をするなど議論は棚上げの状況にあった。そこで小沢代表は10月16日、沖縄県民大会の実行委員会メンバーと面会。要請書を手渡した仲里委員長に対し「文科省は教科書検定調査審議会を隠れみのにしている。軍の関与があったことは明らかだ。歴史の事実がねじ曲げられた」と政府の姿勢を批判し政府、文科省と闘っていく姿勢を鮮明にした。福田総理も15日夜、教科書検定見直しについて記者団に「政治的に指示したり、ということはできません」と述べたうえで沖縄県民大会の実行委員会が求めた要望事項について「報告は受けました。気持ちはよく分かる。重く受け止めていきたい」と語り、前政権の負の遺産見直しを示唆した。ところで教科書検定は「政治介入」を防ぐために建前上は教科書検定調査審議会の独自性が尊重されている。しかし政府の審議会に出ると分かるが「役人が用意した資料を審議会で形式審議し、最後に審議会委員が拍手で承認する」という方法を採っており、そのため「新議会制度」は政府や役人の責任逃れの仕組みと揶揄されている。今回の教科書検定についても安部内閣の時代に文科省の教科書調査官が「修正を求める意見書」を検定調査審議会に提出し、審議会がそのまま検定意見としていたようだ。どう見ても安部政権の国家主義者が文科省を動かし事実を歪曲したことは間違いない。小沢代表の「文科省は教科書検定調査審議会を隠れみのにしている」という発言はまさに本質をついた意見である。時の政権の意向に左右される「審議会制度」を見直し、このような不条理がまかり通ることを許してはならない。そのためにも早期に政権交代を果たし真に「政治介入」できない仕組みを実現してもらいたいものだ。
2007年10月17日
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「政治と金」の問題に関し最近マスコミが福田総理と小沢代表の例を同列に挙げて非難をしている。福田総理の場合は資金管理団体が行った「領収書の書き換え」や「補助金を受けた企業からの違法献金」を、また民主党の小沢代表については「政治資金でマンション購入」や「賃貸料収入を得ている」ことを問題にしている。しかしマスコミの捉え方は「表面的事象の追及」にとどまり問題の本質を見逃しているように見える。例えば福田総理や閣僚等による「領収書の書き換え」や「領収書コピー2重流用」などは、民間の納税を監督する税務署から見れば脱税(政治資金の場合は税金返還逃れ)が絡んでいると思うだろうが、そこまでの追及は無い。また「補助金を受けた企業からの違法献金」の背景には政治家・秘書と企業の間の癒着がある。今回の「違法献金」は、本来ならば迂回献金させ法の網を逃れる操作をしなかった福田総理側の会計責任者のミスであろう。この件で「政治家による補助金ピンはね」実態が少し明らかになりかけたのに、結局「単純ミス」として扱われた。一方小沢代表の場合は、政治活動以外でマンションを購入し賃貸料収入を得ていれば問題だが、開示された内容を見る限り政治活動に使っていると判断され違法性はもちろん税金の無駄遣いも無い。しかし自民党やマスコミ、御用評論家は「あたかも個人資産を増やすためにやっている」ととれるような発言や報道を行っている。税務署は税務調査などで納税者に対し、重要なのは「書類や形式が整っているかどうか」といったことではなく「活動の実態」がどうかということを指摘する。「政治と金」の報道を見ていると実態追及よりも単なる表面的パフォーマンスや政治的意図などで騒いでいるように見える。しかしこれは「政治と金」だけではなく、例えば「テロ新法」ではイラク向け艦船に給油したかどうかとか、「年金問題」では役人の公金着服を告訴するとか、あらゆる分野で表面的事象や枝葉末節なことばかりが取り上げられる。その結果、政治はいつも対症療法や嘘八百の世界となり、ほんとうの改革が進んでいない。いま政界で本質に切り込んで政策を論じられるのは民主党の小沢代表くらいであろうか。しかし自民党や多くのマスコミは小沢を「原理主義」「国連万能主義」だと捻じ曲げた批判を繰り返すだけである。小沢主義のような考え方が日本政治の本流にならなければ、日本が三流国に成り下がるのは時間の問題だろう。
2007年10月16日
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