since 04/9/17

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2004年10月28日
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 朝、2人の叔父のところに電話を入れました。
 悪くなっている親父の様子を伝えるためです。
 次男のまーちゃんおじちゃんは仕事に出ていて留守。三男のケンおじちゃんは全国を飛び回っているので携帯に連絡。状況を伝えるとケンちゃんおじちゃんは辛そうに「行きたいけど、なかなか行けなくてゴメン」と呟いていました。

 仕事に出て、部長にメールをしました。

 「父の容態はかなり悪くなっており、近い将来看取ることとなりそうです。そこで、お願いなのですが、父の希望もあり葬儀はごく内輪でやりたいのです。父は、以前から葬儀はしないで欲しいと言っていました。葬儀がどういう形になるか分かりませんが、いずれにしても父の親、兄弟に若干の親戚を加えた程度でしめやかに、そしてひっそりと送ってやろうと考えています。そのため、自分としては父が亡くなっても、しばらくの間事務所には知らせないつもりです。… もちろん、部長さんにはお知らせしますが、いっさい他言はしないでください。」

 まだ、部長からの反応はありません。

 仕事を終えて、病室に向かいました。途中、まーちゃんおじちゃんから電話が入りました。様子を伝えると、これから行こうということになって病室で合流することにしました。

 親父は、昨日よりも随分反応も良くて、コミュニケーションが取れているなあと実感できるほどでした。もちろん、他の人が客観的に見れば、そうは見えないでしょうが…


 そうこうしているうちに、まーちゃんおじちゃんが来ました。叔父は親父の顔を見るなり深いため息をつきました。表情がみるみるうちに曇っていきます。
 「もう、だめか…」
 思い雰囲気が部屋を包みました。ボクはこのHPに訪れてくださる皆さんのアドバイスのとおり、明るく「親父はしっかり聞いていますよ。ちゃんと理解もできています。」そして、親父の手をギュッと握り、「分かってるよな!おじちゃん来たよ!がんばってるトコをしっかり診てもらいっ!」と笑顔でいいました。

 笑顔が多少引きつっていたかも知れませんが、親父も叔父も分かってくれたと思います。

 帰り際、看護婦さんに今の状況を叔父に説明してもらいました。看護婦さんは説明の中でガンの末期であり、今は薬でコントロールできているが、いつ状態が急変するかも知れないとハッキリ言いました。

 こうハッキリ言われたのは初めてでした。この看護婦さんの言葉というのは、家族にとても影響を与えるんですね…
 正直、分かってることだけど、それをハッキリ言われると感情的に揺れてしまいますね。ボクもまだまだです。しっかりしなきゃ…

 家に帰り、皆さんからの暖かい言葉を見て、正直涙が出てきました。皆さん、本当にありがとうございます。






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最終更新日  2004年10月29日 10時47分32秒
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Re:嬉しいけれども… 親父のいなくなる日が近いと覚悟しました…(10/28)  
のぶ_さん、つらいですね。。
のぶ_さんが、思い切り心を開放できる場所があるといいなあと思います。
そうしたら、きっと、また頑張れると思う。
頑張るのは辛いですよね。
しっかりするのは辛いですよね。
それがよくわかっているのに、、こんな言葉しか浮かばないです。ごめんなさい。
のぶ_さんは、きっと、いつも、精一杯の笑顔でお父様とお会いしたいのではないかと思います。
お父様のこと、祈っています。
のぶ_さんのこと、応援しています。 (2004年10月29日 20時35分25秒)

peterぺーたーさん いつも励ましの言葉ありがとう  
のぶ_  さん
 う~ん(-_-;)
 つらいといえばつらい…
 悲しいといえば悲しいですよね。

 それは理解してもらえると思います。
 でも、変かもしれないけど、嬉しい時もあるんですよ。親父もものすごく素直に感情を表すし、ボクも親父のことを守っていきたいと思う。
 これほど心が通じ合っている時間は物心ついて初めてじゃないかな…
 親父は不器用な男で、自分を表現することが無かったけれど、今は違う。
 人は最期は赤ちゃんに戻るというけれど、本当に親父を愛おしく思う、そんな一人息子がいたりして…
 我ながら、バカだなって…

 親父が元気な時は、決して無かったことだと思う。
ワケの分からないこと書いちゃいました。

 とにかく、いつもありがとうございます。
 きっと、ここに来てくれて、こんな日記にはメッセージを書く気になれないという方々も多いと思います。でも、そういう方でも、ここに来ていただけたということが嬉しくて、癒されます。
 peterぺーたーさんだけでなく、みなさんありがとう。

(2004年10月30日 00時41分01秒)

お疲れ様です  
蒲公英2004  さん
「奇跡的治癒とはなにか 外科医が学んだ生還者たちの難病克服の秘訣」
バーニー・シーゲル/著 石井清子/訳、日本教文社、1988年1月発行
2,100円(税込)
上記は私が10年くらい前に読んだ本です。
手元に無いので詳しい内容は忘れてしまいましたが、題名が示すとおり医師からは死を宣告された人が奇跡的に治癒した症例から、なぜそのようなことが起きたかについて考察した本です。
最後まで望みを捨てずにいたほうがいいのか、あるいは覚悟を決めてできる限り、心の平安を保ったほうがいいのかは、人それぞれで、どちらが正しいというものではないと思います。
ただ、この世に絶対は無いというか、医師の診断に絶対は無いことは確かだと思います。これは決して医師を軽んじているわけではなく、現代医学は全てをわかっているかのように思われているようなふしがありますが、実際はわかっていない、治療法が確立していない、あるいは対処療法しかないことが多々あります。
奇跡的治癒というくらいですから症例としては、ごくまれということですがゼロではないのです。
専門家が専門的見地からものを言うのは、ある意味当然かもしれませんが、のぶさんほどお父さんに愛情を感じている人が、一縷の希を持っても何らおかしくないと思うのです。だいぶ生意気なことを書いてしまい、気分を害されるようでしたらお詫びいたします。ただ、もし「親父のいなくなる日が近いと覚悟しました」というのにご自分で非常に無理があるようだとのぶさんが尚更苦しいのではないか、自分の気持ちの中に「親父の生命力を信じる」というような気持ちがあっても全然OKだということをお伝えしたかったのです。表現力に乏しいのでどのくらい真意が伝わったか不安ですが、今後もpeterさん同様応援してます。
(2004年10月30日 00時44分12秒)

蒲公英2004さん 情報ありがとうございます  
のぶ_  さん
 確かに「奇跡的治癒」があるとすれば藁をもすがる思いで試してみたい気はします。

 でも、最後まで望みを捨てずにいた方がいいのか、心の平安を保った方がいいのか、正直ボクには分かりません。
 この世に絶対は無い。ましてや、医師の診断に絶対は無いです。それはよく分かっています。

 医師も神ではないですから、得意分野、不得意分野が確実にあります。そして、現代医学の現実は対処療法にしか過ぎないという部分が少なくないことも分かっています。今の治療がまさしくそうです。

 何が親父のためになるのか、分からずにいます。でも、時間は過ぎていき、親父は弱っていきます。日々そのことを考えると結局支離滅裂になり、そばにいてあげることしかできない自分の不甲斐なさを恥じてしまうのです。
 ごめんなさい。やっぱり、結論は出ません。
 また、遊びに来てください。

 いつの日か自分なりの結論が出る日がきっと来ます。

 ありがとうございました。 (2004年10月30日 09時58分53秒)

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