~創元推理文庫、 2008 年~
米澤穂信さんによるノンシリーズの長編です。(ただし、解説によれば続編予定はあるとのこと。)
それでは、内容紹介と感想を。
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病のため銀行員を退職した後、私―紺屋長一郎は、犬探し専門の自営業をはじめた。しかし、紺屋の友人の紹介で訪れた最初の依頼人は、失踪した孫を捜してほしいとの依頼をもちかける。とつぜん、自分の家に孫あての手紙が届くようになった。両親が連絡してもつながらず、仕事も退職したようだ、との内容に、条件面で都合をつけ、依頼を受けることとなる。
一方、高校の部活の後輩、半田平吉、通称ハンペーが事務所を訪れ、探偵に憧れているので雇って欲しいとのこと。その日に別の依頼―古文書の由来を調べてほしい―が舞い込んだため、紺屋はそちらをハンペーに任せることになる。
依頼人の孫はなぜ失踪したのか。調べるうちに、ハンペーの調査も次第にリンクしてきて…。
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数年ぶりの再読です。初めて読んだときの衝撃は忘れられません。
このタイトルから、なんとなくとっつきにくかったのですが、物語は大変読みやすく、また謎が深まっていく面白さも抜群です。
基本的に、紺屋さんの一人称と、ハンペーさんの一人称で物語が進んでいきます。それぞれの調査がつながっていく過程や、村(町)の歴史のひもときなど、面白い要素がふんだんでした。
再読でしたが、伏線が丁寧で、良い読書体験ができました。
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