Involuntary picking

Involuntary picking

December 4, 2003
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JazzもRockも忘れて、Flamencoを聴きたい。
夜中に突然そう思ったのですが、コテコテのFlamencoを聴きたいわけじゃない。
Tomatito&MichelCamiloの「Spain」(2000)か、VicenteAmigo「Poeta」(1997)のどちらか。
「Spain」は昨日聴いたので、あっさり「Poeta」に決定。

Poetaの帯に書いてある"新世代のカリスマ"とは良く言ったものだと思います。
このアルバムを聴くとそれが改めて感じられる。

VicenteAmigoはデビュー時から、私のお気に入りのFlamencoギタリストです。
Pacoの後継者であるとか、上のように新世代のヒーロー的な言われ方をするのは
その技術のすばらしさと感性の同居を誰もが認めうる形で表現できるから。


1st「DeMiCorazonAlAire(邦題:我が心を風に解き放てば)」(1991)で示された存在感は、
2nd「VivenciasImaginada(邦題:魂の窓)」(1995)~
4th「CiudadDeLasIdeas(邦題:イデアの街)」(2000)で表現される、
"様式を踏襲しつつも新たな表現方法を見出したFlamenco"とでも言うべき
音楽の中にしっかりと受け継がれています。

中でも3rd「Poeta」(1997)はVicenteの才能、奇抜さが一番はっきりと表現されているアルバムだと言えるでしょう。
フランコ将軍による独裁で、自由な表現などまったく存在し得なかったSpainにおいて、
Flamencoが今でもやや閉鎖的なイメージを伴うのは仕方の無いことであると思いますが、
そんな独裁から開放されてまもなく誕生したVicenteが、その若い才能、感受性を、
新しい表現方法、独自のスタイルで満たしていった事は想像に難くありません。

RafaelAlbertiの詩をモチーフにしたコンセプトアルバムとして、

オーケストラと共に演奏される躍動感溢れるギターは、
アランフェス協奏曲よりも形式ばっておらず、むしろFlamencoの様式を十分に押さえた
まさにSpain発の音楽として、新しい息吹を感じさせてくれます。
パーカッションにはおそらくTabla(タブラ、インドの打楽器)が用いられていて、
こういった試みにも感心させられます。


Cante(カンテ、歌)に彩られるFlamencoの色彩。
それらSpainの産物に溶けこむOrquestaの力強く、包容力のある響き。
VicenteのGuitarrasはより煌びやかに輝き、いつにもまして激しく、情熱的に踊る。
誇張しすぎたような、ある意味大袈裟な表現をする各パート、
だからこそ分かりやすいストレートな主張を全身で受け止めながら、
近づいて細部を探ると見えてくる、緻密な芸術的細工の嵐。
こんな風に表現したら少しは伝わるでしょうか?

曲間で語られる詩。
すべての訳詞が日本語解説に載っているけれど、全く読む気になりません。
いいじゃないですか、オリジナルの響きだけで。

『言葉は時として、言語としての意味が、全く無意味に感じられる場合がある。』
私は常にこう考えているので、決して自分で詩(詞)を書くことはありません。
もちろん詩が、言語としての意味ではなく、音として十分に意味のあるものと思える場合はいくらでもあるわけで、
このアルバムの中に現れる語りを私はそういう観点から聴いているわけです。
それで十分楽しめる、波の音をバックに語られる詩。
オリジナルを、オリジナルの意味で捉えることが出来たなら、どれほど感動が増すことか。

Flamencoに抵抗がある人に聴いてもらいたい、
そしてFlamencoを良く知る人に聴いてもらいたい、
何よりも感動を欲するすべての人に…。
このアルバムはすべてのジャンルを通じて、私の記憶から絶対に消えない一枚です。


私の言葉が何だか ラムズフェルド国防長官の意味不明発言 みたいに思える人とは多分友達になれません(笑)






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最終更新日  December 4, 2003 05:04:49 AM
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